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2021年7月26日 (月)

サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」と、タイタニック・シンドローム、そして仏大統領マクロンの発言と金価格(第1074回)2021・7・25

サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」と、タイタニック・シンドローム、そして仏大統領マクロンの発言と金価格(第1074回)2021・7・25

 

1874年にヴァイオリンの超名人でスペイン国籍のサラサーテが作曲した名曲。鈴木清順監督が同名の映画を作ったし、スケート世界一の羽生

結弦選手が2021年に使っている。

 

 導入部はゆっくりとした悲しげな旋律。中途がハンガリー民謡を使い「ジプシーの月」という名でポピュラーソングにもなった。

 

 これが一転して終わりには極めてテンポの早い、また極度の高技術を要する曲に変わる。リストがこの部分をハンガリー狂詩曲十三番に使った。

 

 今回この著名なクラシックをブログに使った理由は、最近しばしば発生する米国株式市場、特にNASDAQの「ド」か「ドカ」があるからだ。

 

 719日、ダウは725ドル、NASDAQは152ドル下げた。

 

 たまたま午前3時に起きていた私はCNBCで「新型コロナ肺炎ウイルスの威力は原ウイルスで2・3~2・5、アルファ5、デルタ8~9(倍)」と表示したのを見た。 

 

 死者はメチャ減少に向かっているのに、おかしいなと思った。

 

 この疑問を解決してくれたのが、バルナッソス ベストメントストラテジーズのチーフストラテジストの宮島秀直さんだ。

 

 79日付のレポートで宮島さんは、世界有数の巨大機関投資家に取材して「タイタニック・シンドローム」という売りサインがでたからだ、というニュースを得た。

 

 

新高値更新銘柄数マイナス新安値更新銘柄数でマイナスになったとしようその状況が5営業日のうち4日間あった場合、23週後に5%以上下落する。

 

 これが「タイタニック・シンドローム」である。

 

 一見したところ、著名なヒンデンブルグ・オーメンに酷似している。計算の方法は簡単だが。

(宮島さんによるとある米国証券会社に在籍していたビル・オオハマというテクニカルアナリストが考案したそうだ)

 

「タイタニック」は当時再最新技術で建築されて、最新鋭船なので、浮沈神話を関係者が信じていた。このため危険を知らせる情報は、結構あったのに、無視された。なるほど。

 

 まるでのんびりと新値更新を楽しんでいた投資家に「ド」か「ドカ」の来たようなもの。

 いずれにしても、我々は新高値が続いたら、警戒姿勢を忘れないことだ。

 

 

 このNASPAQの「ド」又は「ドカ」と同じように、またツイゴイネルワイゼンの激しい曲の変化のように、急激な変化を与えた事象がある。

6月10日の仏大統領マクロン氏のGセブンでの提案だ。

 

「Gセブン諸国と政府と政府や中央銀行が合計1億ドルをIMFに寄贈する」。IMFはこれをアフリカ諸国の開発や債務の返済に充てる。

 

 増大しつつある中国の影響力への対抗策とするアイデアだ。

 

 これで金先物価格は5月末の1908ドルから6月下旬には1700ドル台まで下げた。

 

 最近は628日のバーゼルⅢで金の安全性が高く評価されたのが効いて、ふたたび1800ドル台まで戻したが。今後マクロン提案が真剣に論議され、再下落の可能性は否定できない。

 

随分イマイさん、相場に関係のないような文章ですね、と言われそうだ。

そこで私が憧れている最後の相場師の是川銀蔵さんの「投資五か条」を書いて終わりとする。

  1. 銘柄は自分で勉強して選ぶ
  2. 二年後の経済の変化を自分で予測し大局観を持つ。
  3. 株価には妥当な水準がある。値上がり株の深追いは禁物。
  4. 株価は最終的には業績で決まる。腕力相場は敬遠する。
  5. 不測の事態などリスクはつきものと考える。

 

2021年7月19日 (月)

孔明の「天下三分の計」と私が常識外れの意見を大相場説とからめて喜んでいるいきさつ (第1073回)2021.7.18

孔明の「天下三分の計」と私が常識外れの意見を大相場説とからめて喜んでいるいきさつ (第1073回)2021.7.18

 

三顧の礼をもって迎えられた孔明が劉備に述べた大構想である。これで一介の軍閥の長に過ぎなかった劉備は,蜀の皇帝にまでのぼりつめた。

 

私が今回の相場が、大変に長期でしかも上昇幅の大きい大相場だ、と言うと必ずこう反問される。

 

「人口ガ減り、老齢化してゆく日本が、何で株だけ上がるんですか?」

私はこう返事してきた。

「私はこれまで、予想を的中させました。ほんの三年前に「日経平均三万円」を刊行したときは、みんなが笑いました。でも、的中したでしょ?」

 

強力な援軍が現れた。岡三グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創さんである。最近のtodayで株価の根源である、企業収益がぐんぐん伸びる。しかも収益増は、一時的なものではなく、構造的なものだと主張している。

 

まとめる。

税負担低下と利払い負担の減少。

もう少し説明しよう。

グローバル化が進むなか、世界的な法人税引き下げ競争が続いた。我が国も安倍政権時代に法人税は35%から29%に引き下げられた。英国は法人税を最近引き上げたが、追随する国は少ない。

 

一方で金利は低水準。最近底入れ気配はあるもののレベルは低い。しかも急上昇の気配は、ない。

 

高田さんは「企業丸儲け」という見出しを付けている。日経平均の一株当たり利益は2000円。来年、再来年も増益なら、2600円も夢ではない。PER15倍なら三万9千円!(これは私の希望だが)

 

こんな不況でそんなにモノが売れるのか、という反論もあろう。 需要サイドへの疑問だ。

 

これに対しての回答は、30兆円。

ちばぎん総研社長の前田栄治さんだ。「金融財政」の最近号に「コロナ禍による強制貯蓄は約30兆円」を書いておられる。強制貯蓄とは本来の消費が、コロナ禍のために預金に回ったお金だ。

 

2020年1月から20214月までの15か月、預金は45兆円増加した。

それ以前の15か月の預金増加額に比べると28兆円の増加。4月以後の増加を考慮して、30兆円。

 

これは可処分所得のほぼ1割。ペントアップデマンドと言い換えてもいい。

やはりコロナ禍が去る今年の年末以降、23年は好況、株高になるだろう。

 

結論。依然としてわたしは強気である。

 

ついでに、現在の相場が弱持ち合いとみる「常識」も当たっていない。

TOPIXの流動性の高い優良銘柄30の指数コア30は戻り高値を更新中。下落は主に、ユニクロと中外薬品など東証の市場再編に流動性からプライム市場に移行できないのではないか、と疑問を持たれている銘柄によって引き起こされ

ている。実体は見かけよりもっと強い。念のため。

 

2021年7月12日 (月)

宮本武蔵「五輪書」と今回の「ド」を予感した背景と来週以降の反発。私の強気  (第1071回)2021・7・11

宮本武蔵「五輪書」と今回の「ド」を予感した背景と来週以降の反発。私の強気  (第1071回)2021・7・11

 

「五輪書」は宮本武蔵の書いた兵法書。地水火風空の五巻から成り立っている。この書の目的は実戦に役立つ兵法の伝授。

 

すでに三十年間戦闘はなく、剣術の稽古は道場でのみ。武蔵は合戦を知る最後の世代として、後世に自分の経験を残そうとしたのである。

 

今の相場と一般の認識と似ている。理由を述べる。

 

五十、六十代のリーダーたちは負け戦つまり下げ相場しか知らない。長期上昇相場を知っている86歳の私としては、この大相場を広く知らせるために、毎週強気を主張している。

 

 先週のブログとウラ読みで、私のいつもの強気をウラハラに、やや弱気と見られる内容を表明した。

 

 早速、読者から反応があった。「久しぶりの弱気」「長期での強気に変化はないか?」

 

 答えは。ともに「イエス」です。

 では、なぜ?

 40年間相場取り組んできたすストラテジストとしては、何となく「ドカン」でなく「ド」か「ドカ」がありそうな場合、予感があることがある。実は7月中~下旬の弱持ち合い相場の目先の終わりに「ド」が来る気がしていた。しかし理由は判然としなかった。

 

 プラザ投資顧問の伊東秀広さんが「香港のハンセン指数が暴落してます」と教えてくれた。イマイチ、日本株への直接の関連が分からなかったので、不安材料を七つ並べた。

 

 「結果オーライ」となった。75日までの28578円から、79日の27949円まで下げた。「ド」が発生した。

 

 

早速、来週は反発局面が期待できますよと、連絡を寄せてくれたのは、いちよし証券の高橋幸洋さんである。

 

 「200移動平均を下値支持線と見ていたが、(79日の)ザラ場では割り込んだ。しかし乖離率が1%を超えた例から見て、調整期間は極めて短期に終ろうとしている。従って、反発局面に入る可能性が高くなった。

 

 また東証一部の騰落レシオ(25日移動平均)が48・15%と215月13日の78・86%に接近している。

 

 つぎに空売り比率。4825%と経験的に反発がはじまる50%ラインに接近している。」

 

 なるほど。

 

 しかし、当面の上昇目標を私は低めの3万円未満に置く。

 

 理由はカンタン。明年4月の証券市場再編による需給の緩和が上値を抑えるからだ。

 

  例を挙げる。東証一部からプライム市場に上場するには、流通株式比率を35%以上にする必要がある。

 

 日経225種のうち1046%を占めるファーストリテイリングと1・61%を占める中外製薬が除外される可能性がある。(個人投資家協会 木村喜由さんによる)

 

 前社の場合は、柳井氏一族と関係会社が5150万株、日本銀行がETF経由で2100万株を保有。これだけで68・4%になる。

 

 後者の場合は親会社のロシユが598%、日本銀行が6~7%。

 

 ファーストリテイリング、中外製薬ともに記述した大株主以外にも固定株主は多いので、両社株が下落しやすくなっている。両社で日経平均の六分の一を占めるので、日経平均全体の上値は限定的だろう。他の銘柄も、現時点では安値が望ましいと考えていよう。

 

 しかし、来年4月から証券市場が、新体制になればいっぺんに全上場企業は上値を求め始めるだろう。

 

明年はコロナ・ショックの打撃から回復し、ペントアップデマンド(22兆ある)が開花。成長率は上昇。現時点での日経平均の一株当たり利益は、2000円以上。

22年3月期のPERは14倍と割安。買い一本で報われるだろう。

 

結論。私の強気は変わらない。

 

武蔵の名言でこのブログをシメる。

「我、事において後悔せず。」

 

2021年7月 5日 (月)

ボーヴォワール「老い」と私を悩ませている七つの不安  2021・7・4 (第1071回)

ボーヴォワール「老い」と私を悩ませている七つの不安  2021・7・4 (第1071回)

 

私は来月に86歳になる。おかげさまで、元気そのもの。世田谷区から歯が20本以上あるので表彰された、また記憶力も衰えていない。

この大相場への強気も変わらない。

しかし永遠に上げ続けることはない。最近「終わりの始まり」を感じ

させる動きが散見され始めた。

指を折ってみたら七つもあった。

山登りに例えると六合目くらいと思うが、年の後半のどこかで、何か現実化されてもおかしくない。この際まとめておくことにした。

たまたまNHKの「100分で名著」にシモーヌ・ド・ボーヴォワールの「老い」が取り上げられている。

第一回しかまだ観ていないが、東大の上野千鶴子さんの「老いて何が悪い!」は嬉しくなった。

テキストでは凄い指摘が多い。

「近代化が進むほど、老人の地位下がる」「社会の変化が速いほど老人の地位は低い」

 

 このブログの読者向けの指摘もある。

「老人が財産を持っている場合老人は尊敬され大事にされる。」

 

 さて、本題に入ろう。私が懸念しているこの大相場の「終わりの始まり」を思わせる動きは七つ、ある。列挙しよう。

 

第一.米FRBのテーパリング。来年とされているが事前に理事発言などで地ならしを行うから、年内にも波乱の可能性がある。

第二.プラザ投資顧問の伊東秀広さんの指摘だが、中国から資本逃避が始まった、と。ハンセン指数の大幅下落がその証拠とか。私は習近平による「戦狼外交」が引き起こしつつある米国との覇権闘争の方が心配だが。

第三.原油高、食料品がもたらすスタグフレーション。

第四.東証の市場再編(プライム、スタンダード、グロース)がもたらす、市場での流通量の拡大、(長期ではともかく、目先の株安要因)

第五.NY市場で私が重視し、情報源でもあったある相場の達人が「この「この6月末にオレは全部手じまいしたよ」と連絡して来たこと、「過去のバブル期に似ている」とか。

第六.ビットコインの価格半減などで損失を被った投資家の市場からの撤退と大量売り。

第七.新型ウイルスの変種によるパンデミックの再来。勿論、最近浮かび上がってきたプラス材料もある。菅義偉内閣支持率の上昇だ。6月下旬の世論調査(時事、共同、NHK、朝日)は合計6月に65%上昇。自民党支持率も上昇。

 

 これで選挙が好材料化した。

以上、まとめる。七つの不安材料まだ具体化していない半面、日本の政治の好材料の方が都知事選も含めて数字で見える。従って、当分、私の強気を維持する。

 

最後にボーヴォワールの名言でシメる。ただしもとはゲーテなのだが。

「老齢はわれわれを不意に捕らえる」

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