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2024年12月23日 (月)

劇場版「Doctor-X」と米FRBの「影の議長」。それに「辰巳」の年の株価動向 2024・12・22 (第1252回)

劇場版「Doctor-X」と米FRBの「影の議長」。それに「辰巳」の年の株価動向 2024・12・22 (第1252回)

 

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公式HPより>

 

久しぶりに劇場へ行った。満員で、若い人達ばかり。来年90才の老人にとってまぶしく見えた。

 

私のワシントンのソースから「FRBを牛耳りたいトランプ次期大統領」というニュースが来た。

 

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パウエルFRB議長

 

トランプ側はクビを切りたいが、パウエルFRB議長は辞任を拒否しつづけている。来年1月20日の大統領就任直後にパウエル解任の観測がつよい。

 

一方、保守系シンクタンクのヘリテージ財団が次期政権のために作成したプロジェクト2025に「FRB刷新」が明記されている。

 

プロジェクト2025は政治任命者をふやし、司法省に対する大統領権限を拡大する。提案は
①FRBに大統領が権限を行使できる
②州境をこえた中絶薬品の郵送を禁止
③ポルノを犯罪化
④教育省の廃止
などがある。

 

プロジェクト2025の実現の可能性はまだ不明だが、トランプ氏が行政管理予算局(GMB)の局長に、同案の主要立案者のラッセル・ボート氏を任命した。また、大統領次席補佐官(政策担当)にスティーブン・ミラー氏をえらんだ。この人もプロジェクト2025の参加者である。

 

トランプ次期大統領は上下両院での勝利で法案の成立にぐんと有利になっている。上院で53議席(民主はマイナス4の47議席)。下院でも共和党220議席(民主は215議席)で、トライフェクタを実現した(加えて州議会でも55%をつかんでいる)。

 

こうして見て来ると、パウエル氏が自分の解任を拒否する前に「次期FRB議長」を発表して、力をそぐ手がある。やり手のスタッフ(財務官僚を含む)が多いので、この可能性が(筆者には)最も大きいと感じられる。

 

米国にあまりにも行数をつかってしまった。肝心の日本の株式市場に転じよう。

 

PERの安さ、米国年金の下げたら買いの姿勢、肝心の石破政権が面談をトランプ次期大統領が受け入れたことで、一挙に見通しは明るい。

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<大和証券 木野内栄治氏レポートより>

 

ホンダ、日産のニュースは、日産大幅高で好感を持って迎えられた。経験的に、2年に一度のモーターショー(次回は2025年)に向けて、グッドニュースばかりになる。

 

さて、迷信と笑われるかも知れないが、十二支で辰年は「辰巳天井」でピークをつけることが多い。

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<大和証券 木野内栄治氏レポートより>

 

ただ乙(きのと、西暦末尾が5の年)は全部株高の年である。株だけでなく景気もいい。

 

ついでに。巳年(1953年、1965年、1977年、1989年、2001年、2013年)、これを上昇、下降とわけると、プラス4回、マイナス2回となる。

 

上昇の年の平均上昇率は13.40%。2024年12月17日終値3万9364円に上乗せすると4万4639円となる。大相場だ。日米の中央銀行は現在の方針維持。

 

いい話が多い。皆さん、元気を出して!!

GOOD LUCK!

 

2024年12月16日 (月)

私の協和協会での講演での質問と話し足りなかったこと。2024・12・15 (第1251回)

私の協和協会での講演での質問と話し足りなかったこと。2024・12・15 (第1251回)

 

公益財団法人協和協会は故岸信介総理が設立し、代々総理が会長をつとめて来た由緒ある団体である。現在はお孫さんの岸信夫元防衛相が会長。私はなぜか一昨年に理事のご依頼を受け、その任にあたっている。

 

昨年11月につづいて今年も12月12日に「日本経済の現状と今後-トランプ2.0にどう対応するか」と題して講演した。

 

質疑応答を含めて2時間の長丁場なので、内容はカットする。

 

しかし、ある大企業経営者の方から「本当に日本は国債の出しすぎで、アウトにならないか」とのご質問にずいぶんと時間をかけた。

 

財務省が主張している「国民1人当たり何百万円の負債」は、バランスシートの片方、つまり借金だけを強調しているので正しくない、とお答えしたが、なかなか納得していただけなかった、ずいぶん時間がかかった。

IMFの調査で日本は第二位の健全性を頂いているんですよ

と述べてようやくOKをいただいた。

 

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負債に見合う資産があり、子会社である日銀をふくめた連結決算にあたる「統合政府」でみると、日本はチャートにある通り、カナダに次いで第二位。ちなみに3位はドイツ、4位は米国、5位はフランスである。

 

質問は「鈴木俊一前財務大臣が、統合政府の考え方は日銀の独立権があるから妥当でない」と国会答弁したこと。これに対し「中央銀行の独立性をキチンと理解していないのではないか」と回答した。

 

私が話し足りなかったことは「石破政権の持続性」である。

 

石破内閣の致命的な弱点は世論頼みの玉木氏の進退にある。不倫問題なので見通しにくい。これが致命的な弱点である。

 

そこで出て来るのが来年7月に「衆参同時選挙」である。自公の非改選議席数は75。50とれれば過半数である。

 

勝敗を分けるのが32ある1人区だが、前回の比例を見ると自民と公明にくわえて国民民主、日本維新の会を加えると28又は29必要である。

 

比例代表は、自民14、立憲11、国民6、公明5~6。これだと石破政権の目標38(公明の11と合わせる)である。第一次安倍政権時、逆風下の自民でさえ37獲得して政権を維持できた。

 

幸い「景気は相当に良くなっているので、石破政権は当面、乗り切れる」と私は述べた。よほどのマイナスが発生しない限り、石破氏はまだ持つだろう。

 

それよりもトランプ2.0。安倍未亡人が頑張って夕食こぎつけたので見通しは、明るくなっている。

 

そのトランプ次期大統領に1億8000万ドルも献金したイーロン・マスク氏。この人がトランプ氏に認められ、両氏が行政改革を行う意義は大きい。来年央ぐらいに巨大なお役人斬りが強行されるだろう。マスク氏はX時代、80%の社員のクビを斬り、その後急成長させた実績である。波乱は必至だが、成果は大きいと期待している。

 

民主党と米国大手紙がつくり上げたメチャメチャなトランプの虚像は変わる。武者陵司氏は「高金利とアニマルスピリット」(1995年)の再現と予測。AI革命はこのチームが急進展させると予測している。私もそう思う。

 

ところで再び日経平均は4万円をつけ、次の上昇が始まりかけている。強い相場だ。元気でいきましょう!

 

GOOD LUCK!

 

 

2024年12月 9日 (月)

再び言う「2025年に金をもうけない人は、オトコじゃない」。木野内栄治論文の意味するもの。 2024・12・8 (第1250回)

再び言う「2025年に金をもうけない人は、オトコじゃない」。木野内栄治論文の意味するもの。 2024・12・8 (第1250回)

 

いきなり刺激的な見出しで恐縮しているが、まだ「早く新NISAは全部手放せ、総売りだ」なんてバカを言っている向きがある。何ともなげかわしい。

 

幸い良い論文が出た。大和証券チーフテクニカルアナリストの木野内栄治さんが景気循環学会の機関誌「景気とサイクル」に次のような題で書いている。

 

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<景気循環学会『景気とサイクル』第78号より>

 

「コンドラチェフの波と株式市場」

 

内容は充実して多岐にわたっているので、次のチャートをみていただきたい。

 

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<景気循環学会『景気とサイクル』第78号より>

 

株式価値の根源である企業収益が、設備投資と相関し、株価も同じ。

 

次から見出しとチャートで、著者の目的など紹介する。

 

①財政出動でコンドラチェフの波が上向き、設備投資、株価も上がる

 

②インフレによりR&D投資活発化でイノベーション開花

 

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<景気循環学会『景気とサイクル』第78号より>

 

③リショアリング。繰り返される日本が優遇される歴史

(注:リショアリングとはサプライチェーンを移動すること)

 

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<景気循環学会『景気とサイクル』第78号より>

 

④最後に、在庫循環において意図した在庫の積み上げ局面が発生し、2025年央には日本株・テック景気が一旦のピーク形成となる可能性を指摘する。

 

木野内さんの言う通り、株価上昇は意図した在庫積み上げ終了でこれ迄はついている。

 

以上、ひとさまのご意見を紹介した。イマイさん自身、どう考えているか、と聞かれそうだ。

 

去る21日の日銀植田総裁発言と10月の全国消費者物価で、12月18、19日の利上げの織り込みが、グンと進んだ。

 

発言とは「あと1カ月あれば、多くのデータや情報が利用可能になる」と12月の利上げを示唆した。

 

ご存知の通り、利上げが出る前の12月18日にFRBがどんな政策をとるかを判断する。

 

私は、利上げ、FRB利下げどっちにしても円安ドル高が進むと予測している。

 

利上げ(0.25%)を踏み切った場合は、パウエル議長は次回に対しきわめて慎重な姿勢をとる可能性がある。一方、利下げに踏み切れた場合、インフレ再燃リスクを予想して、投機資金はドル買い、円安に進む。まあ対ドル160円近く迄か。

 

日経平均ですか? 4万3000円、明年3月末と迄は何回も申し上げた。その次? 石破政権の安定度と参議院選挙の気配を読んでから申し上げたい。

 

こんないい投資環境はあと百年しないと来ない。コンドラチェフの波から考えれば、すぐ分かる。

 

だから、私は言う。ことしと来年でもうけなければオトコじゃない、と。男女差別か。それじゃ「人間」じゃない、と言い換える。スミマセン。

 

幸い、12月中旬に13週と23週移動平均が「ゴールデンクロス」を実現した。

 

一度目は2023年4年3日終値から2033年6月23日終値まで19.12%の上昇。

 

二度目は2023年12月25日終値から2024年3月22日終値まで22.18%の上昇(いちよし証券・高橋幸洋さんによる)。

 

こんないい環境だから強気になる。

では皆さん 頑張ってください。

 

 

 

2024年12月 2日 (月)

映画「スティング」と私が心から驚かされた事件3つ 2024・12・1 (第1249回)

映画「スティング」と私が心から驚かされた事件3つ 2024・12・1 (第1249回)

 

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<映画画像>

 

1973年製作の少し古い作品だが、何とも楽しい。またどんでん返しに観客皆がダマされる痛快作でもあり一見をおすすめする。

 

主演はロバート・レッドフォードとポール・ニューマン、監督ジョージ・ロイ・ヒル。そう!「明日に向って撃て!」のトリオの会心の作品でもある。音楽もまことに楽しい。

 

ネタバレになるからこれ以上書けないが、この「ダマシ」に乗るのが、観客には楽しい。

 

今日の私の「事件」は、米国財務長官の人選にある。スコット・ベッセント氏(63才)。何とカラ売り専門のヘッジファンドのトップだった。

 

新長官は、大変な経歴の持ち主である。

 

1991にソロス・ファンドのヘッドに就任。1992年9月16日に歴史に残る「英ポンド売り」を仕掛けて10億ドル以上の利益をもうけた。

 

また2013年の「アベノミクス」発足時、円キャリー取引で円を売り、ここでも10億ドル以上の利益を獲得している。

 

2015年にはベッセント氏はソロス・ファンドから独立し、キー・スクエア・キャピタル・マネジメント(ファンド)を立ち上げた。45億ドルのファンドだが、ソロス氏は20億ドル出資した。ソロス氏のベッセント氏への信頼を物語る。

 

以上述べただけでも、私がおどろかされたことがわかるであろう。私はこの方に、ヘッジファンドのバミューダでの総会でスピーチした時、お会いした。

 

第2はマネー・スクエアのチーフエコノミスト宮田直彦さんの最近のレポートである。

 

同氏の「近いうちに急落する」という予測は次の通り。

 

「8月5日の31,156円(8/5安値)は第(4)波の終点底であり、年末から年始にかけて最高値を更新するでしょう」

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第3が先週も述べた「原油安」である。先週需給関係、とくに中国の需要悪化について述べた。今回はイーロン・マスク氏の太陽光エネルギーにより脱炭素を達成する」という主張について述べる。

 

マスク氏は1964年に旧ソ連の天文学者ニコライ・カルダシェフ氏が考案した文明の発展度を示す三段階のスケールがこれである。

 

すなわち①タイプⅠ文明=惑星で利用可能なすべてのエネルギーを利用、制御できる、②タイプⅡ文明=恒星系の規模でエネルギーを利用、制御できる、③タイプⅢ文明=銀河全体の規模でエネルギーを利用、制御できる。

 

イーロン・マスク氏の計算だと、地表1平方マイル当たり約2.5万ギガワットの太陽光エネルギーが放射されている。1ギガワットは原発1基の発電量にひとしい。

 

問題はトランプ氏とマスク氏の認識の違いである。トランプ氏はそもそも脱炭素の必要性について懐疑的である。これに対し、マスク氏は脱炭素を太陽光エネルギーで実現可能、とみている。しかし最近の情報では二人とも太陽光エネルギーの必要性については一致している、とか。

 

今回は「事件」のみ述べた。しかし、いよいよ相場は上っ放れ始めたと私は見ている。強気でいきましょう。

 

GOOD LUCK!!

 

 

 

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