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2026年3月 2日 (月)

トランプ新税制のわが国へ影響。台湾への中国本土からの攻撃の時期、最後に円安サマサマ発言を検討する 2026・3・1 (第1314回)

トランプ新税制のわが国へ影響。台湾への中国本土からの攻撃の時期、最後に円安サマサマ発言を検討する 2026・3・1 (第1314回)

 

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毎日新聞より>

 

「一般教書」をTVで観ていた。感想は「よくもこれだけオイシイ話を並べたなア」というものだった。

 

新関税の方は、日本人としてもちろん多大な関心をもたざるを得ない。

 

野村証券金融ITイノベーション事業本部のエグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんの資料を使わせて頂く。

 

新関税への移行の経済効果は国によって異なる

2月20日に米最高裁が緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税は違法との判断を示したことを受け、相互関税は2月24日米国東部時間0時1分に失効する。税関(CBP)も 2月24日から関税の徴収を停止する(コラム「最高裁による違法判決でトランプ関税の不確実性が再び高まる。関税全体の合法性が問われ、関税の行き詰まり感が強まる方向」、2026年2月24日)。

一方トランプ政権は、24日に相互関税に代わる、通商法122条に基づく新たな関税を全ての国に対して10%の水準で導入する。さらに、時期を明示していないが、その関税率を15%まで引き上げる考えも示している。

日本の相互関税率は15%であることから、新しい関税率が10%となれば、関税率は引き下げられることになる。それは、実質GDPを1年間で+0.125%押し上げる計算となる。ただし、早期に関税率が相互関税率と同じ15%に引き上げられれば、プラスの経済効果はほぼ生じないことになる。

他方、相互関税に代わる新関税の導入が経済に与える影響は、国によって異なる。相互関税が10%よりも高い国には、新関税の移行は関税率を引き下げ、プラスの経済効果をもたらす。例えば、カナダ(相互関税率:35%)、メキシコ(同25%)、中国(同30%)、EU(同15%)、韓国(同15%)、台湾(同20%)、ベトナム(同20%)などである。

一方、英国は10%の相互関税率であり、その他多くの小国も相互関税の一律部分である10%が課されている。そうした国にとっては10%の新関税に移行しても関税率は変わらない一方、それが15%に引き上げられれば、マイナスの経済効果が生じることになる。」(&N未来創発ラボより)

 

「貿易加重平均で見た相互関税率は、現時点で21.2%と計算される。従って、これが10%あるいは15%の新関税に移行すると、世界の平均関税率はその分低下し、世界経済にはプラスの効果をもたらす。

そこで、経済協力開発機構(OECD)によるモデル計算結果を用いて、新関税への移行が主要国の実質GDPに与える影響(3年間の累積効果)を試算した(図表)。

世界の実質GDPへの影響は、新関税が10%の場合には+0.31%、15%に修正される場合には+0.17%となる。

経済効果が大きいのは、相対的に高い相互関税が課せられていたメキシコ、カナダなどである。また、トランプ関税の9割は米国企業、個人が負担していると試算されるなか、関税を課す側の米国も大きめのプラスの経済効果を享受する。米国の実質GDPへの影響は、新関税が10%の場合には+0.81%、15%に修正される場合には+0.45%となる。

最高裁による相互関税の違法判決は、トランプ政権にとっては打撃となったが、米国経済にとってはプラスであり、それは11月の中間選挙で与党・共和党にはプラスとなるだろう。

日本の実質GDPへの影響は既述の通りであるが、それは直接的な影響を試算したものだ。OECDのモデル計算に基づく試算では、関税率の変更が他国の経済に与える影響が、輸出の変化を通じて日本経済に与える効果についても反映されている。1年間ではなく3年間の効果である。日本の実質GDPへの影響は、新関税が10%の場合には+0.39%、15%に修正される場合には+0.22%となる。」(&N未来創発ラボより)

 

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&N未来創発ラボより)

 

ついでに言っておく。昨年からわが国は国運上昇の40年サイクルの好循環に入っている。

 

次に紹介したいのは一橋大学の藤田勉教授のコラムである。この人は上智大卒で私の山一証券経済研究所の外国企業調査課長時代の新人だった。

山一がなくなってから、本当によく頑張ってくれた。次に紹介するのは「円安メリット」説である。

 

「高市首相の言う通り「円安でホクホク」である。日本は金融資産大国であり、株高と円安の大きな恩恵を受ける。GPIFの運用資産は昨年末293兆円と2020年3月末151兆円からほぼ倍増した。外貨準備は約220兆円、日銀のETF残高は100兆円弱(50兆円前後が含み益)と見られる。これが、国家財政の改善に大きく寄与している。国の連結財務諸表の最新版は2024年3月末とやや古いが、この時点の国の債務超過額は527兆円である(負債総額は1571兆円、国債などの残高は1152兆円)。2023年度の円安と株高の効果で有価証券が62兆円値上がりし、債務超過額は1年間に54兆円改善した。おそらく、それ以降の大幅な円安と株高の恩恵を受け、債務超過額は大きく減少していることであろう。円安が物価高の主因という懸念もあったが、東京の1月のインフレ率は総合が前年同月比1.5%、除く食料・エネルギーは同1.4%と、杞憂であることが確認された。自民党圧勝、高市円安で、世界の株式投資はますます儲かることであろう。」(藤田氏のFBより)

 

この人はNYに永かったので米国事情にもくわしい。

 

「円安ホクホク相場は続く。今年1月のインフレ率は、総合が前年同月比1.5%上昇、除く食料・エネルギーが1.3%(除く生鮮食料品2.0%)と順調に低下した。円安でインフレになるという心配があったが、実際には昨年1月の総合同4.0%から大きく低下した。食品の寄与度が1.1ポイントと大きいが、米の値上がりがピークアウトしたため、今後も順調に低下しよう。現金給与総額は2024年12月の前年同月比4.4%から昨年12月には2.4%まで低下した。実質経済成長率は年1%弱で推移し、景気はほぼ中立である。このように、明らかに日銀の利上げは不要である。円安の主因は貿易赤字と資本流出であり、日銀利上げなど小手先の手段で円安は阻止でない。よって、緩やかな円安が続きそうである。円安は日本株高要因でありかつ海外株式の円ベースの投資収益率を高めるため、GPIFや外貨準備の資産は大きく増えている。ということで、大円安時代を乗り切るのは、国も個人も内外の株式投資なのである。」(藤田氏のFBより)

 

高市首相を攻撃する向きは、必ず中国の強硬姿勢を挙げる。

 

これに対し私は「心配いらない」といいつづけて来た。

 

理由は「反日デモ」がないこと。大量の若年失業者がある状況から、デモがいつ反体制に切りかわるかも知れない。だから私は「大丈夫」といいつづけて来ている。

 

加えて中国軍の軍幹部の汚職が拡大、軍幹部の粛清が進行中。

 

「中国政府が最近、軍最高幹部に対する調査を発表したことは、その中心に謎を秘めた衝撃的な出来事だった。最高指導者である習近平国家主席が、軍の改革を託した友人を粛清するに至った理由は何だったのか。

 

官製メディアの社説は、張又侠・中央軍事委員会副主席が習氏の権威を損ない、汚職を助長し、中国の戦闘能力向上を妨げたとして非難している。一部のアナリストは両者の間に政策を巡る意見の相違があったのではないかと考える一方、習氏が脅威とみなす存在を排除したかったと見る向きもあった。

 

秘密のベールを突き破ろうと、真相を追う一部の中国ウォッチャーはボディーランゲージに手がかりを求めている。彼らは、昨年の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉会時に習主席が通り過ぎる際、張氏が習氏に背を向けている映像を指摘し、両者の関係悪化について推測している。

 

習氏が張氏を排除した動機が決定的に明らかになることはないかもしれない。しかし、それでも外国の学者、当局者、企業幹部たちは真相を突き止めようとしており、毛沢東時代にまでさかのぼる複雑な政治占いのような手法に頼る人もいる。

 

かつてのソ連政治分析「クレムリノロジー」になぞらえた「ペキノロジー(中国政治分析)」は、公式演説や文書、国営メディアの報道を精査し、言葉遣い、振る舞い、慣例とは異なる動きから洞察を得ようとするものだ。」(WSJより)

 

以上、世間さまがいうほど心配することはない。

 

では皆さん、Good Luck!!

 

 

2026年2月24日 (火)

「豊臣兄弟!」と新興勢力の発言の重要性。金価格7000ドル/オンスの可能性 2026・2・22 (第1313回)

「豊臣兄弟!」と新興勢力の発言の重要性。金価格7000ドル/オンスの可能性 2026・2・22 (第1313回)

 

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NHKより>

 

秀吉の大成功をえがいている。しかし、見方を変えれば織田信長そして太閤秀吉といった独裁者を生む歴史でもある。独裁者を強いリーダーシップの体現者と考えると一理ある。

 

世界最大のヘッジファンドの創立者であり、一挙手一投足で世界をゆるがす人物のレイ・ダリオ氏が「世界秩序は崩壊した」と発表している。

 

もっとも、仏・独のトップの又米国の国務長官も同様の発言をしており、その意味では新味はない。しかし資産運用の場で「すべての債務を売り、金を買う」と結論を出している。

 

そんなにキナ臭い情勢なのか?

 

中近東

空母派遣が重要な役割を果している。果して、和平の実現がなるかどうか。

 

その中で、レイ・ダリオ氏が金投資をすすめて次のように発言している。

 

「世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で著名投資家のレイ・ダリオ氏は2月15日、自身のSNSに長文の記事「公式発表:世界秩序は崩壊した」を投稿した。毎年恒例のミュンヘン安全保障会議が開催されているタイミングだが、そこで多くの指導者が「1945年以降の世界秩序は終焉した」との共通認識を示したことが指摘されている。ドイツのメルツ首相は「何十年も続いてきた世界秩序はもはや存在しない」と述べ、現在は「大国政治(great power politics)」の時代にあると指摘した。フランスのマクロン大統領も、旧来の世界秩序を前提とした欧州の従来型の安全保障構造は存在しないとして、戦争への備えをする必要性を指摘した。米国のルビオ国務長官は「古い世界は消え」、「新しい地政学リスクの時代」に入ったと述べている。

 

こうした動きについて、ダリオ氏は自身の「ビッグ・サイクル(Big Cycle)」の「ステージ6」だとした。ダリオ氏の理論だと、覇権国家のサイクルは1)新たな世界秩序、2)統治システムの構築・改善、3)平和と繁栄、4)富などの過剰と拡大、5)財政状況悪化と対立、6)内戦・戦争と展開していく。現在はこの最後のステージ6であり、ルールが存在しない時期の無秩序、そして「力こそ正義(might is right)」となり、大国間の衝突が発生すると警告した。」(foomiiより)

 

「大国が弱まり始める、または新興大国がそれに迫る時に対立が生じ、最大のリスクはほぼ同等の軍事力を有し、和解不能で存亡にかかわる相違を抱える時になる。「ウィン・ウィン(win-win)」が「ルーズ・ルーズ(lose-lose)」に勝るが、1)囚人のジレンマ(互いが最大利益を追求すると、協力したよりも悪い結果になる)、2)報復の連鎖、3)衰退する側が引くことのコスト、4)迅速な意思決定を迫られたときの誤解、によって、「愚かな」戦争が起こり得る。それを回避するためには、「力を持ち、力を尊重し、力を賢く使う」ことが重要との理解になる。」(foomiiより)

 

では、どうしたら資産を保持又は拡大できるのか。

 

「金市場の観点では、1)ルール不在の局面では信用に依存しない資産が優位性を持つ、2)経済戦争でも信用に依存しない資産が優位性を持つ、3)戦時は債務と通貨価値の棄損が進む、4)戦時経済で守られる資産は少ないといったことが、いわゆる「有事の金買い」を構成することになる。ダリオ氏は、「全ての債務を売り、金を買う」を結論として出しているが、既に世界はそうした方向に動いている模様だ。」(foomiiより)。「金である」とダリオ氏は云う。

 

目標値? 私は個人的にはオンス7000ドルとみている。特にメドはない。カンだけである。JPモルガンは近い将来、6300ドル/オンス目標としている。

 

私は日本株も買えると思う。つまり株と金価格の上昇は併存しており、今後も同じ動きをみせるだろう。

 

買い材料? 高市政権の対中姿勢にたいする日本国民の圧倒的な支持だ。ウォールストリートジャーナルはこう云っている。

 

「日本の有権者は、中国のいじめに立ち向かう指導者のもとに結束した。一方で、中国の経済的報復は、高市氏がかねて警告していた、経済面で中国に依存しすぎるリスクを有権者に実感させた。新たに発足する第2次高市政権は中国との経済的なつながりを弱めるとみられている。」(WSJより)

 

では皆さん、Good Luck!

 

 

2026年2月16日 (月)

映画「ジュマンジ」と衆議院総選挙後の日米関係、そして資本市場の反応。最後に注目銘柄。 2026・2・15 (第1312回)

映画「ジュマンジ」と衆議院総選挙後の日米関係、そして資本市場の反応。最後に注目銘柄。 2026・2・15 (第1312回)

 

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アマゾンより>

 

「ジュマンジ」シリーズを全く観たことのない人は不幸である。とくに「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」は傑作中の傑作。早く観なさい、と云ってもいい。始めに挙げた作品は1995年、次が2017年。ま、どうでもいいが。

 

このシリーズで注目されるのは、若者中心が定着している「TVゲーム」の形式をとっていることだ(ストーリーは省略する)。

 

さて、自民圧勝、である。

 

「2月8日に投開票された衆議院選挙では、自由民主党が316議席を獲得し、単独で全議席の3分の2を上回った。一方、立憲民主党と公明党が新たに結成した中道改革連合は49議席と大幅に減らした。

今回の選挙結果を受けて、自民党はすべての常任委員会で委員の過半数を確保し、委員長を独占できる。法案や予算案は常任委員会での審議を経る必要があるため、高市政権の掲げる政策が進めやすくなったと評価できる。参議院では与党が過半数を持たない状況に変わりないが、衆議院で3分の2以上の議席を獲得したことで、参議院で否決された法案を再可決して成立させることが可能となる。」(丸紅経済研究所のレポートより)

「消費税減税をめぐっては、高市総裁は選挙後に国民会議で検討を加速すると発言しており、実現するかは今後の議論の動向を見守る必要がある。一方で、高市政権の財政政策は、引き続き「責任ある積極財政」のもとで政府債務残高GDP比の引き下げを重視していくと想定される。政府債務残高GDP比は、名目経済成長率が名目金利を上回る条件のもとでは一定の財政赤字の下でも抑制可能という考えがある。税収増が国債費を上回る蓋然性が高まるためで、実際、近年ではインフレ率の高止まりを主因に名目経済成長率が名目金利を上回り、政府債務残高GDP比は低下している。

もっとも、上記関係が成立するのは減税方向の大きな税制変更がないことが前提で、また、名目成長による税収の増加率が政府債務(国債等)の実効利率を上回る必要がある。しかし、日銀の金融政策の正常化で名目金利(国債の流通利回り)は既に上昇しており、政府債務のファイナンスコストは今後次第に上昇する。現在市中にある国債はゼロ近傍のコストで発行されたものが数多くあるが、これらは借り換え時にその時点の市場金利での調達に切り替わるからだ。十分長期で見れば、名目成長率>名目金利の関係が保てなくなる可能性すらある。

仮に金利が想定以上に上昇すれば日銀は正常化のスピードを緩めるだろうが、それが物価動向と整合的でない場合、新たな円安の火種になりかねない。一方、金利上昇が対外投資資金を為替リスクのない円資産に還流させる方向に働く場合、円金利の上昇はある程度抑えられても、海外市場で金利上昇圧力となる可能性は十分に考え得る。」(丸紅経済研究所のレポートより)

 

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丸紅経済研究所のレポートより>

 

大事なのは日米関係の大好転である。

 

米国トランプ2.0は、援護射撃となるステートメントを選挙運動中に発表している! 総選挙後も同じ。「シンゾーの子分」としての高市早苗首相への取扱いは最上のものと云いたい。

 

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溜池通信より>

 

チャートに示した通り「対米投資80兆円」の進行が進んでいる。このチャート通り「対米投資80兆円」とある。

 

問題点は多い。ひとつは例の対米投資800兆円である。吉崎達彦さんはこう云っている。

 

「 「JBIC(国際協力銀行)とNEXI(日本貿易保険)に公的資金を入れる」ことの是非は、もう少し議論されるべきではないか、ということだ。「対米投資 80 兆円」は、確かに税金投入ではない。ただし融資や融資保証という形で民間投資を支援する政府系金融機関に対し、資本を強化する予定である。すなわち令和8年度予算には、JBICに対する7兆1827億円の財投債、NEXIに対する1兆7800億円の交付国債が盛り込まれている。

 考えようによっては、政府系金融機関2社に対して「君たち、あんまり案件を精査しないでね。ある程度の損は政府が面倒見てあげるから」と言っているようではないか。すなわち、モラルハザードの恐れはないのか。「日米合意」は、最初から対米投資に意欲を持つ企業にとってはかなり「おいしい」仕組みである(例:ソフトバンクの「スターゲート計画」)。ただし政府にとっては、不良債権化のリスクはゼロではないはず。トランプ政権への「ご機嫌取り」が、自己目的化していなければいいのだが。」(溜池通信より)

 

最後に、日東紡(3524)を注目株として挙げる。

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株探より>

 

独占品の多さが魅力だ(ご投資は自己責任で)。

 

では皆さん、Good Luck!

 

 

2026年2月 9日 (月)

ヘミングウェイ「老人と海」と高市早苗政権の確立。そして電力会社の投資魅力の再認識 2026・2・8 (第1311回)

ヘミングウェイ「老人と海」と高市早苗政権の確立。そして電力会社の投資魅力の再認識 2026・2・8 (第1311回)

 

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アマゾンより>

 

ストーリーは皆様方、みんなご存知だろう。ピュリツァー賞とノーベル文学賞を得た傑作だし、後に述べるヘミングウェイの若さにシゲキされてこの文を書いた。ついでに言うと吉崎達彦さんの溜池通信からも取材している。

 

この本を書いたときのヘミングウェイは51才! 何人目かの妻がいて、20才のイタリア娘アドリアに恋をしている。

 

ご存知の通り、老人は巨大なカジキを仕留める。しかし帰途にサメに殆ど食いつくされてしまう。人が老いるということは最後は敗北に終わる。わかっちゃいるけど、止められない。

 

選挙が終る。一部の大新聞が予想している通り与党が大勝となった。

 

与党の勝ちもさることながら、原因は野党の自滅と私は考える。

 

公明党と立憲民主党の合同も、比例区はたった6%しか得ていない。自滅でなくて何だろう。

 

新政権のおかげでで株高を呼んでいるのはまちがいない。

 

年内は弱気だった私も、長期では「7万円」としたのはご存知の通り。

 

伊藤忠総研が「中期的な上昇トレンド入りか」と題して次のように述べている。

 

「日経平均は最高値更新し、5 万円台半ばまで上昇。昨年来の相場上昇の要因としては TACO トレード、AI ブーム、高市トレードなどが挙げられるが、より本質的には、日本企業によるコーポレートガバナンス改革とデフレからインフレへの経済構造転換への期待が日本株の再評価を促進。短期的には、急上昇の反動による調整リスクを十分に意識する必要。しかし、中長期的には、日本経済と日本企業が構造的な転換点にあることを踏まえ、日本株は長期の上昇トレンドに入っている可能性が高い。代表的なインフレヘッジ資産でもある日本株を長期投資ポートフォリオの一角として組み入れる意義は、これまで以上に高まっているのではないか。」(伊藤忠総研のレポートより)

 

短期的には、次の通り。

 

「昨年 4 月以降の相場上昇の要因としては、TACO トレード、AI ブーム、高市トレードなどが挙げられる。まず、TACO トレードだが、TACO は Trump Always Chickens Out(トランプ大統領はいつも怖気づいて退く)の略語で、トランプ大統領が他国に大幅な追加関税を課すと脅しながら、市場が混乱するとすぐに引き下げるということを、皮肉を込めて言った造語である。2025 年 4 月に世界各国に 10~50%の追加関税を課すという内容の相互関税導入を発表した際には、景気への悪影響が懸念され、世界的に株価が急落した。株安に加え、高関税による輸入物価上昇が米国のインフレ圧力を高めるとの警戒感から米長期金利が上昇したこともあり、トランプ政権はすぐにベースの 10%を除いた追加関税の適用を延期した。その後、徐々に各国と相互関税について合意していったが、基本的に当初発表から関税率は引き下げられた。例えば、日本の場合当初 24%と発表されたが、15%で合意した。一連の動きを受けて、トランプ関税は当初懸念していたほど経済への悪影響はないとの安心感につながり、米国を中心とした株高の要因となった」(伊藤忠総研のレポートより)

 

では銘柄は――。米国でのAIブームが引き起した原子力ルネサンスを考えると、電力会社が魅力的だ。

 

「電力需要の急拡大に伴い原子力の位置づけ見直しへ

人工知能(AI)の急速な普及は、電力需要の構造そのものを変えつつある。とりわけ近年のデータセンター(DC)の建設ラッシュは、複数の先進国において電力需給逼迫の問題を顕在化させている。(「米国を中心とする電力需給逼迫の問題とAI関連投資への影響」(2026年1月27日)参照)。

電力需要増大に伴い、発電部門では原子力発電(以下、原発)への風向きも変わっている。原発は、再エネなどの台頭による競争力低下や建設の遅延・コスト増、原発事故に伴う社会的受容性の低下などが課題となってきた。米国では、数基増設を除き、新設の動きが過去30年以上にわたってほぼ停滞してきた。しかし、トランプ政権は昨年5月、AI領域の世界的な覇権争いやベースロード電源の確保の必要性に対応すべく、原子力関連の大統領令を公表・署名し、2050年までに原発発電容量を2024年時点の4倍にまで拡大させるとした。」(丸紅経済研究所のレポートより)

 

電力会社、重電機メーカー株が魅力的だ。

 

では皆さんGood Luck!!

 

 

 

2026年2月 2日 (月)

松本清張「砂の器」と高市政権の敗北の可能性。そして金価格の今後 2026・2・1 (第1310回)

松本清張「砂の器」と高市政権の敗北の可能性。そして金価格の今後 2026・2・1 (第1310回)

 

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アマゾンより>

 

映画化もされているので観た方も多かろう。私は体調不良で文庫本を購入して読んだ。90才のジイサンの眼から読むと、立身出世のため殺人をおかす(それも大恩人を!)という動機は弱い。

 

しかし、さすが、というほかない。筆力のすごさが加わろうが、同時に買った「ゼロの焦点」と合わせて3冊を4時間で読了した。

 

一時の成功をおさめた主人公が、結局ライ病患者の息子というだけで殺人を冒す。何とも悲しい結末である。

 

必ずというわけではない。しかし私には「総選挙→自民圧勝→長期安定内閣」というシナリオの確率がどんどん下がっているように見えてならない。

 

理由は、高市内閣支持率が60%の上の方に対し、自民党支持率が低位の30%台で止っている。

 

私が不安をもつのは「参政党の人気」にほかならない。

 

2022年の参院選の参政党の比例獲得票は187万票。これに対し2025年には742万票。ちなみに自民は1280万だった。保守はかなり自民から参政党に流れると、私は観ている。

 

ガタガタ言わないで、選挙の予測をしろ、という声がある。

 

手許に週刊文春の2.5号で行なった調査がある。自民党は現在から6議席増の203議席。維新は現在から19議席増の29。合せて232議席と過半数233議席に1議席足りない。

 

背景は、食料品を中心とした物価高(インフレ)にあることはまちがいない、と私は観ている。

 

インフレといえば、株式市場が代表的だが、現実にはトランプ2.0の円高圧力があり、加えて長期上げ相場で好材料すべてを織り込んでいる。その点、金の方はチャート上にない。従って業界の見通しが中心になる。

 

「米ゴールドマン・サックス・グループは、2026年末の金価格見通しを従来予想から10%超引き上げ1オンス=5400ドルとした。中央銀行と上場投資信託(ETF)からの需要の堅調さに加え、民間部門による金への分散投資が広がっていることを反映した。

 

同行の従来予想は4900ドルだった。ダーン・ストルイヴェン氏らアナリストは21日付のリポートで、マクロ経済政策リスクへのヘッジとして金を保有している民間投資家が、年末までこれらのポジションを維持するとの前提に基づく予想だと説明。2024年11月の米大統領選など特定のイベントに結びついた過去のヘッジとは異なり、財政の持続可能性といった認識されたリスクに対するポジションは年内に解消されない可能性があり、「より持続的だ」と指摘した。」(ブルームバーグより)

 

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OANDA証券より>

 

「金価格は過去1年で70%超上昇し、年明け後も最高値を更新し続けている。世界的な勢力図が急激に変化し、トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)への圧力を再び強め、FRBの独立性への信頼が揺らぐ中で、資本は安全資産に流れている。

 

ゴールドマンのアナリストらによれば、各国中銀は26年に月60トンのペースで金を購入する見通し。新興国の金融当局が「構造的に外貨準備の金への分散投資を継続する可能性が高い」と予想した。」(ブルームバーグより)

 

以上である。目を開いて、商品の方をみてみると、金以上に上っているのも2、3ある。新しい世界をどうぞエンジョイしてください。

 

では皆さん、Good Luck!!

 

2026年1月26日 (月)

インディ・ジョーンズシリーズとトランプ2.0のベネズエラ侵攻が「暴挙」でない理由。そして金と暗号資産をおすすめする理由 2026・1・25 (第1309回)

インディ・ジョーンズシリーズとトランプ2.0のベネズエラ侵攻が「暴挙」でない理由。そして金と暗号資産をおすすめする理由 2026・1・25 (第1309回)

 

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アマゾンより>

 

このシリーズをTVでまとめて観た。もちろん何回も観ているのだが、体調をくずしてTVしか楽しみがない日々には何て面白い映画なんだろうと感嘆する他ない。特にシリーズ第四作までのS.スピルバーグ監督作品が出来がいい。

 

シリーズは次の通り。①レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年)、②魔宮の伝説(1984年)、③最後の聖戦(1989年)、④クリスタル・スカルの王国(2008年)。

 

ハリソン・フォードの主演がピタリだった。このシリーズの面白さは、次から次へと危機が押し寄せるのをインディ・ジョーンズが切り開くこと。その危機が意表をつくものでしかも連続して発生するのがウリである。

 

さて、表題のトランプ2.0のベネズエラ侵攻が「暴挙」と日本のマスコミがとらえているが、私はそうは思わない。

 

私のウォール街のニュースソースの中の1人はベネズエラ人で、チャベス、マドゥロとつづいた独裁的な大統領政権下での経済危機で、国民の30%が国外に逃れた。その1人で、今回のトランプ2.0の侵攻とマドゥロ大統領の拘束をよろこんでいる。

 

私が珍しくトランプ2.0を支持するのは、米国の覇権の維持に実に効果的な手段をとったからだ。

 

りそなアセットマネジメントのチーフ・エコノミスト黒瀬浩一さんは、私がホレ込んでいるプロだが、同じ意見をもっている。同氏はドル安にならないのが、拘束成功のあかしだという。

 

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<出所:黒瀬リポート

 

「戦後世界の覇権国は最強の軍事力と基軸通貨を持つ米国である。米国の覇権が安定すれば、循環的な景気変動を別とすれば、西側諸国の経済は安定して成長する。当然それは株価など資産価格にも追い風となる。これは日本で長期安定政権だった小泉政権や安倍第二次政権の時期に長期景気拡大が実現し、株価も大相場を作ったのと同じ理屈だ。逆に覇権が安定しなければ、1970年代のカーター危機の時代のように経済にも資産価格にも逆風になる。

2024 年のトランプ第二次政権の発足以降、国際政治と国際経済の世界で最大の論点となったのは、米国の覇権が安定するのか、毀損するのかという点である。リベラルな論調が主流の主要メディアでは、同盟国への防衛費負担の押付けや自傷行為であるトランプ関税などにより米国への信頼が損なわれ、覇権の毀損に繋がるとの見方が多かった。その際、引き合いに出されたのがドル安だ。しかし、この見方は事実誤認だ。左図のように実質実効ドル相場は高値圏での小反落にとどまっている。米国株価も史上最高値圏にある。中でも、AI 革命期待から AI 関連株が、防衛政策への期待から防衛株などが高騰している。背景にあるのは、トランプ政権主導の覇権を強化する政策だ。具体的には、AI 政策は「米国 AI 行動計画」や「ジェネシス・ミッション」、防衛政策は「力による平和」を標榜する「国家安全保障戦略」などが挙げられる。他にも半導体企業やレアアース企業への政府出資など、覇権の強化を国家資本主義で着実に進めている。」(黒瀬リポートより)

 

トランプ2.0は、この大統領拘束など、(今もそうだが)同盟国をいじめつづけている。今回のベネズエラで米国は中国との覇権争いに有利なことはいう迄もない。

 

忘れるところだった。今回、私はビットコインは押し目買いをおすすめする。とくに暗号資産は、米国が着々と次の公的金融取引手段としての体制を整備している。

 

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LongtermTrendsより>

 

金の方? この相場につくのが賢明という読みだ。

来週以降に細かいことは、書いてゆく。どうぞご期待を。

 

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(週刊東洋経済7月5日号より)

では皆さん、Good Luck!!

 

 

2026年1月19日 (月)

映画「ナバロンの要塞」と日経平均新高値は大丈夫か?目標値は?トランプ2.0のベネズエラ攻撃した真相 2026・1・18 (第1308回)

映画「ナバロンの要塞」と日経平均新高値は大丈夫か?目標値は?トランプ2.0のベネズエラ攻撃した真相 2026・1・18 (第1308回)

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アマゾンより>

 

一ぺんも観た経験のない人に絶対おすすめの冒険映画が、これだ。私などは10回も観た。アメリカに住んでいた当時、クリスマスの特選映画として放映されたが、その経験が忘れられない。

 

あらすじは最後にまとめるとして、この映画はスパイが重要な役割を果している。ひとつの行動に対して、スパイ、つまり反対の役割を果す人間がいたら、どうなるか?

 

今回の日経平均は新高値達成について、反対している人がいる。澤上篤人さんだ。別に同氏がスパイなんて言っていない。

くわしくは一冊買って読まれるのが一番だが、チャートをごらんになるだけで、意味はわかるだろう。



 

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<澤上篤人『大逆回転前夜』より>


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<澤上篤人『大逆回転前夜』より>

 

私は反対である。目先はひと休み、というか小幅反落だろうが、何といっても高市政権の「衆院解散」が大きい。与党が勝つとわかっている選挙は必ず買いだ。武者陵司さんの「7万円」説を知り乗ることにしよう。ただし、落とし穴がある。

みんな注目していないが、自民党の支持率は内閣のそれと比べると極めて低い。あれれ、という事態になる可能性はないではない。

 

さて、米国トランプ2.0のベネズエラ攻撃について、諸説ふんぷんである。

 

私が注目したのは渡部恒雄氏の見方だ。

「実際、1月4~5日に行われたロイター・イプソス世論調査によれば、トランプ大統領の支持率は42%と、昨年12月の39%から上昇している。
一定の効果はあったと言えるだろう。米国の有権者は強い米国に魅せられるものだ。」(コメントライナー1月14日付)

 

これに対して、私は資源産出国としてのベネズエラに注目している。

以下、大井幸子さんの資料にもとづく。

「ベネズエラ電撃侵攻は、単なる軍事作戦ではなく、AI 覇権と対中戦略が絡み合った、米国の「黄金時代」への布石である。

トランプ政権が AI を中核とした新しい製造業の隆盛を目指すなか、データセンター増設と運営には莫大な電力と最新の半導体製造を必要とする。そのためには、原油、天然ガス、水といった資源、そして戦略的資源であるレアアースの安定供給を確保しなければならない。

もともと中南米は米国の「裏庭」だった。そこに2005年以降経済大国となった中国が資源獲得を目的に乗り込んできた。加えて中国は、ベネズエラやその他の貿易相手国と人民元で決済し、ドルの影響を排除しようとしてきた。

具体的には、中国はベネズエラに約600億ドルを「石油担保融資」、ブラジルには約300億ドルを融資し、石油会社ペトロブラスやインフラに注力してきた。エクアドルではダムや発電所に約170億ドルを融資したが、2016年には中国が建設した欠陥ダムが多大な環境破壊と損害を与え、世界が注目するところとなった。

【地図1】はベネズエラの地下資源の埋蔵量を示している。原油、金、ニッケルの埋蔵量は世界最大で、特にコルタンは重要で、レアメタルであるタンタルとニオブを抽出する黒い金属鉱石で、スマホ、ノートパソコン、ゲーム機などの電子機器に不可欠なタンタルコンデンサの材料となる。

中国はベネズエラの原油のみならずレアメタルの採掘も含む利権を享受しようとしている。中国は重要鉱物の世界的な加工量の少なくとも3分の2、さらにレアアース精製プロセスの90%以上を占めている。このことが米国の「中国封じ込め」戦略の足枷になっている。トランプ閣税交渉が中国と休戦状態にある理由は、中国がレアアース輸出規制というカードを握っているからだ。もしベネズエラを米国にとってレアアースの採掘・精製基地として活用できれば、米国はレアアースの中国依存度をかなり低減できる。

中国に加えてベネズエラで重要なのはイランとロシアの存在である。イラン革命防衛隊とヒズボラはベネズエラに存在が確認されている。さらにイランはベネズエラにドローン生産施設を有し、米国到達可能なドローンを製造できるという。そして、ロシアもベネズエラに軍事拠点を有している。ベネズエラは中国・ロシア・イランが同時に相互利益を図る形で活動する唯一の拠点である。よってトランプ政 権にとって、この拠点を破壊することは、南北アメリカ大陸を含む「西半球」を米国の地域覇権のもとに置くために必要な措置なのだ。」
ヘッジファンドニュースレターより)

私は米国は成功すると思う。財政赤字で低迷していたベネズエラ国債の価格が暴騰している。

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ヘッジファンドニュースレターより>

 

終りにあらすじをまとめる。

舞台は第2次世界大戦中のエーゲ海である。ドイツ軍が占領するナバロン島には、難攻不落の要塞があり、そこに設置された巨大な長距離砲が連合軍の艦船を脅かしていた。この砲台のために、近海のケロス島に孤立した2000名のイギリス軍兵士の救出作戦が不可能となっていた。

連合軍は、ナバロン島の要塞を破壊するため、特殊部隊を編成する。隊長は登山の専門家であるキース・マロリー大尉で、爆破の専門家ミラー伍長、ギリシャ人のアンドレア・スタブロス大佐、ギリシャ語を話せるフランクリン少佐、そして技術者のブラウン伍長の5名から成る部隊である。

彼らは漁船に偽装してナバロン島に接近するが、嵐に遭遇して座礁する。困難を乗り越えて島に上陸した一行は、ギリシャ人レジスタンスの協力を得ながら要塞への潜入を試みる。しかし、内通者の存在や裏切り、仲間の負傷など、次々と困難が襲いかかる。

最終的に、彼らは要塞内部への侵入に成功し、爆薬を仕掛けて巨大な砲台を破壊することに成功する。これにより、連合軍の艦隊はケロス島の兵士を無事救出することができたのである。

 

では皆さん、Good Luck!!

 

 

2026年1月13日 (火)

大河ドラマ「豊臣兄弟!」と高市早苗政権の持続力。そして私が予想を的中させた事実。 2026・1・11 (第1307回)

大河ドラマ「豊臣兄弟!」と高市早苗政権の持続力。そして私が予想を的中させた事実。 2026・1・11 (第1307回)

 

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NHKより>

 

大河ドラマを観た。まあ可もなく不可もない出だしで、私は、半分満足した。

 

原作に当る堺屋太一さんの作品「豊臣秀長」だと、織田信長が天才、それもデモニッシュな天才として描かれており、発表されている配役(小栗旬さん)では表現できまい。

さて今回のテーマについて述べる。まず、インフレ。

問題は「日本経済は、需要ではなく供給力で持っている。そこに18.3兆円の補正予算と巨大な新年度予算をつけるのだから、インフレに対して余りにも無防備なように思われる。この点を指摘しているのが、吉崎達彦さんである。以下引用する(2025年12月26日号)。

 

「筆者は高市財政を懸念するものではあるが、一方では「それほど重大な事態には至るまい」と達観している。それは「債券自警団」(Bond Vigilantes)がこの国に復活しているからだ。政府が無茶な財政を行えば、長期金利が跳ね上がって警告を発してくれる。為替レートもまた、このところ敏感に反応している。金利が上がって通貨が売られるようなら、その瞬間にトランプ大統領よろしく日和ればいい。”Takaichi AlwaysChickens Out”=TACO となって、市場は歓迎するはずである。

 もはや忘却の彼方かもしれないが、この国では 3 年前まで YCC(イールドカーブ・コントロール)という政策があり、10 年物国債の金利を 0%に抑え込む金融調節が行われてきた。それがあまりにも長く続いたために、債券市場には歪みが生じた。22 年秋には、「10年物利回りよりも 7 年物の方が高い」というイールドカーブの逆転現象が起きたほどである。長期金利を形成する市場機能はほとんど死にかけていた。

 ところが幸いなことに、23 年に植田新体制が発足して、「YCC の柔軟化」「マイナス金利の解除」「金融政策の正常化」へと次々に着手したところ、今では市場機能が立派に復活している。つまり日本経済の「見えざる手」は死んでいなかった。ちゃんと警報を発してくれるのだから、政策当事者は謙虚にマーケットの声に耳を傾けるべきである。」(溜池通信より)

 

となると、誰もが心配するのが、中国の対高市政権への姿勢の強硬化である。

 

私は表面上はたしかに軍事面、外交面で強硬化しているが、本音ではない、といつも云っている。

 

なぜか。

 

民衆のデモがないからだ。18%近い若年失業率をもち、不動産バブルの破裂で、政権は表面上はとにかく、根底は不安定に決まっている。

 

だから、対日デモを起こせない。いつ、政権への不満をぶつけるデモになるかも知れないからだ。

 

一方、アメリカはレアアースを押さえられているから、やられている。しかし、英エコノミスト誌が云う通りレアアース自体それほどレアな物質ではない。日本がいい例とされている。

 

「* 2010 年の日本の事例が参考になる。豪州からの輸入を増やす一方、自国産の供給体制に着手した。日本はなおも 6 割を中国に依存するが、選択肢を残すことは可能だ。

* 日本と同様に米国も政府補助金の活用が必要であり、そうでないと採算が合わない。トランプ政権が既に動いているが、超党派の法案作成を求めたい。汚染対策費用やクリーンな加工、代替技術の研究費も盛り込むべきだ。これ以上の依存は許されない。」(溜池通信より)

 

最後に高市早苗政権の持続力について述べる。

第一に優れた補佐役を持つかどうか、である。中曾根康弘内閣の後藤田正晴官房長官、小泉純一郎内閣の竹中平蔵大臣がいい例である

第二は選挙。現在の高支持率から見ると楽観してよかろう。

結論、長期政権になるだろう。

 

何の変哲もない結論じゃないか、と言われるだろう。しかし、レアアースを武器にして、中国は意地悪をし、株価は天井を付けた。株安、つれて不況の可能性も出てきた。私の予想どうりである。相当意識して元気を出さないと、だめですよ。

では皆さん、good luck!!

 

 

 

2026年1月 5日 (月)

日米同時に発生した買い材料。ジョン・マーク・テンプルトン卿の思い出 2026・1・1 (第1306回)

日米同時に発生した買い材料。ジョン・マーク・テンプルトン卿の思い出 2026・1・1 (第1306回)

 

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東洋経済オンラインより>

 

日本の方は私が大注目している「南鳥島のレアアース開発」である。

 

1月から試掘が開始される。

 

私が理事をしている協和協会の講演会(私はリスナー)で、「採掘の時期」について質問したところ、「超長期の材料」としていたが、現実は2027年6月から本格採掘となる。日本の国民に「海洋資源国」の夢を与える好材料である。

 

一方、米国の方はウォール街産の噂程度だが「トランプ関税が違憲なので遅くない将来に廃止される」とのニュースがかまびすしい。

 

9人いる米最高裁の判事のうち6人が、トランプ大統領の選任によっていたので、関税措置が違法との見方はあり得ないとみられていた。しかし、与論と合法性の疑問のために、180度転換した判決が、恐らく第2四半期に出るとの観測が可能性を増している。

 

では、どのような影響であるか。

 

当然、株式市場にはプラスの影響がある。為替市場ではドル高円安、債券市場でも追い風となる(NRI木内登英氏による、以下同じ)

 

「ただし、トランプ政権が徴収した関税を企業に返還することを求められる場合には、その分財政環境が悪化することから、米国債券市場に悪影響を与えることも考えられる。

企業は関税の返還を求めて提訴

相互関税について最高裁で違法判決が出ても、それは「将来の課税を止める(prospective relief)」ことに限定される可能性が高く、既に企業が支払った関税が自動的に返還されることは保証されない。この点は米国最高裁の口頭弁論でも指摘されており、返還を受けるには別途手続きが必要となる。

過去の判例に照らすと、暫定的に支払った関税が314日後に正式に確定された後では、仮に相互関税に違法判決が下されても、支払った関税が返還されない可能性があるようだ。

4月に導入された相互関税の確定は年明けから2月にかけて始まることから、違法判決が下される前に、企業は返還を求める請求権の保全を裁判所に提訴しておく必要がある。実際、米国企業による提訴は相次いでおり、また、住友化学や豊田通商、リコーなどの日系企業も、現地法人が支払った関税の返還を求める裁判を起こしている。

そうした対応をした企業であっても、関税の返還を求めて米政府と法廷闘争となる可能性がある。また、裁判で返還が命じられた場合でも、返還の手続きは煩雑となり、数年を要するとの指摘がある。

最高裁で違法判決が下され、トランプ関税が縮小に向かう場合でも、関税の返還を巡る政権と企業との間の混乱は続くことになる。」(木内登英のGlobal Economy & Policy Insightより)

 

こうした混乱の時代を生き抜いた私の先生がいる。ジョン・マークス・テンプルトン卿である。

 

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アマゾンより>

 

まず、逆張りの投資法で大成功した人である。

 

第二次大戦が勃発したとき、彼は1ドル以下の株だけを100銘柄以上買って、4年で4倍にした。

 

私は1968年、トレーニーとして渡米したとき初めてお会いして、いろいろ、本当に親身になって教えていただいた。以下テンプルトン卿の甥の書いた本の抜粋である。

 

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「他人が絶望して売っているときに買い、他人が貪欲に買っているときに売るには、最高の精神的強靭性が必要となるが、最終的には最高の報いが得られる。

読者が本書を読むことによって、安く買い高く売るために必要な技能と自信を自分のものにすることを希望する。多くの場合、その達成には人気の対象を避けることが必要になる。そのためには次の助言がお役に立つのではないかと思う。

強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観とともに成熟し、陶酔のなかで消えていく。悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である。」(『テンプルトン卿の流儀』より)

 

1968年は、テンプルトン卿のファンドがチャートの示す通り、対日投資を急拡に拡大した年である。大成功したことは云う迄もない。私自身、その成功に少しだが貢献できたことを誇りに思っている。

 

代表的なケースとして述べる。当時、まだ「利回り」で投資し、「PER」は定着していなかった。薬品株が軒並み7~8倍だったと記憶する。もちろん卿はこれで大もうけした。

 

「卿」のついたわけを書く。同氏はエール大学を卒業した後、オックスフォード大学を卒業し、宗教(キリスト教)に大きな貢献をし「テンプルトン賞」をつくった。この功績で「サー」の称号を英国女王から頂いたのである。

 

「連結決算」は今では当り前だが、卿はこれをやって、価値の高い銘柄を次々と発掘し、「バーゲンハンター」の名をほしいままにした。トヨタ、イトーヨーカ堂など枚挙にいとまがない。

 

もちろん、バブルの最中に日本市場から離れたことは云うまでもない。

 

判断の基準のひとつが「PBR」だった。

株価÷1株当り純資産=PBR

1株当り純資産=(総資産-総負債)÷発行済株式数

 

まあ、あとは省略する。今後の材料として最高点がつきかけているのがレアメタル、レアアースである。これについて何回も述べているので、日本財団の資料を。

 

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日本財団 海野光行氏の資料より>

 

ごらん頂ければ喫緊の問題であることはすぐわかる。レアメタルもレアアースも同じとみて頂きたい。

 

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日本財団 海野光行氏の資料より>

 

最後になりましたが、新しい年が皆様にとり良い年である様、祈念しております。

 

Good Luck!

 

 

2025年12月24日 (水)

櫻田智也「失われた貌」と天井をつけた日経225種。一方、日本の長所はいろんな分野で強化される 2025・12・28 (第1305回)

櫻田智也「失われた貌」と天井をつけた日経225種。一方、日本の長所はいろんな分野で強化される 2025・12・28 (第1305回)

 

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アマゾンより>

 

文春「このミステリがすごい!」の断トツ首位。早速読んだが、たしかに面白く、二回読み返した。はじめに敷かれた伏線が、終りのどんでん返しを実現する。

 

面白いミステリも終りが来るように、この雄大な上げ相場にも終りが来たようだ。

 

私がテクニカルアナリストとして超一流と認めている宮田直彦さんが、その人である。以下、ご意見をチャート込みで。

 

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「【週足 エリオット波動分析】

今年4月7日安値(30,792.74円)以来およそ7カ月間にわたって続いたインターミディエイト級第(5)波の上昇は、52,636円(11/4)を以て終了したとみられます。それと共に、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)から5年8カ月にわたるプライマリー第➂波も終了したと思われます。

いまはプライマリー第➃波調整の初期段階に当たっており、この見方は48,235円を下回ることにより強まります。おそらく2026年2月頃(※)へ向けての弱基調が続くでしょう。

(※)週次サイクルの間隔(安値から安値)は42週程度です。これによると、現行サイクルの終了は、今年4月7週から42週程度を経過する2026年2月頃と想定できます。

プライマリー第➁波は18年10月高値(24,448円)から20年3月安値(16,358円)まで、17カ月間で通算33%下げました。パターンは「ジグザグ」でした。

「オルタネーション」により、第➃波はおそらく「トライアングル」「フラット」など保ち合いパターンを、今後数年間にわたって形成する可能性があります。

➃波の下値レンジに相応しいのは、第➂波中第(4)波領域[42,426円~30,792円]です。この領域は、11月高値から33%調整後の水準(35,266円)を含みます。」
宮田直彦のエリオット波動レポートより)

 

日経平均とは別にTOPIXの方は当面はしっかり。しかし、まだ見えていない天井は近い。ポイントは3352で、これを割ると、下げ方向になるだろう。

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「[TOPIX]

日経平均とは対照的に、しっかりの展開が続いています。12月15日は日経平均が大幅に下落(668円安)する一方で、TOPIXは最高値を更新しました(高値3434)。

もっとも、9月安値(3042)からの編成「エンディング・ダイアゴナル」は、重要な天井が接近していることを示しています。目先的に3352(12/11安値)を割ると、下降トレンドへの最初のシグナル点灯となります。

ひとたび下向きにトレンドが転換すると、その時点から1カ月~3カ月の内に3042(ダイアゴナル始点)へ下落する展開がありそうです。

TOPIXが最高値を更新しても日経平均はそうならない「未確認」は、プライマリー第➃波という大きな調整入りの前兆といえます。」
宮田直彦のエリオット波動レポートより)

 

では何をやるか?
幸い政策研究大学院大学の橋本久義名誉教授のレクチャーが、私が理事をつとめている協和協会であったので、現在世界的な競争激化にもかかわらず、わが国の絶対的優位を保持している11の分野を挙げた。

絶対的優位保持

  • ハイブリッド車
  • ICカードシステム
  • 半導体製造装置
  • フォトレジスト
  • フッ化ガス
  • シリコンウェファー
  • シリコン切断機
  • フォトダイオード
  • 超精密測定器
  • 超精密工作機械
  • クリーン石炭火力

それぞれの分野のトップ(例:ハイブリッド車=トヨタ自動車)を狙うのが一番いい。私はこれから何週間かは、そのメーカーがどこか、ご報告するつもりだ(ただし新年で数え年で92才という年齢はやはり重い。サボることはお許しいただきたい)。

 

それとは別に、何年か先には、レアアース関連が良くなるので、長期での投資には絶対おすすめ、である。

 

1. 海洋掘削・海底資源開発関連

日本海洋掘削(非上場、ENEOSグループ傘下)

南鳥島沖のレアアース泥開発推進コンソーシアムのメンバーであり、海洋掘削技術に強みを持つ。日本で唯一の海底資源掘削企業として、レアアース採掘の要となる可能性が高い。ただし、現在は上場廃止済みで投資対象としては限定的。

★★★三井海洋開発(6269)

過去にレアアース泥開発推進コンソーシアムに参加し、海底鉱物資源開発を中期経営計画に位置づけている。海洋掘削技術やメタンハイドレート関連でも実績があり、注目度が高い。

東洋エンジニアリング(6330)

レアアース泥回収システムの開発に取り組み、科学雑誌「Nature」でその技術が紹介された。世界初のレアアース版サブシーファクトリー構想を推進しており、技術革新の観点から有望。

 

2.レアアース関連素材・製造

★★★信越化学工業(4063)

ネオジム磁石の原料で中国依存度を引き下げる技術を持ち、レアアース製造の大型設備を保有。南鳥島プロジェクトのコンソーシアムにも参加しており、安定供給に寄与する可能性が高い。

TDK(6762)

レアアースを使用した磁石や電子部品の製造で知られ、コンソーシアムに参加。ハイテク産業向けのレアアース需要に対応する技術力が強み。

 

3.レアアースリサイクル・回収

アサカ理研(5724)

廃棄物からのレアアース回収技術を持ち、iPhoneの再利用レアアース採用報道で注目された実績がある。リサイクル関連の思惑買いも期待される小型株。

三菱マテリアル(5711)

廃棄物からのレアアース回収に強みを持ち、リサイクル分野で安定した実績。レアアースの安定供給に寄与する企業として注目。

DOWAホールディングス(5714)

金属リサイクル技術に優れ、レアアースの回収・精製技術を持つ。環境配慮型ビジネスとの親和性も高い。

 

4.商社・サプライチェーン関連

アルコニックス(3036)

非鉄金属専門商社としてレアアースの取り扱いに強く、中国の輸出規制強化報道で株価が動くなど、市場の注目度が高い。

住友商事(8053)

米MP Materialsとのレアアース日本向け独占販売代理店契約や、カザフスタンでのレアアース回収事業を展開。グローバルなサプライチェーンで存在感を発揮。

双日(2768)

豪州ライナス社との重希土類供給契約を締結し、日本向け安定供給に貢献。重希土類の権益獲得で経済産業省の支援も受けている。

 

5.その他コンソーシアム参加企業

南鳥島のレアアース泥開発推進コンソーシアムには、以下のような大手企業も名を連ねており、間接的にレアアース関連の恩恵を受ける可能性があります。

IHI(7013):海洋掘削技術やエンジニアリング。

AGC(5201):レアアース関連素材の加工技術。

鹿島建設(1812):海洋インフラ構築。

川崎汽船(9107)、商船三井(9104)、日本郵船(9101):海洋輸送。

★★★小松製作所(6301):採掘機械の提供。

ENEOSホールディングス(5020):エネルギー供給と日本海洋掘削の親会社。

三井金属鉱業(5706):鉱物資源処理技術。」
GiornoVerdanno氏のnoteより)。

 

 

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