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2022年11月28日 (月)

映画「RRR」と中国の不動産バブル破裂のもたらす衰退。そして日本の新冷戦による復活 2022・11・27 (第1148回)

映画「RRR」と中国の不動産バブル破裂のもたらす衰退。そして日本の新冷戦による復活 2022・11・27 (第1148回)

 

このインド映画は、時代と表題に意味がある。1920年の英国の植民地だった時代。

Rは①RISE(蜂起) ②ROAR(咆哮) ③REVOLT(反乱)。

つまりインドの独立を願った革命家2人を描いた作品である。

 

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今回この映画を取り上げたのは、1920年代の英国と現在の同国の状態を考えると、習近平主席の率いる中国が、将来、同じような運命を辿ると、私は考えているからだ。

 

折りも折。この11月22日は私が所属していた山一証券が自主廃業をさせられた日。

 

当時私は日本債券信用銀行にスカウトされていた。今にして思うと前回「ツキジデスのワナ」で述べたとおり、世界第2位で半導体でシェア70%を占めている日本を追い落とし、中国を代わりに上昇させるワナだった。

 

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結果、チャートが示すとおり、資産デフレが発生。土地と株で1300兆の資産がなくなったのだ。加えて不動産関連の3業界に融資規制を行った。

 

株価は大暴落。土地も都心部では6分の1に下がった。株と同じ下げ幅である。

 

つれて銀行が不良資産に苦しみ、最終的には公的資金を兆軍位で注ぎ込むという技を使って終結させた。それでも「円高がひき起すデフレ、デフレが引き起す円高」の悪循環に苦しむ事になる。

 

この間、米国は何をしたか。

クリントン大統領は中国に1週間いたのに日本は素通り。

巨大な資金は、初め「世界の工場」として、次は「世界最大の市場」として投じられ、日本に代わって中国を第2位の国とした。

 

この間、台湾や中国などのように、単一政党の独裁から、複数政党の軍立による民主政治に移行する___と米国の指導者が見誤ったことが原因だった。

 

しまった、間違えた、と気づいた時は時遅し。

特に習近平時代になってから、米中対立はひどい。

 

今回の「新チャイナ・セブン」は、皆習近平の手飼いの子分ばかり。

 

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そこに不動産市場が前側のない不況に苦しんでいる。2022年4月から9月にかけて住宅新規着工面積は前年同日日40%減少。

 

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政権は住宅ローン金利の引き上げなどで手を打っているが、効果はない。

 

理由はカンタン、金融リスクの増大を中国市民が懸念しているからである。

 

2022年10月末の住宅着工面責は63億平方米であり、1平方米当たり1万元(約20万円)。30%(これでも実際の数字より低い)が回収不能とすると13.2兆元(26.4兆円)。日本の経験からみると、これでも低すぎるだろう。

 

日本のこれからの興隆は次回以降に述べる。円安が米国側のいわば「厚意」として認められたこと。日本に、ウラでは新工場をつくるのを押さえていたのか、ソニーと台湾のメーカーとの合併工場を熊本につくる事を認めるとか___。

 

ただし落とし穴が、ある。

米国は2023年前半はゼロ成長。中国はやはり対決に備えるのと、前記した不動産バブルの影響で成長率はかなり下がる、日本は相対的にいいが。次回以降詳しく分析する。

 

さて、最後にオマケを。それはベトナム株の買いである、

9月以降スキャンダルと銀行の取り付け騒ぎで、3割下がったが。

正常化にむかっている。ムーデイはベトナム国債の格付けを1ノッチ上げた。またヘッジフアンドを含む米国勢が買い始めた。それでもPERは10倍。大手の金融機関はみなベトナム専門の投資信託をだしている、ご研究を。

 

2022年11月21日 (月)

映画「さらば愛しき女よ」と大予想を的中させたスーパーマンの紹介。日銀ETFと国民の大儲け。そして近く発生する大暴騰。 2022・11・20 (第1148回)

映画「さらば愛しき女よ」と大予想を的中させたスーパーマンの紹介。日銀ETFと国民の大儲け。そして近く発生する大暴騰。 2022・11・20 (第1148回)

 

7月24日に愛妻 扶美子を失って4ヶ月。

夜寝る時に「夢でいいから出てきてくれ」と願うのだが、ごくたまにしか、そんなことはない。またとんでもない時に急に涙が止まらなくなる。まだ「さらば」とは言えない心境だ。

 

今回は映画の題だけで選んだので、ストーリーは関係ない。ただ原作の方は面白い。一読をお勧めする。

 

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他人さまをほめるのはリスクがある。マーケットや経済に絡むときはなおのこと。ご本人は「やったア」と思っているズバリ的中も、毎日会社に出るとグダグダと言われ、外すとバカみたいに言われる。的中したときはうんとほめるといい。

 

その人はマネースクエアの宮田直彦テクニカルアナリスト。

1ヶ月前に「円安は終わり」としたらピタリ。この人は10年前のドル円75円時代に125円、その後に150円から160円、と予想していた。恐れ入りました。

 

では、この人は当面どんな予想をしているのか。

 

まず的中させた円レートに1ドル130円台がいいところ、という。

米国のインフレは落ち着く。半導体サイクルも上昇。

 

一方、日経平均。ドル建てが9月30日179ドルだったが、昨日1ヶ月ぶりに200ドル。外人買いが始まる。

日経225のEPS は、11月15日現在2238円。PERは12.49倍。官田さんは年末3万円と見ているが、PER13.4倍だと信じ、3万円。

 

さて、次の日銀ETF。

今週嶋中さんのセミナーがあって、第一生命総研の永濱利廣さんが話された。私が質問を日銀ETFについてしたら、何となく「もう方針は決まっているようなニュアンスだった。終了後書いたものにありますか?」と質問したら、「ありますよ、送ります」とのこと。

「長期の国家戦略を掲げ.資産所得の倍増を」という論文、これもいいですよ。

チャートが欲しかったので探したら、同じ研究所のレポートがあったので、紹介する。

 

チャートの示した通り、2022年3月末の日銀保有ETFは51.3兆円。累計買入は36.6兆円なので含み益は14.7兆円。

 

これを井出真吾さんは次のプランで消化する。

  1. 政府系金融機関が日銀からETFを薄値で買い取り、(非課税)車用の投信をつく。
  2. 販売価格は「薄値プラス○○費や事務経費」とする。
  3. 若年、中年層を狙ったAファント(教育、住宅、結婚資金)を想定したAファント(売却制限5年間)、老年層向けBファントは65歳以降売却可能とする。

 

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井出さんは「2000万人が、6〜7回、200万円が1回分」と考えている。私も妥当と考えている。

 

さて、終わりに。

ある事情通から「トルコで米国とロシアの情報担当者(米国はCIA、ロシアは不明)が会った。停戦ではないか」という。

 

もともと、米国には12月には明瞭なアノマリーがある。

 

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12月第1週は配当などの支払いでNYダウは安く、中旬以降この売りが終わるので「サンタクロースラリー」が始まる。

 

この11月下旬にまあ私に騙されたと思って、12月上旬買いを注文しなさい、悪いことは言わないから。

 

狙いは軍需、半導体。インバウンド。停戦なら食料や原油価格は下がるから、いっぺんに大好況になる。なんでも上がるが、やはり絞った方がいい。

 

 

2022年11月14日 (月)

「ツキジデスの罠」とドルの地位。米国中間選挙がもたらしたトランプ復活の可能性減。そして株価の行方。 2022・11・14 (第1147回)

「ツキジデスの罠」とドルの地位。米国中間選挙がもたらしたトランプ復活の可能性減。そして株価の行方。 2022・11・14 (第1147回)

 

「ツキジデスのワナ」とは、アテネの覇権をスパルタが追い上げた時、必ず戦争になるというギリシャの哲人の言葉だ。現在でいうと米中の関係。世界中が固唾を飲んで先行きを見守っている。

 

これについて、必ず私の講演の時に出る質問が「米ドルは基軸通貨として今後も地位を保てますか?」である。世界の覇権は通貨が基軸、つまり世界中で通用している事が必要だ。

 

私が母校慶應義塾大学の三田校舎で学生に聞かれた質問も同じ。お答えしよう。

 

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基軸通貨には、①準備通貨(リザーブ・カレンシー)の役割である。チャートの通り、米ドルが6割。ユーロが2割、日本円と英ポンドが各5%。

②は決済通貨(ペイメント・カレンシー)。石油や食料、金などはドルで決済される。NY連銀から24時間専門家を派遣する。国家間の取引で差がでるのを埋めてやる。この機能はNYが中心。中国が暫定的に人民元で決済したりしているが、シェアはメチャ低い。

 

結論。ドルの地位は揺るがない。

 

さて、次の今回の米国中間選挙で「レッド・ウェーブ」つまり共和党の上下両院の圧勝がなかったこと。下院は共和党の微差の勝利だが、上院大接戦。来月までわからない。

 

アト講釈になるが、9月6日のバイデン演説がきいたと思う。「MAGA共和党員は過激主義だ、米国における脅威。」

MAGAは「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」というトランプの名ゼリフ。

そこでバイデン大統領は「親トランプ議員と穏健派」に分けた。

 

6月に米国最高裁は「米国憲法は人工中絶を認めていない」という判決を出した。保守派の共和党支持だった白人女性有権者が民主党支持にかわった。

 

NYタイムスによると、69%は最高裁判決後女性が占めた。これでNY州、カンサス州は中絶反対派が下院選挙で共和有利の予想を覆して民主が制した。

 

 

13日、上院では49対49。下院は206対213.しかもいわゆるトランプチルドレンがほとんど落選した。トランプ再選の可能性は激減したのではないか。

 

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さて、最後にOECDの出した2023年予測を取り上げる。

実質成長率2.2%202112月からの下振れ幅は1.0%

 

米国は0.5%20229月で0.5ポイント、ユーロ圏は1.3ポイント下振れした。

日本は0.4%下振れで1.4%

 

さてNY株。ねじれ(政権と議会)を懸念して下げたが、恐らく11月ごろに2万9000ドルをつけてから上昇。理由は明年13月期にゼロ成長をつけ、46月期から金融緩和して2023年後半と2024年を好況にもってゆく。

 

日経平均は?

2万50006000円台での先物の空売りが2.3兆円もある。この売り玉のふみあげで、当分高い。軍需関連、インバウンド、そして半導体関連中心での投資作戦がおすすめだ。

 

2022年11月 7日 (月)

シェイクスピア「空騒ぎ」と3つの世論の無駄な誤解。米国中間選挙の予測。そして私の強気。 2022・11・6 第1146回

シェイクスピア「空騒ぎ」と3つの世論の無駄な誤解。米国中間選挙の予測。そして私の強気。 2022・11・6 第1146回

 

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シェイクスピアの喜劇の傑作。名誉、恥、宮廷政治に対する真剣な考察を含んでいて(そこがいいのだが)、全体としては明るく楽しい作品。

ケネス・ブラナー監督で映画化しているが、私は観ていない。

 

画は18世紀にこれを当り役とした当代一流の役者のもの。28年間と続けて上演したとか。

人気がしのばれる。

 

このドラマはふた組の恋人たちの誤解がスタートになる。

いまのTVや新聞などは3つの大きな誤解がある。

 

第1は円安。物価上昇は欧米の9%に比べてたった3%。これを円安のせいにして、やれスタグフレーションだの大不況だの____。いい加減にしてもらいたい。

 

インバウンドが停止されてからほぼ3年。2019年には5兆の需要があった。2020,2021,2022の三年間これがストツプした。

合せて15兆円。有効需要が入らないのだ。不況なのは当り前。

 

これで回復に向かっているのだから、2023、24年と年が進むにつれて景気は急速に良くなる。OECDやIMFでも欧米は1%からゼロの明年の実質成長率に対し、日本は1.8%。名目成長率は3%台だろう。

 

ついでに言っておく。黒田日銀総裁は正しい。日本は金利を上げる必要は全くない。

 

第2の誤解は台湾への中国の進政である10月26日に、米国務長官は警告を発したし、米国の専門家は「早ければ11月から来年1月の間」と予測している。

 

私は、ありえないと見ている。

 

わが国の軍事専門家で最も優れている人は小川和之氏。

 

この人は時事通信のコメントライナー(111日付)で「意志はあれど能力はない中国」と題して「台湾有事、空騒ぎは禁物」として、次のように述べている。

 

「中国が台湾に上陸侵政し、台湾軍、場合によっては米軍と戦い、全土を占領するには、少なくとも100万人の陸軍部隊を投入する必要がある。これは第二次世界大戦末期のノルマンディーと上陸作戦に匹敵する現場だ。」

 

「その場合、軍装備の陸軍部隊と1週間の弾薬、食料を輸送する船舶は3000万〜5000万トンが必要になる。中国が保有する船舶は6200万トンで転用は考えにくい。」

 

このほか台湾側の有利性についても小川氏は論じているが、それは省略する。前述した米国要人の発言は、中間選挙向けのものに違いない。

 

したがって大騒ぎはバカバカしい限り。びっくりしなさんな。

 

そして第3。統一教会に対する大マスコミの態度である。山上容疑者の陳述を鵜呑みにしている。

 

山上家が倒産したのは20年前。その間に同容疑者は教団幹部にテロを行なった形跡はないし、20年もあって、なぜ安倍元首相なのかについてもほとんど発表されていない。

 

統一教会は悪かもしれない。いや、そうだろう。

 

しかし、なぜあの暗殺が強行されたか、という点を置き去りにして、やれ某大臣がどうだとか、に血道をあげている。私には自民党叩き、岸田政権叩きでメシを食っている何人かのマスコミ関係人の顔が目に浮かぶ。

 

結論。不毛な論議と野党のアオリに乗った詮議は止めるべきだ。

 

さて、日本株に話を戻す。

 

すぐ、セル・イン・メイと言われるか。後半が省略されている。

 

後半は「ハロウィンに買い戻せ」である。

 

確かに10月末から11月末に買うと儲けが多い。これは米国のダウ平均だが、日経平均も同じ。元日経編集委員の前田昌孝さんが云い出したことだ。版権の都合でチャートは掲載できないが。

 

最後にSAIL代表の大井幸子さんが取材した米中間選挙予想をまとめておこう。

 

下院、民主党222→190議席

   共和党212→245議席

 

上院、現在は5050だが、民主党43議席に対し共和党57議席

 

上下両院とも共和党圧勝。いかが?

 

なお、注目銘柄をいくつか、防衛関連で三菱重工業、IHI、川崎重工業、コマツなど。

業績がよく外人買いが目立つ銘柄、SUMCO、タクマ、富士電機、メドレー。どうぞよろしく。

 

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