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2019年12月26日 (木)

映画「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」と2020年の金相場 - 戻り高値更新の日は近い -2019.12.29 (第993回)

映画「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」と2020年の金相場 - 戻り高値更新の日は近い 2019.12.29 (第993回)

 

ご存知のスターウォーズ、エピソード9で完結編。

前作「最後のジェダイ」では、ファースト・オーダーもレジスタンス側もボロボロだったが、今回はいつの間に態勢を立ちなおしている。 まあ不親切というか、お手盛りというか、 それでもヒットしているのだからこのブランドは大変なものだ。

 

今回のストーリーは入り組んでいるのでご紹介は書かない。ミソは死んだと思われていた皇帝パルパティーンが生きていたこと。ダース・ベイダーといい、まことに冷酷無慈悲な超悪役が出たことで、お話としては面白くなった。

 特に、女主人公のレイが何と暗黒卿のパルパティーンの孫だった、という種明かしが効いている。フォースが強いわけだ。やはり唐突感は否めまい。どうしてもひとりよがりのストーリーづくりだ。

 

 それでも私は思う。やはりディズニーがルーカスから制作権を買ってからの3作品は、やっぱり落ちる。 たまたまTVで前作もやっていたので、今作を劇場で観ても、どことなくデジャ・ヴュ(既視感)が残る。とくに戦闘シーン。

 従って、私は名作でなく、駄作に近いと考える。 ファンには申し訳ないが。

 

 スターウォーズが必ず作品の評価について論議を巻き起こすように、私のところに必ず来る質問は「金相場は2020年はどうなりますか?」だ。

 

 そこでテクニカルアナリストのいちよし証券高橋幸洋さんに聞いてみた。この人は一目均衡表の分析で有名で、「実は日足で分析したら短期ですが金相場の見通しは急好転しています。」と私に教えてくれた。

 「典型的な持ち合い相場で、週足はまだまだです。なぜでしょうか?」

 私は以下のように答えた。

  • 例年11月には米国の公的、私的年金の翌年の投資について、投資委員会を開く。
  • 来年は、私が調査したところ、金投資を得意とする投資顧問会社が昨年に続いて、かなり増加している。(詳しい数字は明年には判る。) 
  • すでに上場投資信託(ETF)は、一昨年の売り越しから0トン増の377.2トンと劇的な回復を見せた。公的部門も56.8トン増の547.5トン。
  • もちろん、現実の金価格が示す通り買い一辺倒ではない。宝飾は前年比2トン減、テクノロジーズが7.2トン減、バー・コイン投資は178.9トンも減少した。

「しかし、2019年の買い越しの方がずっと売却勢よりも大きい。 やはりトランプ→ペンスの政権交代リスクで、トランプ再選はメインシナリオ。政権交代をサブシナリオに置いている機関投資家(もちろん年金も含む)も多いだろう。」

「すでにキャッシュに当たるMMF36000億ドルと歴史的な残高である。金もこれと同じで、高水準にある株価、バブル状態にある。債券のヘッジで現金と金に投資しているに違いない。」以上が私の説明である。

 

もちろんFRBの金融政策も金価格のみならず、全般の投資に流動性を一段と与えている。

 「準備金管理」と銘打ち、月間600億ドルの資金供給を10月からFRBは実施している。短期債購入に限定しているとFRBは述べているが、実質的なQEである。

 原油の方もジリ高だし、日本の場合には「預金手数料」という形で、預金がマイナス金利となり、怒涛のように個人客が金先物業者の窓口に殺到する事態さえ、ないとは言い切れない。

 

2011年9月のオンス1920ドルをいずれ抜くだろう。 ごく目先は202056月にはオンス1600ドル台に到達すると私は観ている。6月でなく来年にズレ込む可能性もあるが。 ともかく株と同じく、金も私は強気だ。

 映画のセリフから。レイが言う。「恐れが私をとじ込めていた。恐れているのは何? 私自身だ。」 私が恐れているのは、強気に皆がなってしまって、現物が買い一本になってしまうことです。

2019年12月23日 (月)

ベートーベン「第九」と日米のグレートローテーション(第992回)2019・12・22

ベートーベン「第九」と日米のグレートローテーション(第992回)2019・12・22

 

 年末になると方々で演奏される名曲中の名曲。最近、NHKでベートーベンの健康と絡んだ番組を観て新しい事実をずいぶん学んだ。

 

 第一は例の難聴。「若年発症型両側性感音難聴」という1万人に一人の難病であったこと。

 

 第二は、晩年になって肝臓が悪化したこと。当時は治療法がなく、黄疸になったということは、死刑宣告に近い。恐らく遺言のつもりで作ったのが「第九」であったこと。

 

 第三は「歓喜の歌」というシラーの詩を使ったが、フロイデという歓喜の言葉は、検閲を恐れてフライハイトという「自由」を意味する言葉の代わりに使われたということ。

 

 第四は当時の欧州が、革命の反動で王制に戻って、音楽が再び王侯貴族のものになりそうだった時期の作品。したがってシラーの詩「時の流れが厳しく分かつ」という部分は、再び階級格差が生まれたことを意味している。

 

 そこで「第九」へのベートーベンの意図は、再び音楽を市民のものとして取り戻すことにあった、というのが,このNHKの番組だった。

同時に、貴族だけのものだった演奏会をチケット制にして、最高で5万円、最低3500円として、貧しい市民にも自分の音楽を楽しめるようにした。

 「第九」は第四楽章の独唱、コーラスが始まるまで、ほぼ1時間かかる。つまりベートーベンにとりその時間は主張を明確にする歌曲の前の前奏曲に過ぎない。

 

 最近の米国株式市場を観ていると、爆発的な上昇前の「前奏曲」のような感じがする。

 

 トランプ大統領が当選して以来、ダウ平均の上昇は55%、幅は1万ドルを超えた。

 

 ところが2019年秋には、米中貿易戦争が激化し、グローバルな景気後退が懸念された。銀行間の取引に信用不安が発生しかけており、短期のレポ金利が一時10%まで上昇した。早速FRBは行動を起こし「準備金管理」と呼ぶ実質QEを実施した。月間600億ドルという資金である。FRBは短期資金供給だからQEではないと強調しているが、マネーフロー分析では、短期だろうが長期だろうが関係ない。

 

 QEⅡの2010年11月から2011年6月までの7か月。6000億ドルを供給したのと多少似ている。600億ドルを2019年10月から明年第二四半期末までなので、八ヶ月,4800億ドル。当初の資金投入を入れると6000億ドル。

 

 九月時点では、米国景気後退懸念を持つ投資家は、十年ぶりの高水準だったが、12月で様変わり。FRBの三度の利下げとQE4と、米中の協議の一時休戦という好材料が発生した。

 

 「債券王」ジェフリー・ガンドラック氏は弱気を主張していた人だが、最近、先行指数からは米国経済は景気後退を示唆していない、と姿勢変化を示した。

 

 日経の21日電子版での記事によると、JPモルガンのストラテジストの、「債券から株式への投資の転換(グレートローテーション)」が起きる、との見方を発表。シティグループも同じ見解だ。

 

同記事によると、2019年債券ファンドに8000億ドルの資金流入があった。一方、株式ファンドから2000億ドル流出した、にもかかわらず株価が上昇した。

 

 2012年と2016年、ともに株式ファンドから2000億ドル以上流出しても株高。その翌年は25%近辺の上昇をみた。これがグレートローテーションの「成果」である。

 

 では日本株の方はどうか。大型予算は好材料に違いないが、財源は相変わらずで、単年度でとどまってしまう懸念あり。採点は50点。悪くはないが大きな寄与になるか、どうか。

 

 1219日決定された日銀のETF保有分を市場参加者への貸し付け開始は、あまり注目されていないが、やはりプラス材料だろう。

 

 20201月から日米双方の関税を削減、撤廃する日米貿易協定が発効。GDPは08%押し上げられるとされている。全体としては多少プラスだ。関連銘柄の方には大材料だろうが。

 

 やはり、中国の景気が次第に反転しかけていることが、最大の材料だろう。

 

 もうひとつ。忘れていた。日本の方でも、債券価格は下り(金利は上昇)マイナス金利がほとんどゼロからプラスに転じ、株高につながっている。すでに日本でもグレートローテーションが開始されているのかも。

 

 「第九」のベートーベンが作詞した部分。「おお友よ、このような音ではない。我々はもっと心地よい歓喜の歌を歌おうではないか」。そうです。歓喜は近いのです。

2019年12月16日 (月)

映画「カツベン!」と、トランプ→ペンスの政変と株(第991回)2019・12・15

映画「カツベン!」と、トランプ→ペンスの政変と株(第991回)2019・12・15

 

 周防正行監督の5年ぶりの新作。100年前の「映画」、じゃなく「活動写真」。白黒の無声映画だが、ナマ演奏とともに活動弁士(カツベン)が声色を使い個性的な語りで人気を博した時代を描く。

 

 映画好きにはこたえられない作品で、娯楽作品として最上級のランクに入る。とくに主役の俊太郎(成田凌)が巧い。子供の時から映画にあこがれていたが、いつの間にかニセ弁士として盗賊団の片棒を担がされていた。イヤ気がさして逃げ出したが、誤って大金の入ったカバンを持ってきてしまった。

 

 盗賊団や警察と俊太郎の追いかけっこが楽しい。バスター・キートンやチャップリンを思わせる。子供時代からの仲良しの女優との純愛もからむ。無声映画が10本出てくるが、ほとんどはオリジナル。この1本1本が誠に充実し、見ごたえがある。周防夫人草刈さんも出てくる。

 

 活動弁士が本モノの映画より、集客力がある時代。言い換えれば映画本体より、弁士の個性が珍重されていた時期だった。しかしトーキーなど映画の技術進歩で、弁士の時代は終了してしまう。

 

 私はこの映画を観て、時代の変化は誰も流れを止めることができない、と感じた。

 

 2020年の一大イベントが米国大統領選挙であることは、誰にも否定できまい。

 

 現在の一般的な世論は「トランプ大統領に対する弾劾法案は下院では通るが、上院では共和党が多数なので、否決される。民主党の候補次第だが左派には拒絶反応が強いし、バイデンは高齢だし、息子の件もあるので、トランプに勝てないだろう」という見解である。

 

 私は講演会でこの問題を質問されると「トランプが勝つのでなく、民主党が負けるんです」と答えてきた。

 

 しかし、ある高名な方から「トランプは再選されない」という予想をうかがってびっくりした。また別のルートから、これまで9回の大統領選挙で全部勝者を予測した著名政治学者が、当初トランプ勝利を予測していたが、最近になって変更した、とも聞いた。

 

 その政治学者とは、ワシントンにあるアメリカン大学のアラン・リットマン教授。1984年以来、9回の大統領選挙の勝者を予想的中。この人がCNNテレビで、弾劾を理由にペンス副大統領を予想した、というからただごとではない。

 

 弾劾と失脚、副大統領昇格は、米国憲法修正第25条第四節にある。閣僚と有力委員会の委員長35人の過半が大統領解任に賛成すれば、その瞬間に大統領は権力を失い、副大統領が昇格する。就任直後のトランプ内閣は17人が解任賛成で、極めて危なかったが、その後の相次ぐ閣僚解任で、いまや20人近くが留任賛成派だ。前述の上院での共和党多数と合わせて、トランプ氏の地位は安泰とみられていた。

 

 私は同教授が明言を避けていた理由について調査してみた。

 

 カギは最高裁によるトランプ陣営の経営内容の公開。これがマッシロなら問題ないが、問題があるから秘密にしたかったのだろうから、オモテに出て、召喚でもされたら大ゴトだ。

 

 すでに民主党側は裁判所に公開を求めて控訴している。その内容は、納税リストを含めた経理書類「ファイナンシャル・ディーリング」の公開である。

 

 三か所の地方裁と州高裁いで勝訴し、いま最高裁に持ち込まれている。最高裁判事の任期の関係から、明年6月中には判決が出る公算が大きい。

 

 最高裁判事は9人。現在のところ親トランプが5人で一見有利だが、議長のバーンズ氏が、移民関連の法案も自分の1票で否決して以来、筋を通す裁判官として一挙に注目されている。FTはそんな記事を最近書いている。また最高裁が取り上げない場合は、控訴審の判決が採用される。その場合トランプ召喚になる。

 

 以上をまとめると、やはりリットマン教授が示唆している通り、弾劾が引き金になってか、自発的か、前述の憲法規定を使ってトランプ辞任。ペンス副大統領の登場が今後数か月のうちに起きる可能性はかなり大きい、と私は結論付けた。

 

 もちろん、そうなればNYダウの歴史的高値の更新もあり、6月のドカンは目に見えている。

 

 外国人の私が調べて分かるくらいだから、世界の機関投資家が自衛策を考えるのは当然すぎるくらいだ。MMF(つまりキャッシュ)が、11月に入ってから急増し、3兆6000億ドルに達しているのは、その証拠である。ドカンでなく「ドカ」か「ド」じゃないか。リリーフ投手がいるんだから。

 

 さて、それでは日本の方は、となる。12月13日の600円近い大幅上昇をみたが、優良株7銘柄が4割以上の寄与で、一部には人工的と言っているが、私は違うと思う。大幅上昇の時は当たり前だ。

 

 パルナッソス・インベストメントのストラテジスト宮島忠直さんが指摘していた「英ポンドの対ドルレートとTOPIXとの相関係数0・84と高いこと」が外人投資家、特にヘッジファンドにあったのではないか。

 

 

 例のジョンソン保守党の大勝利で、ポンドが対ドル2%台央の急上昇、日経平均もほぼ同じ水準高である。たまたまの一致といわれるとは思うが、相場とはそういうものだ。精妙にできている。他国は1%台の上昇だった。

 

 では今後はどうか。NYの方は恐らく6月まではQE4もあり、高値更新し続けるのではないか。連れて日本の方も同じだろう。

 

 違うのは歴史的高値でなく、戻り高値の更新だろうが、防衛の意もあり外人買いが続いている。私は強気だ。

 

 私は前々週の土曜日のボイスメッセージ「相場ウラ読み」でメチャ強気、10日の火曜日のセミナーでも、すぐ買いなさい、とまで強気を申し上げた。作戦は、日経ブル2倍ETFの買い、早速嬉しい反応があり、感謝されている。有難いと思う。

 

 映画のセリフから。人気弁士の山岡秋声が居酒屋で言う。「映画はもう、それだけで、出来上がっているのに、オレたちは勝手な説明をつけてしゃべる。これが実に情けねえ。」米国を真に支配しているディープ・ステートの連中は、トランプ氏が、勝手な政策を思いつきで遂行しようとしているのに、我慢できなくなっているに違いない。キッシンジャーの先般の訪中も共和党首脳部の賛成があったからではないか。

米国でのこれからの政治動向には目が離せない。くわしくは書かなかったがE・ウォーレン上院議員の当選もありうるからだ。

 

 しかし、何回も述べるが、私は強気だ。高値波乱の時の値幅は大きいから、押し目を買われるといい。必ず報いられるだろう。

 

 それにしても、もう少し我が国はこの米国の体制変化について、政権側も産業側も準備しておくべきではないか。特に円レートについて。詳しくは来週に。

2019年12月 9日 (月)

映画「荒野の決闘」と来年のまだ注目されていない大変化の発生(第990回)2019・12・8

映画「荒野の決闘」と来年のまだ注目されていない大変化の発生(第990回)2019・12・8

 

 「私はクレメンタインという名前が大好きです」。ヘンリー・フォンダ演じるワイヤット・アープのラストシーンでいうセリフだ。

 

 この映画の原題は「マイ・ダーリング・クレメンタイン」。米国民謡の題である。女性に口説き文句は言えず、別れ際に名前が大好きというのが精いっぱい。私も若いころ、気が弱くて同じような状態になったことがあり、このワイヤットとの性格には共感を覚えた。

 

 お話はご存じの通り、アープ兄弟とクラントン一家との対決が軸で、これにクレメンタイン(キャシー・ダウンズ)が絡む。この娘はドク・ホリディ(ヴィクター・マチュア)の元婚約者という設定だ。

 

 私がこの映画で大好きな一つのシーンのひとつ。旅役者が町にやってきて、ハムレットを演じるが、途中で言えなくなったときに、ドクがすぐ引きとって朗々としゃべるところ、たしかその前にローレンス・オリヴィエのハムレットを観て、例の「To Be、Or Not to Be」の部分は暗記していたので、そのせいでもあったかも。何しろ高校時代の頭の柔らかい時代。水を吸い込んだようにセリフを覚えることができた。今は全く覚えていないが。

 

 そろそろ1年の終わり。プラン・ドウ・チェックが必要になる時期に入った。

 

 もちろん、ヒトさまにエラそうな口を利くほど私は大物ではない。私の間違い(このブログ、著作、ボイスメッセージ、講演などなど)を列挙しながら、来年へかけての大きな影響を与えるであろう変化や、政策を列挙してみたい。

 

 第一はこの19年の内外経済を回顧してみると、失速が回避されたことが大きい。相撲に例えれば相手力士の押しを土俵際で耐えたようなものだ。

 

 最大の貢献者はまず米国FRBだろう。政策金利を計0・75%引き下げ、10月から実質的な「QE4」を開始した。

 

 次に中国が必死になって景気刺激策を推進、2020年1~3月期から中国経済が回復しかけていることが挙げられる。恐らく、明春早々に上海株は上昇しよう。

 

 第三は米中覇権戦争が、再選を狙うトランプ氏の思惑もあって、一時休戦になったこと。

 

 もちろん、世界大不況を恐れて、前向きの設備投資を控えるリスクオフ経営が中心になったこともある。その結果、設備、在庫などの過剰が発生しにくくなり、下方リスクへの抵抗力が増した。内外経済に構造変化が起きている。

 

 内外の株式市場ではこの変化にまだ気が付かないので、カラ売り、先物売り、あるいはベア投信が大規模な存在になった。米国ではMMFが3兆6000億ドルもある。これが一斉に来年前半に買い戻すだろう。売り方総崩れ、ではないか。

 

 私が最も信頼するエコノミストの嶋中雄二・三菱UFJ、モルガン・スタンレー証券景気循環研究所長は、11月20日の月例景気報告で「世界景気は底入れへー期待できる先行きの展開―」としている。もちろん懸案となる要因は山積しているが、世界経済への調整圧力への一服感が出ている、と嶋中さんは言う。

 

 嶋中さんの手法は、OECDの景気先行指数を、米国と日本は9か月、中国は12か月、世界も12か月先行させたもので判断。「少なくとも半年先の世界と日本の景気は、上昇の可能性はかなり大きい」と結論付けた。

 

 では私の失敗は、新刊の本で「10月24日のドカン」を予告したことだ。実は8月19,20日の両日には口述筆記して作成していた。

 

 このために9月26日のゴールデンクロス、10月中旬の「QE4」も織り込みできず、誠にに申し訳ありません。もちろん軌道修正は何回もしたつもりだが、やはり同じような質問やお声をいただくから、まだ不徹底なのだろう。

 

 映画のセリフから。ドクの情婦チワワが聞く。「私を怒っているの?」ドクが言う。「オレはヒト様を怒るほどエラくないんだ」。味わうべきセリフですね。

2019年12月 2日 (月)

映画「虹を掴む男」とこの上げ相場の目標 (第989回)2019・12・1

映画「虹を掴む男」とこの上げ相場の目標 (第989回)2019・12・1

 「ポケタ・ポケタ・ポケタ」

「虹を掴む男」の主人公ウオルター・ミテイは幻想癖の持ち主だ。幻想の中での飛行機のエンジンの音や病院の医療器具の音が、ポケタ・ポケタと聞こえる。原作はジェームス・サーバーという短編作家。この音は原作でも、ダニー・ケイの主演映画でも使われている。

 

 サーバーの原作では、主人公は奥さんの尻に敷かれた冴えない中年男だが、映画では美しい女優(ヴァ―ジニア・・メイヨ)とのからみがあるので独身男にした。空軍での英雄戦闘機乗り、超超腕のいい外科医、西部の凄腕ギャンブラーなどなど、多様なタイプ。人物を演じ分ける所が得意な、ダニー・ケイには、当たり役となった。

 

 会議の最中に夢にふけっていたウオルターは、社長に怒鳴られて、とっさにポケタから連想してポケットブックを提案する。第二次大戦直後でペーパーバックがまだ盛んでなかったから、実に時代を先取りしていた脚本だったことになる。1947年の作品だが、カラー画面も美しく、セットや色彩が実にセンスのいい、洒落た映画になっている。

 

 私はBS放送で65年ぶりに見たので取り上げてみた。やはり私も、時として夢を見るからだ。かつて米国投信大手から日本支社の社長にスカウトされた時、直ちに断ったが、夢では日本法人のトップになっていて、さんざん失敗して窮地に立つ。

 

 実には帝国ホテルで私の代わりに就任した人物とエレベーターで先日乗り合わせて、私は居心地が悪かった。向こうも。同じ様子に見えた。

 

 今回のテーマに入ろう。会議中でも夢を見るウオルターのように、弱気大多数の中でも、先行きの強気相場を早くから予想的中した少数派のご意見を紹介しよう。

 

 いちよし証券投資情報部の高橋幸洋テクニカルアナリストである。同氏は9月26日に日経平均の日足に「中長期の強気シグナルが点灯しました」として、次の事実を指摘した。

 

 上向きの75日移動線が、上向きの200日移動平均線を下から上に交差した、いわゆるゴールデンクロスである。

 

 1980年以降の39年間で11回発生しているから、確かに珍しい。

 

 11回すべては別に機会に譲って、今回は、2012年の民主党から自民党への政権移行以降の3回を取り上げる。

 

 第9回目のゴールデンクロスが実現した日は、2012年25日である。

 

この時は、その前の週にジム・オニール氏が「We Want ABE!!!」というメールを私に送ってきたのが鮮明に記憶に残る。

 

 何しろBRICSという世界投資シナリオを早くから唱えたストラテジストのナンバー・ワン。しかも前述したメールの題は選挙で使われ「早く就任してください」という意味。

 

 内容はさらにすごかった。「私はこれまで、円高、日本株売り論者だった。理由は、日本経済が円高とデフレ、デフレと円高という悪循環に落ち込んでいたからだ。

 

 しかしアベノミクスは本物で、私は「円売り、日本株買い」を、グローバル投資戦略として唯一無二のものとして推奨する」

 

 これを見て、私は躍り上がった。しかし、日本人投資家は全く動かず、すぐ行動したジョージ・ソロスが半年で90億ドルも儲けただけだった。結局、内閣発足の前日の12月25日の1万0080円から、13年5月22日の1万5627円まで、実に55%上昇した。

 

少々話が別のところに飛んだが、10回目が今回との比較では重要だ。それは消費税増税だ。第10回は2014年8月3日、その日は1万5213円、その後の高値2015年6月24日の2万5868円まで上昇した。上昇率は37%。

 

 今回はどうだろうか。9月26日の日経平均終値は2万2048円だから、3万円を突破してもおかしくない。日柄も前回と同じ211日とするとピークは来年4月下旬。

 

 「現実には3万円直前の2万9000円台じゃないですか」と高橋幸洋氏は言う。私も同様の結論だったので、握手した。

 

 そこで投資戦略だ。やはり日経平均の上昇幅4~6千円分と想定するならば、やはり日経平均10%の上昇に対して20%上昇すべく設計されている「日経ブルETF」がいい。

 

野村(1570)、大和(1365)、日興(1358)、楽天(1458)、シンプレクス・アセット(1579)の5種。ただし1回で資金全部を投資するのではなく、何回かに分けて、押し目買いする。私の心配三原則を思い出してほしい。

 

 映画の締めくくり。ウオルターは、悪人どもを逮捕させ、理想の美女を妻とし、怪しげな以前の婚約者の男友達にパンチを食らわせ、結局昇進する。社長をファーストネームで呼ぶが、弱気の男から強気の男になったのを好感して、社長はウオルターを友達として扱う。そうです。相場が強気相場になると、すべてが変わってしまうのです。

 

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