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2022年4月25日 (月)

手塚治虫「火の鳥 黎明編」と円安メリットの再認識。「2」のつく年は「買い」説 2022・4・23 (第1112回)

手塚治虫「火の鳥 黎明編」と円安メリットの再認識。「2」のつく年は「買い」説 2022・4・23 (第1112回)

 

手塚治虫は「鉄腕アトム」が超有名だし、声を受け持った清水マリさんは私の妹 充子の大親友なので、ご縁がある。

しかし何と云っても手塚治虫のライフワークだし、原作とした映画、アニメ、ラジオ、ドラマ、ビデオゲームなどで現在も“生きている”名作だ。

 

私は20代のサラリーマン時代に雑誌に連載されたのを読んだ。心を打たれた名ゼリフを次に述べる。火の鳥のセリフだ。

 

「虫たちは自然が決めた一生の間、ちゃんと育ち、食べ、息をして卵を生んで満足して死んでゆく。人間は虫よりも犬や猫や猿よりも長生きする。その一生の間に生きている喜びを味わえればそれが幸福というものじゃない?」

 

円安が「悪い」と決めつける見方が増えて来た。財務大臣や日銀総裁まで言い出した。

 

私に言わせれば、飛んでもない。

 

4月10日付のブログで図を入れて説明したが、円安でも日本の輸出品は値上げしてもスンナリ通っている。(詳しくは経済白書をご覧ください)

 

また物価上昇にしても、資源高が主役で、円安は4分の1の比重でしかない。

(第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣さんの研究による。)

 

企業収益への寄与が大きく、株価の下支えになっていることは、何回も述べた。設備投資計画が久しぶりに増加していることも、プラスの面として忘れてはならない。また二年続けて倒産が減少していることも。要するに市場にこういうことは任せておくべきである。

 

何しろ2021年度下記のドル安の想定レートは11193銭。現実は129円である。

 

永濱さんのチャートで「10%円安はGDP全体ではプラス効果が勝る」としている。18%の円安が大プラスなことは言うまでもない。

平和がもどってくれば、インバウンドで日本中が円安のメリットを享受する。今はまだ我慢の時だ。

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私は今回、大和証券理事の木野内栄治さんが「西暦で2のつく年は、投資は必ず報われる」という主張を始めたのを、心から嬉しく思う。

下値値探りの現在、長期視点での強気の視点を投資家の皆さんに与えることは、極めて正しく、また必要なことである。

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実は今週、来週の「週刊現代」に私の意見を掲載して頂いている。

来週の方が、自分の子孫にすすめる投資の視点なので、年輩の方々にはいいだろう。

 

結論。ウクライナ情勢とNY株安という重しはあるが、強気の姿勢は不変である。

2022年4月18日 (月)

映画「TITANE/チタン」と、米国のひとり勝ちと、これに対抗するロシアの金本位制。私の強気 2022・4・16 (第1111回)

映画「TITANE/チタン」と、米国のひとり勝ちと、これに対抗するロシアの金本位制。私の強気 2022・4・16 (第1111回)

 

2021年カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を獲得したフランス映画。韓国映画「パラサイト 半地下の家族」もかなり衝撃的な作品だったが、本作はあれを一段どころか二段、三段も上回った超怪作である。

 

主人公アレクシアは幼いときに交通事故に遭い、頭にチタン板を埋め込まれた。

数年後、美女に成人した主人公はモーターショーのショーガールになっている。

人気は大変なもので、サインや写真撮影に追われる毎日。

 

しつこく付き纏う中年男を、自分の髪留めで殺害してしまう。ショールームの隣の建物でシャワーを浴びていると、1台の車がライトをつけて佇んでいる。全裸で車に乗り、性的恍惚感を味わう。

 

その後腹部がセリ出し、妊娠診断薬で妊娠していると告げられる。

 

偶然に女友達を殺し、両親を部屋に閉じ込め家に火を放って殺す。

ここまで書いただけでもトンデモ作品であることはおわかりだろう。

要するに主人公は超極悪人なのである。

 

しかし観衆はそうは思わない。むしろ顔を変えるために洗面台にぶつけるシーンには同情さえする。

 

善といい悪と言っても見方によっては、転換する場合がけっこう多い。

今回のロシアのウクライナ侵攻。ロシアのバカ説さえ出ているが、ルーブルの立場を強化する動きが始まつた。

 

勿論、現在のところ、米国の一人勝ち説が有力である。

 

図はりそなアセットマネジメントのチーフストラテジストの黒瀬浩一さんの作ったもの。交易条件の好転と株価上昇との関係をチャートにした。(交易条件=輸出価格/輸入価格)

欧州のエネルギー市場はアメリカの主にシェール企業が代替しかけている。

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黒瀬さんは、

  1. 世界の武器市場を米国がほぼ全取りする
  2. 穀物(小麦やトウモロコシなど)の価格上昇は、純輸出国である米国は恩恵を受ける

 

これに加えて11日のTVでパルナソスインベストストラテジーズの宮島秀直さんが「ロシアの軍事予備費は近いうちになくなる」と述べるなど、米国完勝ムードは高まっている。

 

一方ロシア側は、328日に意外な行動に出た。

ロシア中央銀行が金地金を1グラム5000ルーブルで買い上げる(6月末までの価格)、これが対ドル100ルーブルが80ルーブルに上昇した背景である。

 

金地金の価格は米国ではオンス190ドル。

一方ルーブル建てだと1770ドル。これが近い将来、ルーブルが金本位制になるための布石、と見られている。

 

アナリストの田中宇さんは「FRBが本当に金融緩和(QE)をやめているなら、数週間か数ヶ月以内に株や債券の大幅な下落があり、金相場が上がる。連動してルーブルも上がる。(私は米国ではM3は増加しているので、QEはやめていないと思うが)

 

さて、今週の結論。

 

前回も申し上げた通り、ウクライナ問題の終結待ち。モタモタしている。

しかし、終了したらカラ売りの買い戻しで爆騰。

まあ気を永くしてお待ち下さい。私は強気です。

 

ただ、リスクはある。バイデンの発言だ。プーチン戦犯説である。メンツからも、プーチンは簡単には、侵攻を止められない。兵糧攻めに対抗するためのルーブルの金本位制で、制裁の抜け穴を作る作戦だろう。一日2兆とか3兆とかも多すぎる、まあそれでも、あとせいぜい何か月、だろう。強気説を私はやめない。

 

2022年4月11日 (月)

映画「ワーロック」と円安ドル高の定着で、日経平均3万2000円の回復 2022・4・10 (第1110回)

映画「ワーロック」と円安ドル高の定着で、日経平均3万2000円の回復 2022・4・10 (第1110回)

1959年。私が大学を卒業して証券界に入った年の作品。

ワーロックという銀鉱山を持つリッチな町が、無法者の一群に被害を受け、就任していた連邦保安官は彼らに追い出される。

 

悪人と承知で著名なガンマンを雇う。賭博場のオーナーとこみで。

ヘンリー・フォンダとアンソニー・クインがその2人。

無法者は退治されるが、町は2人の支配下にされてしまう。

 

現在のロシアに似ている。

ワルのプーチン大統領に支配され、身動きが取れない。1914年のクリミア支配の記憶と、旧ソ連時代の強大国へのノスタルジアから、ウクライナに侵攻。

意外な反撃で手間取り、ロシア疎外の世界体制になってしまった。

 

原油、食糧それぞれの事情で価格は急騰中で今後も続く。インフレになりかけているのは、世界全体。すこしでもインフレ病にならないためにバイデン政権はドル高を推進中。

 

かつては円レートが安くなると米国は必ずクレームをつけたが、今回は全くやらない。これは前回も書いた。

 

日本側も、マスコミは「悪い円安」と騒いでいるが、一番大事な点を見逃している。

 

「日本の輸出の高付加価値化」である。

 

チャートを見て頂こう。

第一生命経済研究所の主任エコノミスト 藤代宏一さんが作成したものだ。

内閣府(経済白書)によると高付加価値指数は明白に右肩上がり。(下の図)

 

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これは品質調整をしない輸出価値指数(通関統計)には値上げが直接反映されるが、輸出物価格指数(日銀)は品質向上に相当する部分は値上げと認識されず、純粋な値上げ分のみが指数に反映された。

 

平たく云えば、円安で値上げしても、スンナリ通る、ということだ。

 

昨年来のドル高円安が進んでも、チャートが示す通り、輸出メーカーは収益増になるということだ。

 

企業収益で云うと、10円のドル高円安は上場企業の経常利益を5%押し上げる。

 

日銀短観によると、対ドル円レートは10円近辺で企業は経営計画をたてている。

1ドル123〜24円の現状では、上限はすでに11%押し上げられている。

 

推測では、1256円。私が信頼する箱田啓一さんは130円。先週の植野大作さんのチャートでは135円。

 

日経平均では一株当たり利益は2022年度の10.4%増で2309円となった。

2021年度の2091円でPER13.3倍だから、同じPERだと3700円になる。

 

現実にはまだ予想される円安メリットを織り込んでいないから、明年の年度末には32000円は固い。

 

一方、米国側にもインフレを抑えるドル高が好ましい事は前述した。

 

しかも、この情勢はかなり永続する。

 

天然ガスはシェールガスにより米国はロシアを押さえ込み、ドイツもノルドストリーム2を葬り去った。

現在ドイツを中心に欧州諸国は、一時的なスポット契約ではなく、長期契約で米シェールガス企業と続々契約を結んでいる。テキサス中心にシェール景気はすごい。

 

加えて大豆、小麦、トウモロコシなどの穀物も米国は大ブームの状況にある。

農地と出荷設備が激減したウクライナが世界市場に回復するには、23年はかかる。一方需要は凄い。

例えば中国、12月だけで穀物輸入は昨年を上回った。6割は米国である。

 

もう1つ、忘れてはならないのが武器だ。ウクライナの対戦車ミサイル「ジャベリン」と携行型ミサイル「スティンガー」中心に、米国武器メーカーに引き合いが殺到している。

 

ドル高要因はヤマのようにある。

 

円安が一時的なものでないと、私が断言する理由だ。

 

インフレが2年も続けば、83兆円あるとされるタンス預金が、恐らく初めは海外旅行だろうが、次いで不動産と金、そして株に移る。

恐らく(私はその時まで生きていないだろうが)日経平均4万円、5万円の時代が2020年代中に来るだろう。

 

次のダボス会議のテーマは「世界の大リセット」だそうだ。日本の資産運用も大リセットに入るのではないか。いや、なるだろう。

 

映画では自ら志願して保安官になったリチャード・ウィドマークが町の人達と仲良くやってゆく。同じように新しい世界が始まるのだろう。

 

ちなみに「悪い円安」キャンペーンに乗ってはいけない。

物価が上っていかないと、企業は内部留保ばかりに注力して、設備投資や賃金引き上げに動かない。

 

目先はウクライナ侵攻があるし、FRBの利上げもあるので、モタモタする。しかし春まき小麦の関係から、5月上旬にはカタが付く。

そうなれば、ヨーイドンだ。私は強気だ。

2022年4月 4日 (月)

映画「ドライブ・マイ・カー」と長期の円安・インフレ・タンス預金と金。 2022・4・3  (第1109回)

映画「ドライブ・マイ・カー」と長期の円安・インフレ・タンス預金と金。 2022・4・3  (第1109回)

 

日本映画としては「おくりびと」以来、13年ぶりにアカデミー最優秀外国語映画賞を獲得した。これに先立ってカンヌ

で4冠を得た秀作。3時間を超える長編だが、私は少しも飽きなかった。

村上春樹の短編集から映画化されたが、「ドライブ・マイ・カー」のほか「シェエラザード」と「木野」も含まれている。

 

しかし、この映画の本当の作者は、チェーホフだろう。劇中劇「ワーニャ伯父さん」の主人公たちが到達する悲しみに満ちた諦念。そして自己肯定に向う流れが、そのままこの「ドライブ・マイ・カー」のテーマになっているわけだ。

 

主人公の俳優兼演出家の家福悠介(西島秀俊)が亡くなった妻の音(霧島れいか)の思い出から最後には吹っ切れる。

最後には「ワーニャ伯父さん」の主役の演出を兼任して演じ、活々と充実して生き始める。

 

ちょうど日本が永い間デフレに苦しんでいたのが、円安の長期化、大幅化でインフレに向うようだ。

 

円の対ドルレートが125(328)をつけたからと云うのではない。通常は円安が進むと、米国政府が必ずケチをつけ、場合によっては日米両政府が「ドル売り、円買い」で協調介入して円安にブレーキをかけたものだ。

 

しかし329日付のWSJ紙が云う通りで「円安でも問題なし、日米が黙認。」

 

理由は日米の大きな金利差。FRBは利上げを実施し、年内6回の利上げが予定されている。2年債はおそらく3%に接近。

一方日本は10年債で0.25%2年債はマイナス圏。

これなら、ヘッジファンドは低金利の円を売り、ドルに交換する「キャリー・トレード」が盛行しても不思議はない。

 

米国側の事情でドル高優先になっているのは見逃せない。

中間選挙を控えたバイデン政権にとって、輸入時のコストを押し下げるドル高は歓迎される。

現に米財務省の直近の為替報告書では円安は問題にされなかった。

 

円安は株高につながる。大和総研では1ドル115円が125円になれば、日本企業の経常利益は1兆5000億円押し上げる。5%。

 

それよりも何よりも、食料価格やエネルギー価格が高い。加えて4月以降のスマホ料金下げを影響がなくなり、これだ

けで1.5%近く上昇することを考えると、インフレの再燃が避けられないだろう。

 

恐らくインフレ気配になれば、国内外とくに海外旅行が盛行する。

空運会社のJALANAは買い。HISや米国のディズニーなども魅力的だ。

 

2,3年後にはタンス預金(83兆円)が動き出し。三万円どころか、四万円も夢ではない。不動産や金への投資が魅力を加える。

 

チャートには、三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジスト 植野大作さんの予想を掲載した。

24年の対ドル1323円を一流ストラテジストが予想しているのをご注目いただきたい。

来週もこのテーマを書くつもりです。

 

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