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2020年8月31日 (月)

TVドラマ「半沢直樹」と日米政界の逆転シナリオ2020.8.30(第1027回)

TVドラマ「半沢直樹」と日米政界の逆転シナリオ2020.8.30(第1027回)

 

「やられたらやり返す、倍返しだ!!」のセリフが有名、いまや誰一人知らぬもののないドラマになった。私の記憶では石原裕次郎の「嵐を呼ぶ男」で(パンチを食った後に)「倍にして返すぜ」が、この手のかっこいいセリフの元祖だと思う。

 

 このTVドラマでは、敵役にすごい芸達者を配したのが、ヒットの理由だ。香川照之、片岡愛之助、市川猿之助、みんなニクニクしい。これが最終的に、口惜しそうな顔をしながら場合によっては土下座して謝る。これで視聴者の胸がすっきりする。普通の社会人はやられたらやり返すなんてことは、なかなか出来ないものだから。

 

 池井戸潤さんも堺雅人さんも、いい仕事をしている。堺さんは唇で演技する俳優で、耐える表現が巧みだ。

 

 さて今日のテーマに入ろう。二つ。はじめは米国だ。

 

 5月末のこのブログでも書いたが、再び表面上有利そうに見えている民主党バイデン大統領候補だが、トランプ大逆転の方の確率の方がすごく高い。私はほぼ確信している。

 

 理由は五つ、順に説明する。

 

  1.  始めからこれを述べると身もフタもないが、有権者はTV討論会を見たあと、投票日の2,3週前に投票する候補を決める。従って、現在の世論調査は、あまり信用しないほうがいい。
  2.  全米の登録有権者は、戦後長期にわたって、民主党支持者が2~5%共和党のそれを上回っている。(パルナソス・インベストメント、宮島秀直チーフ・ストラテジスト)従って、バイデン候補が表面上5%リードしていても現実にはチャラ。
  3.  (これも宮島さん情報だが)トランプ陣営の715日の選挙対策本部長の人事が相当いい戦略との見方が出てきていること。この日、これまでの選対本部長のブラッド・パースケール氏を副部長とし、これまで副部長だったビル・ステピエン氏を本部長とした。これはトランプ陣営の「背水の陣」。これまでの本部長はメディア操作の名人、新本部長は「有権者掘り起しのプロ」に任せて、いよいよ本気ということである。
  4.  「かくれトランプ」の存在。ジョージア州のトラファルガー・グループは2016年の調査でトランプ勝利を予測した世論調査会社。一般的に社会が望ましい回答に反するときに、ウソをつくことが少なくない。これが「かくれトランプ」である。8月上旬現在、トランプ大統領は有利、とする。
  5.  案外いわれていないが、NY株高もトランプ再選を読んでいる。なぜか。バイデン候補がGAFAに代表される急成長銘柄の企業分割を含む厳しい姿勢をとっていることは有名。これに加えて法人税引き上げ、富裕税と来てるんだから、バイデン当選を市場が読んでいるなら、NASDAQがあんなに上昇するワケがない。

 

そうは言っても元補佐官スティーブ・バノン氏の逮捕があるじゃないか、とか、好調な経済という切り札を失った、とか、イマイさん、例の財務申告問題は?という声が聞こえそうだ。

 

 順に説明しよう。バノン逮捕は同氏の個人的スキャンダルで、恐ろしく反トランプの検事がやったのだろう。私の知る限り、いまさらトランプの支持層がこれで離反したとは思わない。現にラスムッセン調査では、トータル支持はマイナス11からマイナス1に向上している。

 

 またいまの労働統計からすると、10月下旬には相当回復して現在の失業率は相当下がる。また83日の「失業者への住宅立ち退き猶予給付金600ドル上乗せ」は効いている。それに「10月下旬にワクチン多量供与で対コロナ戦争勝利宣言する」という噂が絶えない。

 

 例の2つの最高裁での財務諸表公開訴訟は、両方とも差戻し。しかも7対2という大差だった。大統領選にこの件は関係なしになった。ウラでは相当モメたと思うが。

 

 むしろオバマゲートにからんで、強制的にフリン元補佐官にウソの証言をさせるべくFBIが動いた件について、9月中か遅くとも10月の調査報告がでる。バイデン氏もオバマ氏もこの件ではモロに叩かれる。

 

 ただ、在米の冷泉彰彦さんは、共和党内のミゾを指摘している。(私も書き手として参加している時事総研のコメントライナー 812日付)

 

 なぜミゾが出来たか。4月から6月ごろのコロナ感染爆発は、ニューヨーク州など民主党の強いブルーステートばかり。当時トランプ大統領は民主党州知事を批判し、都市封鎖に反対していた。トランプ本人もマスクを直用しなかった。

 

 6,7月になると逆に共和党知事が多い南部、中西部の州で感染爆発が起こり、結果的には共和党の州知事たちは非常事態宣言を出さざるを得なかった。

 

冷泉さんによると、トランプ陣営の大逆転のための狙いどころはある。主なものを列挙する。

①人種問題に対するデモが暴徒化し、世論が秩序を要求し始める。②ワクチン完成。③中国との対立激化。これでバイデン氏は中国寄りと批判出来る。⑤バイデン氏の健康不安(認知症)

 

 これに加えて連邦最高裁判事のリベラル派ギンズバーグ氏の健康問題での辞任。これが起これば、超保守派判事を送り込む段階で、大統領と議会が団結を回復するケースもあり得る、ワイルドカードとの見方だ。

 

 冷泉さんはやはり在米の人だから、トランプ氏への見方がやはり冷たい。また激戦となりそうな州の情報もはいっているのでそうなのだろう。

 

 しかし、私は自分のフトコロからカネを出して情報を集めて賭けるブックメーカーの情報の方をより重視する。あるブックメーカーの賭け率(827日現在、ついでに言うとこの日は私の誕生日です)

 トランプ5/4

 バイデン9/11

 

 つまり100ドル賭けるとトランプは125ドルに、バイデンは60ドル。こんなにすごい差でトランプ勝利をみているのだ。

 

 8月28日安倍首相は辞任の意向を表明した。ついひと月前には、だれも予想していなかった事態である

 麻生副首相が暫定内閣と見られていたが、首相は次期首相が決まるまでお仕事は続ける、と述べた。これで石破さんの目はなくなった。菅さんが次期首相になる確率は9割9分だろう。時期は9月下旬だろう。

 

私はご存じのとうり、以前から、9月はダメ。と申し上げてきたが、今日の瞬間600円安で、来週の外人売りは必至だ。日本株の大きな魅力は政治の安定にあったからだ。22000円は割れるだろうが、21000円台の下の方で止まるだろう。次の首相が決まるまでは、モタモタするだろうが、11月終わりまでは高いと予測する。

 

9月中には買い場が来ます。私もその時には買い出動するつもり。ボイスメッセージの「ウラ読みで連絡いたします。大いにご期待ください。夢を持って、ね。

 

 最後にいいセリフ。「だれだって生きてゆくためには、金も、夢も、必要だ!」私はそのお手伝いをして85才となりました。今後ともどうぞよろしく。

2020年8月24日 (月)

映画「サンセット大通り」と技術革新の威力、そして中東に発生した不安 2020・8・23(第1026回)

映画「サンセット大通り」と技術革新の威力、そして中東に発生した不安 2020・8・23(第1026回)

 ビリー・ワイルダー監督の名作中の名作。無声映画時代の大スター・グロリア・スワンソンが、世間からとっくに忘れられた存在なのに、ご本人は、今でも大スターという幻影に生きている悲劇。

 

 同居している執事は元夫で監督(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)だが、せっせとファンレターを書いて、まだ人気があると思わせて毎日を送っている。

 

 そこに借金取りから逃げている若いシナリオライターのウイリアム・ホールデンが紛れ込む。スワンソンは自分の描いたシナリオを直してくれ、と頼み、ホールデンはいろいろな経緯があった後、ジゴロになってしまう。

 

 ホールデンは逃げ出そうとして殺され、狂った女主人公は新聞、TVのカメラを撮影と思い込む。シュトロハイムの「アクション!」の掛け声で、階段を下りてくる。クローズアップで終わる。

 

 ミュージカルにもなった。アンドリュー・ロイド・ウエーバーの作品なので曲はよかったが、舞台ではクローズアップがきかないので、幕切れの迫力がなかった。「オペラ座の怪人」や「キャッツ」ほどは、当たらなかったと思う。

 

 時代の変化に後れを取った、あるいは受け入れなかったことが、この悲劇を生んだ。

 

 「セリフなんか要らないわ。私たちには顔があったのよ」

 

 トーキーの全否定だものね。

 

 さて、私自身に話を戻す。コロナ・ショックで講演会はなくなって、中小企業である我が事務所は大幅減収。補助金を頂く始末。

 

これではいけない。ウエブナーをしては、と勧めてくださったフォレスト出版のプランに乗った。629日、72日、76日、78日の4回、ウエブナーを開いた。

 

 驚いたのは、視聴者の多いことだ。

フェイスブックが11202、ユーチューブが7103、合計18388。

 

 講演会のフェイス・トウ・フェイスでは1500人という記録はあるが、普通はせいぜい300人。効率が違う。

 

 スタジオで司会とアシスタントの女性アナ。そして私が40分ほど講演。その間に入ってくる質問に答えて、1時間で上がり。こちらの方は4回を1シリーズにしてテーマを分けたので、これも効率的だった・

 

 結局、新しい技術革新を体験し、これからはやはりこのやり方、と実感した。

 

 6週間に一度開かれる嶋中さんのセミナーでは、出席できないか、自分のパソコン利用の方が便利な方にはやはりウエブナーでしている。ぼつぼつ来年の講演依頼が入り始めているが、この方式にお願いしている。

 

 さて中東がキナ臭いのに、相変わらずマスコミ各社の報道は熱中度に「熱中」している。

 

 経済産業研究所上席研究員の藤和彦さんが私に送ってくださった資料を要約する。

 

 見出しだけで、内容がわかるだろう。

 

「サウジ政変危機、最悪の財政悪化、ムハンマド皇太子の暴走、イスラエル・UAE和平が拍車」

 少し詳しく書く。

 

  1. トランプ米大統領は831日「イスラエルとUAEが国交正常化で合意した」と発表した。
  2. 今回の合意でUAEはハイテク技術・資金をイスラエルから支援を期待。しかし何よりもイスラエルからの支援を望んでいるのはサウジのムハンマド皇太子だ。
  3. サウジ政府は最大の財政危機に直面しており、すでに付加価値税を三倍の15%に引き上げた。さらに公務員の手当を廃止。
  4. 原因は紅海沿岸に5000億ドルを投じて建設中の大規模な未来都市「NEDM」。ムハンマド皇太子が推進中のプロジェクトである。
  5. 財源としてサウジアラムコに純利益の三倍近い配当(1875億ドル)を支出させた。イスラエル・マネーがノドから手がほしい。
  6. しかし、王族内での対立がこのイスラエル・UAEの国交樹立で激化している。(ビジネスジャーナル2020・8・21)

 

藤さんによるとサウジには国交正常化できない大きな障害がある。

 

サウジを支配しているサウド家の正当性は、イスラム教の聖地であるメッカとメディナにある「二つの聖なるモスクの守護者」に由来している。

 

したがって、イスラム教の第三の聖地とも呼べるエルサレムに対するイスラエルの支配を認めてしまえば「すべてのイスラム教徒の擁護者」といった立場が大きく揺らぐ。ムハンマド皇太子が現在の路線を突っ走れば、サルマン王は親子対立に追い込まれてしまう。 

 

以上、藤和彦さんのご意見をまとめた。

 

米国大統領選にこの件に大いに影響があると私は考える。ユダヤ人、ウオールストリートを含めて金融勢力に大いにプラスすることは確実だからだ。

 

次回にバイデン有利という一般的な見方は当たらないことを書くつもりだが、検査入院するのでお休みになるかもしれない。いきなり来週のこのブログが読めなくなったら、病院内でパソコンが使えなかったのだな、とお考え下さい。

 

 では皆様、残暑厳しい中、お体お大切に。

2020年8月17日 (月)

映画「海辺の映画館キネマの玉手箱」と世界同時食料連鎖危機、そして9月の株安 (2020・8・16)(第1025回)

 去る4月に亡くなった大林宜彦監督の遺作で、3時間の大作。私の大好きな中原中也の詩が10回くらい入ったのが、うれしかった。大林ファンには特に楽しい作品に違いない。

 

 ストーリーを簡単に。尾道の海辺にある映画館「瀬戸内キネマ」が閉館。最終日のオールナイト興行「日本の戦争映画大特集」を見ていた三人の若者は、突如として劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリーンの世界に入り込んでしまう。

 

 江戸時代、乱世の幕末、戊辰戦争、日中戦争、太平洋戦争時の沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島―。大林監督らしく、少女の希子を軸に物語は進む。昭和13年生まれの監督の作品らしく、「厭戦映画」でもある。

 

 私としても嬉しかったのは、山中貞雄、小津安二郎といった名匠が出てきて、「映画は誰にとっても自分事になる」という名セリフにも感銘した。

 

 結論。恐らく今年の日本映画のナンバーワンの名作です。さあ、映画館にどうぞ!

 

 ほめついでに、中原中也が泥沼の日中戦争の前夜に書いた詩を映画の中に画面で紹介しているのがすごい。

 

 「人類の背後には、はや暗雲が密集している、多くの人はまだそのことに気がつかぬ」

 

 恐らく大村監督は私と同じく、太平洋戦争当時の国民の上を鮮烈の記憶として持っておられたのだろう。イモがたびたび出てきたのには苦笑させられた。今の日本では想像できないだろうが、みんな飢えていた。イモはご馳走だった。そこで今回は食料のことをテーマにした。

 

 私は、資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫さんのご意見を中心にこのブログをまとめている。

 

 この方は、私がポカをして講演に遅刻したとき、私が到着するまで頑張ってつないでいただいた。後にお詫びした時も、温顔で許してくださった。大きな借りがある方だ。

 

 私が久しぶりに時間を頂いて柴田さんにお話を伺ったのは、やはりコロナショックが、世界の食糧市場への影響があるに違いないと考えたからだ。

 

 お答えはもちろん、イエス。以下、簡略にまとめよう。

 

 問題は四つ。第一は移民労働者不足による農業生産への影響、第二は港湾労働者の荷役作業遅延、トラック労働への敬遠、第三に輸出規制、第四は「過剰」と「不足」が同時並行的に発生している。

 

この四番目の問題はもう少し詳しく述べる。

 

 コロナ禍による移動規制のため世界中の経済活動や物流が寸断されたことで、食糧市場では「農村部の過剰」「都市部の不足」。また付加価値の面からは「(国産)高級食材の過剰」と「(輸入に依存した)業務用の安価な食材の不足」が発生している。

 

 柴田さんによると、まだ要注意の問題点がある。①東南アジアで始まったコメの輸出規制②ロシア他での小麦の輸出規制③バッタ大量発生の三つ。順番に詳しく述べる。

 

  • ベトナム、ビルマ、カンボジアが1割かそれ以上のコメ輸出計画を削減。この反映でコメの輸出価格は昨年末比で、4割以上高騰した。
  • ロシア、ウクライナなどは、小麦,トウモロコシ、ライ麦などの輸出量を減少させた。世界最大小麦輸出国のロシアを例にとると、4143万トンが3350万トンに減少予定。
  • バッタ襲来はアフリカで発生した。地域は拡大中で7月のフランㇲのメディアは「9月にかけて中国にさらに大規模な蝗害を発生する可能性」を警告した。

 まだ小麦もトウモロコシも価格急騰はまだ起きていない。しかし私はこの9月の食糧危機と株式市場の調整の可能性を懸念せざるを得ない。

 

 というのはFDS代表の箱田啓一さんの予想が、9月要注意、となっているためだ。私の予感とおんなじだ。

 

 先般行われた箱田さんによるWEBセミナーでは「NYダウは93日が目先高値、924日に底値」というグラフを示された。「日経平均の方も9月下旬にヘッジファンド売りがあり、下旬安が」とも。私はこれに食料高があり、ㇲタグフレーション懸念が主材料になるのではないかと懸念している。

 

 方9月には米国では例のオバマゲートの調査が発表される可能性がある。トランプ大統領の財務諸表公開に絡む二つの訴訟が、連邦最高裁によって調査をし直しになった。9月にはTV討論会があるが、認知症臭いバイデン候補の失言もありうる。みんな、トランプに有利。株高の材料だ。

 

ありうるとすれば、習近平体制の勇み足だろう。尖閣問題になるかもしれない。というのは最近衛星からの写真では千隻以上の漁船が尖閣の近くに集結している。最近領海侵犯を繰り返しているのはご存じのとうりだ。

 

一方、目立たないが、金融の世界でも中国が、覇権獲得に手を打っているように見受けられる。ごく一例。729日、中国銀行が、ドル建ての決済をすべて人民元決済にすべく動き出した。すでにロシア、イラン,イラク、ベネズエラとは過半の取引が人民元決済になっている。これはドル安の材料で、今更取り立てて言うほどのことではない。

 

 結論。私が強気なのはご存じの通り。何しろ23000円がつく、と3月に予言したのは私だけだったのだから。それでも9月だけは珍しく弱気。箱田さんの予想もあるが、50年やってきた私の相場のヨミから、というしかない。理由がはっきりしなくても、行動することは、皆様にもあるんじゃないですか。私もおんなじです。

 

そこで中原中也の有名な詩も最後に。(恐らく大林監督もお好みだったのだろうが)

 

 「月夜の晩に、ボタンが一つ

 波打ち際に、落ちていた。

 それを拾って、役立てようと

 僕は思ったわけではないが

 なぜだかそれを捨てるに忍びず

 僕はそれを、たもとに入れた

    (中略)

 月夜の晩に、拾ったボタンは

 どうしてそれが、捨てられようか!」

 

いい詩だなあ。

2020年8月11日 (火)

映画「コンフィデンスマンJPプリンセス編」にバイデン当選と信じさせられているマスコミとNY株高のナゾ 2020・8・9(第1024回) 

映画「コンフィデンスマンJPプリンセス編」にバイデン当選と信じさせられているマスコミとNY株高のナゾ 2020・8・9(第1024回)

 

 再び映画館への禁断症状が出かけたので、慌てて観に行った。何を隠そう私は長い間、長澤まさみの演技力に惚れているので、前回も封切後すぐ観た。今回の作品のほうがダントツにいい。ウンと楽しめる。お勧めできる。

 

 ストーリーは込み入っているし、結末は書けない。単に、詐欺師の物語だから、ダマしあいですヨ、としか書けない。

 

 ブログの本題に入る前に、お詫びを申し上げなくてはならない。前回、私は岡三証券株式会社グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創さんのご意見を引用したが、その中で私の誤解があった。早速ご本人からご指摘があった。

 

「誠に失礼ながら一言申しあげますと、第二次世界大戦に匹敵するのは「資産デフレ」の規模であり、金融緩和の程度ではありません。ただし、マイナス金利も含めた金融緩和は人類の歴史はじまって以来ともいえます。」

 

 以上です。訂正してお詫び申し上げます。

 

 さて、あと三か月を切った米国大統領選挙について、我が国では米調査会社の世論調査の結果を軸にボルトン氏他の暴露本の話題を添えて、トランプ再選は難しい、とする扱いが多い。

 

 これに加えて、高い失業率のグラフや暴動の画面を加えれば、TV番組になる。安易にこうした番組が流され、日本ではトランプ→バイデンがジョーシキになりつつある。

 

 さらに、民主党有利な世論調査のシステムの欠陥もあり、たしかにバイデン候補の支持率がトランプ大統領を4ポイント近く上回っている。

 

 しかし、英国のブックメーカーつまり賭け屋は、私の知る限り、トランプ有利の形勢に変わりはない。

 

 また米国でも調査会社の一部だが、世論調査でバイデン有利と見ても「大統領選でトランプ再選される」と回答した有権者が53%いる。(マサチューセッツ州エマーソン大学、7月末)

 

 またバイデン候補がこのところ次々と失敗しているが、日本ではあまり報道されていない。

 

 第一は副大統領候補の人選。728日の記者会見でわざとカマラ・ハリスと書いたメモを見せた。

 

意図とは逆に、反ハリス派から反発があった。とくにバイデン夫人と長女が、ハリス氏の「バイデンは人種差別主義者」との発言に強い反感を抱いていることがわかり、この報道でバイデン支持率は急落中。

 

要するにバイデン家とハリス氏との対立に加え、民主党内部でのスーザン・ライス氏支持組対カマラ・ハリス氏支持組との対立が表面化。まだこの原稿を執筆中の8月9日現在人事は不明だ。「8月第1週発表」としていたのだからすでに時間切れ。(ついでに言うとこのライス氏は明瞭なアンチ日本、プロ中国なので、大変なことになるだろう。国務長官でも同じ。)

 

 さらに、バイデン候補が「認知症」との認識が広まっていること。調査では4割近くの人々がTVや演説などのバイデン発言を見て、認知症の初期と判断した、とか。

 

 このためだろう。バイデン陣営はTV討論(三回)を回避する動きに出ている。自らの発言が今や大弱点になってしまっていることを自覚しているのかもしれない。

 

 NYタイムスがこれを支持し、WSJが反対していることから見て、まあお里が知れている。やはり、結局はやるのではないか。

 

 (これもついでだが)、ボルトンの本は米国ではそれほど騒動になっていない。政府による機密指定解除の手続きを怠って一方的に出版に踏み切った事実は否定できない。そこで本の内容には信頼性に欠けるとみられているためだ。(冷泉彰彦のプリンストン通信第822回)

 

「隠れトランプ」の存在も見逃せない。

 

 ジョージア州のトラファルガーグループは2016年の選挙でトランプ勝利を予測した世論調査会社。その調査員は「電話で人対人の調査をする場合、社会的に望ましい回答に反するときに回答者がウソをつくことが少なくない。これが「隠れトランプ」だ。

 

 81日現在、同社の調査では、トランプ大統領は五分五分か有利の結果が出ている。

 

 (これを書くと身もフタもないので最後に書くが)調査会社の調査に対し有権者は選挙日の23週前に意中の候補者を決める。だから3か月前の調査はアテにならない。

 

 私の見るところ、NY株価、とくにNASDAQが強いのはトランプ再選を市場が読んでいる。

 

 ご存じの通り、NASDAQは新高値更新中。バイデン候補がGAFAに代表される急成長銘柄に企業分割を含む厳しい姿勢をとっていることは有名。これに加えて、法人税引き上げ、富裕税と来ているんだから、もし本当にバイデン当選と市場が読んでいたら、株高のはずがない。

 

 またトランプ大統領も心得たもので、株高への材料を出している。83日の記者会見で「失業者への住宅立ち退き猶予。給付金600ドル上乗せの延長を大統領令で決める」、と述べた。

 

最後に一言。オバマゲートの問題が調査中で、9月ないし10月に結果が出ると聞いている。決定打になるかもしれない。

 

使えそうな映画のセリフがなく、今回のテーマ曲から。作詞、作曲は藤原聡(この人については何も知りません。教えてください。曲も歌詞もすごくよかった。)。

 

 「人格者ではなく、成功者でもなく、いつでも今を誇れる人でありたい」

 「そんな希望抱き、未来図を画き、 手放さず、生きて いたいだけ」

 

2020年8月 3日 (月)

映画「天国と地獄」とコロナショックでも外国人投資家が買い続けている一部上場7銘柄  2020・8・2(第1023回)

映画「天国と地獄」とコロナショックでも外国人投資家が買い続けている一部上場7銘柄  2020・8・2(第1023回)

 

 ご存じ黒澤明監督の名作。営利誘拐罪に対する刑の軽さへの憤りが反響を呼び、刑法改正につながった。しかし現実には吉展ちゃん事件など誘拐事件が続発したことも記憶に新しい。

 

 ストーリーは有名なのでできるだけ簡略に。

 

 製靴会社の常務権藤(三船敏郎)は、密かに自社株を買い占め、近く開かれる株主総会で経営の実権を握ろうと企んでいる。

 

折も折、息子の純への誘拐が行われるが、犯人は友達の運転手の息子の進一をさらってしまう。身代金3000万円を権藤は要求される。しかし決め手となる株への購入代金を大阪に持参しなければならない。秘書に逡巡を見通され、裏切られる。

 

 地位も財産もすべて失うリスクは覚悟のうえで、権藤は身代金を支払う決意をする。犯人の指示通り、特急こだまに乗り込む。酒匂川の鉄橋で3000万円を入れた鞄を投げ、進一は救われる。

 

戸倉警部(仲代達矢)率いる捜査陣はアジトを突き止めるが、共犯の二人はヘロイン中毒で死亡。マスコミには身代金に使われた紙幣が使われたという記事を書かせる。鞄に仕込まれたボタン色の発煙が手掛かりとなり、犯人(山崎努)が浮かび上がる。戸倉は確実に死刑にするため、竹内を泳がせる。アジトに共犯者を殺しに来た竹内は逮捕される。

 

 死刑が確定した竹内の希望で権藤は面会。最初のうち不敵な笑みを浮かべて語る竹内だが、権藤が再び出資者を得て別の製靴会社の社長になったと聞いて、いらいらし始め、「権藤邸は天国、自分は地獄にいた」と、恨み言を述べた後、突然金網につかみかかり、絶叫する。

 

そして誰もが強い印象を残すラストシーンだ。二人の間にドカンとシャッターが下り、権藤の後ろ姿にエンドマーク。

 

この映画が公開された1963年当時、大企業と中小企業の差を天国と地獄に例える向きが多かった。「二重構造」という言葉と共に。

 

 今週、私は素晴らしいレクチャーを聞いた。経営塾フォーラム例会で、岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長高田創さんの「コロナショックは何をもたらすか」である。

 

内容は多岐にわたるので、かつてのバブル時代と今回の比較に絞る。

 

バブル時代には①不動産②建設③卸小売りの三業種で上場企業が多く、救済には社会的反発が強く時間がかかった。その結果、大手銀行のバランスを直撃した。

 

コロナショックの方は、7業種。陸運(含空運)、小売り、宿泊、飲食、生活関連、娯楽、医療福祉関連。中小企業と地方銀行が打撃を受け、弱者救済の名目が立てやすい。いわば責任論が生じにくい。上場企業が少ない。巨額の救済資金が投入され手も反論が出ない。

 

別の観点から、バブルの打撃を考える。日本の国富は2500兆円から1000兆円ダウン!「資産デフレ}が発生し、金融システムには大打撃があつた。

 

このため、今回は「資産デフレ」を起こさないような配慮がみられる。このため第二次大戦時に匹敵する金融緩和があっても、株高はむしろ歓迎される。

 

ただし、弊害というか副作用として中小企業と大企業の格差拡大が生じる。中小企業は売上高14%減だと赤字だが、大企業は37%の売上高減まで耐えられる。21世紀版の二重構造だ。

 

高田さんはこれに加えて、日本企業の耐久度が向上し、米国を大きく抜いていることも指摘している。

 

チャートが出ないのは残念だが、最近数字で述べると日本の自己資本比率(中央値)は528%、米国は398%。日本企業が、バランスシート調整を進めた結果である。

 

恐らくこうした分析を見て、欧米の年金運用会社や大手ヘッジファンド、最大

のベンチャーキャピタルが対日投資を進めている。

 

 例によってパルソナス・インベストメントの宮島秀直チーフストラテジストの資料がこの新しい動きを分析している(720日付)。

 

条件は①東証第一部上場②相対PERが低い③コロナ不況下でも増益確保。テーマは「新世界秩序」。欧州以上に日本には魅力的な企業が多い。として主に次の銘柄を買いこんでいる。

  1. バリューコマース(2491)。イチローが設立当時大株主になったことで知られた。事業はインターネットサイトやブログ、メールマガジン(広告を掲載し、広告主から報酬を得る「アフィリエイト・プログラム」がいい
  2. サイバーエージェンシー(4751)。ゲーム「グラブル」などが有名だが、政府、自治体ドラッグストアなどのデジタル化支援や広告支援が主力。
  3. イー・ガーディアン(6050)キャッシュレス決済の本人確認証や取引監視が好調。ネットセキュリテイ事業が巣ごもり消費に適合。
  4. メディカル・データ・ビジョン(3902)オンライン診療支援が急増し今後の見通しもいい。個人向け健康情報記録サービス「カルテマ」軸にデータ共有推進も魅力。
  5. 日本オラクル(4716)米国オラクルの日本法人で、ビデオ「会議ZOOM」が成功し、マイクロソフトとの国内接続が5月から開始、連続増配か。
  6. チェンジ(3962)企業は公共団体に対するIT技術やデジタル人材育成サービス提供で業績拡大。ふるさとナビの運営も。
  7. eBASE(3835)食品業界でのトーサビリティ管理で脚光を浴びている。2022年の原料減産地法の施工が魅力。

 

映画のセリフから。戸倉警部が権藤と解放された進一と抱き合っている姿を見て言う。「これから手加減はいらん。(中略)あの人のためだ。みんなそれこそ犬になって犯人(ホシ)を追うんだ!」。ショックから一段落した現在、銘柄選びが本格化する時期です。幸い、セル・イン・メイが多少遅れて出現して押し目を作ってくれているし。

 

最後に老人のひとりごと。先週、投機筋の売り仕掛けを予測した。一つだけ、売りは月曜だけと見たが、売ってみて2万2000円割れると見たのだろう。追撃にかかっている。円買いと両建て。46月期の決算でよくないのを改めて売り材料視して売っている。これは7月で終わり。日経平均先物への投機筋の動きから見て、来週は反発と読んでいる。

 

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