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2023年10月30日 (月)

映画「THE CREATOR/創造者」とトランプ第2期。岸田政権の寿命。そして注目株 2023・10・29 (第1197回)

映画「THE CREATOR/創造者」とトランプ第2期。岸田政権の寿命。そして注目株 2023・10・29 (第1197回)

 

近未来型SFアクション映画は、カネのかけ方によって出来が違う。今回の作品は残念だが、予算が低かったらしい。出来はやはりイマイチ。

 

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映画公式HPより>

 

核爆発によるロサンゼルス崩壊以降、人類とAIは十年以上激しく戦っていた。元特殊部隊員のジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は妻マヤを失って、悲嘆にくれている。

 

そんな中、軍上層部から人類を滅ぼす兵器「クリエイター」の暗殺指令と、マヤの生存情報がもたらされた。再会を信じて敵のアジトに向かった主人公が出会ったのが、かわいい少女アルフィー。この少女こそ暗殺対象のクリエイターだった。

 

さて。トランプ再選。フォーリン・アフェアーズ誌最新号で「トランプ2.0の時代」という記事を書くくらいだから、相当確度が高い。

 

同誌によると「同盟国に恐怖を、ライバルに希望を」らしい。

 

2017年、トランプ氏は駐ウクライナ大使を自分に従順でないとして引き揚げ、ゼレンスキー大統領を自分の再選に協力させる駆け引きとして、最新鋭の対戦車ミサイルの供与を止めた。これでプーチンは時間を稼ぐことができた。

 

ある欧州高官は2期目のトランプ氏を「アーノルド・シュワルツェネッガーが演じた役より、殺人的で洗練されたサイボーグの暗殺者が登場するターミネーター・シリーズ」に例えた。

 

結論。ウクライナ戦争は、明年、遅くとも夏までに終わる。ウォーレン・バフェット氏の見方は正しく、大商社株の出番だろう。パレスチナ?イランの介入がなければ、ごくごく短期だろう。

 

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NHK選挙Webより>

 

さて、わが国。現岸田政権の支持率は36%、不支持は44%。しかし自民支持が36.3%、ほかは1ケタなのでいわゆる青木ルールに照らしても、一応安泰である。

 

さらに、今回の「減税」がある。5兆円規模で、所得減税4兆円、低所得世帯に7万円。いわゆる定額減税だ。

 

加えて経済対策(日経1025日付)がある。

 

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19人いる閣僚のうち11人が新人。どこかでボロが出る人が2~3人出て、解散に追い込まれない限り、明年9月の総裁選がらみの解散で勝利する確率が大きい。

 

最後に銘柄。それもひとつ。

 

  • 小野薬品工業(4528)

 

まず業績。オプシーボ(対胃ガン)、フォシーガ(対糖尿病薬だが慢性腎臓病向けにも)が大幅増。EPS23.3期220→266→258。

 

私がホレたのはPER。今期ベースで10.5→10.8。10倍台は安い。

もちろんご投資は自己責任で。

 

2023年10月23日 (月)

映画「ミステリと言う勿れ」とハマスのイスラエル攻撃のわが国にもたらす影響。上下動に関係なく利幅が狙える3銘柄 2023・10・22 (第1196回)

映画「ミステリと言う勿れ」とハマスのイスラエル攻撃のわが国にもたらす影響。上下動に関係なく利幅が狙える3銘柄 2023・10・22 (第1196回)

 

1800万部を突破した大人気漫画が原作で、フジTV月曜ドラマで放送し、歴代No.1の見逃し配信。いろんな賞を獲得し、映画も興行収入首位がつづいている。

 

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映画公式サイトより>

 

主人公の大学生、久能整(菅田将暉)がたまたま広島に行って、「バイトしませんか」と女子高生・狩集汐路(原菜乃華)に声をかけられる。遺産相続の話。相続の度に死人が出るといういわくつきの話に主人公が巻き込まれてゆく。これ以上はミステリなので、勘弁して下さい。

 

結局、この物語は旧世代に対する新世代の勝利。つまり弁護士や税理士のジイサン2人が最後にやられて終わる。

 

さて、今回のハマスによるイスラエル攻撃は予測が難しい。原油の高騰につながれば、97%のエネルギーを輸入にたよっているわが国としては、大打撃になる。

 

もちろん、エネルギーの輸入国だった米国がシェールガス革命のおかげで輸出国になっているので、かつてのようなショックはない。しかし、ある業界通がもらした「バレル100ドル」が実現する公算は大きいと私は考える。

 

一方、NYタイムズにノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授が述べたように「米国のウクライナへの援助は止めになる」公算が大きい。

 

ある官僚は私に「ウクライナで来年3月に大統領選挙がある。ゼレンスキーが退任し、新大統領が終戦または停戦に持ち込むというシナリオがある、と話してくれた。

 

米国全体の地盤沈下は仕方がない。しかし中東が第3次世界大戦に進むことは、歴史的ないきさつからみてもあり得ない。ウクライナの復興が大テーマになる。ウォーレン・バフェット氏の大手商社買い、日立製作所の一時1万円台乗せなど。

 

ただし、過去の実例からみると、このテの地政学リスクの「賞味期限」は案外短い。

 

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<SMBC日興証券10月18日付 為替・外債分析レポートより>

 

マーケット面で早くも織り込み始めている。

 

いちよし証券の高橋幸洋さんは、移動平均からみて買いシグナルが出ている銘柄を36挙げている。私なりに低PERで材料含みの銘柄を3銘柄選んでみた。

 

①大阪ソーダ(4046)PER25.7倍→16.9倍。糖尿病や肥満症の治療薬の増加に注目。

 

②東京エレクトロンデバイス(2760)PER11.1倍→10.8倍。車載半導体が好調。

 

③エフテック(7212)PER8.0倍→7.0倍。ホンダ向け足回り部品が好調。

 

これにオマケとして三菱重工業(7011)PER13.9倍→13.1倍。何といっても対ドローン新兵器の開発成功に注目したい。

<各社のPERは『会社四季報』2023年秋号の今期→来期>

 

ついでだが、これまでおすすめしてきた銘柄に対して弱気に私がなったわけではない。ご投資は自己責任でお願いする。また11月17日の予算切れと、ムーディーズの米国国債格下げリスクをどうぞお忘れなく。

 

映画のセリフから。「こういう事件を起こすヤツには必ず本人なりの法則がある。ただ常人には理解できないだけだ」。

 

もうひとつ。

 

「どう怒っていいか分からない人は、何が正しいかも分からないって、誰かが言ってたな」

 

2023年10月16日 (月)

映画「イコライザー THE FINAL」と「有事の金」の有効性。そして私の株価見通し 2023・10・15 (第1195回)

映画「イコライザー THE FINAL」と「有事の金」の有効性。そして私の株価見通し 2023・10・15 (第1195回)

 

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出所:映画パンフレットより

 

デンゼル・ワシントンの出る映画は、観て損したと思う作品は、まずない。今回の作品は、前2作よりは劣るが、それでも水準は高い。

一度見るといい。

 

ところで金価格。

 

商品アナリストの小菅努さんの著作によると――

 

「投資行動としては『有事の金買い』よりも『有事の金売り』の方が有効なことが多い」として、その理由を述べている。

 

たとえば、今回のウクライナ侵攻。2022年2月24日にロシア軍の侵攻が始まったが、金相場は3月8日にピークアウトし、3月15日には侵攻前の水準を下回っている。

 

では、今回のイスラエル対ハマスの地域戦争が長期的か、短期的か、どうか。

 

私が注目したのは、原油価格。ヘッジファンドの運用担当者は、原油買い、米国株、債券売りのポジションを取っている。イランの援助で長期化すると読んでいる。

 

一方、米国の指導者層の方は、短期で終了することを望んでいると、私は推測する。ウクライナへの軍事援助で不人気となっている現在、援助先が増大することは好ましくないはずだから。

 

しかし、下院の造反に加えて、対中国新冷戦、ウクライナに加えて

中東動乱。これじゃあ米国の対応が、うまくゆくわけがない。

 

【金先物チャート】

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<出所:Investing.com> 

 

10日に著名な若林栄四さんのセミナーがあった。

 

「クリスマスまでに、現在の1オンス1900ドル台から2200ドル」とし、将来の3800ドル、7750ドルも」と予想している。

 

的中率が高い名人の予想なので、私はこれの方を重く受け止めている。

 

さて、日本の株式である。

 

10月8日の私のセミナーでの「3万円の大台は厚いので、なかなか割らないが、私は相当高い確率で割れると思う。その場合は2万7000~2万8000円」と述べた。

 

その後、米国債券市場で、長期(10年)金利が4%台に下落(価格が上昇)したが、まだムーディーズの米国債格付けのワンノッチ引き下げリスクは残る。11月17日まで、米国債はもちろん、日本株も私は買いをすすめない。短期決戦でサヤを取る投資家の方々はウデのふるい場だろうが。

 

大和証券の木野内栄治さんが、短期決戦用としてレーザーテック(6920)を挙げている。信用取引の期日に注目している。木野内さんは信用できるので、これは腕に覚えのある向きは、ついてゆかれるといい。

 

映画のセリフから。

 

マッコールがいう、「タイミングが大切なんだ」。短期決戦の方だけでなく、長期の方も、2万8000円は買い場であることをお忘れなく。

 

2023年10月10日 (火)

「ドライビング Miss デイジー」と聞こえて来る世界不況の足音。本当かな? 2023・10・8 (第1192回)

「ドライビング Miss デイジー」と聞こえて来る世界不況の足音。本当かな? 2023・10・8 (第1192回)

 

ふつうは映画をつけるんだけど、今回は外した。映画のほかに、仲代達夫、奈良岡朋子の共演の舞台が素晴らしく、その記憶があるからだ。

 

もちろん1989年のこの作品は、アカデミー作品賞、主演女優賞など4部門を獲得した秀作である。

 

1984年のジョージア州アトランタ。

 

ユダヤ系の老婦人デイジー・ワサンが買い物に出かけようと愛車に乗り込むが、運転を誤りお隣の垣根に突っ込むシーンから始まる。

 

息子が心配して専門の黒人運転手ホークを雇う。はじめは反発していたデイジーだが、次第に正直な人柄に打たれて、使うようになる。

 

以下は省略するが、ラストシーンは、ホークがパイをデイジーに食べさせる。ジーンと来るラストだ。

 

前回のこのブログでも指摘したが、今回の政府閉鎖の一件は、下院議長解任で一段と見通しが悪くなっている。

 

11月17日までのつなぎ予算がある間に全部解決する可能性は、かなり低そうだ。やはりムーディーズの格下げが米国国債に行われ、そこから再び下落相場(債券主導で株にも)が発生するリスクは、かなりあると覚悟すべきだ。

 

私がNYに連絡して取材したところ、次のような「楽観シナリオから悲観シナリオへの転換」が、ファンド運用者間でささやかれている。

 

つまりFRBが、来年早期に利下げを開始するという楽観派が急速に減少。代わりに「金融引き締めが長期化する」という悲観派が急速に増加している。

 

もちろん、現時点では米国経済に深刻な悪影響が起きているわけではない。このまま政策金利が現在の5.25%か、5.50%かそれ以上の水準を維持した場合、実体経済への悪影響が心配されているのである。

 

ファンド運用者に聞くと、次のようなテクニックが使用されている。

 

現在は短期金利の上昇余地が乏しい。長期金利の上昇が、長短金利の逆イールド解消を進めているのが現状である。

 

3月初めには10年債と2年債の利回りは0.6%の逆イールドだったが、現時点では0.3%に半減している。過去の経験則では逆イールド解消がリセッションにつながるケースは100%である。

 

<米国10年債チャート>

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<米国2年債チャート>

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(出所:Investing.com

 

運用者の中には、米経済のソフトランディングシナリオの楽観論に乗っている向きがけっこう多い。やはり、ムーディーズの格下げがあれば(私はあると思うが)、米国株は相当下がるのではないか。

 

さて、日本株。いちよし証券の高橋幸洋さんによると「225オプションの2023年10月をみるとプットの買いが3万円のところで1万4608枚ある」。日柄は10月19日に2023年8月18日からの「対等数値」が到来する。そのあたりでボトム形成接近と考える、と高橋さんは言う。ご参考までに。

 

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チャートが示すように、まだ日経平均は長期上昇トレンドの中にいる(三井住友DSアセットマネジメント市川雅浩さん)。

外国人の大量売りが主体なのだから、弱気は禁物、明るくいきましょう!

 

2023年10月 2日 (月)

「米寿老人のひとり言――言ったとおりになったじゃないか!」 2023・10・1 (第1191回)

「米寿老人のひとり言――言ったとおりになったじゃないか!」 2023・10・1 (第1191回)

 

私のボイスメッセージ「今井澂の相場ウラ読み」で予想した通りの展開になっている。NY発「ドカ」である。

 

米国の予算審議が「ドカ」の背景である。

下院の共和党強硬派が①大幅な歳出削減、②ウクライナ支援削減、などを理由にマッカーシー下院議長が提示している案に反対している。

 

同議長は月次のつなぎ予算を通過させようとしているが、これにも強硬派が反対していた。11月までのつなぎ予算はなんとかとうしたが問題の解決に向けたものではない。

 

議会での予算が本格的成立しないので、政府は部分的な閉鎖状態に入る。

 

前回(2011年)の時は株価は2カ月下落し、NYダウでいうと9.4%下げた。今回はほぼ半分しか下げていないので、あと半分は下げると予想するのがリクツに合う。

 

米国では政府関係はGDPの5分の1を占める。混乱が長引けば、打撃は大きくなる。

 

米国国債は2011年にS&Pグローバルレーティングが最高位から1ノッチ引き下げた。今年5月にはフィッチ・レーティングスが同じく格下げを行った。

 

今回は大手3社のうち残っていたムーディーズ・インベスター・レーティングだが、大手3社が足並みを揃えれば大幅な株安(私が呼ぶ「ドカ」または「ドカン」)と米国国債の下落になる。

 

NY株式市場の最近の下げがきついのは、FRBによる11月1日の次回のFOMCで、追加利上げの見送り、または打ち止め観測につながることもある。(以上は、WSJの9月27日の記事木内登英さんの9月28日の記事を参考にしました)。

 

以前から私は8月下旬から「NYにドカが来る」と警告してきたのはご存じの通り。

 

特に日本市場は、外国人機関投資家が市場の3分の2を占めている。米国発「ドカ」または「ドカン」が来たら、日本株も影響を受ける。

 

蛮勇をふるって予測すると、NYダウの3万1000ドル台、日経225も3万1000円。外国人機関投資家が早くから言っていた「10月に3万5000円」説は、もう吹っ飛んだと考えた方がいい。

 

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(チャートはヤフーファイナンスより引用)

 

買いのスタートですか? 私の「相場ウラ読み」に入るか、10月8日に開かれるセミナーに参加されるのがいい。

 

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