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2023年2月27日 (月)

秀吉の鳥取城兵糧攻めと食料価格の上昇の今後。それに米国の債務上限問題。 2023・2・26 (第1161回)

秀吉の鳥取城兵糧攻めと食料価格の上昇の今後。それに米国の債務上限問題。 2023・2・26  (第1161回)

 

443年前のこの戦いは、空前の餓死者を出したことで知られる。城内に数多くの農民の追い込み、事前に高値で米を買い占め、また周囲を2つの付け城で誰も城外に出られないようにした。

 

最近のわが国の食料価格の相次ぐ値上げで「世界食料危機」が叫ばれるようになった。

 

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本当だろうか。

「そうはならない」というのは、キヤノンググローバル戦略研究所の研究主幹の山下一仁さんである。

 

「世界の食料は人口増加を上回って生産されてきた。」

「世界の人口は1900 年の17億人から1980年に45億人、2022年に80億人になった。この50年には97億人に増加する見込みだ。」

「物価変動を除いて乾物の実質価格は、過去1世紀半ずっと低下傾向にある。1961年比では2020年の人口は2.5倍。しかし米は3.3倍、小麦は3.4倍に生産は増加している。」

 

「2022年のようにロシアのウクライナ侵攻で、ウクライナ産小麦の輸出減少、熱波や干ばつによる生産減少、原油・ガソリン価格の上昇で価格が高騰している。しかし実質価格では1960年代と変わりない。

 

「穀物価格が上昇すると、日本が買い負けるなどと食料危機をアオる人たちが必ず出てくる。しかし、中国に高級マグロを買い負けることはあっても、小麦輸入の上位3カ国 インドネシア、トルコ、エジプトに、日本が小麦を買い負けることはない。」

 

「最近、小麦の生産量世界第2位のインドが輸出制限したことが大きく報じられた。これは放っておくと価格が高騰して貧しい国民が飢えるため、年1億トン以上を生産しているインドの輸出量は95万トンに過ぎない。現に輸出市場には全く影響なかった。」

 

「わが国はいい。しかし世界を見渡すと飢餓に陥っている人が2019年時点で6億9000万人もいる。またユニセフによると2017年現在1億5500万人の乳幼児が栄養不足に陥っていた。これは途上国の貧困と直結している。」

 

私なりの無知と偏見による暴言で、仮にシメる。

「日本に食料危機は来ない。」

 

それよりも、米国のウクライナへの援助がTOO MUCHである、との意見が、共和党支援者内に多いのが私は心配だ。

 

市場調査の大手ピユー研究所の報告書によると共和党支持者のTOO MUCH派は1月23日現在で40%。ちなみに民主党支持者は15%だった。全米では26%だったので、まだ4分の1の支持でしかない。

 

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私がこのニュースに注目するのは、例の債務上限問題が、これで現実化する可能性が大きくなったこと。下院議長選出を15回も繰り返した共和党保守派グループが、この市場調査で勇気づくことは間違いない。

 

米国大統領たちの予備選がまだ始まっていない。

共和党候補がトランプ前大統領になるのか、デサンティス・フロリダ州知事になるのか、もちろんわからない。しかしこの調査は「ウクライナ支援を削減せよ」とも読める。

 

さて、私の答えは「金をウォッチせよ」だ。

 

2023年2月20日 (月)

映画「ジャイアンツ」と原油価格の予想。それに、日銀新総裁による金融緩和はいつまで続くか 2023・2・19 (第1160回)

映画「ジャイアンツ」と原油価格の予想。それに、日銀新総裁による金融緩和はいつまで続くか 2023・2・19  (第1160回)

 

1956年の作品。主演はロック・ハドソン、エリザベス・テイラー、それにジェームス・ディーン。監督のジョージ・スティーブンスにはアカデミー監督賞が贈られた。

 

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エドナ・ファーバー女史が12年かけて書いたベストセラーの映画化。ひと言でまとめるのは不可能だが、印象的な場面のひとつが、牧童のジェット(ジェームス・ディーン)が原油の採掘に成功して油まみれの身体で喜ぶシーンだ。(ここまで書けば、映画と原油との繋がりが理解していただけるだろう。)

 

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さて、原油価格の予想はチャートを見て頂きたい。

日本総合研究所のものだが、11月に90ドル台。しかし同研究所は「揺れを伴いながら80ドル前後」を予想している。(理由は後述)

 

一方、ニッセイ基礎研究所は「WTIベースで65〜85ドル」と予想している。

 

さて、理由である。

日本総研は、世界景気の減速懸念が強く原油価格の減少が意識されやすい展開。

 

しかし、

  1. 中国のゼロコロナ政策の緩和
  2. OPECプラスの減産スタンスの継続
  3. 米国の戦略石油備蓄の買い戻しを巡る思惑

などが相場を下支えすると、見込んでいる。

 

ニッセイ基礎研の方は、制裁を受けるロシアの生産減少も下支え要因のひとつに上げている。(この業界で知らぬ人のない経産省の藤和彦さんも、この点を挙げていた)

 

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昨年12月、ロシアのノヴァク副首相は「価格上限措置(1バレル60ドル)」に対意するため日量50万〜70万バレルの減産を示唆した。

 

一方、インドや中国などの対ロ原油輸入はかなり活発で、とくにインドが値を叩いて巧みに行っており(藤さんの話)、2月上旬現在、ロシアへの打撃は少ない。

 

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それもあるのだろうが、米国の先物市場で投機筋の売り玉は売り買いトントンに近いところまで減っている。

予想される収益の低さを物語っている。

 

さて、日銀新総裁について、リクエストもあり、一言コメントしたい。

 

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大和証券のチーフテクニカルアナリストの木野内栄治さんが「とりあえず内外からのアタックを封じた」としている。

言うまでもない。海外投機筋からの日本国債売りの封じ、である。

 

海外からの評判は高い。高名なFRBウオッチャー記者が「スタンレー・フィッシャー氏の指導を受け、バーナンキ氏のクラスメート」。財務長官のラリー・サマーズ氏も「日本のバーナンキ氏」とした。

 

私も(木野内さんも) 就任後1年は緩和姿勢を維持する。イールド・カープ・コントロールを止めるときは突然だろう。

 

私は新総裁はETF買いを止める時は、資産倍増プランで国民に売却(利益つきで)する措置が決まってからと観る。

 

さて、投資作戦。先週と同じ。もう少しガマンして下さい。

今はヨーイ、のところです。ドンは私の「相場裏読み」(ボイスメッセージ)でやります。

 

 

2023年2月13日 (月)

映画「エデンの東」と米国債格下げと金の暴騰。それに、3月期末にからんだ株式の益出し売り 2023・2・12 (第1158回)

映画「エデンの東」と米国債格下げと金の暴騰。それに、3月期末にからんだ株式の益出し売り 2023・2・12 (第1158回)

 

ジェームズ・ディーンが死んでもう70年近い。「エデンの東」でたちまちスターになったが、出演はたった3本。交通事故で急死した。

愛を求めて傷つく青年を実に上手に演じ、私は共感した。音楽も良かった。

 

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タイトルは旧約聖書の創世記から。カインが弟のアベルを殺し、エデンの東に住んだという記述がある。映画の中でもそれは語られる。

父は真面目一方の性格で聖書をいつも読んでいる。長男も真面目。そこでキャルは父に言う。

「善も悪も親から譲られる。僕は悪の方を譲られた。」

 

父は、母は幼い頃に死んだと息子たちに言っていたが、実は妻は列車で一駅(山越えだが)で、いかがわしい酒場を経営し、ボロ儲けをしていた。

 

一方父はレタスを冷凍して転送し、儲けようとするが列車が事故で腐ってしまい、大損害を蒙る。キャルは穴埋めして、父に愛してもらいたいと切望する。

 

折しも第一次世界大戦前。キャルは大豆の先物を5000ドル買う。そのアイデアは金儲けの巧みな専門家。5000ドルは母から借りた。この映画は先物のない時代の日本に、先物取引のうま味を教える作品でもあった。

 

さて、ここまで書けばわかるだろう。

 

先物取引はいまや株や債券、為替、それに商品などで行われている。今回は金(きん)の先物だが、次回から原油、食料、為替、そして世界の派遣の先物いう意味でインドを取り上げたい。

 

理由は今回取り上げる3月期末に絡んだ主に銀行の株式の益出し売りが早くもこの2月下旬から始まっているからだ。

 

まずこのシリーズ第1回の金先物。

 

今年、場合によっては6月に大暴騰する可能性があるから取り上げた。

 

その前に、ごく当たり前のことを書く。

無利子の金投資は利息の引き上げの悪材料。引き下げは好材料。

したがってFRBの利上げ作戦は金価格を押し下げた。(チャート参照)

 

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したがって、利下げ終了時が近づいていると見られる現在は、いろんな思惑が乱れ飛ぶ。

 

買い方は、12年前の2011年に発生した「米取引債務上限問題」が、場合によっては金価格の「急伸をもたらす可能性」がある。

 

すでに1月19日に連邦債務の31兆4000億ドルの法定債務上限に到達している。不足になれば米国議会の承認が必要となる。しかしこれが実は大問題である。

 

下院を共和党が握り、特に同党保守派が下院議長選出で何と15回も繰り返したように、簡単に債務上限を認めるとは思えないからだ。

 

イエレン財務上官が「6月上旬までに、資金が枯渇することはない」としている。危機先送りのため地方政権のための債券発行停止、連邦政権公務員の退職年金基金が保有する米国国債への購入停止。

 

2011年に何が起きたか?S&Pは米国債の格付けをワンノッチ引き下げた

 

金価格は前後2ヶ月間で、1オンス1500ドルから1900ドルに急騰した。当然ドル価格は下落、円高になるから、わが国の投資家はその分、安く買える。

 

これから2月末と3月中旬まで、短期では売り。メガバンクの保有する外債は2、3兆円の含み損を抱えている。一方株式は昨年末で7兆円近くの含み益。

 

私の経験では3月20日ごろまで、株式を売って益出しする。それまではお休み。

 

前回私のブログで、ブル2倍投信をおすすめしたがミスプリであり、ご迷惑をかけた。改めて。

 

  1. 日経平均ブル2倍上場投信(1579)

  2. TOPIXブル2倍上場投信(1568)

 

ただし、投資は自己責任で

 

取引1月の岐阜の講演時のお客さんが上質な肉製品を送ってくださった。次回の拙著を送りたいので、メールしてください。アドレスは ken_imai●nifty.com(●を@に変えてください)

 

「エデンの東」のラストは、脳出血で別れた父がキャルに「面倒を見てくれ」と頼む。これを説得した恋人の演技は見物

 

2023年2月 6日 (月)

映画「レジェンド&バタフライ」と本能寺の変と米国国債デフォルト そしてウクライナ戦の今後。おすすめETF 2023・2・5 (第1157回)

映画「レジェンド&バタフライ」と本能寺の変と米国国債デフォルト そしてウクライナ戦の今後。おすすめETF 2023・2・5 (第1157回)

 

キムタク、綾瀬はるかの当時きっての人気スターの出演。映画館は超満員。面白い。実は私は2回も見た。

 

始めは大ゲンカ。初夜は取っ組み合いの大乱闘。それが桶狭間の戦いで夫婦仲が一変。

 

今回面白かったのは、女子供を殺戮しても何とも思わぬ大魔王だった信長が、妻想いの凡人になったのを明智光秀が見限って、本能寺の変を起こしたという解釈だ。

 

ある私のソースから、「米国の同盟国の中で、日本が突出して大きな役割を果たしている」として、次の情報を得た。

 

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ドイツのオラフ・シュルツ政権とバイデン政権との間で、対話は何1つ行われていない。独権内部に親露派議員が多く、情報の取り扱いを懸念。シュルツ首相自体、ある日中国に対して強硬政策を発表したと思ったら、次の日に中国を訪問してその政策を全面否定するような行動をとっている。

 

フランスはウクライナへの支援が少ない。英国は、米国との連携は密だが、経済的な苦境で、ウクライナへの支援は限られている。今回の岸田渡米の意義が大きい。大変化だ。信長のように。(褒めすぎ、かなあ。)

 

もう1つの不安材料は、「月刊HANADA」にE・ルトワックという人が書いている。この月から、援助による強力な戦車から米国や西欧から来る前に「高速駆動が可能な双輪の歩兵戦闘車」の中心にし、首都キーフへ西側からの物資を搬入する兵站路を遮断する。第二次世界対戦中に、ソ連がヒトラーに対して行なった「ウラヌス作戦」の再現である。

 

さて、問題は米国が毅然として着々とウクライナへ援助し続ければ問題ない。

 

米国議会が、15回も行われた末にようやく下院議長に選出した折に、反対していた共和党内の保守勢力に大幅な債務削減を認めない」と約束した。表現を変えれば「債務デフォルトを人質にした」のである。

 

具合の悪いことには、保守派を宥めるために、増税案を通すには、5分の3の賛成(スーパー・マジョリティ)を得る必要がある。

 

すでに1月19日に法定債務上限31兆400億ドルに達している。

今後いろんな手を使ってやりくりしても、6月上旬に、議会の承認がなければ12年前に起きたような債務デフォルトが発生し、米国国債の格下げとか大混乱が発生する危険性が十分にある。

 

私は以前から、今年は3月に「ドカ」があると警告し続けてきた。プーチン政権の目論見通り、キーウへの西側からの物資輸送が絶えれば、2、3月の「ドカ」はこれと結びつく。

 

では、3月に何を買ったらいいか。

日経平均、TOPIXともに、上昇率の倍取れるETFがいい。

 

  1. 日経平均ブル2倍投信(1572)
  2. Jpx日経400ブル2倍(1467)
  3. NEXT FUNDs 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1472)

 

信長の名台詞でシメる。

「死のうは一定」

 

 

 

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