今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ

週刊ボイスメッセージサービス『今井澂の相場ウラ読み』

広告


時事総合研究所委託編集 コメントライナー

« ミュージカル「ラ・マンチャの男」と日経平均の底値と反転とそれぞれの目標値(第983回)2019・10・19 | トップページ | 映画「ジョーカー」と(恐らく)2020年のトランプ→ペンスの政変と株(第985回) 2019.11.4  »

2019年10月28日 (月)

映画「イエスタディ」と昨年10月の思い出と意外なリスク(第984回)2019・10・27

映画「イエスタディ」と昨年10月の思い出と意外なリスク(第984回)2019・10・27

 ビートルズの美しい曲がちりばめられた佳作。「スラムドッグ・アンド・ミリオネア」の名監督ダニー・ボイルの近作だけのことはある。脚本は「ノッティングヒルの恋人」のリチャード・カーティス。

 

 アイデアがいい。主人公は売れないシンガーソングライターで、或る夜帰宅中に世界規模でのナゾの大停電。事故を起こしてしまい気が付くと病院のベッドの中。前歯を2本失っただけで済んだ。(ポール・マッカトニーのバイク事故で同じ目にあったのに由来。)

 

 退院して友人たちに囲まれ、主人公ジャックは思いつくままに「イエスタディ」を歌う。皆がいつもと違って神妙に聞き、終わると「素晴らしい」と絶賛する。要するに停電の間、この世界はビートルズが存在しなかったパラレルワールドに転移していた!

 

 これに気付いたジャックは、思い出せる限りのビートルズの曲を書き出す。

 

 ちなみにこのパラレルワールドは「コーラ」「タバコ」それに「ハリー・ポッター」までない世界。最後にジャックは大観衆の前で、これらの曲はジョン・レノン、ポール・マッカトニーなどの「ビートルズ」が作ったもの、と告白、フリーで曲をダウンロードできるようにする。そして幼馴染の女性とハッピーエンデイング。

 

 「イエスタデイ」つまり、きのう。私は昨年10月29,30,31の三日間で書き上げた(と言っても口述筆記ですが)「米中の新冷戦時代 漁夫の利を得る日本株」(フォレスト出版)を思い出した。

 

 2018年10月4日のペンス米副大統領のハドソン研究所での対中戦宣言の後で、まだ市場の様子見の域を出ていなかったが、私はこう述べた。

 

 「まだだれもいい出していませんが。私は2018年末から2019年早々に2万円割れが起こっているのではないかと予想しています。」

この予想が正しかったことは、歴史が証明してくれている。

 

 その後も、米地位覇権戦争が激しくなると、NYや日本などの株価は下落し、和平ムードが出ると、上昇、という反応を示してきたこともご存知の通りだ。

 

今回は10月24日ワシントンのシンクタンクで再びペンス副大統領が「米中関係の今後」と題して演説した。厳しい対中姿勢は変わらないが、市場筋では演説に使われた用語の数を分析、融和姿勢を好感して、NYダウは25日、152ドル高の2万6958ドル。日経平均も49円高の2万2799円で引けた。

 

演説の中で、「改革開放に回帰を」と呼びかける用語が昨年の9%から19%に上昇したことを重視した。ただ私には「中国に深く失望」が5%から10%、「知財で略奪」が3%から7%、「覇権奪取に失敗する」が5%から18%に上伸していることに注視している。市場は楽観的に過ぎるのでないか。

 

ワシントンや中南海の動向を分析する米大手シンクタンクの幹部はどう見ているか。

 

現地訪問した宮島忠直さんの報告によると「至近の難関を乗り切るための“撃ち方やめ”で、効果は短い」。

 

中国側はもっと危ない。10月18日に予想されていた四中全とが開催されたいうニュースは寡聞にして知らない。2年続けて延期されれば1980年の四人組事件以来で、習近平首席の指導力低下が決定的。対米強硬派で反習近平のグループと実権を激しく争っているに違いない。

 

 私は10月15日に「中南海の最高幹部を巻き込んだドイツ銀行の贈収賄事件の捜査の結果が習主席に報告された」というニュースを宮島さんのレポートを読んで愕然とした。

 

中国側の政治権力争いはまあ当たり前。特に香港をめぐっての失態が問題化している現在、当たり前すぎる。

 

それよりも何よりも、処理が長い間の懸案となっていたドイツ銀行の名前が出てきたことを私には重視する。

 

 デリバテイブの損失がドイツ一国のGDPの何倍にものぼる、とか、メルケル首相はキリスト教民主同盟の党首を辞任させられても首相の座にいるのはドイツ銀行の処理のためだ、とか。市場のウワサは絶えない。株価も破産レベルだし。

 

問題は不良資産の処理だろう。日本やアメリカはベイルアウトつまり銀行外の救い手の資金(つまり公的資金)で処理した。しかしEUはベイルイン、つまり預金者や株主の責任にされている。このルールと巨大すぎる不良資産との兼ね合いを、どうつけるのか。メルケル首相の任期はあと1年半だ。

 

 この時点で「ドイツ銀行」の名が明瞭に報じられたということは、そろそろ、何らかの形で(ベイルアウトだろうが)決着がつくこと、少なくとも準備が整ったことを示しているのではないか。

 

それに最近、ドイツ連銀が突然、金を買いだしたのも、何かを暗示している。

 

やはり、ドイツ銀行問題は巨大なテールリスクだ。このことは、もっと認識されるべきだろう。

 これに加えて、英国のEU離脱がある。

 

実は(これも宮島さんの情報だが)、TOPIXと英ポンドの対ドルレートと、実は87%の相関度がある。チャートを見れば歴然。

25日にポンドの対ドルレートは下降した。

やはり来月には昨年と同じく、NYダウも日経平均も下落、とみるのが妥当ではないか。

 

ただ、ヘッジファンドなどの解約はひどいが、レポ金利の高騰以来、連銀が実質的にQE4を行って株価の大幅下落を回避している。保ち合いでとどまる公算も、多少ながら、ある。

 

結論。下落が7,8割、保ち合いが2,3割。米年金の投資戦略に沿ってESG関連銘柄を狙うのがよい。「木を見て森を見ず」です。

 

ビートルズの代表作品の「ヘイ ジュード」。私はNYで困難な業務に耐えなければならなかった時代に良く一人で歌った。

「なあ、ジュード、悪いように考えるなよ

悲しい歌も、すてきな歌に変えてくるよ

彼女のことも、その心の中に受け入れてあげてさ

そうすれば、きっと良くなってゆくから」

« ミュージカル「ラ・マンチャの男」と日経平均の底値と反転とそれぞれの目標値(第983回)2019・10・19 | トップページ | 映画「ジョーカー」と(恐らく)2020年のトランプ→ペンスの政変と株(第985回) 2019.11.4  »