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2024年10月28日 (月)

映画「ベン・ハー」と日米の選挙による対立の行方 2024・10・27 (第1244回)

映画「ベン・ハー」と日米の選挙による対立の行方 2024・10・27 (第1244回)

 

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ウィキペディアより>

 

あの名作をご覧になっていない方は少ないと思う。知っている、見た、を前提に話を進める。

 

幼いときから親しかったローマ人メッサラがユダヤ人のジュダ・ベン・ハーに求めたのが「ユダヤは属国となったのだから、ローマ皇帝に対し、それなりの敬意を示してほしい」ということだった。しかし、ユダヤ人は一神教なので、それ以外の神の存在を許さない。ローマ人は「神々」つまり複数の神が当たり前。これが物語の初めである。

 

このジュダとメッサラの男同士の確執が、偶然の事故を総督の暗殺と誇大解釈され、ガレー船での3年間につながる。結局36頭の馬が走る戦車競争のスペクタクルになってゆく。

 

一神教対多神教。この対立は深く、選挙とは次元が違うが、トランプ対ハリス、重荷を負った石破政権。政党間の組み合わせによっては日本の進路を決める重大な政局が展開してゆく。

 

初めに、米国。

 

イーロン・マスク氏は10月初め、ペンシルベニア州バトラー(7月にトランプ暗殺未遂が起こったのと同じ場所)に駆けつけ、事件と同じ場所に立って「戦え、投票せよ」と呼びかけた。

 

マスク氏は①ハリケーン被害の大きさ、②(ウクライナと不法移民に予算を使ったため)災害対策支援金がないこと、③ハリス氏が災害被害者に対し1人750ドルを払うと表明し、全米で怒りが爆発した、などを告発した。

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図にある通り、共和党(トランプ)の獲得票数は219、ハリスの215を上回った(リアルクリアポリティクス、大井幸子さんの資料にある)。

 

つれて、株式市場でのトランプ再選がおり込まれつつある。市場では次期財務長官にJPモルガンのダイモンCEOが起用される、とか。エネルギー、防衛、銀行などのトランプ再選関連セクターが人気を集めつつある。

 

また、上院は50(民主党45)、下院は共和党207、民主党196)というように、議会でも風向きは共和党、トランプ優勢と吹いている。

 

トランプ政策は財政拡張的で、ドル高がもたらされると市場には信じられている。現にその見通し通りドル高になっている。

 

一方、今回の総選挙は立憲民主党の都知事選でのミスで、大きな選挙で浮動票を集める能力がないことを露呈した。

 

そのミスとは先般の都知事選。蓮舫氏でよもやの大惨敗で、それ以前の春の補欠選挙での上げ潮ムードを台なしにした。

 

自民党は人のいう通り、減少必至だが、やはり鳩山・菅内閣の記憶があり、大惨敗まではゆくまい。

 

野党側も体制がなっていない。9割の選挙区で野党同士が競合し、同士討ちとなった。ウラ金議員12人の選挙区全てで一本化できなかった。

 

10月27日に結果が出る。

 

いい話がこの間に出ている。

第一は、タンス預金が9.6兆円も減少したことだ。金への投資が、主力だが、証券投資も見逃せない。

第二、中国の不動産が最後はダメなのだが、現在は小反発を見せていることだ。あらゆる指標でマイナス幅が縮小している。

 

日米ともに選挙が投資家の意欲をそいでいるが、結論はすぐ出る。10月終わりにはすべてに移動平均線が「ゴールデンクロス」を形成する。

「バイ・イン・オクトーバー」をお忘れなく。

では皆さん、good luck!!

 

2024年10月21日 (月)

「翼よ!あれが巴里の灯だ」と私のケンカ。そしてバイ・イン・オクトーバー。注目銘柄 2024・10・20 (第1243回)

「翼よ!あれが巴里の灯だ」と私のケンカ。そしてバイ・イン・オクトーバー。注目銘柄 2024・10・20 (第1243回)

 

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アマゾンより>

ビリー・ワイルダー監督の名作。ジェームズ・ステュアートがチャールズ・リンドバーグを演じて、NYを飛び立つ直前から、パリに着く迄を、以前の思い出を中心に画く。

 

若い頃リンドバーグは、空に客を乗せて飛ぶ商売をやっていた。客とのエピソード。

 

「五ドルで十分間空を飛べます。宙返りもやってあげますよ」

「さかさになったら落っこちちゃう」

「大丈夫、安全ベルトがあります」「安全ベルトがだめなら?」

「その時はパラシュートがあります」

「パラシュートが開かなかったら?」

「その時は料金を倍にして返しますよ」

 

劇場全体がワァッッと笑ったのを想い出す。

 

「料金を倍」にして返す前に客もパイロットも死んでいるので笑うのだが、これと同じで荒唐無ケイな前提で途方もない押しつけを主張している人物がいる。


森永卓郎というTVタレントで、獨協大学経済学部教授。この人がたとえば『新NISAという名の洗脳』(PHP出版)という本で証券、金融業界の人への名誉毀損を主張している。

 

「銀行や証券会社、投資銀行に勤める人の9割はポンコツだということ」

「(これらの業界に勤める人達は)はっきり言うと、いかに顧客の資産を奪うかということなのだ」

「そんな状態で投資を「専門家」に任せるのは、カネをドブに捨てるようなものなのだ」

 

この人は私と同じ山一証券に勤めていたそうだが、覚えていない。TBSで「サンデーモーニング」のレギュラーを勤めている時代に、名刺をもらった記憶はあるが。

 

この本の結論は「いまやるべきことは、投資からの撤退であり、新規参入ではない。泥船に乗り込んではいけない」

 

また、2024年8月の4000円を超える暴落で潮目が変わったという森永氏は、「資本主義の抱える矛盾が最高潮に達しており、バブルを引き起こすこと自体が終わる」とも述べている。

 

まあ、こうしたご意見を述べるのは「言論の自由」で私は文句はいわないが、PERは15~16倍で割安。「バブル崩壊」なんて飛んでもない。前途洋々、と私は確信する。

 

バブルの理由として、森永さんは、ウォーレン・バフェットのGDPの二倍に達した時価総額を挙げている。しかし、パンデミックやその前のリーマン・ショックなどで最悪の事態を避けるため、金融の緩和を行った結果である。

 

ウォーレン・バフェット氏にも私は三、四回会ったことがあるが、「片言隻句も大切にされすぎる」ことをいやがっていた。いまでも本当にこのルールを信じているのかどうか。

 

大切なことは、アップルは売却しても、日本で六千億円の起債を行い、大手商社に次ぐ「何か」を買うことだ。バフェット氏がバブル破裂を信じているとは、ユメにも私は思わない。

 

さて、いよいよ結論、「バイ・イン・オクトーバー」って何? と聞かれる。4月の日経平均4万2000円台の時に、主力だった半導体の広義の関連が「期日迎え」で妙味がある(ただしご投資は自己責任で)。

 

選挙が、野党の主張する「政権交代」にほど遠いことは、支持率をみればすぐわかる。自民32.4%プラス3.5%公明2.8%マイナス4%立憲民主党14.2%プラス0.9%

 

さて注目銘柄である。チャートは大和証券チーフテクニカルアナリストの木野内栄治さんのもの。

アドバンテスト(6857)

スクリーンHD(7735)

東京エレクトロン(8035)

ソシオネクスト(6526)

レゾナックHD(4004)

 

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<木野内栄治の Market Tips(10月11日)より>

 

では皆さん、元気を出して行きましょう!

GOOD LUCK!

 

 

2024年10月15日 (火)

「仮名手本忠臣蔵」と石破政権の重大な欠陥、意外な「かくし玉」 2024・10・13 (第1242回)

「仮名手本忠臣蔵」と石破政権の重大な欠陥、意外な「かくし玉」 2024・10・13 (第1242回)

 

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アマゾンより>

 

歌舞伎座で何回この名作を観たか。一寸想い出せない位だ。高師直が顔世御前に横恋慕してコトが始まるのが、私には一寸割り切れないが。

 

何で新政権の発足と歌舞伎と関係があるか。赤穂の地方大名に殿中のこまかいことが分からなかったように、今回の石破政権は対外、ことに安全保障の面からみて大変な欠陥がある。しかもマスコミや各シンクタンクで、これを指摘する向きが全くといっていいほど見当たらない。

 

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国内の方は別表にまとめてある。岸田路線を継承していること。また表にある政策でも、首相は柔軟に変更していることは、ほめられていい。

 

さて、問題の日本の安全保障について。首相はこう提案している(所信表明演説では省略されてはいるが)。アジア版NATOの創設と日米地位協定の改定の二つである。

 

第一のアジア版NATOは、本家の欧州では加盟国への攻撃は全体への攻撃とみなす、という集団安全保障体制である(「USAレポート」1023回による)。

 

つまり、北朝鮮有事にも日本が参戦することになる。首相は「だからこそ、各地の紛争を阻止できる」と考えているのだが、現実的ではない。

 

かりに「北」が韓国に攻め入ったとする。自衛隊が韓国に援軍にいくと駐屯地では韓国の左派系がデモを起こし、トラブルになる。あるレベルを越えると南北朝鮮軍で自衛隊に攻めかかるということもあり得る。

 

第二の方はもっとむずかしい。首相は日米の安保体制を相互に平等にすると考えている。自衛隊を米国に駐留させるという案も考えているようだが、訓練を「してもらう」ということであれば、対等性が確保されるのか。

 

また米兵の犯罪についても、捜査の方法と問題がある。弁護士の同席を認めていないからだ。

 

米国側からみれば、立ち遅れている日本の司法制度を利用するのは問題が多い。私はこの安全保障問題はスタートから考え直すべきだと考える。

 

では、大したことが出来ずにごくごく短命の選挙管理内閣か、というと、意外な「かくし玉」があると私は考える。

 

1990年、石破氏は「金丸訪朝団」の一員として訪朝している。この金丸=金日成国家主席ともに故人になったが、その折、二人だけのサシで行った約束がある。後に小泉純一郎首相の訪朝、邦人の帰国という大変な事件につながった。

 

最近、石破内閣発足にあたって「北」は拉致問題がある限り、日本との交渉はしないという意思表示をしている。何かモヤモヤとした「次」が起こりうるという感じがある。

 

さて、終わりにひと言。今週からとりあえず半分、来週に半分。この作戦で次の銘柄を狙う。チャートで買い信号が出ている銘柄ばかりだ(いちよし証券の高橋幸洋さんのご協力いただいた。感謝!)

 

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2024年10月 7日 (月)

チャップリン「ライムライト」と私のケンカ。W.バフェットの次のターゲット。選挙と相場 2024・10・6 (第1241回)

チャップリン「ライムライト」と私のケンカ。W.バフェットの次のターゲット。選挙と相場 2024・10・6 (第1241回)

 

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映画ナタリーより>

 

チャップリンをスイス・ジュネーブの空港で見掛けたことがある。1969年。小柄で美しい白髪でまことにチャーミングな老人だった。

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ウィキペディアより>

 

「ライムライト」は人情ばなしとして、誠に良く出来ている。自殺をはかったバレリーナを元気づけようと数々の人生訓をしゃべる。

 

「華やかなライムライトの中に若者が登場したら、老人は退き下がらなくてはならない」

 

――そうは言っても、ねえ。死ぬ迄このブログを書くつもりなんです。スミマセン。

 

「宇宙の何よりも貴い『生きる』という奇蹟を消してはいけない。星に何ができる。ただ空をめぐっているだけだ」

 

良く講演で使わせて頂いたのが――、

「人生で大切なものは勇気と想像力、それに少しのお金だ」

 

9月1日の私のブログで私はひとさまに初めてケチをつけた。

 

某大学教授でTVタレントの1人、エムさん(67才)が新NISAについて「再び手を出すな」「暴落後、戻らない」などと主張し、かなりな反響を呼んだ。

 

入院中の私に看護師さんたちが、「NISAを止めましょうか?」と何人も何人も聞きに来た。

 

「とんでもない。老後、人生に最も大切な財産づくりに必要です」。

 

「資産運用立国」は岸田政権時に国策として採用され、新NISAはその重要な一環である。その重要な国策に対し、「早く止めろ」とは一体、何さまなのか。絶対に止めてはいけない。

 

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<SMBC日興証券牧野潤一氏の9月30日付レポートより>

 

株価が暴落から立ち直りつつある、当初増税主義者(表の通り)で、大変な悪材料が具体化される、と誰もが考えた。

 

しかし10月に入って石破首相は日銀総裁との会見後に「追加利上げをするような環境にない」と発言。市場では円安、日経平均先物買いがぐっと進んだ。経済好況維持に首相は豹変したように見える。

 

石破首相は10月15日公示、27日投開票の日程で衆議院選挙を実施する。

 

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<三井住友DSアセットマネジメント市川雅浩氏の10月2日付レポートより>

 

表の通り、解散から総選挙まで、すべて株高が起きている。「選挙は買い」である。

 

加えて、好材料がまた米国からやって来た。

 

ウォーレン・バフェット氏ひきいるバークシャーハサウェイ(BRK)が、円建て債を起債する。6千億円。

 

これ迄の商社買いは倍増しているが、「次」が何か、が気になる。いや、大いに気になる。

 

大和証券チーフテクニカルアナリストの木野内栄治さんは「保険株や海運株」。公表は10月21日が最短とみておられる。ご参考までに。

 

 

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