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2023年8月28日 (月)

映画「リボルバー・リリー」とNYの「ドカ」、日本株の割安性と底値、目標(目先の)高値 2023・8・27 (第1186回)

映画「リボルバー・リリー」とNYの「ドカ」、日本株の割安性と底値、目標(目先の)高値 2023・8・27 (第1186回)

 

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出所:映画パンフレットより

 

初めに先週の休刊についてお詫びを申し上げる。何カ月か前にサントリーホールでころんで頭を打った。頭ガイ骨と脳の間に血が溜まった。8月16日にプールの開場を待っているうちに気を失って、救急車で病院に担ぎ込まれた。

 

頭ガイ骨を1.5センチ明け、100ミリリットル(コップ半分強)の血を取った。手術は1時間で完了し、6日間の入院で退院した。プールに行くのもOK!

 

たまたま、この8月27日は誕生日だ。88才! どうぞ私を「翁」と呼んでください。

 

ところで、自慢をひとつ。かねてから口をすっぱくして申し上げてきた。米国発の「ドカ」が発生した。

 

原因①フィッチの米国国債格下げ

原因②米国政府の赤字補てんのため1兆ドル近い短期国債発行。このため政府発行の米国国債の利回り上昇(価格下落)。民間債のクラウディング・アウト。

 

これに加えて、中国のインチキがバレたのが響いている。政府保証債を不動産企業に与えたのが好影響を与えればいいが、まだとても見通しはむずかしい。

 

NYの下げは8月1日対8月24日でわずか4.4%値幅で1553ドル。これじゃあ下げ完了とはいえない。

 

フィッチひとつをとっても、12年前の経験では9%、2カ月下がった。私が信頼するテクニカルアナリスト箱田啓一さんによると「9月末から11月にかけて上昇トレンドへ」となる。やはり、来9月いっぱいはダメらしい。

 

 一方、日経平均の方は同氏によると「9月13日から22日にかけて反騰のきざしが見られる」とのこと。あと3週間はガマンの子だ。底値は3万1000円の大台で止まる公算が4割。3万円の大台を守る可能性が6割。

 

改めて注目したいのが、日本株が割安なこと。グラフはTOPIXの割安さである。

 

チャートは野村アセットマネジメント「投資環境レポート VOL303号」からとった。

 

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TOPIXが上昇しているにもかかわらずPERは下方にとどまり割安さが増している。

 

この支えは有力国の中できわだって高い企業収益の伸びにある。誰の目にもはっきりしている。

 

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インバウンドの増加。中国の団体旅行解禁がある。年間換算ではインバウンド需要が2.0兆円増加する。(第一生命経済研究所首席エコノミスト熊野英生氏の8月10日レポート)。

 

中国人の1人当たり消費額は2023年1~3月で67.5万円だった。

 

加えて①日銀の緩和的な政策による円安、②輸入物価の大幅な低下、③賃上げによる消費拡大期待、④低PBR企業に対する東証の改善要請と莫大な自社株買い、などなど。

 

私が全力を挙げて外国人機関投資家に取材したところ「10月に3万5000円」と言っている。気の早い向きは「9月末」とも言っている。ご参考までに。

 

押し目になったので注目銘柄を3つ。

①ダイキン工業(6367)、②信越化学(4063)、③住友商事(8053)。

 

忘れるところだった。「リボルバー・リリー」について、ひと言述べる。

 

何しろ私は綾瀬はるかの大ファンで、いつでも元気をもらえる。映画としては、出来こそイマイチだが、アクションのシーンがみんないい。綾瀬さんを観ているだけで楽しめる。

 

2023年8月21日 (月)

今週のブログはお休みです。

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今週のブログ更新はお休みとなります。

次回更新を楽しみにお待ちください。

 

前回のブログはこちら

映画「KINGDOMキングダム 運命の炎」と北京の大洪水の人災、人口の少子化、老齢化、そして銘柄 2023・8・13 (第1185回)

 

 

2023年8月14日 (月)

映画「KINGDOMキングダム 運命の炎」と北京の大洪水の人災、人口の少子化、老齢化、そして銘柄 2023・8・13 (第1185回)

映画「KINGDOMキングダム 運命の炎」と北京の大洪水の人災、人口の少子化、老齢化、そして銘柄 2023・8・13 (第1185回)

 

何しろ原作は9900万部を売り、今回の映画も大ヒット。たしかに面白い。

 

何しろ7国が乱立している中国を統一した秦の始皇帝の若い時代から統一まで(と思っているのだが)を画くのだから大変な大作。

 

見せ場は2回。隣国の趙に人質として出されていた若き国王の脱出。馬車を追っ手が追う。「駅馬車」を思い出した。杏(あん)が脱出を手伝うヤミ商人でもうけ役。最後には死ぬが。

 

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出所:映画パンフレットより

 

2つ目の見せ場は趙からの大軍を迎え撃つ王騎将軍の知謀。大沢たかおがこの役をつとめ、カタキ役に片岡愛之助と山本耕史。

 

王騎将軍は100人の「飛信隊」という特別な直轄部隊をつくり、戦争孤児だった信(しん:山崎賢人)を隊長にする。この特別隊が相手の将軍のクビをとって秦は勝つ。

 

習近平の威信が崩れ始めている

 

昔から中国では治山治水がうまく行かなかった政権(王国)は、更代を余儀なくされる。だから皇帝の紋章である龍が治水の象徴になっている。

 

今回の台風5号は8月1日迄に北京市だけで4万4000人が被災し、12万人以上が避難。福建省で被災者266万人以上、直接経済損失147.5億元(2933億円)もの大被害を出した。

 

とくに北京での、過去600年以上水没した記録がない故宮紫禁城も冠水した(JBプレス8月4日付福島香織さん)

 

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出所:JBプレス 2023年8月4日付

 

皮肉なことに7月19日に「習近平の治水に関する重要論述」という本が出版された。水利部機関紙「中国水利報」に「長期間解決しなかった治水問題(習近平が)解決した」と報じた。

 

その直後に、福建から上海、江蘇、河北、北京、天津の至る所が水没した。メンツ丸つぶれだ。

 

折も折、私が以前から申し上げている通り中国経済が苦境におち入っていることが明白となった。

 

一例:6月30日に発表された6月の購買担当者景気指数(PMI)の、製造業が3カ月つづけて景気判断の分かれ目の50を下回った。非製造業の方は53.2と3カ月連続して50を上回ったが前月比1.3ポイントの下落。

 

野村総研エグゼクティブ・エコノミスト木内登英さんによると「中国経済はまさに内憂外患の様相にある」。

 

中国人民銀行は6月に10カ月ぶりに利下げに踏み切った。しかし、金融緩和が資本流出を加速化させ、人民元の下落を促している。

 

一方、国内政策も手詰まり感が濃厚である。大型のインフラ投資で需要を押し上げるという従来型の手法は、産業や不動産における巨大な供給過剰を招いている。香港の有力紙サウスチャイナモーニングポストは、日本と同じバランスシート不況になりつつある、とした。

 

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出所:マンデー・ミーティング・メモ 2023年7月18日(vol.741)

   野村総研 リチャード・クー

 

「バランスシート不況」を言い出したリチャード・クーさんは「これに加えて、人口の老齢化と減少がある。つまりバランスシート不況と構造問題がダブルで中国に下押し圧力を加えている」。

 

さて、経団連のお偉いさんが目をむくだろうが、悪いことはいわない。はやく中国から逃げ出しなさい。

 

おわりに、日本。かねて申し上げているように「ドカ」がNY発でやってきた。木をみて、森を見ずだ。

 

改めて注目銘柄3つを申し上げる。低PBR、増益率大。

 

①東急不動産ホールディングス(3289) ②神戸製鋼所(5406) ③横浜ゴム(5101)

 

これに三菱重工業(7011)対ドローン兵器の開発、PER10倍、最高益。

(ご投資は自己責任でお願いします)

 

なお、49冊目の拙著が出ました。

 

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2023年8月 7日 (月)

映画「ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」と米国国債格下げショック 2023・8・5 (第1184回)

映画「ミッション・インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」と米国国債格下げショック 2023・8・5 (第1184回)

 

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出所:映画パンフレットより

 

画期的なステルス技術を持った原子力潜水艦が沈没した。その技術が敵に渡るのを阻止するため、イーサン・ハント(トム・クルーズ)は旧知の仲間たちを呼び寄せ追跡を開始する。

 

 秘密を握る十字鍵をいくつかの勢力が追いかける形で映画は進行する。

 

 例によってトム・クルーズの体を張ったアクションが売りになっている。バイクでガケを飛び降りるシーンは500回もスカイダイビングで練習したとか。61才の年齢を考えると、全力疾走のシーンの多いことに驚かさせられる。面白いし、ユーモアも巧みにちりばめられている。おすすめできる。

 

 さて、8月1日に公表された米国の格付け会社フィッチの米国国債格付けをトリプルAから、ダブルAプラスへ、ワンノッチ引き下げたことでショックが走っている。

 

 誰もが思い出すのが、2011年スタンダード&プアーズ社がやった同じ格付け引き下げである。

 

 当時は8月5日にS&Pがクレジットウオッチネガティブにした直前の、8月3日のNYダウが1万1896ドル。これが2カ月下げて、10月3日に1万0404ドル(ザラバ安値)。まあ9%下げた。

 

今回はどうだろうか。初体験よりは2度目のほうが、期間も下げ幅も少ないと想定するが、タイミングが悪い。

 

つい先日まで展開していた米国債務の上限問題は解決した。しかしその後始末が容易でない。問題があった期間の累積赤字は1兆ドル近く。その分を短期国債(5%)で埋めなくてはならない。クラウディング・アウト(民間債などが市場から押し出されること)が起きかけている。その時も時、フィッチ・ショックが起きた。

 

折も折、まだFRBは金利引き上げの最中にて、マネーサプライは10%近く減少中である。

 

円レートはドル安、円高に向かうはずだが、現実には米国勢の日本株売りで、米国株・日本株安、円安というトリプル安になっている。

 

日本株はどうだろうか。

 

実体経済はいい。インバウンドが景気を押し上げる。

 

コロナ騒動の直前の2019年、4.7兆円がインバウンド収入だった。これが2020、21、22の3年間入らなかった。14.1兆円の収入がないのだから、周囲を見回していいことがなかった。

 

これが、2019年に中心だった中国がまだ本格化してないが、訪日外国人客数は75%まで回復した(チャートはソニーフィナンシャルグループ宮島貴之さんによる)。

 

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消費単価は2019年の16万円にくらべ21万円と33%増加している。平均宿泊数が2019年は9泊だったが、2023年は14泊。当然消費額は増える。

 

結論。8月一杯、まずくすると9月中旬ごろまで米国株式市場からいいニュースが来ないと覚悟すべきだ。セル・イン・オーガスト、だ。

 

外国人投資家は日本どころではない。ショート一本だろう。日経平均3万1000円台で止まるか、どうか。森を見ず木を見よ、だ。銘柄中心に考えた方がいい。

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