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2025年3月31日 (月)

映画「侍タイムスリッパー」とケチがこの世を支配しているというおかしな事実 2025・3・30 (第1266回)

映画「侍タイムスリッパー」とケチがこの世を支配しているというおかしな事実 2025・3・30 (第1266回)

 

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映画.comより>

 

パソコンでみた新作。幕末に会津藩士と対立する島津と刀を抜いて対峙しているところに雷が落ち、タイムスリップして現代の京都の撮影所に二人とも来てしまう。

 

ここから先はこみ入っているので略すが、この映画は最低予算で出来た最高の作品だとか聞いた。日本アカデミー賞をいくつも獲得している。

要するに「経済」が世の中をまわしている。まさにその象徴としてとらえたい。少なくとも私はそう考えている。

 

先日より展開しているウクライナ問題。一見したところ、ウクライナが一方的にトランプ=プーチンから叩かれているように見える。

 

しかし、ある経済的理由から、トランプ米大統領がどうしてもウクライナ和平にこぎつけなければならないのだとしたら、どうだろうか。

 

実は、レアアース・レアメタルの九割近くは中国から米国に供給されている。ところが習近平政権は、対米輸出を規制する動きに出ようとしている。

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<ヘッジファンドニュースレター2025年3月第2号より>

 

ウクライナは資源にめぐまれている。第一生命経済研の首席エコノミスト熊野英生さんによると「ウクライナに埋蔵されている資源としてリチウム、チタン、マンガン、ウラン、ベリリウム、グラファイトなどが挙げられている」。トランプ政権は、どうしてもウクライナとロシアの戦いを停止して、鉱物資源を手に入れなくてはならない。

 

現実には、米国の交渉は遅々として進んでいない。

 

これは、ロシア側はこの期間が永ければ永いほどメリットがあるからだ。戦況はロシア有利だし、前述の中国の動きはロシア有利。しかし米国側には関税引き上げという武器がある。4月から続々発効されるこの武器を使って停戦の早期化をトランプ側は狙う。最終的には「予想より早く」停戦、和平に進むだろう。

 

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Chartparkより>

 

この停戦=終戦がもたらすわが国へのメリットは巨大である。原油安は常にわが国へ巨額のプレゼントをしてくれる。

 

目先は安い日が多い毎日だが、PER14倍ワレの相場は常に買いである。もう少し、もう少しである。宮田直彦さんによると、3万5897円をしたまわらない。

 

ところで私がこの原稿を書いたあと、どうするかご存知ですか?

 

中島みゆきの作品をTVでみます。初めは? 「時代」にします。

次にjsバッハに。

 

 

2025年3月24日 (月)

金利のある世界への移行が始まり、東京・NY株安の反面、金は新高値。この変化をどう見るか。 2025・3・23 (第1265回)

金利のある世界への移行が始まり、東京・NY株安の反面、金は新高値。この変化をどう見るか。 2025・3・23 (第1265回)

 

わが家にほとんど閉じ込められている私にとって、一番怖いのは、いつの間にか起きている社会の変化を見落とすことだ。

 

実は3月5日の日経新聞電子版のある記事。読んで、へええと思っていたら、旧知の日経新聞OBの前田昌孝さんが「日本経済が新しい時代に入りつつある表れかもしれない」と評価した。少々遅れたが紹介したい。

 

その記事とは、三菱UFJ銀行が、減少の一途だった支店を今年秋に2店開設するというもの。「1つは大阪府箕面市の商業施設「みのおキューズモール」内、もう1つは東京都内」だそうだ。同紙はまた25、26両年度に計6店舗を対個人営業、事務につくる、とも報じられている。

 

前田さんは「金利がない時代には、個人の預金など集めても仕方がないといわんばかりの対応をして来た銀行が、金利がそれなりにつくようになると、対応が変わってきた」と述べている。いい話だ。明るい将来を予見させる。

 

本論に入ろう。NYを始めわが国も株安だが、同時に金価格が新高値を更新しつつある。

 

S&P500は2月から9%弱下がり、金価格は年初から16%上昇し、オンス3000ドルをつけた。

 

コモディティアナリストの小菅努さんによると「普通は新高値を更新すると、目標達成感もあり、一旦は利食い売りで様子をみることが多い。しかし今回については過熱感はほとんど見受けられない」としている。

 

投機筋の買い残をみると23万6150株であり、昨年11月19日以来の低水準になっている。

 

金上場投信(ETF)残は1月が34.51トン、2月が99.90トンだったのに対し、3月第2週で40.70トンである。

 

このペースだと1~3月期で200トンを超えそうだ。要するに「今年の金ETFの需要の勢いの強さは注目に値する」と小菅さんは結んでいる。

 

すでにこのブログの読者は第1260回で私が指摘した「FRBが金価格を再評価する動きが判然とした」のが評価できることはご存じだろう。

 

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Chartparkより>

 

アンチ米国勢ともいえるBRICSの金本位制の通貨に対抗して、トランプ政権は自分たちの保有金をバックにして、金本位制の暗号通貨を発行しようとし、すでに大統領令でソブリン・ウェルネス・ファンドを設立した。その時に「金再評価勘定(GRA:GOLD REVALUATION ACCOUNT)をつくるという。準備はすでに始められている。

 

ではアメリカは保有する金813万トンの評価をどうしているのか。オンスたった43ドルで42年間固定されている。時価のたった1%台である。

 

金価格はオンス2000ドルを4回目の挑戦で昨年11月に抜き、今年に入りいとも簡単にオンス3000ドルを抜いた。私はオンス270ドルから、ほんの少々だが購入したが、いまや投資効率ではトップに近い。

 

悪いことはいわない。私のブログを再読し、もし余分なおかねがあれば、金地金の押し目を買うこと。後で、へえ、こんなこともあったと私に感謝されるだろう。ただし、2年は待つこと。再評価は1年先をみられているだろう。目標値ですか?オンス7000ドルが私の個人的なレベルです。



2025年3月17日 (月)

「蛇にピアス」と米国社会保障の詐欺。株価下落と政権幹部不和 2025・3・16 (第1264回)

「蛇にピアス」と米国社会保障の詐欺。株価下落と政権幹部不和 2025・3・16 (第1264回)

 

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Filmarksより>

 

 

第130回芥川龍之介賞作品。映画化は蜷川幸雄監督で、昨年NHKの大河ドラマの主役になった吉高由里子が演じている。

 

主役は19歳の「ルイ」という女性。渋谷で「アマ」と呼ばれる男性と知り合う。眉と唇にピアス、背中に龍の刺青をしている。2人で「シバ」という怪しげな施術師を訪れ、舌にピアスを開ける――。

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文藝春秋社の「同級生交歓」のページを入れたが、他意はない。単に、表紙に「蛇にピアス」がのっているだけ。なーんだとお考えの方には、おわび申し上げる。

 

「身体髪膚これを父母より受ける。あえて毀傷せざるは孝のはじめとす」という古人の教えからすると、舌にピアスなんて飛んでもない。しかし現実には行われている。

 

いわゆる常識をぶっこわし始めたトランプ政権。えらいことにならなければいいのだが。

 

政権の中枢イーロン・マスク氏が最近言い出したのに、米国の社会保障制度で詐欺があるという事実だ。もちろんトランプ大統領も乗っている。

 

私の在米ニュースソースによると「2018年度から2022年にかけて、詐欺の被害は想定2330億ドルから5210億ドル」に達した。

 

ここで簡単に米国の社会保障についてふれておく。メディケアは国民が65才になるまで税金として支払ったものが、その元金になる。支払いを請われる保険プログラムの類である。一方、メディケイドは、連邦政府と州政府によって、民間の健康保険に加入する収入がない家庭に提供されている。

 

イーロン・マスク氏はTVで「米国の社会保障システムには“無駄と詐欺”の可能性あり」とくり返し述べた。また、石破首相との合同記者会見でトランプ大統領は正当性を繰り返し強調した。

 

3月中旬から株式市場で、物価高と不況が共存するスタグフレーションの悪夢を織り込み始めた。S&P500には「ゴールデン・クロス」の反対の「デッド・クロス」が示現している、

 

さしもの強気で鳴る私でも、現状をみれば、心配になるが、大体底値が近い時点では、悪材料が並行して発生する。3万5000~6000円が底値と考えているので、もう少したてば買い出動したい。

 

実は体調がすぐれず、読み返してみても、まことに出来が悪い。ごめんなさい!

 

2025年3月10日 (月)

ホワイトハウスの大ゲンカの影響とわが国経済の体質変化。それに株価の見通し 2025・3・9 (第1263回)

ホワイトハウスの大ゲンカの影響とわが国経済の体質変化。それに株価の見通し 2025・3・9 (第1263回)

 

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NHKニュースより>

 

2月28日。あのTV中継には、世界中が驚いたに違いない。米国の正副大統領とウクライナのトップがどなり合ったのだから。

 

ウクライナ戦争は、影響力の大きい戦いである。

 

ジョージ・ソロス氏のレターによると、「世界を苦しめている米国の原因のトップは人工知能、第二は気候変動、そして第三はロシアのウクライナ侵攻」というくらい影響力が大きい。そこにこの2国の対立が起きた。

 

ただ事ではない。

 

私には不審なことがある。ウクライナに埋蔵されているレアアースの過半は、ロシアが占領・併合したクリミアやドンバスに存在している。また米国の学者の一部には、採算のとれるレアアースはないという見方さえある。

 

停戦はゼレンスキーのリーダーシップで進行しそうだが、この見返りがないことがないことが、トランプを満足させられるかどうか。

 

もちろん、ロシア側も停戦したい。

 

一方、連日、トランプの関税、それに対する報復関税のテーマが報じられている。世界的に大悪材料だからだ。説明は、いらない。株価をみていれば、わかる。

 

日米の株式市場では連日下げが続いている。しかし、わが国の体質変化は、そうした打撃を軽減する。そこいらを売り方は見落としている。

 

「インバウンド+ハイテク+コンテンツ」が産業界。これに「投資立国」が加わった形で、わが国は伸びてゆく。新しい日本、である。

 

三井住友信託銀行の最近のレポートから引用するが、「日本の外需獲得手段は輸出から投資に変わっている」と論じている。

 

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三井住友信託銀行 調査月報 2025年3月号より>

 

対外直接投資(FDI)による収入は2024年に23兆円に達した。インバウンド収入8兆円のほぼ3倍に達している。



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三井住友信託銀行 調査月報 2025年3月号より>

 

 

先般の日米首脳会談で石破首相が1兆ドルに対米投資を引き上げると表明したが、トランプ政権の意向に沿うというよりも、むしろ日本企業が自ら進めようとしている目標といえる。

 

さて、ここから先は「いつ、いくらで底値を打つか」にしぼられる。ここは信頼するテクニカル・アナリストの出番である。

 

宮田直彦さんは、3万5000円(私はもう少し上と思うが)、次の高値は4万3000円~4万5000円としている。また箱田啓一さんは3月10日ごろから反転に入り、12日に戻り高値。3月24日に次の底値をつけ4月1日に高値をつける、としている。

 

伊東秀広さんは、「基本的には三角保ち合い」で、いずれは4万2426円を目指す、としている。

 

木村喜由さんは「日本株はバブルからほど遠い位置にあり、予想PERは14倍台と安い」としている。割安さに注目している。

 

さて、銘柄である。週足が「買い」を告げている銘柄を4つ、挙げておく。いちよし証券の高橋幸洋さんによる。

  1. IHI(7013):防衛関連銘柄。PER12倍台。
  2. 松田産業(7456):電子部品で、スマホなどから金を採収する金高関連、PER8.8倍。
  3. オープンハウス(3288):自社株買い、PER7.8倍
  4. イオン(8267):PERは67.8倍と高いが、京成電鉄と提携して、同社所有の駅前の立地を開発してゆく。早速、津田沼の開発開始。

以上だが、今回、中国株が上昇している。米国は身内の同盟国を叩いており、米中対立は中国有利、ついでにHF(ヘッジファンド)は欧州も買っている。

 

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<3点とも、第一生命経済研究所 経済調査部3月5日付リポートより>

 

要するに米・日の株はウリ、中国・欧州カイという構図である。覇権争いで、自殺ゴールをトランプ氏は打ち込んでいるのではないか。

 

ま、それでももうけはもうけ、4銘柄を(自己責任で)狙われて、ハッピーな春をお迎えください。

 

2025年3月 3日 (月)

13年前の予言の書『シェールガス革命で復活するアメリカと日本』と、富裕層が増える日本 2025・3・2 (第1261回)

13年前の予言の書『シェールガス革命で復活するアメリカと日本』と、富裕層が増える日本 2025・3・2 (第1261回)

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<日本の古本屋はこちら

 

何しろ数え年で90才になった老人である。

 

自慢話から入るのをガマンして聞いて頂きたい。この本は自分で言うのもナンだが、予想をすべて適中させた本。2012年12月刊行だが、12年以上たっても少しも古びない。快心の作である。

 

では、読んでみたいか。ダメです。この本は私のドン底期に岩波書店から自費刊行した作で、手許にもごく少量しか残っていない。

 

しかし「エネルギーの輸入国だったアメリカが(エネルギーの)輸出国になる」影響の巨大さは、連日のニュースひとつをとってもわかる。数字で示すと2012~2013年の1010万バレルから、2023~2024年1930万バレルに急増した。天然ガス需要は同期間1.6倍になった。

 

一方、生成AIの方は、自動運転を中心テクノロジー分野で活用される。加えてFRBの政策金利引き下げが期待される。年内2回はあるだろう。

 

いきなり銘柄で恐縮だが、テスラ、ウーバー・テクノロジーズにメリットがある。さらに生成AIに欠かせない画像処理半導体を製造するエヌビディア、自動運転のソフトでトップのアルファベット、オープンAIの筆頭株主マイクロソフトに恩恵が大きい。

 

一方、日本は人手不足が現在の500万人から2035年には850万人に増大する。

 

本屋では生成AIについての本はヤマのように積んである。生成AIの説明はしばらく措いて、「雇用の未来」で示された、機械化の影響を受けにくい職業を表に示した。

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「足病医」という職業が「受けにくい職業」に入っていることに違和感を持たれる向きがあるかも知れない。(横道にそれて申し訳ないが)たった3センチ、足の指を切っただけで8カ月間も入院した始末。しかも現在でも看護師がホウタイを取り換えに来宅する始末である。

 

市況が思わしくないが、反発したらスゴイゾと思わせる事態が発生している。野村総研の推計によると「超富裕層が2年前にくらべて11.3%増になり保有資産の集中度も36.1%と2年前比で3.8ポイント上昇した。

 

定義を書いておこう。純金融資産5000万円超1億円未満までは「準富裕層」、1億円以上5億円までが「超富裕層」である。

 

現在こそ株価はやすいが、一旦上昇に入れば、4万3,4千円はごくたやすい。弱気にならないことが肝心かなめだ。

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