秀吉の鳥取城兵糧攻めと食料価格の上昇の今後。それに米国の債務上限問題。 2023・2・26 (第1161回)
秀吉の鳥取城兵糧攻めと食料価格の上昇の今後。それに米国の債務上限問題。 2023・2・26 (第1161回)
443年前のこの戦いは、空前の餓死者を出したことで知られる。城内に数多くの農民の追い込み、事前に高値で米を買い占め、また周囲を2つの付け城で誰も城外に出られないようにした。
最近のわが国の食料価格の相次ぐ値上げで「世界食料危機」が叫ばれるようになった。
本当だろうか。
「そうはならない」というのは、キヤノンググローバル戦略研究所の研究主幹の山下一仁さんである。
「世界の食料は人口増加を上回って生産されてきた。」
「世界の人口は1900 年の17億人から1980年に45億人、2022年に80億人になった。この50年には97億人に増加する見込みだ。」
「物価変動を除いて乾物の実質価格は、過去1世紀半ずっと低下傾向にある。1961年比では2020年の人口は2.5倍。しかし米は3.3倍、小麦は3.4倍に生産は増加している。」
「2022年のようにロシアのウクライナ侵攻で、ウクライナ産小麦の輸出減少、熱波や干ばつによる生産減少、原油・ガソリン価格の上昇で価格が高騰している。しかし実質価格では1960年代と変わりない。
「穀物価格が上昇すると、日本が買い負けるなどと食料危機をアオる人たちが必ず出てくる。しかし、中国に高級マグロを買い負けることはあっても、小麦輸入の上位3カ国 インドネシア、トルコ、エジプトに、日本が小麦を買い負けることはない。」
「最近、小麦の生産量世界第2位のインドが輸出制限したことが大きく報じられた。これは放っておくと価格が高騰して貧しい国民が飢えるため、年1億トン以上を生産しているインドの輸出量は95万トンに過ぎない。現に輸出市場には全く影響なかった。」
「わが国はいい。しかし世界を見渡すと飢餓に陥っている人が2019年時点で6億9000万人もいる。またユニセフによると2017年現在1億5500万人の乳幼児が栄養不足に陥っていた。これは途上国の貧困と直結している。」
私なりの無知と偏見による暴言で、仮にシメる。
「日本に食料危機は来ない。」
それよりも、米国のウクライナへの援助がTOO MUCHである、との意見が、共和党支援者内に多いのが私は心配だ。
市場調査の大手ピユー研究所の報告書によると共和党支持者のTOO MUCH派は1月23日現在で40%。ちなみに民主党支持者は15%だった。全米では26%だったので、まだ4分の1の支持でしかない。
私がこのニュースに注目するのは、例の債務上限問題が、これで現実化する可能性が大きくなったこと。下院議長選出を15回も繰り返した共和党保守派グループが、この市場調査で勇気づくことは間違いない。
米国大統領たちの予備選がまだ始まっていない。
共和党候補がトランプ前大統領になるのか、デサンティス・フロリダ州知事になるのか、もちろんわからない。しかしこの調査は「ウクライナ支援を削減せよ」とも読める。
さて、私の答えは「金をウォッチせよ」だ。