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2018年7月17日 (火)

映画「バーフバリ 王の凱旋(完全版)」とサマーラリー開始(第917回)

映画「バーフバリ 王の凱旋(完全版)」とサマーラリー開始(第917回)2018・7・17

 昨年12月に上映開始され、現在でも興行収入を伸ばしているインド映画空前のヒット作品。私はこの映画の登場人物の性格の源泉になった巨大叙事詩「マハーバーラタ」は三分の一ぐらい読んでいたので、インド古代の王族の壮大な物語に無理なく没入できた。

 バーフバリとは王の名で、この映画では二代にわたる。マヒシュマテイ王国の政党の王子だった父は暗殺され、その折には赤子だった息子のバーフバリは25年後に民衆の支持を得て王位を取り戻す。この間に美しい王女との結婚、宮中の陰謀などなど、お話はどんどん展開してゆく。

 

 アクション・シーンは多いが、かなりの部分は弓矢を射るところ。父のバーフバリが妻となる王女と二人で矢を連射、子の方は敵の兵士を複数、文字通り“飛ばし”て牙城を突破する。

 

 「ベン・ハー」や「グラディエーター」などの歴史的な超大作と肩を並べる作品と私は評価するが、ハリウッド製と違い、大いに女性を持ち上げている。「国母」と呼ばれるシヴァガミという存在で、ご亭主は差し置いて国を統治している。ドコかの家族に似ているなあ。

 

 25歳の青年になった子のバーフバリが父の死の真相を知って、王に立ち向かう。ここが映画の一つのヤマ場だ。

 

 75日ザラ場の安値21462円が底値で、ただいま反発中。23002円(521日)を上抜くと、明確に上昇相場と認識される。今秋か来週にこのラインを抜く公算大、と私は考える。その場合の高値目標?うまく行けば26000円台。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮田直彦さんは「75日の安値は20166月からの上昇トレンドの下限に到達。現在進行中の反発は、この上昇トレンドが継続していることを示す」としてサマーラリーを予想している。

 

 激化している米中貿易戦争は、私は案外早く終息するとみている。私のワシントンの情報ソースは「共和党の選挙資金スポンサー企業が続々とトランプ大統領に反旗を翻し始めた。11月の中間選挙のかなり前に手打ちする」と。

 

 また北朝鮮の金正恩委員長がポンペオ国務長官訪問時にも顔を出さず、核問題の進展が遅々としているのも、貿易戦争の一つの背景にある。しかしこの方も9月にはメドがつく、と情報筋。

 

 これが順調に行けば、円安はカンどころの1ドル112円のカベを抜きつつあるし、ほかの通貨もみなドルに対して安くなっている。つまり現在起きているのは「ドル高」だ。これが日本株高につながるのは当たり前だ。8月から9月、サマーラリーが続く。

 

 GPIFが上限の日本株保有比率25%を超えたが、ゆうちょ銀行135兆円(株式保有ゼロ)を、次の「クジラ」にする案が一部でささやかれ始めた。一方、中東からのオイルマネーは買いを入れ始め、株式需給は改善している。信用買いの解消売りも減少中。

 

 先日の安値の時の日経平均のPERは13倍を瞬間切った。企業の想定円レートを考えると、収益の上方修正は必至だし、地震や今回の大雨などの被害対策で予備費の支出もある。建設株の一部で耐震、補修を中心とする銘柄は急上昇を始めた。

 

 映画の終わりの歌。「人の断呼たる決意は神も味方につける(中略)。信念を武器に戦うとき、運命も彼の前に膝まづくだろう」。私はバーフバリの様にカッコよくないし強くもないが、201211月以来、ずっと強気を続けて的中してきた。弱気の見方をしてきた投資家は惨担たるものだ。私は強気の信念を曲げない。

2018年7月 9日 (月)

映画「告白小説、その結末」とトランプ貿易戦争でもうかる銘柄16(第916回)

映画「告白小説、その結末」とトランプ貿易戦争でもうかる銘柄16(第916回)2017・7・8


 ことし85歳のロマン・ポランマキー監督の新作でカンヌ映画祭でワールドプレミア上映された。評判がいいので時間をやりくりして観たが、確かに見ごたえ十分の心理サスペンスで私の評価は高い。直前に「ハン・ソロ」なんて凡作を見ちゃった反動もあるが。

 

 女流作家のデルフィーヌは,自殺した母親との生活を画いた私小説で人気作家に。サイン会場で美しい女性ファンが現れエル(彼女の意)と名乗る。

 

 スランプに陥っていたデルフィーヌにエルは的確な助言を与え、世話を焼き、ついに同居する。しかしエルの不可能な行動を始める。ケンカ。エルは家を出る。

 

 その後階段から転落して足を折り、自分で何もできなくなったデルフィーヌは帰ってきたエルに自分の別荘に連れてゆかれ、静かに執筆ができるはずだったがー。

 

 ファンと人気作家の組み合わせが、エルが、私生活に入り込んで作家を支配しようとするため、次第に対立し始める。

 

 オバマ時代に米国から技術と市場をぬすんで世界を支配しかけていた中国が、米トランプ政権になって、明確に「敵」として意識されるようになった。「知的所有権への侵害」ということばは正確と思う。もちろん「北」への圧力も絡んでいるが。

 

 76日、340億ドルの商品への米中の高関税の掛け合いになった。今後どんどんこの貿易関税引き上げ戦争の金額は膨らんでゆく。トランプ大統領は5000億ドルまでもありうると示唆している。

 

 1980年代、米国赤字の55%を我が国が占めていたが、現在16%まで下げた。これには、円取引の自由化、円高、現地生産などで20年以上かかって修正した。46%の中国はまだ人民元の上昇幅も小幅だし、人民元の自由化は全くなし、中国企業の米国での工場建設も見るべきものはない。

 

 それどころか、中国は欧州やフリカ諸国に、資金をエサにインフラ投資を行い、返済できなければ自国のものとするような行為を繰り返している。また大量の学生を米国の大学に留学させ、帰国させて「今度は世界一のIT大国」という目標を誇示している。これじゃあ、弱腰のオバマへの反対が政治目的のトランプ政権が、反中を看板にするのは、無理もない。

 

 ヘッジファンドは早速、いずれは人民元高になるだろうが、とりあえず人民元下落(もちろん上海株のさらなる下落)を狙って、日経平均225種の両建て作戦をとっている。

 第一が人民元安に対して「順」相間、つまり元が安くなると同時に下がる銘柄だ。

 静岡銀行②JFE③大阪太平洋セメント④ヤマハ⑤本田技研⑥スバルテルモ日本通運。たしかにここ1か月の下落幅の3・8%の倍以上株価は下落している。JFE、静岡は12%強の下げ。

 第二は人民元下落に対し「逆」相関、つまり人民元安になると逆に上昇している銘柄だ。

 太陽誘電②JXT③カシオ④武田⑤アルプス電気⑥東洋製缶スカパー⑧富士通。たしかにふたケタもあるしみな4%以上の株価上昇だ。

  この米中の闘争は結局は米国の勝利に決まっている。またグロ-バルな規模に広がらないだろう。

 

  私のワシントンの情報筋は「航空機など米国の主力品目への日欧の報復が始まる前に、同盟国への制裁を軟化させる」。つまり今回の関税戦争が「対中」であることを世界に示すのがトランプ大統領の真意だ、と述べた。

 

  株式市場全体への私の見方は、中国が今後、世界への関与が減り、北朝鮮は恐らく中国から縁を切られ、かつてのソ連崩壊のような「北東アジア冷戦」の終了が「見えて」来た、と考える。

 

  拉致問題も12月には解決。安倍首相は恐らく三選が9月に成立しているが、あえて支持率上昇を確定する目的もあり、解散。総選挙に踏み切って、地方選、参院選に有利な地歩を築くに違いない。 

  総選挙での勝利は株式市場に大きな好材料だ。私の強気は変わらない。

  映画のセリフから。女性作家のボーイフレンドが異常に気付いていう。「いまの君は心に鍵をかけている。早く心を開いてほしい」。いまの投資家は不安で心にカギをかけているが、早く目を見開いて前途に自信を持ってほしい。日本は大丈夫です

2018年7月 2日 (月)

TVドラマ「モンテ・クリスト伯」とサマーラリーとその後の不安(第915回)

TVドラマ「モンテ・クリスト伯」とサマーラリーとその後の不安(第915回)2018・7・1


 ディーン・フジオカ主演の「モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―」が終わった。データニュース社「テレビウオッチャー」発表の“満足度”によると回を追って上昇、視聴率は二けたにはならなかったが、私には楽しめた。

 

 ひと様は私が観ていると話すと、皆が怪訝そうな顔をする。「でも『ブラックペアン』だって『MISSデビル人事の悪魔・椿真子』だって。それに綾瀬はるかの主演ものはみんな見てますよ」「録画して、ね」。とお答えしている。

 

 岩波文庫で7冊のあの大作。私は「巌窟王」でまず簡略版を読み、高校時代に全部読んだ。その時のゾクゾクするような読書の楽しみは忘れられない、3013年のNHKが「100分de名著」を放映した時もまた読んだ。

 

 アレクサンドル・デュマのこの長編は新聞への連載で、休載の日は各地で大騒動の発生するほどだったとか。

 

 ストーリーが何しろ抜群に面白い。主人公の幸福の絶頂からの転落、囚われの身からの脱出、無一文から超超大富豪、そして自分を陥れた三人への復讐―。同時並行で違う場面が画かれ、最終的にはすべてが一つに収れんさせてクライマックスに導く。映画的な手法が使われドラマを盛り上げてゆく。

 

6月最終週は22300円近辺の小幅陰線で終えた。530日に付けた21931円を切るとダブルトップの形になって、一段安の可能性が示唆されるところだったが、連日の日銀のETF買いもあり支え切った。テクニカルには長、短の移動平均が下支えしている。

これを不安な先行きのしるし、と見る向きが多いから、売買量が少ないのだろう。

 

 だが、と私は考える。7月下旬から第一・四半期(四~六月)の三か月決算が続々発表される。日経平均225種の予想一株当たり予想利益前期比5%減益だが、会社側の予想は1ドル105円、だから上方修正になってくるだろう。外国人投資家の先物売りの買い戻しもまだ6兆円も残っている。サマーラリーは相当高い確率で、あると思う。

 

 しかしいまやインネン場となった23000円を抜くに時間がかかっているのは、何といっても貿易戦争、それに中国の人民元と上海株式市場の下落だろう。

 

 ただ、私のワシントンの情報源からは、共和党の最大のスポンサーのコーク兄弟が関税引き上げに反対で、中間選挙に何と民主党に献金する、と言い出した。前回の大統領選挙に1000億円も献金したコーク兄弟の動向だから共和党の上下院や知事の候補者たちが一斉にホワイトハウスに圧力をかけるのは当然。

 

 そこで日本,EUなどからの対米報復制裁発動前にトランプ大統領が「軟化する」。

 

こっちの方はまず大丈夫と思うが、中国の方は習近平国家主席の作戦が失敗に終わるのが目に見えているので心配だ。

 

習近平国家主席のどこがダメなのか。6月に4日北京で開かれた欧米多国籍企業20社首脳との会合で「『欧米では左のほほを殴られたら右のほほを差し出す』と聞いているが、『殴りかえすのが我々の文化』と述べた。(626日WSJ紙)。

 

 要するに一歩も引かないゾとすごんだわけだが、このケンカは中国に分が悪い。まず現在の状況を見ると―。

トランプ米政権は、76日、知的財産侵害に対する制裁として、中国からの輸入品340億ドルに25%の関税をかける。米国側はこのあとさらに160億ドル分を追加制裁し、中国側も同じ日に同額分の報復関税で対抗する、といった具合だ。

 

さきに「分が悪い」と述べたが、米国と中国の貿易を見ると、圧倒的に中国の米国に対する輸出の方が多い。つまり2回目の報復関税で、中国側は手持ちのカードを使い切ってしまうことになる。

 

トランプ大統領はこの状況は百も承知で、中国で報復したら制裁対象額をさらに2000億ドル追加すると示唆している。ケンカの結末は目に見えている。

 

パンチに耐える体力も乏しい。BIS統計によれば中国企業の借入金は昨年末で20兆ドル,GDPの1,6倍。しかも最近企業と金融機関の外国からの借り入れは急増している。

 

これじゃあエドモン・ダンテスがモンテ・クリスト伯に「変身」したあと、三人の悪人を次々復讐し破滅に追い込んだのに似ている。上海株式会社が連日安値を続けているのも当然だろう。もうぶっ壊れている。

 

それでも日本株の方は大丈夫、トレンドとしての上昇基調が明確に見える。

 

そういえば、この大長編の結びの言葉がある。「待て。そして希望を持て」。私もそうしよう。  

2018年6月25日 (月)

映画「空飛ぶタイヤ」と私のある大発見(第914回)

映画「空飛ぶタイヤ」と私のある大発見(第914回) 2018・6・24

 池井戸潤の180万部を売った超ベストセラーの映画化。TVドラマの方はWOWOWとTBSと両方観たが、今回は主人公赤松の息子が通うPTAの部分を抜いて簡略化してある。これで小さな運送会社の社長の、会社社員とその家族を守るための闘いが中心となった。主演の長瀬智也がなかなかいい。

 

大型トレ―ラーのタイヤが脱輪事故を起こし、主婦が死ぬ。事故の理由は「整備不良」。納得できない社長の赤松は真相を解明しようと奔走するうちに、財閥系巨大企業ホープ自動車の隠された秘密にたどり着く。

 

 ところが証拠品と引き換えに、1億円という補償金をホープ自動車は提案してくる。資金繰りがつかず倒産の不安のある赤松にとって、ノドから手がでるくらいほしい金だが、断呼として断る。そしてホープ自動車社内の内部告発もあって、車体設計のミスとリコール隠しが判明する。

 

 会社四季報の夏号が発売された。24日の私の講演会があるので目を皿の様にして読んだが、アレレという事実を見つけた。

 

それは日本銀行(8301)。普通チャートブックに出ていないので、株価なんて知らなかったが、昔は10万円ぐらいしていたかな、というぐらいの知識しかなかった。そして右肩下がりで下げっぱなし、と言う位。

 

 ところが、今年3月に3万3500円の安値があったあと、5月に4万7850円と急騰、チャートでは長大陽線、その後も4万円台の中ぐらい。

 

 この前にも長大陽線があったな、と探してみたら2012年12月、4万円前後から翌年に6万円まで上がっていた。あと「大」ではないが201410月に。これは選挙だろう。

 

 2012年は忘れられない。11月に安倍首相が政権を奪還し、その選挙中にジム・オニールが「We want Abe !!」というメールを送ってきた年だ。

 

 当時ジム・オニールはグローバルなストラテジストのNO・1でBRICSという投資国シナリオを考え出した男として著名。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの会長だった。

 

 「We want-」というのはアメリカの選挙戦の最中に、選挙民が候補者に対し、会合などで拍手しながら呼びかける言葉。我々はあなたの当選を待っているよ、あなたは我々にとって必要な人だよ、という意味だ。

 

 このメールでオニール氏は「円を売り、日本株を買え。これが唯一にして最良の投資作戦だ。」とした。

 

 オニール氏は「これまで円高とデフレ、デフレと円高の悪循環に陥っていた日本経済は、アベノミクスで好循環にはいる」とした。

 

 これにすぐ従ったのがジョージ・ソロス氏。円売り日本株買いで、そのあと3か月で何と90億ドルの収益を挙げた。イングランド銀行と戦って70億ドルと記憶しているから、氏にとっては新記録。ということになる。

 

バカなことに日本の投資家は個人も法人も売って、オイシイところはヘッジファンドに持っていかれてしまったが。儲けそこなった責任は「1ドル50円」説を主張していたあるエコノミストにあると思う。当時日経平均5000円を予想していたストラテジストもいた。

 

 それでは今回なぜ、だろう。日銀株は2012年12月に続いて、今年3月から日銀株は大幅上昇している。

 

 私なりの解釈はこうだ。従前から私の投資シナリオにある「日銀と政府が協定を結んで、無利子無期限の永久債を発行。これで年間利払い費11兆円を財源にして①防衛②国土強靭化③教育無償化などを推進すればいい。つまりニュー・アベノミクスだ。これで先行き日経平均3万円の確度はぐんと上がる。一挙に見とうしは明るくなる。

 

 映画のセリフから。主人公の妻が赤松を励まして言う。「まだ希望は残っているって思ってるんでショ?なら頑張ったら?」はげまされた赤松は全国のトレーラー事故を起こした同業を回り、ついに動かぬ証拠を手に入れる。私の強気は変わらない。それは日本に希望を持っているからだ。

 

今日、私の講演会がありがたいことに盛況で終わりました。ご質問も大変に多く、また宮田さんのパートも好評でした。ご支援を感謝します。

2018年6月18日 (月)

映画「終わった人」と骨太の方針の読み方と私の大きな夢(第913回)

映画「終わった人」と骨太の方針の読み方と私の大きな夢(第913回)2018・6・17

 舘ひろし主演でとても評判がいい。「定年って生前葬だな」とか「夢なし、趣味なし、仕事なし、そして我が家に居場所なし!!」という予告編に誘われてみたが、周囲は中高年のご夫婦連れでいっぱい。大いに笑える上出来なコメディで面白かった。

 

 東大法学部卒で大手銀行のエリートだった主人公壮介(舘ひろし)は、同期のライバルに負けて出世コースから外れ、子会社に出向させられてしまう。そのまま銀行に戻ることもなく、63歳の定年を迎えてしまった。退職して翌日から、時間を持て余してしまう。

 

 公園、図書館、スポーツジムなど、主人公は立ち寄って、そこが780代の老人ばかりでイヤ気がさしてしまう。グチをこぼしてしまい美容師として忙しく働く妻(黒木瞳)から次第に距離を置かれる。職探しを始めると超高学歴、高職歴が災いしてダメ。

 

 そこに新興IT企業から「顧問」になってほしいと誘われ、就任。順風満帆に見えたのだが思いもよらない災難が待っていた。

 

 この611日からの1週間は大変なイベントばかりだった。米FRB、欧ECB、日銀の三大中銀の金融政策、12日の米朝首脳会談、米中の貿易摩擦、その前にG7の激論とトランプ大統領の中途退席、さらにはアルゼンチンの通貨不安、国内ではこれらの巨大ニュースに紛れて注目されなかったが、政府は「骨太の方針」を発表している。

 

 一つ一つコメントする気はもともとない。米朝会談は「政治ショー」だったし、数少ない日本にとってのメリットは拉致問題と安倍さんの金正恩との会談がイケそうなこと、かな。

 

15日に発表された「骨太の方針」はもっと注目されていい、と私は思う。

特に①外国人労働者の積極導入と②財政の弾力化を取り上げてみよう。

 

昨年末の外国人労働者の数は1279000人、労働力人口の4%ぐらいだが、「年20万人から25万人」ふやし2025年には315万人、労働力人口の67%となる。

 それでも団塊の世代が続々70台に入るので年間40万人減少してゆく。20万やそこらじゃあ全体としての労働力は減少。これにAIの効果があるので、私のこの材料に対する直感は、いわゆる「口入れ屋」。人材の紹介会社はますますいい、ということだ。

 

もうひとつの「財政の弾力化」は2020年のプライマリーバランス黒字化目標を2025年に延ばした。同時に消費税を10%に引き上げることも骨太の方針に明記している。

 「消費税」は安倍さんにはイヤな思い出しかあるまい。平成26年の消費税8%への増税は駆け込み需要の反動減が27年度に3兆円。日本経済の停滞を招いた。

 

そこで昨年6月に首相が2度目の増税延期を決断する前、財務省は消費税2%分に当たる5兆円の景気刺激策が持ち込まれたが、それでも首相はOKしなかった。

 

私は2019年秋ごろには①米国景気の景気先行き不安②欧ECBの利上げ予想③中国のますますの景気減速、があるし、2020年にはオリンピック以後の景気に不安がある。10%への増税をやるべきでないと思う。それでも老齢化対策で増税が必要なら、利息ゼロの永久債を日銀と政府の協定を結んで発行、年間11兆円の利払い費の不要分を「財源」にしたらいい。こう考える。防衛費も増えるし、国土強靭化政策も、もつと具体化するべきだ。インフラ整備が中心。建設大手がいい。

 

 幸い、自民党総裁選が9月にある。細田派の96人24%、麻生派は60人15%、二階派44人11%。これに対し石破派20人5%、岸田派47人11%だから、無派閥73人18%が反旗を翻しても安倍さん三選は固い。

 

 石破さんも岸田さんも財政再建派だし、経済重視とはみられていない。だから外国人投資家は内閣支持率が下がると、日本株の比重を下げている。安倍さんの三選が確定的と見られれば、ヘッジファンドが買い始める。外人マネジャーに聞くと「年末までに日経平均24500円」というのが大勢だ。

 

 今回、私が特に大注目しているニュースと銘柄をご紹介する。ペプチドリーム(4587)だ。

 

なぜか。「特殊ペプチド医薬品」の原薬を製造販売する「ペプチスター」の本社工場の建設ガ始まった。この市場は同社によると「50兆円、そのうちの原薬市場の8割4兆円の売上高を目指す」としている。このぺプチスターはペプチドリームと塩野義、積水化学、産業革新機構、三菱商事などオールジャパン体制で10数社が出資し、計200億円の資金でスタートした。来年9月の稼働を予定している。

 

 特殊ペプチド医薬品は次世代医薬品として知られる。天然のアミノ酸に特殊なアミノ酸を人工的に組み込み、さらに環状構造を持たせた特殊環状ペプチドを多様に発生させることができる。これを大量生産する技術をペプチスターは成功し、特許を取得した。同社社長は「10年後、20年後にはこの国の基幹産業に位置づけられるようにしたい」と述べた。(サンケイビズ、614日)。

 

 私の寿命は10年持たないだろうが、この夢は素晴らしいと思う。もちろん海洋開発も私の希望だが、これも加えたい。超長期投資を前提に投資も。

 

 映画の主題歌は布袋寅泰氏の作詞、作曲で今井美樹が歌っている。「あなたはあなたのままでいい」。いい歌だ。ごく一部をー。

 「この先 残る日々は、満ちる夕日 砂時計のように愛をひと粒づつすくいながら 明日を待つの」。わたくしも明るい明日を待つことにしよう。



講演会を開催します。
「黄金株2018セミナー」6月24日(日)13時から16時
場所:ガーデンシティーPremium京橋(東京)
講師は私と三菱UFJモルガンスタンレー証券チーフ・テクニカルアナリスト宮田直彦
氏
お問い合わせ、お申し込みはhttp://frstp.jp/gs180624

6月14日までの早期特別割引は終了いたしました。
残席が少なくなっておりますので、お早めにお申し込みください。
ビデオ受講も可能です。
ご多忙のこととは存じますが、どうぞ奮ってご参加ください。




2018年6月11日 (月)

映画「春の珍事」と米朝会談の行方とトランプ氏サミット中途退席のワケ (第912回)

映画「春の珍事」と米朝会談の行方とトランプ氏サミット中途退席のワケ

(第912回)2018・6・10

 巨人がダメなゲームばかりしているので、今シーズンはまことにつまらない。代わりに大谷を観ることにしているが、今度はケガ。投手でも打者でも成績を上げているんだからやはり楽しいから早く治ってほしい。DVDで私の好きな野球もの映画「春の珍事」を観た。1950年公開の古いものだが。

 レイ・ミランドは野球好きの大学の先生で専門は化学、実験中に校庭からボールが飛んできて化合させていた数多くの薬品がメチャメチャに。

 ところがその薬が染みたボールを何気なく転がしてみると、木を避けてゆく。試しに校庭で投げればボールは木のバットを避けるので、野球部の選手も打てない。

 

 そこで先生はこの薬をヘアトニックの瓶に詰めて大リーグに乗り込み、一躍有名投手になる。グローブに穴をあけて、薬を染ませて布を隠しボールに塗って投げるから、どんな強打者でも、バットに当たらないのである。

 

 次第に薬はなくなるが、偶然できた薬なので作れない。ついに薬は切れ、先生は打たれ始めて大ピンチ。しかし投手ライナーを右手で捕ってゲームセット。優勝。素手でキャッチしたので手を痛めるのだが、現実には薬がなくなった先生にとってはラッキーな結末になった。 恋人とも結ばれハッピーエンド。

 

 DVDで観ながら私は「この先生、イカサマ薬を使ってうまいことして、まるで金王朝のイカサマじゃないの」と思った。

 

 核開発、ミサイル開発を続けながら、時々「核放棄」の約束を行い、代償として経済援助を取り付けるが、現実には嘘っぱちで、時間稼ぎで上流階級は、いい思いをしながら、核開発を続ける。これを繰り返して金王朝は国民に惨めな生活を続けさせつづけた。

 

 中国が昨年の党大会まで、チャイナ・セブンの中の三人が石油閥、江沢民派、「北」シンパで原油などの供給があったことが、制裁の抜け穴になった。

 

 ところが習近平独裁時代で「北」派三人はクビ。昨年10月以降、まずジェット燃料、次いで原油も供給が絞られ、ついに平壌には木炭自動車まで、走り出した。外貨準備も2月には底をつくことが分かったので1月から平和攻勢に転じた。冬期五輪参加、南北首脳会談、そして米朝会談、2回の訪中といった具合だ。

 

 私がワシントンから聞いた話では、習近平は金正恩に巨額な借款を与える約束をした、とか。国連制裁があるので、中国共産党と朝鮮労働党との合意にしているらしい。

 また中朝両国間の物流も大幅に緩和されているが、これも民間主導という形でゴマカしているそうだ。

 

 これを見逃す米国じゃない。トランプ・ツイッターで「最近、中朝国境に『穴』が開いているそうだ。それは協定が結ばれた後の話だ」「金正恩は訪中してから大きく変わった」と牽制している。

 

 また5月19日の韓国文在寅大統領との電話会談で「板門店会談であなたが聞いた金正恩発言と最近の「北」の行動が違うのはなぜか」と聞いたそうだ。とっさに私は文在寅統領の「仲人口」だと思った。双方にうまいことを言って何とか縁談をまとめようとするウソだ。これかも知れない。ま、12日の結果待ち、ということか。

 

 ところで8,9日のG7サミットと「貿易戦争」について。マスコミが、どこも報じないが、そろそろ終戦、という情報があったのでご紹介しておこう。 これがあったので、トランプ大統領はサミットに最後までいないで中途退席になった。ご存知?

 

貿易戦争は、米通商拡大法232条が米国大統領権限で発動できることになっていることから始まっている。トランプ氏は中間選挙対策にと思って、例の鉄、アルミから始まって関税引き上げを発令し始めたのだが、これはとんでもない所からブレーキがかかった。

 

 米国で「コーク兄弟」といえば知らぬものはない超巨大富豪で、二人合わせて資産1200億ドル。兄弟別々にランクされるから一人での600億ドルは第8位だが、1位のアマゾンのオーナーのジェフ・ベゾス氏の1120億ドルを二人合わせると抜く。もちろんビル・ゲイツ氏の900億ドル、ウオーレン・バフェット氏の840億ドルを抜く。

 

 この二人は2016年の大統領選で共和党にに8億8900万ドル(1000億円)を選挙資金として投入した。

 

 そのコーク兄弟が今回の関税引き上げに猛反対で「民主党に資金を回す可能性」が報じられている。とりあえず数百万ドルを投じて、関税引き上げ反対キャンペーンを開始した(6月4日ワシントンポスト)」。

 

 中間選挙の予備選が始まっている現在、大手資金供給者が叛旗を翻したのだから、トランプ氏の腰が引けたのは当然。ツイッターで「米中両国は最終的には関税を賦課しないで終わる可能性」まで触れている。Gセブンで引っこめたいのだが、そうそう簡単に止めます、ともいえない。そこで中途退席と相成ったというわけ。おわかりか?

 

 東京株式市場にさっそく反応が出ている。半導体関連や電子部品製造機器メーカーは「貿易戦争関連」として3月に売られたが、現在は買い戻しで株価は急回復中。

 

円安、日本株買いで近いうちに節目の2万3000円を抜いて驀進する可能性が出て来た。

心配は米アップルとフェイスブック片や、台湾への部品発注減、片や情報漏れ、それにドイツ銀行だけ。日本株?大丈夫に決っているじゃあないですか。

 

映画のセリフから。右手を痛めて引退を余儀なくされて主人公にチームの仲間がなぐさめる。そこで「引退がいいことである事も世の中にあるんだよ」。大騒ぎになり、世界不況の引き金と騒いだ関税引き上げの問題は、かくて終わり。さてどう幕引きをするのやら。


講演会を開催します。
「黄金株2018セミナー」6月24日(日)13時から16時
場所:ガーデンシティーPremium京橋(東京)
講師は私と三菱UFJモルガンスタンレー証券チーフ・テクニカルアナリスト宮田直彦
氏
お問い合わせ、お申し込みはhttp://frstp.jp/gs180624
6月14日まで早期特別割引をいたします。ビデオ受講も可能です。
ご多忙のこととは存じますが、どうぞ奮ってご参加ください。

2018年6月 4日 (月)

映画「無防備都市」とG・ソロスが、送ってきたメールとイタレグジット(第911回)

映画「無防備都市」とG・ソロスが、送ってきたメールとイタレグジット(第911回)2018・6・3

 第二次大戦中の1944年に撮影が開始されたロベルト・ロッセリーニ監督の伝説的な名作。ロケ第一、素人俳優起用というネオリアリズモの原点でもある。

 失脚した独裁者ムッソリーニを傀儡政権として担いだナチス・ドイツ軍はイタリア全土を占領し、抵抗するレジスタンスを弾圧する。指導者の拷問による無残な死。ひそかに運動を支援していた神父の銃殺。そして婚約者が連行されるトラックを追いかけ、虫けらのように射殺される女性。

 

 観客を感動させたのは、死の瀬戸際でもなお人間の心を失うまいとする人々の姿とナチスへの怒りだ。

 

 5月29日欧州発世界株価暴落の売り材料は①ヘッジファンド大手のブリッジウオーターのトップのレイ・ダリオ氏の欧州株特にイタリア銀行株の大量売り②前日のジョージ・ソロス氏パリでの講演で「難民排除に傾く伊政権の失策がユーロ危機を再来させる」と警告、の二つとされている。

 

 ソロス氏から私に送られてきたメールをよく見ると、従前からの氏の主張の「何か次に予想外の圧力がかかった場合、EU分裂」といっていたのが「もはや過酷な現実だ(この表現を3回も使っている)」と。たしかに強い警告になっている。

 

 現在のイタリア政局は不安の塊だ。議会で多数派を占める「五つ星運動」と「同盟」は、反EUの流れ。だがマッタレラ大統領はIMF元財務局長を指名した。

 このため8月または9月に再選挙が実施され、反EUかEUとの協調か、イタリア国民は事実上の国民投票を迫られる。これを反映してイタリア国債のCDSスプレッドは一気に2011年の国債破綻危機時の水準に急騰。10年ものイタリア国債利回りは5月初めの18%が3%台半ばに上昇している。

 

 ヘッジファンドのある大手は、ブリッジウォーターのCEOが「国民投票の確度が高まっている」とのインサイド情報を得て、イタリアの銀行株の大量売りを始めた」と。この大手の動きに雷同した中小HFが、ついでに日本株迄先物を売り始めた。そこで29日と30日合わせて460円の日経平均大幅下げにつながった。

 

 では、この世界的な株安に永く続くのか。

材料となるのは「イタリアもEU離脱」が本当に起き、ユーロがメチャメチャに安くなり続くか、だ。

 昨年11月のEU「ユーロ統一通貨意識調査」を見るとイタリアのユーロ賛成派は59%で反対派の30%。

 

 同調査での「EU離脱」への楽観派(離脱しない)は50%で悲観が40%。

 ちなみに英国のEU離脱当時は楽観派43%より悲観派43%より悲観派の49%が上回っていた。

 

 日本の元財務相高官も「ECBの国債保有額のGDPEは日銀よりはるかに低い.買い余力があり、イタリア国債の買い入れに不安はない」。

 

 私は大ごとにならず、HFの”仕掛け“は一見成功したように見えるが、せいぜい23週間、と見る。下値は日本株の場合、もう届いていると考える。23000円につっかけるときのスピード調整に過ぎないだろう。いぜん私は強気だ。

 

 映画のセリフから。映画のラストでドン・ピエトロ神父は「立派に死ぬのはたやすいが、正しく生きるのが困難なのだ」と言い残して銃殺される。83歳になろうとしている私には死ぬのも大変なことは周囲の例を見るとわかるような気がする。立派にまた元気で仕事をし続けたい。

講演会を開催します。
「黄金株2018セミナー」6月24日(日)13時から16時
場所:ガーデンシティーPremium京橋(東京)
講師は私と三菱UFJモルガンスタンレー証券チーフ・テクニカルアナリスト宮田直彦
氏
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6月14日まで早期特別割引をいたします。ビデオ受講も可能です。
ご多忙のこととは存じますが、どうぞ奮ってご参加ください。

2018年5月28日 (月)

映画「眼下の敵」米・中・朝のカード切り合い(第910回)2018・5・27

映画「眼下の敵」米・中・朝のカード切り合い(第910回)2018・5・27

 今どきは新作のいいのが少ない。「狐狼の血」はガッカリだったので今週は「レディ・プレイヤー1」の2度目。このコラム用はDVDで私が見たかった潜水艦ものの傑作の「眼下の敵」を観た。1957年の作品で、ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンス主演。監督はデイック・パウエル。みんな故人になってしまった。

 

 アメリカ駆逐艦とドイツ潜水艦が秘術を尽くして戦ううち、艦長同士がまだ見ぬ敵を尊敬しあうというストーリー。「こいつら、アマチュアじゃないな」というミッチャムのセリフは、当時高校生の私はシビれたものだ。

 

 ご存知の通り、トランプ大統領のドタキャンで、米朝首脳会談が6月12日に予定通り開かれるかどうか、世界中が注目している。

 「北」としては、いつもの通り揺さぶりをかけていたところに予想外のパンチで驚いただろう。しかしその後の反応は素早く、金桂冠外務次官が談話を発表した。

 

 反発すると思いきや、「関係改善のための首脳会談が切実に必要」で「(トランプ大統領を)内心では高く評価していた」とゴマをすり「(米国案を)賢明な案と期待していた」。へええ。

 そのうえで対話の扉は開かれていることをアピールしているのだから、ともかく、どうぞよろしくお願いします、という内容だ。今やボールは「北」のコートにある。今週中にも回答があるのではないか。まあ、勝負あり、じゃないか。

あと何十も追加制裁をやるゾ、とか「北」さえ言ってくれば6月12日に会ってもいい、とか、まあアメもムチも十分だ。

 

 ワシントンの私の情報源は「会談キャンセルの最大原因は米朝両国の認識の乖離だが、次は中国の独断専行だ」と。

 具体的には、勝手に経済制裁の一部を解除したり、在韓米軍撤退を「北」に促すなど、中国の独断専行に対し、政府首脳は「アタマに来ている」。そこで6月にハワイ沖で開催する予定の環太平洋合同演習(RIMPAC)に中国を招待しないことを決めた。またトランプ大統領のツイッターでは「中国との通商協議の完了は国難、最終的にはこれまでと異なる仕組みを考えなくては」とした。

 

 これらの動きと株式市場との動きは次の通り。

 米国では軍需株が小幅安

 韓国では生コン、セメント、建設株が10%以上の急落

 日本ではトヨタなど自動車株下落、対ドル、対ユーロ小幅円高。

原油,銅は安く、市場には戦争ムードはどこへやら、といった状況だ。少なくとも緊迫状態ではない。

   まあ、世界の投資家は様子見。来週の展開待ちだろう。

 

 映画のセリフから。ミッチャム艦長が言う。「破壊と苦痛に終わりはない。不死身の蛇のように、頭を切り落としても変わりが生えてくる。」少なくともこれ迄は、金王朝三代が続いたが、これからどうなるやら。

2018年5月21日 (月)

映画「万引き家族」と対北朝鮮ふたつの特需

映画「万引き家族」と対北朝鮮ふたつの特需(第909回)2018・5・20


 カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品された21本の映画の中で、この「万引き家族」が最高のパルムドールを獲得した。是枝裕和監督は5年前のカンヌで審査委員賞を獲得した「そして父になる」のテーマを再び取り上げ、見事栄冠を獲得した。

 

 テーマになっているのは、ある問いかけだ。家族を家族たらしめているのは「血」か、あるいは一緒に送った時間なのか。

 

 映画は、祖母初枝(樹木希林)の年金と万引きで生計を立てている家族が、寒さで震えていた幼い少女を家に連れてきたことから始まる。

 今にも崩れそうな狭い家の中で、仲睦まじく暮らす彼らの日常を突然の危機が襲う。

 

 是枝監督は、「本当の家族とは」という記者の問いに「永遠に一緒にいられなくても、共に過ごした時間が、それぞれの人生の中に深く刻印されること。そのこと自体が家族なのではないか」と答えている(中央日報5月17日)。

 

 いま、朝鮮半島の南と北で「血」が強く意識されている状況だ。今月末には韓国文大統領直属の北方経済協力委員会が「新北方政策」のロードマップを発表する。「北」の完全核放棄を引き換えに、経済再建を援助することになる。膨大なインフラ投資が必要だ。

 

 去る13日米ポンペオ国務長官はフォックスTVのインタビューで「北が核を完全に放棄すれば米国の民間企業による投資を認めるかもしれない」と述べた。ポンペオ長官はインフラ、電力を中心としたエネルギー、農業の三分野が「北」にとって最も重要という認識である。ボルトン国家安全保障担当補佐官も同じような発言を行っている。

 

問題は巨額な投資をどこが負担するか、だ。アジア開発銀行(ADB)がどこまで負担に応じるか不透明。94年のジュネーブ合意の場合には、韓国が「北」に建設された軽水炉発電所の費用の7割を負担した。1兆6400億円(16兆ウオン)

 

 今回はどうか。これまでとはケタが違いそうだ。鉄道、航空路線、電力、ガスーどれも数兆円から数十兆円になりそうだ。しかも「北」はかつてのような衣料、縫製などではなく、ハイテク産業や造船所を望むのではないか(朝鮮日報5月15日)という見方もある。

 

 韓国政府は2014年、北朝鮮の鉄道開発だけで8兆5000億円、と必要額を推定している。また2005年に韓国政府は「北」に200万KWの送電を提供したが、3300億円かかった。その後「北」の電力網の老朽化はひどく、漏電率は何と70%に達しているといわれる。現在の「北」全土の電力網改修には少なくとも10兆円はかかるだろう。また軽水炉方式の発電所建設は一基当たり3600億円かかるので、何基も必要とすると1兆円以上はかかる。(この北朝鮮特需が日本の出番になるんです。これホント)

 

 一方、NY株式市場では最悪のケースを想定した「北朝鮮特需銘柄」が動き出している。ヘッジファンドのごく最近の動きをご紹介しておくと、今回の南北閣僚会談キャンセルはひょっとすると米朝首脳会談の延期またはキャンセル、交渉決裂になり、限定的だが攻撃準備が始まるかもしれないとみる。そこで米軍の限定攻撃関連銘柄を早くもサービス会社が作成、大手ヘッジファンドは16日から買い始めた。これも「北朝鮮特需」だ。

 

 具体的には、レイセオン、ロッキード・マーチン、ウエスコ・エアークラフト、クラトスディフェンスなど。すでにこれらの特需銘柄は17,18日の両日に上昇している。

 

ただし、先日のポンペオ訪朝の折、6月12日の会談の4週間前から1週間おきに進捗状況を相互報告すると合意。15日には「北」から順調に準備を進めていると連絡があった。これが22日の相互報告で「北」がどんな対応をしてくるか、米国政府は待ち受けている。

 

ただ、トランプ大統領から安倍首相に「対北朝鮮の経済制裁解除後の日本による経済援助の検討を進めてほしい」と連絡があった。このことは日本人の拉致被害者解放を意味するし、安倍訪朝までトランプ大統領が決めてくれることを意味する。当然、安倍おろしクーデターは、お気の毒だが大敗北だ。政権不安で売っていたヘッジファンドは買戻しに入るだろう。来週22日に北から連絡がこないで「凶」と出れば別だが、円安日本株買いが続き、9週連騰になるだろう。

 

映画のセリフから。母信代(安藤サクラ)が妹に言う。「血がつながっていない方がいい時もあるじゃん」「そうね。期待しないだけ、ね。」株価の方は大いに期待してください。

 

ご報告です。6月24日()会場は未定ですが、東京でフォレスト出版主催で講演会を開きます。くわしくは来週以降に。とりあえず。

2018年5月14日 (月)

映画「第三の男」と米朝首脳会談と三方一両トクの「落とし所」と原油価格・金利・株(第908回)

映画「第三の男」と米朝首脳会談と三方一両トクの「落とし所」と原油価格・金利・株(第908回)2018・5・13

ご存知の名作中の名作で、グレアム・グリーンの原作をキャロル・リード監督が映画化。私はこの2週間、お子様向け映画を見る気がしなくて、DVDで好きな映画を観た。

 

西部劇小説の作家ホリー・マーティンスは、古くからの友人ハリー・ライムを訪ねて第二次大戦直後のウィーンにやってくる。しかしハリーは直前に交通事故で死んでいた。

 

 ウィーンは米英仏ソ四か国の共同統治下にあったが、英国軍のキャロウェイ少佐はハリーは悪質なヤミ屋だったと告げる。怒ったホリーは友人の身のあかしをたてようと調べるうちに、不審な「第三の男」が浮かび上がる。

 

実はハリーは生きていた。水で薄めたペニシリンで荒稼ぎしていた。正義感とハリーの愛人だったアンナへの恋心から、ホリーはキャロウェイ少佐の指示で友人をおびき出すおとりになる。地下水道で追い詰める少佐ハリーは手負いになりホリーに撃たれて死ぬ。

ハリーを埋葬した後、アンナは待ち受けるホリーを見向きもせず中央墓地の並木道を歩き去る。アントン・カラスのチターの音楽が素晴らしい。

 

後年英国人の友達にこの映画の話をしたら、「あの作品には実に英国人らしいテーマがあるんだ」「何?」「平凡で二流の善人と、魅力的な悪人と、女性はどちらを選ぶか、さ」。

たしかに、オーソン・ウエルズ演じるハリー・ライムの方がジョセフ・コットンの二流小説家よりも魅力的でアリダ・ヴァリがホレるのも当然に見えた。

 

いま、本来悪役なのに必死で善人ぶって演じているのが金正恩委員長。私は朝鮮日報で読んだが「4・27南北首脳会談に先立って、北朝鮮のハッカー組織ヒドウン・コブラが韓国消費社院などに大規模なハッキング攻撃を行っていた(5月8日付)」。南北首脳のあの親善ぶりの準備中だった。

 

この北朝鮮ハッカー組織は昨年5月に全世界で30万台のコンピューターを感染させた「wan nCry」事件を引き起こしし、バングラデシュ中銀や米FBへのハッキング攻撃も行っている。どこに「敵対的行為中断」の合意があるのか。

 

こういう相手だから、米国側も確かに準備おさおさ怠りないように見える。イラン核合意からの離脱表明は「非核化合意が不十分なら、米国は決して受け入れない」というメッセージだろうし、ポンペオ再訪朝も同じ文脈だ。「北」側も金委員長が早速大連に飛んで中国に援護射撃を頼んでいる。3人の解放も同じ。一枚のカードをすでに切らされている。

恐らく米国が北に要求するCVID(完全で、検証可能、しかも不可逆的な核兵器の廃絶)とミサイルの廃棄を中国を検証してもらう。そこいらを妥協点というか落としどころになって、中国軍が正式に駐留する形になる。これも私の想定だが、中国は在韓米軍(3万人弱)と同程度の軍隊を駐留させて均衡をとるのではないか。

 

金正恩としては自体制が維持できるし、習近平は「北」を支配することが出来て得点になる。トランプはトランプで、CVIPを通したのだからメンツが立つ。三方一両得、だ。

 

例によって「日本仲間外れ」説がそうなると出てきそうだが、全くそんなことはない。安倍さんがトランプにキチンと中国を含めた世界中の対「北」制裁を推進することの重要さを納得させたのが、今回の事態の始まりだ。このために「北」は手持ち通貨がほとんどゼロになり、の木炭自動車まで出現。和平姿勢に切り替えざるを得なくなった。

 

平和的な「次」の事態に変わったら、日本のカネを当てにせざるを得ない。かつての対韓国の場合は、円借款と有償合わせて5億ドルだったが、1960年代と現在ではおそらくケタが二つ、違うのではないか。

 

私は本モノの重電機は中国も韓国も作れないので、日立、三菱電機や部品もいいと予測する。円借款なんだから日本企業が有利に決まっている。

 

映画のセリフから。ハリー・ライムがいう。「ボルジア家の圧政と暗殺の時代にレオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ひいてはルネサンスを生んだ。一方スイスは500年の平和と民主主義の成果は何だった?鳩時計だよ」。オーソン・ウエルズのアドリブらしいが。

 

オーソンの存在感は凄い。彼の出番はすべてさらってしまう。ジョセフ・コットンと乗った観覧車の中でいう。「誰も人類のことなんか考えてない。政府は人民と呼び、オレは野郎とかカモというが、結局同じことさ。」三人の首脳たちは、自分の国の中間選挙や国内の体制固め、それに自分の首が斬られないよう、それぞれの理由で動いている。人類とか世界とかという言葉は頭の中にないようだ。

 

1週お休みしたので、サービスに原油高と、つれ高して3%を超えた米国長期金利について一言しよう。

結論。OPEC、とくにサウジやUAE、クウエートが、在庫を「表面上」少なく見せるため、タンカーに積んで隠す「飛ばし」が行われている。

 

数字で示すと、昨年1月には3億4000万バレルあった原油在庫はわずか1年間で1500万バレルに減少した。原油価格が15%上昇した背景になった。

 

この数字の意味について述べよう。昨年1月の在庫はOPEC生産の10・6年。現在発表されている1500万バレルはOPEC月間生産量の47%に過ぎない。

本当にそんなに劇的に在庫が減少したかというと疑わしい。原油をタンカーに積んで「飛ばし」ているからだ。

 

衛星で見た世界のタンカー係留隻数は中東海域で2月の204隻が4月末には278隻に74隻も増えている。米国は1隻、上海で10隻、欧米1隻、ナイジェリア3隻の増加だから犯人は明らかだ。

 

1隻当たり97000トンとすると飛ばし在庫は6838万バレル。

 

コストはバレル54ドル程度だから、含み益はバレル145ドルで、在庫飛ばし3か国は30億ドルを超える利益が出た。

もちろん原油価格高は①米国と連合国のシリア空爆②米国の対サウジ核リアクターの技術供与③米サウジの動きに刺激された異端の核開発再開。それに④トランプ政権のイラン制裁離脱も中東不安材料として買い材料となったのは確かである。

 

しかし216日以降の原油価格上昇の主因がOPECの在庫急減ニュースだっただけに、きわめて怪しげな「砂の城」のように見える。トランプ大統領にこの事実をツィッターで激しく糾弾して、いったん原油高=長期金利上昇は足止めされたが、ここ、23日再びともに、上昇に転じた。NYダウは上伸したが、これは反落を予想しているからだろう。

 

日本株式市場はSQもあるが、この原油高をまともに受けて強含み横這いでの推移となった。原油高と政治不安を理由にしているが、これはほぐれ始めるだろう。私は強気姿勢を変えていない。原油安が再び日本株買い材料になる日は近い。

 

もうひとつ。柳瀬喚問で漸く国会が動き出したのは大きい。外国人投資家は長期安定政権に不安が出たここ半年間日本株を売っている。柳瀬氏は追及を切り抜けている。これも6兆円の先物売りの買い戻しの材料になるだろう。

 

もうひとつ、ある大材料があるのだが、それはナイショ、来週以降に。

最後にお詫びしなければ。先週予告なしでお休みして、ファンの方からどうしたんですか?とお問い合わせがあり、恐縮しました。私は元気です。

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