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2021年8月30日 (月)

映画「キネマの神様」と日本株長期上昇大型相場のスタート 2021.8.29(第1077回)

映画「キネマの神様」と日本株長期上昇大型相場のスタート 2021.8.29 (第1077回)

 

90才になった山田洋二監督の最新作。志村けんを予定した主役が、沢田研二に交代。やはり志村でなければならないキャラクターなので、出来はイマイチ。

 

ストーリーは、酒と競馬に身を持ち崩した男の再生。昔、映画を作りかけて、残っているシナリオを孫が書き直して受賞する。こう書けば簡単だが、なぜそこまでダラクしたのか全く画かれていないのが、致命的。

 

日本経済と株も、この男に似ている。歴史的高値の7割。一人当たりGDP2020年現在42248ドル。対米国比67%で、台湾、韓国に抜かれた。

 

しかし、私はここ34年で4万円台に回復すると確信している。理由はたびたび述べているが、再掲する。

 

株価の基本が企業収益であることは、論を待たない。これが①低金利②割安の円レート③法人税減税で、2020年に対し1株当たり利益をベースとしてみると2023年にはほぼ50%のアップ。

 

2万7000円の5割アップは4万円をこえる。

 

2022年4月の東証再編も株高要因だ。外国人機関投資家好みの市場になるし、何よりも建株会社が来年以降、現在の株安志向が株高希望に方向が180度回転する。

 

では何が、株高を明示するシグナルになるのか。

 

いちよし証券の高橋幸洋テクニカルアナリストによると、28279円だ、という。

 

理由は2021812日の戻り高値がこの値で、これを終り値で上回ると、中長期上昇トレンドへの転換シグナルとなる。

 

たしかに、目先は不安材料が多い。①コロナ患者数が高水準②政界リスク③半導体不足によるトヨタショックなどなど。しかし、意外性があるものではなく、相場に織り込ずみと私は観ている。理由は820日の27013円が大底と判断しているためだ。ただし、中国株の暴落は気になるが。来週、結論を出すつもりだ。

 

今回はセリフ代わりに、主題歌の「うたか歌」から。

 

「走るにはどうやら命は長すぎて

悔やむにはどうやら命は短すぎる

 

諦めるにはどうやら命は長すぎて

悟るにはどうやら命は短すぎる」

 

 

2021年8月23日 (月)

井上靖「敦煌」と永い間放置されていた事象三つと当り屋のNY株への警戒説、それとジョージ・ソロスの大転換 2021.8.22(第1076回)

井上靖「敦煌」と永い間放置されていた事象三つと当り屋のNY株への警戒説、それとジョージ・ソロスの大転換 2021.8.22(第1076回)

 

シルクロードブームを巻き起こした井上靖の名作。私にとっては亡母今井満里が、たしか二回目の敦煌訪問に井上先生と同行し、現地で拾った陶片を大切に持ち帰った。その時の母の嬉しそうな顔を私は忘れない。後に書家で日中友好協会副会長だった母は「熱砂無限」という代表作を書いた。

 

 佐藤浩市主演で映画にもなったので、ストーリーをまとめる。時期は11世紀、北宋時代だ。

 

 主人公の趙行徳は官吏登用試験に失敗、市場で西域の女を助け、奇妙な西夏文字を見て大いに興味を持つ。北宋から西夏に旅する途中外人部隊の一員になる。いや、されてしまう。

 

 西夏の王族の娘を助け、恋に落ちる。しかしあの奇妙な文字の解読を命じられ、一年以上離れているうちに娘は権力者の妾にされ、再会すると恥じて自殺する。

 

 権力者を殺そうとして失敗、敦煌に逃げ、そこで膨大な経典が危機にあるのを知り、若い僧たちと何万巻もの経典を洞窟に隠して、そして死ぬ。

 

 値打ちがつけられないほどの貴重な経典が、誰の目にもふれずに何世紀もの間、放置されていた。

 

 人為的に何かが放置されていた事例を、私は3つ挙げたい。

 もちろん第一は日本株。株価収益率(PER)が12倍台(20223月期基準)、益回り6.6%なんて、わたしの経験では数少ない。

 

 いちよし証券の高橋幸洋さんによると「これは信用取引の投げ売りです。近く反発に入ります」と確信を持った返事がかえって来た。

 

 まあこれは、私の従来からの予想通り。特に新味はない。反発時期が、いつ始まるか、だけだ。

 そこに、私に大底を確信させる材料が二つ現れた。

 第一は騰落レシオの71%台の実現。まあここ十年くらいお目にかかったことがない。

 第二は年金積立金管理運用独立運用法人(GPIF)の日本株への比率が23%台になったこと。2021年度に入り、株価上昇の影響で、21600億円の売却があった。その結果25%の基本ポートフォリオにもどすには52349億円を買わなくてはならない。

 

 第二に、マイナス・イールドの国債が世界全体で165兆ドルを超えたこと。景気上昇とインフレ期待という大かたの投資家の期待が、実現性が薄くなったことを示している。世界経済の回復時期が予想より遅いのではないか。

 

 第三は米ドル高が長い間続いていること。世界的な流動性の縮小を意味する。

 マーク・ファーバー博士は「米国債で大口投機家が大打撃をこうむった。背景は景気回復とインフレ、金利上昇に賭けていたシナリオが失敗した、ということだ」としている。

 

 博士は先月号のレターで「大口投機家は米国ドルでも記録的な売り越したこと。同時にこの2つで売ったことは珍しい。」博士はこの反動が2~3か月間に反発があるとも予言している。この人はブラックマンデーを予言し日経平均8,000円ワレを予言した当り屋だ。

 

 箱田啓一さんが予想している通り。今年11月に米国株式市場で波乱が起きることは確かなように思える。

 

 箱田さんの816日レターは、NYダウは111日が小天井で11月25日頃に底値をつけるとしている(チャート)

 

 ついでに、最近私を驚かせたのはジョージ・ソロス氏が送って来たレターだ。(81日付)

 永い間、同氏は中国びいきで対中投資の推進者として知られてきたが、「習氏の独裁政権は中国の国益も脅かしている」「個人的な権力を求めて、故鄧小平氏の経済改革の道を拒絶し、共産党をイエスマンの集まりに変えた」

 

 この書き出しからみても、同氏が180度態度を転換したことは明らかだ。おそらく米国を含めた外国人投資家は6~8,000億ドルといわれる対中投資を引き揚げつつあるのではないか。

 

 これもついでに。政界で小池百合子首相説がジワジワと出てきている。二階幹事長のハラの中には大連立政権で小池さんを担ぐつもりがあるのではないか。

 

 首相の器と考えるし、外国首脳と直接英語やエジプト語で語り合える。自民党が政権から降りた時、彼女は髪を切らなかった。政権を取り返した時にこれを切ることになり、断髪式が行われた。その折にハサミを入れた私としては、永い間放置されていた能力が発揮される時代になりそうなことが、とても嬉しい。

 

 最後に。「敦煌」の中で主人公趙行徳が僧侶から聞いた詩を書いて終りにする。

 

 「春風意を得て 馬蹄はやく、一日みつくす 長安の花」

 

 平和、本当に尊いものだ。アフガン放棄は米国政権の対中攻撃のための必要悪としての画策であると私は思う。しかしイスラム原理主義の弊害で女性の人権無視による強制婚が始まるだろう。アフガンの国民の今後は苦難に満ちたものに違いない。私は暗たんたる心持になってしまう。

 

 いよいよ最後に。この下げをとことんあてた当たり屋のプラザ投資顧問の伊東秀広さんが、824日から反発しますよ、と話してくれた。私の前記した見通しへの大変な援護射撃だ。よーい、ドン!!

2021年8月 6日 (金)

大谷翔平の二刀流と、人口減少でダメなはずの日本で株高が発生するワケ  2021・8・8 (第1075回)

 日本人にとって最も嬉しいニュースは、エンゼルスの「オータニサン」のホームランか勝利だ。メジャーリーグでホームラン首位,投手で五勝!野球評論家の「二刀流はムリ」という説が否定された。嬉しい誤算というほかない。

 

いま、株高を支援する材料が、二本立てになっていることは、もっと注目されていい。

 

株高を支えるもっとも重要材料が企業収益であることは誰でも知っている。

 

このブログで、増益の柱が国内要因であることはしばしば指摘した。金あまり、コロナ禍の回復期待、低金利それに法人税軽減である。

 

今回指摘したいのは、国外要因。つまり円レートの円安、海外とくに米国の景気回復が大きな役割果たしていること。

 

いい証拠として、英国エコノミスト誌の「ビッグマック指数」(7月24日付)米国ではビッグマック一つ買うのに5・65ドル、日本は3・55ドル。
デフレのせいじゃないか、と言われそうだが、円レートの低位定着を物語る。

 

ちなみに、この指数の高さの順にいくか並べると・・・(単位ドル)
ベネズエラ8・35,スイス7・04,ノルウェー6・30.次いで米国。
逆に低い順から並べるとレバノン1・68,ロシア2・27、南アフリカ2,28トルコ2・34。
ついでに。デイズニーランドの入場料は世界で日本が最も安い。

 

もう少し理論的に説明する。
日銀短観の製造業・大企業で年度計画による想定レートは対ドル105・6万円。現実は109円台だから、円安も企業収益にプラスである。(この部分は岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長高田創さんの資料Today8月4日による)。

 

いよいよ結論に入る。
大和証券の木野内栄治さんに聞いたのだが、TOPIXの一株当たり利益のコンセンサス予想は次の通り。
 2021年三月期 95・4
 2022年三月期 123・64
 2023年3月期 137・26
 2024・年三月期 149.75
4年かけて56.9%の増益。PER15倍とすると、日経平均は4万5千円台に行くのもおかしくない。

 

長期は分かった。しかし目先は?
FTR代表の箱田啓一さんは「M&Aレシオ」は「1・0を割ったら買い」と八月二日のレポートで書いた。
M&Aレシオとは、企業の買収にかかる投資資金を、何年分の営業キャッシュフローで回収できるかどうかを示す数字。
たしかに1年割れここ数年で、2021年3月と、2021年7月と2回しか起きていない。
箱田さんは「8月11日から市場は上昇に入る」としている。来週以降の買いをお勧めする。

 

ついでに、久かたぶりに、米国株を買いました。ロビンフッド(HOOD)30ドル台で買い、すでに50ドル台に突入、もっと上がると見ているので、当分持続します。ご注目ください。

 

なお、8月15日のこのブログはお休みさせていただきます。あしからず。

2021年8月 2日 (月)

映画「北京の55日」と習近平の自国のハイテク企業叩きとチャイナショック  (第1075回)2021・8・1

映画「北京の55日」と習近平の自国のハイテク企業叩きとチャイナショック  (第1075回)2021・8・1

チャールトン・ヘストンとエヴァ・ガードナーそれに伊丹十三が出演した歴史スペクタクル映画。1963年の作品だ。

 

1900年に清国内で起きた宗教団体義和団の外国人排除運動が高じて、11カ国の居留民3000人が攻撃の対象になった。守る水兵、海兵隊はわずか500名。

 

本来なら中国側は、外国人を守るべきだが、清王朝は宣戦布告した。狂気の沙汰というほかない。

 

これに似た政策措置が、習近平体制下の中国で進行している。自国のハイテク企業への圧力、最後の狙いは共産党に有利な言論統制だ。

いい資料があったので、引用する。

 

パルナッソスインベストメントの宮島秀直チーフストラテジストの727日レポートから。

  1. 中国のインターネット利用者は202110億人を超えた。9600万人の中国共産党の監視能力を超えた。党員一人当たり十人が限界とされる。
  2. 習近平国家主席の終身体制盤石化のため、巨大ネット企業のビッグデータ接続を狙う。
  3. 製造業労働者急減が頭痛のタネの習政権は、巨大ネット企業の引き起こす労働者不足をとめたい。

 

このため「中国国家安全法」を成立させ、規制の強化、処罰を繰り返している。これで当局にとって具合の悪い情報は規制されている。具体的な銘柄の株価下落状況は次の通り、

  

 アリババ集団(9988HK)、バイドゥ(9888HK)などは高値比40%をこえた下落。つれて香港ハンセン指数は高値比20%下げている。上海総合指数は8か月半ぶりの安値である。(マネースクエア宮田直彦チーフテクニカルアナリストによる)

 

 宮田さんは「20185月のチャイナショックは、仮にあったとしても一時的」と予想している。

 

 私は国際的運用をしているファンドの資産は10兆ドルはあるから、どこかが破綻してグローバルな広がりがありうる。そのリスクは忘れてはなるまい。

 

 それにしても、習近平個人の権制欲のために成長企業グループをいじめて、成長を阻害する。時代の流れに反する行為は、どこかで厳しく罰を被るだろう。

 

 では、イマイさん、日本は?

 

 サワギが起きるにしても、まだ先。

 

 現在の軟調に見える相場は、来年4月の外国人機関投資家好みの株式市場に模様替えする準備段階にある。いわばジャンプの前のかがみこみ、である。

 

依然、私の強気姿勢は変わらない。

 




お知らせ:2021年8月15日付のコラムはお休みさせていただきます。

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