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2020年5月25日 (月)

ベートーヴェン「クロイツエルソナタ」とこれから始まる好循環、外人機関投資家の5G関連買い開始、そして「倒習」の現実味 2020・5・24(第1013回)

ベートーヴェン「クロイツエルソナタ」とこれから始まる好循環、外人機関投資家の5G関連買い開始、そして「倒習」の現実味 2020・5・24(第1013回)

 

 ベートーヴェンの最高の作品の一つ。1803年にこの曲で初演されたのは524日。このブログの日付と一緒なのも理由だが、もうひとつ。この曲が強い印象を与えるため、ほかのジャンルでもこの名をつけた作品が広まっている点だ。

 

 「ほとんど協奏曲のように」と書き込みがある通り、きわめて雄大な曲。どこかで聞いたのだが、西洋音楽を聴いたことがないチベット人に何曲か聞かせたら、このソナタが一番エキサイトした、とか。確かにエキサイティングな音楽で、誰でも強い印象を持つ。そこで、小説、室内音楽、映画、バレエと拡大した。

 

 まずトルストイが中編小説「クロイツエルソナタ」を書き、次にこの作品からインスピレーションを受けたチェコの作曲家ヤナーチェクが、弦楽四重奏「クロイツエルソタ」を書いた。

 

 さらに映画。なんと8本も。ロシア帝国時代に2本、ソ連で一本、イタリアで2本、ドイツ、米国、英国でそれぞれ1本。またバレエも。これだけ一つの曲が連鎖して違う芸術分野で広がりを見せているのは珍しい。

 

 ここ数週間、一時はどうなることかと思ったが、我が国はコロナ感染症の脅威をうまく乗り切ったと私は考えている。

 

 理由は簡単。新型コロナ肺炎による死亡者数を国際的に比較するといい。内閣府が経済財政諮問会議(515日)に提出した資料によると、人口100万当たりの累積死亡者数はけた違いに少ない。

 

 高い順番から。イタリア5137人、英国4914人、フランス4157人、米国2556人、ドイツ941人。

 

 我が国はたった5.4人。成功が喧伝されている韓国の5.1人との差は少ない。理由は尾身茂専門会議副議長によると①日本の医療制度が充実して重症者が適切にケアされ、医療崩壊を防いだ。②初期のクラスター対策が適当③国民の健康意識が高い。(この部分は日経センターの研究顧問小峰孝夫氏の資料から拝借した。)

 

 TVでは「今日判明した感染者数が何人」とかが出るが、死亡者数はあまり出ない。しかしいくら感染者が出ても、命さえ助かれば(無責任な表現だが)最終的には関係ない。医療崩壊さえなければ、の話だが。

 

 この状況を見ていたら、私は戦後からいくつもあった「危機」からの立ち直った記憶がよみがえった。

 

 一番思い出が深いのは朝鮮動乱。あれで倒産寸前だったトヨタが(現に後始末のため銀行から社長が送り込まれていた)特需で、一挙に、立ち直った。戦後史を調べると、徹底的に日本の産業をツブそうとしていた米国が、貴重な同盟国として日本を扱いするべく大転換した。

 

 これは私自身、有力投資銀行のトレーニーとして渡米したときに、デイーン・アチソン元国務長官から思い出話として聞いた。

 

 これと同じように、今回の米中新冷戦で日本の立場が急向上していることは、私に限らず広く感じておられるに違いない。これが、名曲が映画になったように、思いもよらない好ましい展開を示すと、私が考えている理由である。

 

 お断りしておくが、私は「嫌中」ではない。「嫌習」である。この人は自分の能力をかなり過大評価しており、過去のビッグネームと同じという妄想に取りつかれている。それでも14億人の中国国民がついていったのは、なんといっても生活が向上していたからである。これに先立つて、ここ20年程の急成長があった。米国の中国成長への支援があったためである。

 

米国は、当初「世界の工場」として、次は「巨大な市場」として利用した。同時に日本を叩いた。理由は日本の産業が弱体化しなければ、中国の成長はないからだ。

 

 クリントン、オバマ両政権時代に、中国が日本企業から技術を盗んで、不当に安い製品を作るのを見て見ぬふりをしてきた。この間に円レートが、途方もない

不当な円高を押し付けられ、特に家電がアッという間に中国だけでなく韓国、台湾などに市場を奪われた。この間、米国民主党系のエコノミストが円高誘導の目標値を提唱し、ヘッジファンドが日本企業のヘッジを利用して超円高に追い込んだ。自動車は現地生産せよとの圧力があった。もちろんウラにはデトロイトのビッグスリーがあった。

 

 これが共和党大統領になったら一変して、日本にやさしい政策をとった。当時共和党幹部が「私たちは自動車企業の労働組合は関係ないから、対米輸出を増大させていい。その代わりに手持ち外貨(勿論ドル)で米国国債を購入してくれればいい」と。一瞬呆然としたことは記憶に残る。

 

 おそらく中国にも同様な提案をしたのだろう。日本を抜いて米国国債のトップの保有国となった。オバマ政権が中国のイカサマへの批判を抑え込んだ最大の背景だろう。それに加えて日本側も、鳩山サンなんて言うワカっていない人物が首相になり日米関係を目茶目茶にした。

 

 これがトランプ=安倍になって一挙に改善されたのは広く知られている。(だから反安倍の世論操作に屈しないでほしい)。

 

一方、習近平主席は故鄧小平氏の養光韜晦(慎重な姿勢を守るべき)との遺戒を忘れ、覇権闘争を始めた。中国が成功に目がくらんだのが一つの背景だ。

 

 201810月のペンス演説以来の米中対立が、どんどん激化しているのは、当然である。

 

 それに今回のコロナ・ショックである。

 

 まず中国は数千万人以上と推定される失業者を抱えた。また世界中の不況で輸出は激減。党内でも習独裁への批判は激化。共青団、上海閥などの派閥から、特に強い批判が出ている。

 

 おそらく有力派閥の案だろう。故鄧小平氏の子息鄧僕方氏(党中央委員)の担ぎ出しで、「倒習」運動は一挙に具体性を帯びた。習側も警戒体制で、これが 成長率     予想を公表しなかった理由だ。

 

 そこに、パルナソス・インベストメントの宮島秀直氏が米戦略研究所のアナリストのいい情報を伝えてくれた。第二次新コロナ感染者の増加だ。

 

 内容は次の通り。

 

 5月初旬、中国のロシアと北朝鮮と国境を接する地域で新規感染者が発生、米NSCは4500人超と推定。(公表は二けた)

 

 私もこの情報を香港経由で聞いていたが、宮島さんは「中国衛生健康委員会トップの鐘南山氏がCNNインタビューで、多数の新たな感染者が出た、と認めた」と。

 

 また「武漢市1100万人にPCR検査を1週間内の目標に推進し始めた」と鐘氏の発言を裏付けている。

 

 522日から開始されている全人代あるいは夏の北戴河で、「倒習」が盛り上がるのは必至だろう。

 

 米国側も「間抜けでノロマな指導者」とか、当初とはまったく違うトーンの発言が出て来た。習=劉鶴路線が実力を失いかけているという情報がトランプ政権に入っていると私は見る。

 

 すでにトランプ政権は米国中心の経済ブロック(EPN)の参加を、たとえば韓国に求め始めている。(朝鮮日報)。まあ、踏み絵、である。我が国は今一段上の扱いを受けるだろう。

 

 これで私は、先日からヘッジファンドや、米年金勢が日本株の持ち高を増加させている理由が読めた。日経報道では外国人売りだから、アレレと思われるかもしれないが、報道はあくまでも過去の事実である。今後と違う。

 

宮島さんはある巨大クオンツファンドの日本株保有比率が、上昇しかけている。これは世界の投資家174社に共通した動向であり、今後の日本株は「買い」と述べた。また宮島さんは投資対象として5G関連の日本企業のリストを挙げている。

 

 列挙すると銘柄はアンリツ(6754)、日本電産(6594)、日東電工(6988)を挙げている。新しいものとしては、

オプトラン(6235)、サイバーコム(3852)、アイレックス(6944)。私はNEC(6701)や富士通(6702)も入れるが。

 

 ついでに。先日「2か月で3倍」としてご紹介したモデルナ(MRNA)が88ドルを付けた。私がおすすめしたのが22ドルだから、2か月で「4倍」になった。現在は下押ししている。しかしニューズウイーク5月26日号に「最も有望で開発が先行している」としてモデルナのRNA1213を挙げた。

 

今後の発展が期待されるので、少なくともワクチン上市までの中期投資がいい。なお76ドルでの増資をきめたので目先は強含みだが上へは行くまい。ただNIAID所長ファウチ氏が本物と太鼓判を押した。これは評価していい。

 

なお英国のアストラゼネカがワクチンを供給すると発表したが、細目は見ていない。

 

 

最後にひとこと。確かに100年に一度の危機に、今、我々はいるのですが、初めの「危」は文字通りデインジャーです。しかし次の「機」はチャンス、オポチュニテイです。じっくりお考え下さい。

2020年5月18日 (月)

映画「13デイズ」とコロナ危機と中国政変。そしてワクチンで2か月3倍の或る銘柄 2020・5・17 (第1012回)

映画「13デイズ」とコロナ危機と中国政変。そしてワクチンで2か月3倍の或る銘柄 2020・5・17 (第1012回)

 1962年の「キューバ危機」を取扱った作品。そう書いてもご存じの方はもう少なくなったんだろうなあ。

 

 当時は米ソ冷戦時代。1955年に革命を起こして、ソ連に接近していたキューバに、核ミサイルを配備しようと当時のフルシチョフ政権がたくらんだ。ミサイルを積んだ貨物船がすでにキューバにむかつて航行していた。

 

 これを知ったJ・Fケネディ大統領は海上を封鎖し、ミサイルの配備は断固認められないと、強硬な交渉を行った。世界中が核戦争の危機におびえ、一時はフルシチョフが妻に、直ちにモスクワから脱出するよう電話したほどだった。

 

 双方が妥協して決着。フルシチョフは当時キューバに輸送中だったソ連の貨物船を反転させ、危機は回避された。

 

 キューバ上空で米空軍機がミサイル基地の建設を撮影し、ケネディ大統領が海上封鎖を宣言したのが1621014日。米ソ合意が成立、危機回避が同月27日、映画はこの13日間を舞台にしている。

 

 映画は主演ケビン・コスナー。補佐官オドンネルを演じ、ケネディ兄弟つまり大統領と司法長官のそっくりさん二人にも話題が集中。相当なヒット作になった。

 

 今回はコロナ危機の最中に、以前からの世界的な懸念材料だった米中覇権闘争が(当然といえば当然だが)激化している。

 

 キューバ危機は米ソ、今回は米中だが、世界全体のGDP成長率が46月期に前期比マイナス42%に落ち込むと予想されている。そこいらが冷戦時代と違う。

 

 共通しているのはキューバ危機の時は核戦争。今回は新型コロナウイルスに、世界中がおびえている点である。

 

 危機の最中に解決を予想するのはあまりにも無責任と言われそうだが、何かのご参考と思い、その後の展開を記しておこう。

 

世界的な世論の高まりが圧力になって、この危機は結局、部分的核実験停止条約(PTBT)の締結につながった。これがその後の核軍縮の始まりとなった。フルシチョフはその後対米譲歩の責任を問われ、失脚した。ケネディのほうはご存じのとうりのナゾの暗殺だったが。

 

 現在はとてもそんな先のことは考えるのはムダ、と言われる向きもあろうが、しかし前週に私が書いたブログを思い起こしてほしい。私は最近の「倒習」運動が、広く党内外から信頼を集めている故鄧小平の子息の担ぎ出しにより、グンと強化されていることを報じた。この鄧僕方氏は76歳で、下半身が不自由。しかし上海閥や胡錦涛派にも友好的で、無欲な最高実力者と言われている。

 

以上はパルナソス・インベストメントの宮島秀直さんの情報だが、私は福島香織さんが伝えた32829日に流れた噂の情報にも注目している。 

 

「王岐山,旺洋、朱鎔基ら長老が手を組み,習の終身制は放棄、習の後任を李強,胡春華とし、秋の五中全会にこの二名が中央委員会入り、次の第20回党大会でそれぞれ総書記と首相に任命される。」

 

 一方、米国側も対中圧迫を一段と強化する動きがある。430日「対中報復チーム」をホワイトハウス内に発足させた。すべての部門を含めたチームである。その後毎週木曜日に開催されている。

 

 勿論トランプ大統領は強硬な対中政策を発言している。例えば中国に対する報復関税1兆ドル(現行の対中関税3700億ドルの27倍)をかけると、FOXテレビで発言した。これはクドロー氏など経済顧問が反対しているので、実現の確率は低い。(パルナソス・インベストメントの宮島秀直氏による)。

 

 こんな大統領発言を聞けば、当然市場は動揺する。加えて予想されていたこととはいえ、経済指標や企業収益の悪化が続々と現実化。これではNYダウが弱い動きになるのは仕方ないことである。

 

加えてヘッジファンドの6月中間期末の解約45日ノーテイスが515日なので、やはり売り物勝ちになる。需給面の悪化がが、足を引っ張っているのだろう。

 

 注目点をひとつ。NYが何百ドルも下げた翌日でも、日経平均はせいぜい弱含み程度。日銀のETF買いほとんどなしで、この状況だから日本の相場は強い。

 

 もう一つ。安い日が多いNYで、2か月で三倍になった銘柄がある。材料から見て今後も有望と考えるので、ご紹介しよう。

 

 会社名はモデルナ(MRNA)。マサチューセッツ州本社のバイオベンチャー。

新型コロナ肺炎へのワクチンで世界のトップを走っているとの情報を得たので、314日の私の講演会で、市場では15000円かそれ以下、という悲観論で充満しているが、日本株はすでに底値、来週思い切って買いを入れるべきであるという主張を行った。(これが正しかつたことは歴史が証明する。)又ワクチンが見つかっていないので、3年ぐらいかかるという悲観論に反論して、このモデルナを挙げ、買い。少なくとも注目すべきと申し上げた。当時株価は22ドル。先週末は66ドルだから2か月で三倍。しかも材料から見て上値はありそうなので、引き続いて注目したい。

 

 つまり対コロナウイルスワクチン(MRNA―1273)は、フェーズ1で健康成人45名に接種。フェーズ2はFDA(米食品医薬品局)の了承を得て近く健康成人600人。フェーズ3は夏。注目されるのは、次の一点だ。

 

 416日BARDA(米生物医学先端研究開発局)から最大520億円の助成金。続いてワクチンの製造設備のために、一兆円を政府が拠出するとの観方が、市場筋に流れた。十分にありうる。モデルナ社では2021年の生物製剤承認申請の準備に入った。

 

 ワクチン開発が決まれば、景気回復のシナリオが確度を増す。トランプ大統領が感染防止よりも経済対策を優先している。このモデルナを含めて14ものワクチン開発が進行しているからに違いない。

 

 映画のセリフから。大統領補佐官のオドンネル(ケビン・コスナー)が言う。「あしたもし太陽がのぼったら、人間の善なる意志のおかげだ。それが我々人間と悪魔を峻別するものなのだ」。

 

もうひとつ。ウオール街の格言を。「FEDには逆らうな。」これほどの金融緩和だ。結局はNYダウも上昇に転じる日は近い。現に失業統計がメチャクチャな日も500ドルの上昇だった。

2020年5月11日 (月)

映画「ゴッドファーザー」三部作と習近平主席の運命とセル・イン・メイの行方 2020・5・10(第1011回)

映画「ゴッドファーザー」三部作と習近平主席の運命とセル・イン・メイの行方 2020510(第1011回)

 

 先週「お休みします」と予告しましたが、私のファンから、いつも情報を楽しみにしているのにーとクレームがあった。幸い材料もあったので、まとめることにした。

 

 「ゴッドファーザー」が作られたのは1972年、2年目に「PARTⅡ」が作られ、それから16年たって「PARTⅢ」が。物語のほうも20世紀初頭から80年ほどにわたる。NHKの大河ドラマと同じ。

 

 私は「PARTⅡ」が好きだ。続編のような二番煎じの感じがなく、独立した1本という風格がある。その上に家族崩壊というテーマがギリシア悲劇を思わせる。黒澤明監督もこれを「100本の映画」の中で選んだ。

 

 このシリーズを選んだ理由は、主人公のマイケル・コルレオーネが、常に敵と戦い続け、最後は娘を敵に殺され、ガックリと老いて死ぬ。これがどうも、お隣の独裁者狙いの国家主席の運命に似ていると考えたからだ。

 

 連日、朝から晩までコロナ関連のニュースの報道で満杯。そこで見逃されているらしいが、習近平への批判つまり「倒習」がここのところ急速に高まっている事実がある。ごく一部だがご紹介しよう。

 

 第一には325日に習近平に届けられたといわれる「五老上書」。温家宝元首相に始まって李瑞環、李嵐清、田紀雲、胡啓立。この5人はすべて大物。内容は従前から批判されていた諸点。①コロナ感染拡大の責任、②一帯一路や軍事に国家の富を浪費③党と国の責任者としての任期を順守しない姿勢をとっている。

 

 第二は430日に公開された鄧僕方の15項目に及ぶ公開質問状だ。この人は故鄧小平の子息で76歳。文化大革命時代に人民解放軍の厳しい追及から逃れるため4階から飛び降りて、下半身不随になり政務はとれない。(パルナソス・インベストメントの宮島秀直氏)しかし、同氏は上海閥や胡錦涛派とも友好的な立場にあり、「無欲な最高実力者」といわれている。

 内容は前期の三点を含めて15点。これを習近平に突き付けたといわれる。例えば任志強の釈放。任は王岐山副主席の親友で、不動産ビジネスの大物。習批判をして拘留されていると噂されている。

 

 特にこの15点で注目されるのは「李文亮事件」の再調査だ。この李医師は武漢で感染初期に新型ウイルスを当局に報告したが、デマの流布という濡れ衣で処分され、その後医療現場で亡くなった。現在こそ英雄扱いされているが、不満は広く残る。

 

 第四は福島香織さん。この三つの「倒習」に加えて32829日に流れた噂を書いている。

 

 「王岐山、王洋、朱溶基ら長老が手を組み、習近平に任志強の釈放と習近平の退陣を迫った。そこで習は終身制を放棄し、李強と胡春華を後継者に指名し、秋の五中全会で二人が中央委員会入りし、次の第20回党大会でそれぞれ総書記と首相に内定している。そして任志強は釈放された」

 

 第五は石平氏。李克強首相の公式サイトでのコロナウイルスに対する公式発表を人民日報は報じなかった。このまれに見る異常事態は李首相の率いる政府と習主席の率いる党中央との意見対立と推測できる。こうして石平氏は「政権内の亀裂はすでに表面化しつつある」と結論付けた。

 

そこで522日に始まる全人代が、シャンシャン手拍子の平穏なものになるかどうか。そこを乗り切れればヒト山超えるがそうはいくまい。次の北戴河が待っているのも大変だろう。。

 

 ヘッジファンドの連中は「6月末決算に向けて45日ノーティスなので、顧客のファンド解約の影響が515日から本格開始。したがって中国情勢は注目材料に止まる」と言っている。しかし、新冷戦の勝利は悪い材料ではない、とも。

 

 基本的には連中は強気。理由は一言でいうと「FEDに逆らうな」であろう。先週も書いたが、FRBの総資産は427日。65000億ドルが年末10兆ドルを超える。解約はヤマを越えたとわたくしの取材先は言っているので、セル・イン・メイは起こらないのではないか。

 

 映画のセリフから。「政治と犯罪は一つのコインの表と裏だ」。中国ほど、このセリフが的中している国は他にはあるまい。

 

2020年5月 7日 (木)

ヒッチコック「鳥」とポストコロナ時代の世界と日本の政治と経済そして株 2020・5・6 (第1010回)

ヒッチコック「鳥」とポストコロナ時代の世界と日本の政治と経済そして株 2020・5・6 (第1010回)

 

 ヒッチコックの名作は「サイコ」「北北西に進路をとれ」「裏窓」「めまい」などなど数多い。しかし黒澤明監督はこの「鳥」をただ一つ「100本の映画」に選んだ。「あのたくさんの鳥は怖いよ。どうやって撮ったんだろう」というコメント。同時に黒沢監督は「少しつじつまが合わないところはあるが、(ヒッチコックらしく)面白ければいいという映画だ」とも述べている。

 

 ヒロインのティツピ・へドレンは小鳥屋で会ったばかりのロッド・ティラーを追って、港町にやってくる。その町でテイラーの母親ジェシカ・タンディと昔の恋人スザンヌ・プレシェットと会う。母親の視線は息子の恋人に対していつも冷たく、そのためにプレシェットと別れた。

 

 「鳥」は鳥の襲撃が見せ場であるのはもちろんだが、母と息子の恋人との関係がサブストーリーとして入り、これがこの映画の深さにつながっている。

 

 人間が理不尽でワケのわからない攻撃を受けることでは、この「鳥」とコロナ肺炎は共通点がある。

 

 攻撃の対象に何の差もないように、すべての投資対象が暴落したことである。

 

 改めて今回のコロナ危機を振り返ってみよう。今回判明したことは、中国と世界とのつながりが巨大なことを認識させたことだ。

 

 慶応義塾大学の白井さゆり教授によれば、「中国本土からの旅行者数は年間14000万人。その観光支出は30兆円程度にもなっている(金融財政ビジネス430日号)。

 

 なるほど、多くの国々が感染を恐れて活動を縮小させたので、急速で大幅な景気後退を招いているわけだ。

 

 ここから先は、白井教授が実に巧みにすべての投資の暴落の理由を説明しているので、あえて引用させて頂く。

 

 

 「米ドナルド・トランプ大統領は、今回の危機を『戦争』と表現しているが、患者数急増で医療現場が切迫している点は、共通しているものの、経済的な性質が異なる。」

 

「戦争が巨額の軍事支出による需要超過とインフレをもたらす傾向があるのと対照的に、コロナ危機は需要・供給を同時に、強制的に消滅させるデフレ的な性質がある。」

 

 「世界の金融・資産市場は激変し、株式・原油価格は急落した。失業者が急増していることもあり、不動産取引も冷え込みつつある。

 

 「新興諸国からの資本流出も加速しつつあり、これらの国の通貨安・ドル高も加速しつつあり、これらの国の通貨安・ドル高も進行した」。

 

 これでよくお分かりのことと私は思う。しかし最近の広告を見るとハイパーインフレが起こるとのオドカシ本がよく売れている、とか。また、新聞を読んでいたら、やはり、中央銀行の超金融緩和を批判している。これもインフレ発生の危険性指摘がウリの記事だ。(427日)ワカっていないな、と思い、このブログに書いている。バカなことは止めて戴きたい。

 

 さて、今回のテーマだ。

 

 まずは政治だ。

 

 このコロナのおかげで、主要国の現在の政権には有利な展開になっている。

 

 例えば米国。連日TVに出まくっているトランプ大統領に対し、バイデン候補はカヤの外というか、選挙運動がマトモにはできない。集会もだめだし、ましてや握手なんて飛んでもない。

 

 中国も同じような状況。一番の「焼け太り」は習近平主席だろう。香港の騒ぎはおさまり、35日から延期していた全人代の522日の開催が決まった。要するに勝利宣言だ。

 全人代では、情報筋の推定では、地方自治体の起債を含めて、2兆元から4兆元の景気刺激策を打ち出す。」これで世界の経済回復はかなり確率が大きくなった。

 

 ただし、コロナ危機が永続しないのも同じ。少々長い目で見ると、むしろ現在の利点がマイナスになる可能性がむしろ大きい。

 

 米国では、例の最高裁の判決問題。3月に前例のなかった電話による口頭弁論が決まり、遅くとも7月には、判決が出る。トランプ側は財務内容の公開を回避できればOKだが。

 

 日本も54日にもう1カ月の外出抑制が決まり、損失は19・45兆円から45兆円に拡大(第一生命総研)する。再び一人10万円をやらなければなるまい。安倍首相には大きな負担だ。中国の重荷はもっと重いだろう。

 

 中国の「世界の工場」としての地位が終わる。すでに「次の中国」探しが始まっていたが、この動きが加速化する。また中国との関係を重視してきた独仏英などは中国に対し賠償請求の動きがある。

 

 日本のほうも同じ。ケチケチ財務省とワカっていない日銀のために、大不況は必至。

 

 ここは高名な中原伸之さんがかねて言われていたように、政府と日銀がアコードを結んで、長期の建設(または投資)国債は全部引き受ける。この策しかない。時限立法で、まあ5年。これで失業を減らし、支持率を上げる。

 

 その後は我が国の新しい発展があるだろう。

 

 経験的にはパンデミックの後、社会は変化し、イノベーションが進展する。

 

野村総研の木内登英さんによれば、次の通りである。

 

「企業が他業種の生産活動に参入すること、ほかの企業と自発的に協業を始めること等を通じて新たなイノベーションが生み出されるきっかけになる」

 

現在進行中の例

  1. シャープのマスク。まったく異業種だが液晶ディスプレイ製造のために使っているクリーンルームを活用した②日清紡、パナソニックもマスク生産③トヨタは顔全体を覆うフェイスシールドを生産、人工呼吸器の生産に協力④サントリーは消毒液の生産を開始⑤宝酒造、資生堂、花王も消毒液⑥ソニーも人工呼吸器生産を検討。

 

木内さんは、歴史的な例として、英国の天然痘の治療方法の探求や、第一次大戦前のドイツの空中窒素への利用推進などの例を挙げた。パンデミックなどの国家的危機が、歴史的に民間イノベーションを生み出してきたいい例として挙げられたものである。

 

 では、お待ちかねの株だ。

 

 FDSの箱田啓一代表によると、日経平均の動きは「512日まで堅調、その後は利食いに押され、調整ないし横ばいになり、527日に潮目(一時的な底値)を形成する。(427日付)

 

 私は米FRB、欧ECBそれに日銀が一斉に国債中心に資産を増加させていることを注目している。

 

 特に注目すべきはFRBだろう。総資産は427日現在65000億ドル。わずか2か月で5割増加した。4兆ドル規模の金融緩和を推進しているので、年末には10兆ドルに達する。

 

 米国株が堅調なのは「FEDには逆らうな」との格言通り。まあ6月又は7月の判決までは上伸と観る。日本株も一高一低はもちろんあるが、トレンドと

しての上昇があるに違いない。

 

 ヘッジファンドの運用担当者に聞いても「中国株がカラ売りをできないので、日本株が身代わりになった」。先物を含め7兆円売っているが、いずれは買い戻し。やはり中国からの発注が増加すれば買い材料になる銘柄が先駆けするだろう。ファナックかな。

 

 

 コロナ危機長期化なら「巣ごもり銘柄」、例えば任天堂。両方とも当たり前すぎる銘柄だが後者はすぐ戻り高値を更新、やはり強い。

 

 あとは5G関連だろう。NEC、富士通。中国専門ファンドもいい。

 

 要するに、景気回復期待、つまり企業収益上昇期待があり、しかも、金融がジャブジャブという、願ってもない環境である。加えて10月20日から大手銀行は預金手数料として1200円を預金者からとる。一口座当たり2000円かかるというから、とっても赤字。取り始めは休眠口座からだが、経営が苦しい銀行は多いから、次第に理クツをつけて預金者からふんだくり始めるのは目に見えている。これも配当に注目する投資家を増やす。

 

 要するに、タイミング次第だが、株投資を再開するか、本格化するか、これを機に始めるか、いずれにしても絶好の株買いのチャンスだ、とわたくしは断言する。

 

映画のセリフから。母親が息子の恋人に言う。「あなたをもっと知りたいの。よく知らないから。」恐怖が一時的なものと知りながら、直面している時は、ハイパーインフレなどのオドカシに耳を傾けやすい。いつまでも続く嵐はありません。次の時代は明るいのです。

 

なお、来週のブログは、お休みにさせていただきます。

 

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