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2019年12月16日 (月)

映画「カツベン!」と、トランプ→ペンスの政変と株(第991回)2019・12・15

映画「カツベン!」と、トランプ→ペンスの政変と株(第991回)2019・12・15

 

 周防正行監督の5年ぶりの新作。100年前の「映画」、じゃなく「活動写真」。白黒の無声映画だが、ナマ演奏とともに活動弁士(カツベン)が声色を使い個性的な語りで人気を博した時代を描く。

 

 映画好きにはこたえられない作品で、娯楽作品として最上級のランクに入る。とくに主役の俊太郎(成田凌)が巧い。子供の時から映画にあこがれていたが、いつの間にかニセ弁士として盗賊団の片棒を担がされていた。イヤ気がさして逃げ出したが、誤って大金の入ったカバンを持ってきてしまった。

 

 盗賊団や警察と俊太郎の追いかけっこが楽しい。バスター・キートンやチャップリンを思わせる。子供時代からの仲良しの女優との純愛もからむ。無声映画が10本出てくるが、ほとんどはオリジナル。この1本1本が誠に充実し、見ごたえがある。周防夫人草刈さんも出てくる。

 

 活動弁士が本モノの映画より、集客力がある時代。言い換えれば映画本体より、弁士の個性が珍重されていた時期だった。しかしトーキーなど映画の技術進歩で、弁士の時代は終了してしまう。

 

 私はこの映画を観て、時代の変化は誰も流れを止めることができない、と感じた。

 

 2020年の一大イベントが米国大統領選挙であることは、誰にも否定できまい。

 

 現在の一般的な世論は「トランプ大統領に対する弾劾法案は下院では通るが、上院では共和党が多数なので、否決される。民主党の候補次第だが左派には拒絶反応が強いし、バイデンは高齢だし、息子の件もあるので、トランプに勝てないだろう」という見解である。

 

 私は講演会でこの問題を質問されると「トランプが勝つのでなく、民主党が負けるんです」と答えてきた。

 

 しかし、ある高名な方から「トランプは再選されない」という予想をうかがってびっくりした。また別のルートから、これまで9回の大統領選挙で全部勝者を予測した著名政治学者が、当初トランプ勝利を予測していたが、最近になって変更した、とも聞いた。

 

 その政治学者とは、ワシントンにあるアメリカン大学のアラン・リットマン教授。1984年以来、9回の大統領選挙の勝者を予想的中。この人がCNNテレビで、弾劾を理由にペンス副大統領を予想した、というからただごとではない。

 

 弾劾と失脚、副大統領昇格は、米国憲法修正第25条第四節にある。閣僚と有力委員会の委員長35人の過半が大統領解任に賛成すれば、その瞬間に大統領は権力を失い、副大統領が昇格する。就任直後のトランプ内閣は17人が解任賛成で、極めて危なかったが、その後の相次ぐ閣僚解任で、いまや20人近くが留任賛成派だ。前述の上院での共和党多数と合わせて、トランプ氏の地位は安泰とみられていた。

 

 私は同教授が明言を避けていた理由について調査してみた。

 

 カギは最高裁によるトランプ陣営の経営内容の公開。これがマッシロなら問題ないが、問題があるから秘密にしたかったのだろうから、オモテに出て、召喚でもされたら大ゴトだ。

 

 すでに民主党側は裁判所に公開を求めて控訴している。その内容は、納税リストを含めた経理書類「ファイナンシャル・ディーリング」の公開である。

 

 三か所の地方裁と州高裁いで勝訴し、いま最高裁に持ち込まれている。最高裁判事の任期の関係から、明年6月中には判決が出る公算が大きい。

 

 最高裁判事は9人。現在のところ親トランプが5人で一見有利だが、議長のバーンズ氏が、移民関連の法案も自分の1票で否決して以来、筋を通す裁判官として一挙に注目されている。FTはそんな記事を最近書いている。また最高裁が取り上げない場合は、控訴審の判決が採用される。その場合トランプ召喚になる。

 

 以上をまとめると、やはりリットマン教授が示唆している通り、弾劾が引き金になってか、自発的か、前述の憲法規定を使ってトランプ辞任。ペンス副大統領の登場が今後数か月のうちに起きる可能性はかなり大きい、と私は結論付けた。

 

 もちろん、そうなればNYダウの歴史的高値の更新もあり、6月のドカンは目に見えている。

 

 外国人の私が調べて分かるくらいだから、世界の機関投資家が自衛策を考えるのは当然すぎるくらいだ。MMF(つまりキャッシュ)が、11月に入ってから急増し、3兆6000億ドルに達しているのは、その証拠である。ドカンでなく「ドカ」か「ド」じゃないか。リリーフ投手がいるんだから。

 

 さて、それでは日本の方は、となる。12月13日の600円近い大幅上昇をみたが、優良株7銘柄が4割以上の寄与で、一部には人工的と言っているが、私は違うと思う。大幅上昇の時は当たり前だ。

 

 パルナッソス・インベストメントのストラテジスト宮島忠直さんが指摘していた「英ポンドの対ドルレートとTOPIXとの相関係数0・84と高いこと」が外人投資家、特にヘッジファンドにあったのではないか。

 

 

 例のジョンソン保守党の大勝利で、ポンドが対ドル2%台央の急上昇、日経平均もほぼ同じ水準高である。たまたまの一致といわれるとは思うが、相場とはそういうものだ。精妙にできている。他国は1%台の上昇だった。

 

 では今後はどうか。NYの方は恐らく6月まではQE4もあり、高値更新し続けるのではないか。連れて日本の方も同じだろう。

 

 違うのは歴史的高値でなく、戻り高値の更新だろうが、防衛の意もあり外人買いが続いている。私は強気だ。

 

 私は前々週の土曜日のボイスメッセージ「相場ウラ読み」でメチャ強気、10日の火曜日のセミナーでも、すぐ買いなさい、とまで強気を申し上げた。作戦は、日経ブル2倍ETFの買い、早速嬉しい反応があり、感謝されている。有難いと思う。

 

 映画のセリフから。人気弁士の山岡秋声が居酒屋で言う。「映画はもう、それだけで、出来上がっているのに、オレたちは勝手な説明をつけてしゃべる。これが実に情けねえ。」米国を真に支配しているディープ・ステートの連中は、トランプ氏が、勝手な政策を思いつきで遂行しようとしているのに、我慢できなくなっているに違いない。キッシンジャーの先般の訪中も共和党首脳部の賛成があったからではないか。

米国でのこれからの政治動向には目が離せない。くわしくは書かなかったがE・ウォーレン上院議員の当選もありうるからだ。

 

 しかし、何回も述べるが、私は強気だ。高値波乱の時の値幅は大きいから、押し目を買われるといい。必ず報いられるだろう。

 

 それにしても、もう少し我が国はこの米国の体制変化について、政権側も産業側も準備しておくべきではないか。特に円レートについて。詳しくは来週に。

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