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2022年2月28日 (月)

映画「ロシアより愛をこめて」とロシアのウクライナ侵攻。NYと東京市場の猛反発を私が予想する理由 2022/02/27 (第1104回)

映画「ロシアより愛をこめて」とロシアのウクライナ侵攻。NYと東京市場の猛反発を私が予想する理由 2022/02/27 (第1104回)

 

「ドクター・ノオ」に次ぐ「007」ものの第2作、シリーズ最高傑作とされている。オリエント急行車内での猛烈な

格闘シーンだけでも映画史に残る、何よりもショーン・コネリーが油ぎっていかにもスパイらしく、また何よりも恰好のよさが魅力的だった。

 

 さて、露プーチン大統領はウクライナに侵攻した。

 米バイデン大統領は、対露制裁を発動し、欧日はこれに追随し、近年ではこれまでで最も緊迫化している。

 

 日本にとって一番困るのは、原油価格がバレル100ドルを突破しそうなことだ。

 

 そうでなくても、4月の物価指数は、スマホの価格引下げ効果がなくなる。これだけで1.48%。これにガソリン、食料品などの価格上昇を加えると、現在の0.5%が一時的とはいえ3%近くの消費者物価上昇になる。

 

 企業収益見通しが一挙に悪化するのは当然。最悪の場合を想定して、株安が発生した。

 

 ルーブルの下落、金融市場でのロシア債へのデフォルト懸念。

 2014年のクリミア半島への軍事侵攻を直感させる。

 

 私だけではない。第一生命経済研究所首席でエコノミストの熊野英生さんは、「アフターコロナに冷水」という緊急レポートで、やはり2014年の記憶がよみがえる、と懸念している。

 

この懸念は無用だろう。ロシアはこの危機で、自国の保有する資源や金の価格上昇で、大きな利益を獲得する。SAIL代表の大井幸子さんのレポートによると「ロシアの原油生産は一日一千万バレル。十ドル上がれば毎月30億ドル。金が10%上がれば毎月15億ドルの利益が出る」。マイナスの面はあるが、全体では、ロシアは損はしない。

それでもマスコミの危機感の宣伝もあり、危機感は相当なものだ。有事の金買いが発生した。

 

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2月21日の金先物相場は1グラム7041円と、202087日の7032円を抜き、最高値を更新した。

 

 商品アナリストの小菅努さんは、「有事の金買い」には一定のパターンがあるという。

 

  1. 有事で認識され始めると金買いがふくらみ、緊張レベルの高まりで買い圧力は上昇。
  2. 有事が具体化すると、さらに金買いが高まるが、同時に材料出つくし感から手仕舞い売りが始まり、高値波乱相場になる。
  3. 有事が実現し実体が明らかになると、金買いは終わり、手仕舞い売りでジ・エンド。

 

私はこの「金買いの買い圧力」は株の場合、「危機にからんだ株売り」と読みかえるといい。

つまり③の段階なのだから、売りは終わり。買いあるのみ、ということ。おわかりいただけただろうか?

 

 

 小菅さんは、「有事の金買いが終わっても、悲観的になる必要はない」として次の理由を挙げる。

 「エネルギー危機、金融危機は厳存しており、インフレリスクがなくなるわけではない」。やはり、私の財産の3%は金の現物で持つ、これがおすすめだ。先物はタイミング次第だが、高値は追う必要はない。

 

 株では何を狙うか

 ウォーレン・バフェットが買った大手商社もいい。ウランの利権関連という魅力もある、

 三菱商事(8058)、住友商事(8053)、三井物産(8031)、伊藤忠商事(8001)、丸紅(8002)

 

 いつものように映画のセリフでシメる。

 ボンドがロシアのスパイの美女にいう。

 「君は写真より綺麗だ。」

 「でも口が大きいでしょ」

 「ぼくにはちょうどいい」

と言ってキスする。

 

さて、この下げ相場は、もう22425日で終わった。とりあえず買いあるのみ。

 

 読者のみなさんは、身の丈にあった投資を。ご自身でよく研究されてリスクはご自分で。

 大きな成果を、どうぞ。

 では、グッドラック!

2022年2月21日 (月)

映画「ダイ・ハード ラスト・デイ」とウクライナ問題とドル高。そして私の強気 2022/02/20 (第1103回)

映画「ダイ・ハード ラスト・デイ」とウクライナ問題とドル高。そして私の強気 2022/02/20 (第1103回)

 

「ダイ・ハード」シリーズの第5作。舞台はロシア。初めはモスクワ。次いでチェルノブイリ(ウクライナ)へ。濃縮ウランの横流しによる大金獲得を担う大犯罪をマクレーン父子が阻止する。

 

連日ウクライナ問題が大きく報じられ、NY株式市場は一喜一憂。東京市場もつれ高、つれ安している。

 原油価格中心にインフレの動きが進行する中、FRBに始まって世界的に金融引締めが強行されようとしている。

 

 ニッセイアセットマネジメントのリサーチフェロー兼上席エコノミストの佐治信行さんは「金融引締めは、川上インフレと川下デフレを同時発生させる蓋然性」を指摘している。まことに鋭い指摘で私は全く同意する。中長期的にはこのインフレとデフレの共存は、大問題になろう。

 

ただ今回はやはり、ウクライナを取り上げる。

 

 

 私は、米露双方にこの騒ぎがメリットをもたらす、と見ている。

 

 まず米国・バイデン政権にとっての利点。

  1. 2021年夏のアフガン政権崩壊で「弱いバイデン」の印象を全世界に与えたのを挽回しうる。
  2. 前米国大統領トランプ氏が「バイデン政権はウクライナで大きな利権を得ている(ハンター・バイデン氏を通じて)。」という疑惑を拭い去ることが出来る。

 

 一方露プーチン政権のメリット、これは極めて大きい。

  1. ウクライナ経由で欧州にLPGを輸出することが困難になっても、エネルギー価格が上昇すること自体、ロシアには有利。
  2. 今回の危機に際し、ウクライナと共に戦う国はなく。ロシアの攻撃を防ぐ戦力もないことが明らかになった。
  3. NATO首脳にウクライナを加盟させるためロシアと戦う意思はない。(2月14日のドイツ・シュルツ首相)
  4. 厳寒期に大軍を派遣するということは、世界にロシアが軍事力の完全な復活を遂げたことを明示した。

 

これだけのメリットがロシアにはある。やはりホットウォーをひきおこす必要はない。ウクライナの東半分を

自治領として半独立させ、ロシアが保護してやればいい。

 

 では、エネルギ―価格の上昇による被害者である先進国、例えば我が国はどうか。

 

 チャートに示した通り、エンゲル係数が上昇している。

 米国は15%、ドイツは18%。これに対し日本は27%。

 

 国税庁によると、2020年の平均給与は433.1万円で、前年比0.8%減。2019年は前年比1.0%減だった。

 

この状況で、どう資産を守り、かつ増やすか。

 

 やはり米ドルを買うのが最良の投資戦略と私は考える。

 私のビジネスパートナーでSAIL代表の大井幸子さんの「HFニュースレター 2022年2月(第3号)」によると、ロジックは次の通り。

 

 「米ドルが強い理由は、米ドルへの需要が強いからだ。」

 

 「多くの投資銀行(特に欧州と中国系)の自己勘定取引では、レポ市場で米国債を担保にして、短期資金を借り入れ、大量の

デリバティブ取引を行なっている。この取引では常に米国債は必要になる。米国債を買い付けるためにはドルが買われ、ドル高になる。」

 

 国際金融マーケット研究家の豊島逸夫さんによると、

「120円(対ドル)もあり得る。私(豊島逸夫さん)は財産の半分はドル建てにしました。」と述べておられる。

 ドルが強いうちはNY株式市場は高い。日本株もつれ高が期待できる。

 

 年前半の調整は両市場とも避けられないと考える。特に3月末には「ド」があるだろう。

 しかし、6月から私が予想している上げ相場には必ず参加するのが好ましい。

 

 そして日本なら三菱UFJホールディングス(8306)に代表される金融ビジネス関連でそれにウオーレン・バフエットの買った総合商社株、たとえば三菱商事、伊藤忠あたり。ウランの利権を私は注目している。

私は強気だ。

 

 (投資リスクはご自分の決断でお取りください。)

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2022年2月14日 (月)

映画「第三の男」と不死鳥のようなトランプ氏の再選。そして安倍さんの復活 2022/02/13 (第1102回)

映画「第三の男」と不死鳥のようなトランプ氏の再選。そして安倍さんの復活 2022/02/13 (第1102回)

 

映画史上の名作中の名作。高校2年の時に観た時の感激は忘れない。

チターの弦をタイトルに使ってスタート。第三の男が登場する瞬間、下水道での追跡の迫力。そして紅葉の落ちる並木道を、アリダ・ヴァリが画面手前から歩いて来て、画面から切れて去ってゆくラストシーン。

どのシーンも美しく、音楽がまた素晴らしい。

 

人間関係はこうだ。

初めに登場する人物はホリー・マーチンス(ジョセフ・コットン)で、友人のハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)に呼ばれてウィーンにやって来る。ところがライムが死んだといわれて葬式に行き、そこで美しい女性と出会う。これがアリダ・ヴァリでハリーの恋人。

 

 ライムは極悪人で、ペニシリンを病院から横流しさせ、水で薄めて売り、巨利を得ていた。ウィーンを占領している英国軍などから追求され、病院の看護師を殺して自分と見せかけて誤魔化そうとしていた。

 

 この映画に私の旧知の英国の友人は、「真面目だが間が抜けた二流の人物と、悪人だが魅力的な本物のオトコと、女はどっちをとるか」の映画だ、と言った。そうかもしれない。

 

 今回このコラムに前大統領 ドナルド・トランプ氏を取り上げたのは、米国の政治情勢がますます「トランプ化」しているからだ。

 

 「Washington watch(202226日号)」によると、今年の米国の中間選挙の運動資金は、共和党全国委員会(RNC)5600万ドルを用意したのに対し、トランプ氏の資金は12200万ドル。

 

 マッカーシー下院共和党院内総務と、マクダニエルRNC委員長は、このトランプマネーを使って党勢拡大を図ろうとしている。

 

 では、具体的にどんな行動をとるのか。

 反トランプ議員を落選させるため、予備選挙で対抗馬を擁立、支援する。(これは州知事でも同じ。)

 

 成果はどうか。ほぼ確実にバイデン民主党は中間選挙で負ける。無党派層の2割が共和党支持に向っている。バイデン大統領の支持率の急落はご存知の通り。

 

 一方、日本の方はどうか。

 公明党と自民党との選挙協力体制に、「暗雲が垂れ込めている」(時事通信政治部長 松山隆氏)

 

 公明党が提案する相互推薦とは、全国に32ある改選一人区で自民候補を推薦。

 一方、複数区である埼玉・神奈川・愛知・兵庫・福岡の選挙区で自民側の支援を得る、というものだ。

 

 成果はどうか。2019年には公明党が選挙区で全勝。自民党は一人区を2210敗で乗り切った。しかし今回は、公明党、創価学会の支援がなければ当選はおぼつかない議官がかなりいる(前出 時事通信社政治部長)

 やはり岸田退陣の公算は前より高まっているのではないか。となれば、最後は安倍さんの再登場。先日もお会いするチャンスがあったが、元気そのもの。何とも頼もしく思った。

 

 映画のセリフから、ライムがいう。

 「ボルジア家の圧政で人民は苦しんだが、優れた芸術家たちが続出、ルネサンスを生んだ。しかしスイスは500年の平和と民主主義をエンジョイした。しかし、何を生んだ? 鳩時計だよ。」

 

 では日本株の見通しはどうか。

 

 プラザ投資顧問室の伊東秀広さんは、「310日近辺まで高い。目標値は29200円でヘッジファンドの踏みが入ると、3万円到達もありうる。」と。

 

結論、私は強気だ。

2022年2月 7日 (月)

リスト交響詩「レ・プレリュード」と転機を迎えた金への投資。目標値はオンス2300ドル台。 2022/2/6 (第1101回)

リスト交響詩「レ・プレリュード」と転機を迎えた金への投資。目標値はオンス2300ドル台。 2022/2/6 (第1101回)

 

ピアノの超絶名人として知られるリスト(1811~1886)は「交響詩」という分野の創始者。

「交響詩」とは曲をつけられた題を道しるべとして、文学的な内容を表現しようとする標題音楽である。ベートーヴェンの田園交響曲やベルリオーズの幻想交響曲が代表的な例。

 

「レ・プレリュード」は「前奏曲」という意味で、フランスの詩人ラマルティーヌの詩に基づいている。

4部構成で ①春の気分と愛 ②人生の嵐 ③平和 ④戦いと勝利。

テーマは「人間の一生は、死という未知の歌への一連の前奏曲である。」

 

今回私がブログに「金」への投資を取り上げた理由は、一回、相場の有為転変を終えた金への投資が、再び生命を与えられたように考えたからだ。

つまり新しい上昇相場がはじまったということだ。

 

まず順序として、前回の相場を述べよう。

 

①1オンス100ドル近辺から19801875ドルへの「春」の時代。

19998月の252ドルまで下落した「嵐」の時代。

20119月の1920ドルまで上昇した「平和」の時代。

そして④が今年4月のオンス1700ドル台までの下落した時期。

 

 再生を示す重要なシンボルは、20208月のウォーレン・バフェット氏の「金鉱株買い」である。

 

 対象は世界第2位の産金会社バリック・ゴールドで、発行株式の1.2%、2090万株を取得した。金市場の上昇相場入りを読んでの買いである。

 

 次いで金の需要が8年半ぶりの高水準に達した。

 

 ワールド・ゴールド・カウンシルが128日に発表した昨年1012月期の金需要は1146.8トン。これは20194〜6月期以来で最大規模である。

 

 コロナショックで20201012月期に768.3トンまで落ち込んだが、その後ジリ高となった。

 国別に見るとインドが93.0%増の265.0トン。中国が24.0%増の177.6トン。

 

 一方、投資需要は300.2トンで2倍に増加した。地金・コインが18.0%増の317.8トン。市場の重石となっていた金ETFの売りが17.6トンの売り越しだったが、前年同期の131.2トンを越えていた昨年とは様変りの状況だ。

 

 年間ベースでは金ETFの売りが2020年に874.0トン、2021年が173.3トンの売り越しに止まった。上半期の129.2トンの売り越しだったが、下半期では44.1トン。

 金がインフレヘッジとして見直される気運なのに加え、NASDAQの下落で株価にブレーキがかかったので、自動的に金への選好度が高まつている。

 暗号資産の下落も手助けとなっている。

 

 では今後の目標値はどうか。

 先週も引用した世界的に定評のある若林栄四さんは、「2023年第4.4半期のターゲットとして2375ドル」を「?」つきながら昨年129日のセミナーに、資料として掲げている。ご参考までに。

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