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2020年8月17日 (月)

映画「海辺の映画館キネマの玉手箱」と世界同時食料連鎖危機、そして9月の株安 (2020・8・16)(第1025回)

 去る4月に亡くなった大林宜彦監督の遺作で、3時間の大作。私の大好きな中原中也の詩が10回くらい入ったのが、うれしかった。大林ファンには特に楽しい作品に違いない。

 

 ストーリーを簡単に。尾道の海辺にある映画館「瀬戸内キネマ」が閉館。最終日のオールナイト興行「日本の戦争映画大特集」を見ていた三人の若者は、突如として劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリーンの世界に入り込んでしまう。

 

 江戸時代、乱世の幕末、戊辰戦争、日中戦争、太平洋戦争時の沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島―。大林監督らしく、少女の希子を軸に物語は進む。昭和13年生まれの監督の作品らしく、「厭戦映画」でもある。

 

 私としても嬉しかったのは、山中貞雄、小津安二郎といった名匠が出てきて、「映画は誰にとっても自分事になる」という名セリフにも感銘した。

 

 結論。恐らく今年の日本映画のナンバーワンの名作です。さあ、映画館にどうぞ!

 

 ほめついでに、中原中也が泥沼の日中戦争の前夜に書いた詩を映画の中に画面で紹介しているのがすごい。

 

 「人類の背後には、はや暗雲が密集している、多くの人はまだそのことに気がつかぬ」

 

 恐らく大村監督は私と同じく、太平洋戦争当時の国民の上を鮮烈の記憶として持っておられたのだろう。イモがたびたび出てきたのには苦笑させられた。今の日本では想像できないだろうが、みんな飢えていた。イモはご馳走だった。そこで今回は食料のことをテーマにした。

 

 私は、資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫さんのご意見を中心にこのブログをまとめている。

 

 この方は、私がポカをして講演に遅刻したとき、私が到着するまで頑張ってつないでいただいた。後にお詫びした時も、温顔で許してくださった。大きな借りがある方だ。

 

 私が久しぶりに時間を頂いて柴田さんにお話を伺ったのは、やはりコロナショックが、世界の食糧市場への影響があるに違いないと考えたからだ。

 

 お答えはもちろん、イエス。以下、簡略にまとめよう。

 

 問題は四つ。第一は移民労働者不足による農業生産への影響、第二は港湾労働者の荷役作業遅延、トラック労働への敬遠、第三に輸出規制、第四は「過剰」と「不足」が同時並行的に発生している。

 

この四番目の問題はもう少し詳しく述べる。

 

 コロナ禍による移動規制のため世界中の経済活動や物流が寸断されたことで、食糧市場では「農村部の過剰」「都市部の不足」。また付加価値の面からは「(国産)高級食材の過剰」と「(輸入に依存した)業務用の安価な食材の不足」が発生している。

 

 柴田さんによると、まだ要注意の問題点がある。①東南アジアで始まったコメの輸出規制②ロシア他での小麦の輸出規制③バッタ大量発生の三つ。順番に詳しく述べる。

 

  • ベトナム、ビルマ、カンボジアが1割かそれ以上のコメ輸出計画を削減。この反映でコメの輸出価格は昨年末比で、4割以上高騰した。
  • ロシア、ウクライナなどは、小麦,トウモロコシ、ライ麦などの輸出量を減少させた。世界最大小麦輸出国のロシアを例にとると、4143万トンが3350万トンに減少予定。
  • バッタ襲来はアフリカで発生した。地域は拡大中で7月のフランㇲのメディアは「9月にかけて中国にさらに大規模な蝗害を発生する可能性」を警告した。

 まだ小麦もトウモロコシも価格急騰はまだ起きていない。しかし私はこの9月の食糧危機と株式市場の調整の可能性を懸念せざるを得ない。

 

 というのはFDS代表の箱田啓一さんの予想が、9月要注意、となっているためだ。私の予感とおんなじだ。

 

 先般行われた箱田さんによるWEBセミナーでは「NYダウは93日が目先高値、924日に底値」というグラフを示された。「日経平均の方も9月下旬にヘッジファンド売りがあり、下旬安が」とも。私はこれに食料高があり、ㇲタグフレーション懸念が主材料になるのではないかと懸念している。

 

 方9月には米国では例のオバマゲートの調査が発表される可能性がある。トランプ大統領の財務諸表公開に絡む二つの訴訟が、連邦最高裁によって調査をし直しになった。9月にはTV討論会があるが、認知症臭いバイデン候補の失言もありうる。みんな、トランプに有利。株高の材料だ。

 

ありうるとすれば、習近平体制の勇み足だろう。尖閣問題になるかもしれない。というのは最近衛星からの写真では千隻以上の漁船が尖閣の近くに集結している。最近領海侵犯を繰り返しているのはご存じのとうりだ。

 

一方、目立たないが、金融の世界でも中国が、覇権獲得に手を打っているように見受けられる。ごく一例。729日、中国銀行が、ドル建ての決済をすべて人民元決済にすべく動き出した。すでにロシア、イラン,イラク、ベネズエラとは過半の取引が人民元決済になっている。これはドル安の材料で、今更取り立てて言うほどのことではない。

 

 結論。私が強気なのはご存じの通り。何しろ23000円がつく、と3月に予言したのは私だけだったのだから。それでも9月だけは珍しく弱気。箱田さんの予想もあるが、50年やってきた私の相場のヨミから、というしかない。理由がはっきりしなくても、行動することは、皆様にもあるんじゃないですか。私もおんなじです。

 

そこで中原中也の有名な詩も最後に。(恐らく大林監督もお好みだったのだろうが)

 

 「月夜の晩に、ボタンが一つ

 波打ち際に、落ちていた。

 それを拾って、役立てようと

 僕は思ったわけではないが

 なぜだかそれを捨てるに忍びず

 僕はそれを、たもとに入れた

    (中略)

 月夜の晩に、拾ったボタンは

 どうしてそれが、捨てられようか!」

 

いい詩だなあ。

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