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2019年11月25日 (月)

映画「決算!忠臣蔵」とトランプ再選と安倍四選(第988回)2019・11・24

映画「決算!忠臣蔵」とトランプ再選と安倍四選(第988回)2019・11・24

まことに楽しい時代劇コメディーの佳作。大石内内蔵助が残した請払帳を分析した山本博文著「『忠臣蔵』の決算書」の映画化。関西弁でやんわりと笑わせる。

 

 物価を換算してテロップで見せるアィデアが楽しい。江戸時代のそば一杯は16文、時価480円とすると一文30円。一両は12万円。

 

 赤穂浪士の軍資金は800両だから、現在の円では9600万円。主な原資は内匠頭の正室、遥泉院の持参金。

 

 上野介をはじめ吉良側は全く登場せず、赤穂側はひとりひとり十分に描かれる。堤眞一の内蔵助、お家再選に巨額の資金を使ってダマされ、細かい情報は後回しされるなど、かなりおっとりしたお人好し。勘定方の矢頭長助(岡村隆史)がその分、頑張る。

 

 軽快な海外のミュージシャンを使った音楽。「倒産」「残務整理」「再建」「リストラ」「リハーサル」など、赤穂藩を現代企業に見立てた仕切り方も楽しい。

 

 この映画を観ていて私は自分の経歴と重ね合わせた。30年いた山一證券、スカウトされて8年いた日本債券信用銀行、ともに現在は、ない。ひと様にも「世にもまれなる経歴」とからかわれるが、骨身にしみて先行きの不透明さをわからせてくれた年月だった。

 

 その体験が「当り屋につけ、外れ屋には向かえ」という作戦である。

 

 もう11月も終わり。そろそろ来年の予想を特集した経済誌が店頭に並ぶ日も近い。そこでおすすめは、近くの図書館に行って、2019年の予想をひっくり返して読むことだ。

 

 肩書や知名度は関係ない。誰が予想を的中させ、だれが外れたか、一目瞭然だ。

 

 次は外れ屋を飛ばし、当り屋の2020年の予想を重視し、当り屋の2020年の予想をよく読んで、当り屋のコンセンサスを見る。

 

 ではイマイさん、当たっているの?残念ながら、今回は外れました。私の新著で「2019年10月末ごろに『ドカン』がやってきます」。大外れです。

 

 しかし「過ちを改たむるに、はばかることなけれ」。である。11月初めから自分を含めて、押し目買いを中心に買い始めた。幸い米国FRBのQE4(FRBは準備金管理と呼んでいるが)が始まったので、NYダウは歴史的高値を更新、日経平均にも外国人買いを中心に堅調。リカバリーショットは SO FAR SO GOOD だ。

 

 今回のテーマに話そう。この当たり屋説を採用すると、アメリカの次期大統領選挙ではトランプは再選される。エリザベス・ウォーレンもジョー・バイデンもサンダースも敗北する。

 

その「当たり屋」とはアメリカン大学のアラン・リットマン教授である。

 

1984年以降9回の大統領選ですべて勝者予想を的中させて来た。

 

それで終わりではない。最近出演したCNNテレビで「トランプが弾劾される」という主張を述べた。大統領弾劾は、現実には成立は極めて困難なのだが。

 

しかし同教授は「共和党にとってトランプ氏はいわばいわば危険人物だ。共和党にとってペンス副大統領のほうがずっと望ましい」と述べた。見方によっては選挙戦の最中に修正憲法第25条第4項によって、ペンス副大統領の大統領就任を望んでいるようにも聞こえる。

 

一方、四選を否定した安倍首相だが、私のソースでは、高齢の二階幹事長を衆議院議長に就任させ、岸田政調会長を幹事長に登用。後継者を明確化させるのが2020年の後半のどこかで決定。これが決まれば、トランプ=安倍のコンビが、ペンス=岸田に変わるかも。

 

 映画のセリフから。勘定方が言う。「いずれこのお金が必要になるので取っておきましょう。」「いずれ?“いずれ”なんてもうないんだ」。未来は不透明です。大切なことは、現在は超金融緩和下の「金融相場」ということです。

 

 

 

2019年11月18日 (月)

映画「国家が破産する日」と反日文在寅政権の行く末(第987回)2019・11・17

映画「国家が破産する日」と反日文在寅政権の行く末(第987回)2019・11・17

 

 まことによくできた韓国製政治経済サスペンス。1997年12月3日にIMF

とアジア開発銀行から550億ドルの緊急支援協定を締結した前後の官民の動きを描いている。

 

 危機で儲けようとする投機家、何も知らせてもらえない町工場の経営者。これに保身を図る高級官僚、さらに韓国に過酷な条件を突きつけるIMF専務理事と米国財務官が絡む。

 

 主人公の女性は韓国銀行の通貨政策チーム長で、危機の7日前に予知する。しかし上層部は取り合わず、その後、被害は拡大。すると危機の責任を主人公に押し付けて解任。IMFでなく日本からの通貨スワップを主張しても取り合わない。

 

 パンフレットある通りで「その時、政府は何をしたー」である。

主人公は言う。「(皆さんは)無知なのですか。無能なのですか?」この怒りが映画を貫いている。

 

 わたくしはこの映画を見ていて、最近の文在寅政権がまたウソを重ね始めたことを思い出した。外貨準備高を4000億ドルと公表しているが、実際は2000億ドル以下で、噂では500億ドルの説もある。実体経済の悪化も手伝って、対ドルのウオンレートは1100から一時1200までのウオン安となっている。もちろんドル高も手伝っているのだが、文在寅政権は外貨準備手持ちのドルを売り、ウオンを購入する為替市場での操作を行ってウオンのレートを買い支えているとい噂もある。最近は1150.

 

 噂だけではない。文政権に見切りをつけて韓国撤退が相次いでいる。

 

 米ゴールドマンサックス、英バークレイズ、豪マッコーリーなど国際金融資本が次々と撤退している。米GMも工場閉鎖を決めた。

 

 もちろん日本企業も、日立造船、富士ゼロックスなども韓国撤退。半導体のフェローテックホールディングスも同じだ。1000億円も投資している東レに注目が集まる。

 

あと数日でGSOMIAからの破棄が決まる。米国は国防長官以下制服組幹部が続々訪韓して説得にあたったが、どうも無益だったらしい。やはり文政権によって「従北、親中、反日、反米」が本格化してゆく。

 

 この人は本気で、「北」の核付きでの「ワン・コリア」を望んでいるらしい。中露も韓国の米国離れは、大歓迎だろうから、米国側も単なる要望ではなく、圧力をかけてゆくほかあるまい。

 

 では「圧力」とは何か。おそらく香港と同じように、保守派のデモを盛り上げるとか、国内での反文在寅活動を盛り上げて退任をせまるのが妙案と思う。「北」の指示で青瓦台が動いたという証拠でもあれば、なおいい。

 

 もちろん、反米を表面化させるのは文政権も恐ろしいから、当面は反日一辺倒だろう。いわゆる徴用工問題の「戦犯企業」の資産差し押さえと現金化。場合によっては、日本企業の在韓国工場設備の接収さえもあり得る。

 

 その場合、韓国経済の手かせ足かせになるのが、前述した外貨準備だろう。中国は自分の頭の上のハエを払うのに忙しく、また外貨をとても融通する能力はない。またIMF?やはり日本との通貨スワップに依存せざるとえないのではないか。どの面さげて、とは思うが、背に腹はかえられず、ではないか。

 

 今回は、歴史的高値を抜いたNYダウ、2万3000円から上放れた日経平均について書いている。

 

 先週号にすでに「QE4」の威力について述べていたので、予想的中。

付け加えることは、今回のQE4はQE2と債券購入量は同じ。7か月で6000億ドルの(2010年11月から2011年6月)債券購入。この間NYダウは18%上昇。

 

 これに加えて、トランプ政権が選挙のためもあり、制裁関税の一部延期という好材料があるのだから、NYダウの新高値更新はむしろ当然だろう。連れて日本株も高いことも当然と考える。

 

 何か悪材料が出れば「ドカン」があるのではないか?と誰しも考える。

 

しかし、株式投信からの流出資金の受け皿となったMMFが3兆6000億ドルもあるので「ドカン」でなく「ド」か「ドカ」くらいだろう。

 

 日経平均の方は売買累積量が少ない真空地帯を駆け上がる「意外高」があるだろう。これを早くから予想していた大和証券の木野内栄治部長に改めて敬意を表したい。また、圧倒的に弱気の多かったテクニカルアナリストの中でただ一人強気を言い続けた三菱UFJモルガンスタンレー証券の宮田直彦さんにも。このお二人は間違いなく当たり屋である。

2019年11月11日 (月)

映画「ジェミニマン」と助走開始したFRBのQE4の威力2019・11・10(第986回)

映画「ジェミニマン」と助走開始したFRBのQE4の威力2019・11・10(第986回)

 ある高名な映画評論家が「映画史の残るエポックメイキング的」と評したので、実は上映開始の時に観た。なるほど面白い作品で、一見に値する。かつてない映像体験ができる。

 

 狙撃者ヘンリー(ウイル・スミス)は、走る列車内の標的を一撃で仕留める豪腕。ただ55歳になり、そろそろ引退を考え始めた折も折、刺客がヘンリーを襲う。

 

 この刺客は何と23歳のヘンリーのクローンだった。要するにウィル・スミスの二役によるアクションが売りの作品である。バイクチェイスがまず凄い。単なるスピード対決ではなく、バイクの前輪を上げて銃弾の盾にしたり、ともかく観せる、楽しませる。

 

 最後は、ヘンリーは息子としてのクローンを認めるのだが、その契機としてハチの汚毒で苦しむ息子を助けてやるシーンがある。しかし、それ以前の戦うシーンが皆すごい。

 

 この作品を観ていて、ヘンリーが思いがけず息子を得たように、私の投資シナリオの訂正が必要になっている、と感じた。

 

 私の近著「2020の危機、勝つ株、負ける株」(フォレスト出版 11月10日初版発行)で、私は次のようなシナリオを述べた。明らかに違う展開をっしている現実だが、反省を込めて再掲する。

 

 「この本を手に取る22019年10月末ごろに株式市場は大きな異変(つまりドカン)がやってきます」。

 

 過ちを正すに、はばかることなかれ、であるが、その前に、現実をまとめておきたい。列挙しよう。

  • NYダウなど主要三指標は、歴史的高値を更新。
  • つれて日経平均も2万3000ポイントを突破し、戻り高値を更新。

注目すべきポイントは、日米ともに株高と並行して長期金利が上昇していることだ。10年物国債金利でいうとー

 11月1日の日本の長期金利はマイナス0・185%、これが8日にはマイナス0・65%。一方米国は1・71%から、1・952%。

 

 つまろ、日本は金利マイナス幅の大幅縮小、米国はプラスの金利上昇という差はあるが、「債券売り株式買い」を開始している機関投資家がかなり存在し始めた。

 

 材料は、ある。まず日本の方は近く発表される経済対策で、大幅な補正予算が組まれる期待だ。その政策内に私が繰り返し主張している「超長期債」の大量発行が含まれることを期待している。

 

 一方米国ではジワジワと上昇しているインフレ率が恐らく主因ではないか。一方、FRBの政策金利の下げ幅の余地の少なさがそろそろ意識されてきても、おかしくない。

 

 勿論、レポ金利に伴う実質的QE4が進展していること、また米中両国の関税戦争が、多少歩み寄りを見せていることも支援材料である。

 

 特にFRBが推進している「QE4」(当局は「準備金管理」と呼んでいる。)の威力は軽視すべきであるまい。

 

 三菱UFJ証券のシニアテクニカルアナリストの宮田直彦さんによると、QE1,2,3、それぞれの上昇相場は次の通りで、三割以上も高騰している。

 

「QE1」。2009年3月 6469ドル→2010年4月 1万125ドル 74%上昇

「QE2」。2010年11月1万929ドル→2011年5月 1万2876ドル 18%上昇

「QE3」。2012年11月 1万2471ドル→2014年11月 1万7350ドル 39%上昇

 

ただし、悪材料もないではない。

 

エリザベス・ウォーレン候補の人気上昇が起こり、そこにトランプ大統領のウクライナゲートに重なれば、株安材料になる。

企業収益の減少もある。

ゴールドマン・サクスのレポートによると民主党が法人税18%から26%に戻すと、2021年の予想利益を11%を11%引きあがると予想。

 

同じく日本も上場企業は2020年3月期予想は、せいぞうぎょうが12%減益、非製造業も1%減益。合わせて4%減益予想だ。

 

こうした環境を考えると、やはり現在の新高値更新(日本は戻り高値)は、相当程度限界がある、と、結論付けられよう。

 

時期が問題だが、NYはトランプ弾劾の動向からみて、クリスマス近辺まで考えると、やはり12月中にはドカンがあるだろう。

 

日本は12月中にとりまとめられる政府の経済対策(1月の補正予算と15か月予算案の内容に注目が集まり、その内容次第。ただし公表された金額が5兆円と少なく、外国人投資家の失望売りの可能性も無視できない。

 

映画のセリフから。ヘンリーがいう。「オレの動きをアイツはすべて予知している。アイツは何者なんだ?」材料と経験則から、相場の動きは相当程度予知できる。

 

今回の私の失敗については、私を永年知っているベテランが「イマイ先生、あなたの成功率は8割はあるよ。がっかりしないで」と励ましてくれた。ありがとう!

 

結論。どかんが来たら、そこは買い場。 私はいぜん強気です。

2019年11月 5日 (火)

映画「ジョーカー」と(恐らく)2020年のトランプ→ペンスの政変と株(第985回) 2019.11.4 

映画「ジョーカー」と(恐らく)2020年のトランプ→ペンスの政変と株(第985回)2019.11.4  

 

ウォール街の友人から、この映画を私がまだ観ていないと言ったら早く観て感想を聞かせて欲しいと言われた。どうせアメコミの世界、とバカにしていた私が間違っていた。まぎれもない傑作だった。たしかに日米とも大ヒットしているだけのことはある。 

 ダークヒーローもの、だけではない。米国社会の分断をテーマにしており、しかもその「分断」の発生を明確に描写しているところにある。 

 

 不況のゴッサムシティ(NY。老いて病気の母親と暮らすアーサー(ホアキン・フェニックス)はピエロの扮装でサンドイッチマンをしてドン底生活をしている。 

 しか、アーサーには緊張するとゲラゲラ笑いだす発作があり、それが原因でクビになってしまうし、シティの予算減で薬の供給を止められてしまう。 

 世間からは「KKO」(キモくて、金のないオッサン)とつまはじきされる。 ついに地下鉄車内で酔っ払い三人にいじめられ叩きのめされてついピストルで射殺してしまう。ピエロの扮装のため警察は見逃してしまい、群衆からはヒーロー扱いされる。 

 

 現在の米国。明年の大統領選挙を控えて、エリザベス・ウォーレン上院議員の躍進ぶりが目立つ。 

 最新の世論調査では、本選でトランプ大統領と対決する場合、ウォーレン氏の支持率からみて勝利の公算大 

 問題は彼女の政策パッケージだ。 

銀行は商業業務と証券業務に分割 ②フェイスブックなどのIT大手企業の解体③シェールガス採掘のためのフラッキング(水圧破砕)の禁止④原子力発電の段階的禁止⑤再生エネルギーへの100%切替え⑥民間の医療保険は禁止し政府運営の国民皆保険⑦為替へも介入し「管理」する⑧大企業への7%法人税増税⑨年間2万ドル以上の所得15%の社会保障負担⑩資産10億ドル以上の資産には3%の富裕税、などだ。 

この政策パッケージを聞いた富裕層、巨大企業とくにメジャーオイルは、拒絶感を持ったに違いない。現在でもウォール街では「エリザベスならNYダウは25%暴落」といった観測が流れているほどである。 

当然、民主党に政権を渡さないように、様々な工作が行われるが、失敗したらどうなるか? 

トランプでは勝てないと確信したら、トランプのピンチヒッターとしてはペンス副大統領しかいない。対トランプ大統領弾劾にからんでの下院の正式調査決議にからんでの世論調査が問題だろう。 

ピュー・リサーチによると、ウクライナゲートに関して大統領弾劾については60%近くが「電話への脅迫」を「行った」と回答。ただ弾劾は同時に前副大統領ジョー・バイデン氏にも打撃を与える。トランプ、バイデンが共倒れになり、エリザベス・ウォーレンが有力になった場合、やはり唯一の切り札ペンス副大統領の登場という作戦しかないだろう。 

 

トランプ弾劾については、わが国では「上院の3分の2が実現しなければ弾劾は成立しない」という予測が行われている。 

しかし、今回のウクライナゲートが内部告発(公益通報者として保護される)がきっかけになった。次に納税申告書が税務関係者の内部化告発が行なわれれば、弾劾と同じ効果がでる。 

恐らく、米国憲法修正25条第4節を利用して、トランプ解任、ペンス大統領登場になるのだろう。 

これは私だけではない。ウォール街ではかなり前から噂されている。半分ジョークだったのが、ロシアゲートだけでなくウクライナゲートでも内部告発者の登場以来「次」がでれば致命的。これが発表されれば、閣僚、主要委員会の長の過半が賛成すれば、大統領は解任され、副大統領に政権は移る。これが米国憲法修正第25条の第4節の規定である。 

10月3日のCNNテレビでペンス副大統領がしばらくワシントンから離れると報じた。同テレビは「ペンス副大統領がトランプ大統領との間で距離を置くべきだと考えている可能性もある」とも。 

 

問題はこの政治的混乱が発生する前でも広く米国で話題になり関心が集まった場合だ。 

ご存知の通りNYダウ平均は、歴史的高値を更新しつづけている。現在の勢いではまだ、上値を追うだろうが、その後に悪材料がでれば大幅下落が発生するのが市場の常識だ。 

もちろん、以上の見解は全くの主観的なものである。発生しない可能性も勿論ある。 

しかし私なりにこの映画からいいセリフを見つけた。そのアーサーのセリフで、今日をシメたい。 

「(TV司会者の)マレーくん、喜劇は何だと思う?それは結局のところ主観に過ぎない。善悪だってそうだ。何が正しく、何が間違っているのかを決めるのは主観だ。」 

ついでにもうひとつ。 

アーサーが言う「俺がくるっているのか、それとも世間サマ?」 

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