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2023年3月27日 (月)

映画「エブエブ」とジョージ・ソロスの「ウクライナ2」。そして中国の大苦境。「3月のドカ後の作戦」。 2023・3・26 (第1165回)

映画「エブエブ」とジョージ・ソロスの「ウクライナ2」。そして中国の大苦境。「3月のドカ後の作戦」。 2023・3・26 (第1165回)

 

今年度のアカデミー賞に「エブエブ」が作品賞、監督賞、主演女優賞など7冠の圧勝。「エブエブ」とは「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の略。

 

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私は自分の頭がオカシイのではないかと思って、実は、2回観た。映画好きの友に「実は全くわからなかった」と云ったら、「皆が、あんな凡作がどうしてアカデミー賞レースで圧勝したのか?と聞かれて困っている。」と。

それもそうだろう。どんな話?と聞かれて答えに窮する人が99.99%だろう。

タ刊フジによると、「説明不能の世紀の怪作」だそうだ。

 

誰もわからないが、答えが出るのを、世界中が待っている「Q」が3つある。

  1. ウクライナ侵攻の結末
  2. 中国の不動産バブルの最後
  3. そして2024年の米国大統領選挙の結果

 

①について、ジョージ・ソロス氏の最近の情報__

たとえばロシア傭兵グループと正規軍の間での内戦が起きていること__などを含め、いい情報を私にくれた。詳しい内容は次の通り。

 

昨年10月末まで、ウクライナは戦場で勝利していた。その後、ロシアはイランの助けを借りて、ドローンを大規模に導入した。その結果、民間人から電力、水を奪い、ウクライナは攻勢を控えているのが現状である。

 

現在のロシア正規軍は絶望的な状況にある。レベルの低い指揮官、不十分な装備、戦意はまったくない。

 

プーチン大統領はこれを認識し、賭けに出た。

傭兵のワーグナーグループと契約し、囚人の解放を許し、パクムットの町の周囲にロシア支配の領土を増やしはじめた。

 

ところで正規軍は何のメリットもなく、そこで官僚的な反撃を始めた。追加の囚人の採用は厳禁、ワーグナーの戦闘機にわざと間違った種類の弾薬を供給。当然ワーグナー傭兵軍の指導者プリゴジン対プーチンに訴えた。

 

プーチンは当初プリゴジンを助けようとしたが、最終的には正規軍を支持した。一種の内戦がここ数週間、行われている。

 

ウクライナ側はこの有利な状況で春の到来を待ち、レオパルド2戦車を受けたあと、〇月(ソロス氏はわざと省略)に大反撃が開始される。決定的に流れを変えるに違いない。

 

では、プーチン、習の会談は和平につながるのか。

 

プーチンは停戦を切望しているが、それを認めたくない。習近平も同じ状況にある。

 

バイデン大統領は、ゼレンスキーに交渉を背後で始めるとはしないと約束している。

 

従って、簡単に和平に飛びつくことはない。しかし私は、不要になった兵器を使い終わった米国は、案外近い内に休戦に入るかもしれない、と考える。

 

私の見方を付け加える。JPモルガンが200〜300億ドルの規模で、「ウクライナ再建ファンド」をローンチしようとしている。

 

またブラックロックはゼレンスキー大統領の個人資産の運用を開始した。さらに共和党支持者の42%は、もうそろそろウクライナ支援をやめろ、と言い始めている。

 

ふつうウォール街の作戦の成果は9ヶ月かもう少し後だ。

 

従って停戦又は休戦は本年末か、明年の年始か、と私は考える。

 

一方、習近平の方もいずれ爆発する大問題を抱えている。不動産バブルの破裂、である。

 

この件は、何回も述べているから、簡単に繰り返す。

バブル破裂で新規需要は激減。

資金繰りに困った業者や金融機関の破綻。

今後も人口減で見通しは暗い。

 

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このストーリーを裏付けるチャートを、日本総研調べで掲載した。

 

最近日経新聞が、亜鉛の市場について「中国の住宅不況で4ヶ月ぶりの安値になった」と報じた。情勢は悪化している。

 

また、中国の外貨建て債務の膨張も問題である。BIS統計では、2.196兆ドル。

しかし私のヘッジファンドの友人たちは3兆ドルか4兆ドル、と言い出した。

 

この返済は不可能である。

 

BIS統計の2.296兆ドルの内わけを見ると、銀行貸出は8670億ドルで残りは債券。その平均マチェリティは3〜4年とされている。

 

4年とした場合、年6000億ドルの返済が必要になる。中国の経常黒字は年3000億ドルだから到底返済は無理。

 

そこへ不動産不況(GDPの29%を占める)が起きているので、借り換えを欧米勢は応じてくれない。

 

今後中国は、ゼロないしマイナス成長に落ち込む。どうするか。

 

ヘッジファンドの連中は「香港ドルが対米ドルペッグを離れるだろう」と言い出した。

 

著名エコノミストの中前忠さんも「ヘッジファンドの連中は中国人民元はアタックするのは難しいが、香港ドルなら」と言い出した、と云っておられる。

 

私は、これで脅かして、最終的にはウクライナ休戦に持ち込む。

 

時期は秋か。年末か。どちらにしても、香港経由で中国は対外債務の返済を行っているので、香港ドルが暴落しはじめたら、要注意。

 

7、8月ごろに発生して、これが休戦協定を起こす決め手になる、と想定している。

 

従って、3月暴落は予想通りだったが、勝負は4〜6月のうちにせよ、ということになる。

 

短期決戦、です。これを決意しなくてはいけない。

 

ブル2倍のETFか、商社株(ウクライナ復興関連)がいい。

ただ投資リスクはご自身がおとりになること。

以上です。では皆さん、グッドラック!

 

 

 

2023年3月20日 (月)

映画「フェイブルマンズ」と欧米の銀行の破綻。高値比半分になった小麦、そして今回の「ドカ」の行方 2023・3・19 (第1164回)

映画「フェイブルマンズ」と欧米の銀行の破綻。高値比半分になった小麦、そして今回の「ドカ」の行方 2023・3・19 (第1164回)

 

人間、歳をとりたくないものだ。誰でも加齢による創作力、発想力が衰えると、必ず自伝的な作品に逃げ込む。アカデミー主要7部門でノミネートされても1部門しか取れなかった。おすすめしない、退屈だから。

 

今回もシリコンバレーバンク(SVB)その他2行破綻は、急成長の反動と運用の失敗。SVBは2020年末に1160億ドルの預金額を、2021年末に2110億ドルに増やし、全米で第16位になっていた。加えてクレディスイスまで騒ぎになっているが、ECBの救済措置が早速実施されたから、大丈夫だろう。

 

SVBのケースは、かつてのリーマンとは違う。当時の米国財務長官はリーマン救済をしなかった。しかし、今回は違う。イエレン財務長官は危機封印に懸念である。事態は早く拾集されるだろう。

 

気になるのは相場の達人レイ・ダリオが、「絶対に同様な破綻が起きる」と断言していることだ。

 

FRBと財務省の努力が成功すればいいのだが…。

 

最近のTVは、小麦の価格上げでたとえばうどん屋さんの経営が立ち行かなくなった、という。4月から5.8%小麦の公的価格が上昇する、とも。

 

とんでもない!

 

小麦相場は、ウクライナ侵攻前の1BU800セント台から、最近は662セントまで暴落している。2022年3月8日の13ドル63セントの史上最高値に比べると半減している。なぜか。

 

米国農務省によると_

生産量は2020/2021年度が7億7921トン。それに対し2022/2023年度は7億8380トンと推定されている。

 

ウクライナは2020/2021年度の3301トンが2022/2023年度は2100トンに激減する。

 

しかし、ロシアの方は2020/2021年度の7516トンが、2022/2023年度は9200トンと、実に1684トン(22.4%)の大増産。ひところ騒がれた食料危機どこ吹く風。

 

輸出の方はどうか。ウクライナは昨年度は1884トンこれが23年度は1350トンに減少する。

しかしロシアが3300万トンから4350万トン、カナダが1512万トンから2500万トン、豪州が2751万トンだから、2850万トンに増加。これで前述した通り、食料危機なんてどこの話?となった。

 

(うどん屋さん、閉店する必要はありませんよ)

 

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これもついでだから、農林水産省の、この23年度の小麦の世界の需要も示す。ここから生産、消費にも順調に伸びている。

 

さて、終わりに今回の「ドカ」について私見を述べる。

 

ヘッジファンドは3月に入ってTOPIXを1兆円、4億株買ったところに、欧米の銀行についての悪いニュースが入った。当然、投げに入り、日本株全体の下げは欧米株に比べて大きくなった。TOPIXは3月9日の2071から3月16日に2937まで7%弱下げた。S&Pは3%も下げていないから、日本の方が下げがきつい。

 

私の見るところ、ヘッジファンドのカラ売りの3分の2は損切りをさせられたから、この「ドカ」は月末には終わり。買い場は__そう、今週です。ガンバレ!

 

なお私は、3月20日から例によって入院します。8、9日の予定です。

 

 

2023年3月13日 (月)

映画「ひまわり」とウォール街のウクライナ停戦を読んだ新しい動き。投資作戦としてW・バフェットを参考に。 2023・3・12 (第1163回)

映画「ひまわり」とウォール街のウクライナ停戦を読んだ新しい動き。投資作戦としてW・バフェットを参考に。 2023・3・12 (第1163回)

 

名作「ひまわり」のストーリーは、あまりにも有名なのでここでは書かない。愛する夫を探すヒロインをソフィア・ローレンが演じ、ロケ地はウクライナ中部の農村。従って今後導入部にウクライナのことを書くときは「ウクライナ2」と書くことにする。

 

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わがビジネス・パートナーのSAIL代表 大井幸子さんによると、ウクライナ休戦または停戦を当て込んだ動きが、ウォール街にある、という。

 

J・Pモルガンが200〜300億ドルのウクライナ復興フアンドのローンチを計画。

またゼレンスキー大統領の個人資産の運用をブラックロックが始めた。

 

戦況次第なことは云うまでもない。しかし利にさといウォール街の連中が、共和党中心ウクライナ支援疲れを見て、どこかで幕引きをする、と読むのは、ある意味では当然だ。秋か、年末か。

 

さて、私が予想した「3月のドカ」の時期に入った。

私が信頼している箱田啓一さんが言っていた通りだ。

 

また、3月6日の週はNY市場は1500ドルの暴落。東京市場も3月10日大幅下落。先物から見て、来週月曜日の大幅下落は必至である。

 

一方NYは3月17日のSQまでは、GAFAMなどのハイテク株が利益推定で売られるだろうから、NY安。

 

では、日本のみなさんはどうしたらいいか。

 

勿論「ヨーイドン」である。

 

繰り返し述べている「ブル2倍型投資、ETF」に加えて、ここはWバフェットの作戦にならって、商社株を狙ったら、と申し上げる。

 

2020年8月31日に発表された時、商社株へ投資は7130億円。現在は2.5倍になった。

 

同ベースで述べる。

三菱商事1881億円、三井物産1853億円、伊藤忠商事2167億円、丸紅562億円、住友商事867億円。

合計7130億円。

 

現在、三菱商事4161億円。以下4409億円、4109億円、2166億円、1991億円。

合計1兆7480億円。

 

円安のおかげでドルベースでは1.9倍。

(以上は元日経編集委員の前田昌孝さんの計算による)

 

また商社株はPERは10倍以下。配当利回りも4〜5%と高い。

バフェットに学んでポートフォリオの軸として入れたらどうか。

では皆さん、元気を出して!

 

 

2023年3月 6日 (月)

映画「シャイロックの子供たち」と花粉のもたらすマイナス、訪日旅行のもたらすプラス。 2023・3・5 (第1162回)

映画「シャイロックの子供たち」と花粉のもたらすマイナス、訪日旅行のもたらすプラス。 2023・3・5  (第1162回)

 

「何という非人間的な映画だろう」と私は感じた。先の見えた支店長が、イカサマ師と組んで、10億円の詐取を試みる。

生贄になったのは中堅の行員。入り組んだ仕組みまで紹介するまでもないが、映画の幕切れに2年後、前科一犯となった行員(え?)が家族と会うところで終わる。

何という後味の悪さ!

 

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第一生命経済研究所の首席エコノミスト永濱利廣さんが「花粉の大量飛散で日本の経済に及ぼす影響」という小論文を書いている。何しろ過去十年で最大の花粉量なのだから、いいセンスで書かれたと思う。賛辞を呈したい。

 

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「過去のデータから見ると、7〜9月の平均気温が1度上昇すると、翌年1〜3月期の個人消費支出がマイナス0.5%減少する。」

 

「昨年7〜9月期の平均気温は1.4%上昇した。本年の1〜3月期の消費支出は0.7%(3033億円)減。GDPは0.2%引き下げられる。」

 

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「消費の項目としては、チャートが示す通り、光熱・水道(0.4%)、保険医療(0.3%)、家具など(0.3%)、スーパー(0.1%)のマイナスになる。」

 

これに対し、インバウンドによるプラス要因を木内登英野村総合研究所エグゼクティブエコノミストのコラムによると、「2023年の4.96兆円」早くもコロナ前の水準を上回る。

2019年のコロナ以前のインバウンド需要4兆813億円を早くも上回る。

 

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また円安効果もあって、一人当たり支出は21.2万円。早くも政府目標の20万円を上回った。

 

私は強気の人たちに、今年後半よりも来年の方が良くなる、理由はインバウンドと繰り返し述べてきた。

 

周囲を見廻してまだ私を信じてくれない方々が多い。

しかし浅草の雷門に行って見よ、本命の中国が来ていないのに、大変な外国人観光客がいる。

 

対コロナ政策の緩和もあり、夏以降の中国観光客の大量来日は必至。そのころ日経平均は3万円トビ台のフシ目を抜いて、3万4000円あたりまで到達するに違いない。

 

今回の映画でも、池井戸作品らしく、次のセリフを主人公(やられる方でなく、第三者)に言わせている。

「性善説に立つが、やられたら倍返しだ!」

 

3月のドカが近い。7 〜8月にも第2のドがあると見ているから、短期決戦。時期は近い。

「ヨーイ」、「ドン」の方はもう少し先。

 

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