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2019年7月 1日 (月)

大阪G20の成果と参議院選挙後の政局と株式市場展望(第969回)2019・6・30

大阪G20の成果と参議院選挙後の政局と株式市場展望(第969回)2019・6・30

 大阪でのG20が無事終了した。安倍首相は議長としてうまくやったと思う。トランプ大統領は記者会見で称賛していた。「これから韓国に行くが金正恩と会うかもしれない」いう発言は一見サプライズだったが、やはりこれは周到に準備された話だった。第3次米朝首脳会談が板門店で行われたのはご存知の通り。これは大きな成果に違いない。

 

 一方、世界中が心配していた習近平中国主席との会談では「関税引き上げは当面しない」となった。予想どうりで、やれやれと胸をなでおろした向きもあっただろう。

 

もちろん、これで米中の覇権争いが収まったと考える人はいない。ごく一時的な手打ちに過ぎないだろう。

 

 この間に国内政局では重要な転機があった。私も含めて市場筋が期待していた「衆参同日選、消費増税再々延期(又は凍結)」の可能性が消滅したことだ。

 

 月末の参院選情勢調査で、前回参院選に近い結果が期待できると報じられたことが首相の決断に大きな影響を与えたとか。

 

 W選をやらないことは、消費増税を予定通り10月から強行するのと同意義と考えられる。この環境で増税するのは、高橋洋一さんによると財務省の復権らしいのだが、私にはどうも腑に落ちない。何かウラがあるのだろうが。

 

 それほど、現在の日本経済は、後退局面にはなっていないものの、景気の拡大テンポは極めて微弱で停滞色が強い。

 

 嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー景気循環所所長は次のように述べている。

  • 今回の消費増税は前回の2014年当時より増税幅が少ない。
  • 軽減税率や各種の需要平準化政策の採用。それに教育・保育の無償化による支出がある。

 

この2点から「影響が少ないだろう」と嶋中さんは述べている。しかし同時に「2019年度下期に前期比マイナス1.4%、しかしさまざまの措置があるのでマイナス09%の実質GDP成長率の抑制効果がある、とも。この数字は、かつての日本からともかく、現在の体力ではやはり打撃は大きいのではないか。

 

 しかも嶋中さんも指摘する通り、日銀のマネー供給は下げ止まっているものの、まだまだトレンドを大きく下回っている。

 

 さて、参院選後の政局とこの増税による成長率大幅減速をどう株式市場は織り込むのか。

 

 まず政局。6月の産経=FNNの参院比例代表で「どの政党に投票しようと思いますか」との問いに対する答えの比率を書くとー

 

 自由民主党。㋄39・9%が6月に314%で85%下降。

 立憲民主党。㋄9・3%、6月6・2%で01%下降。

 公明党。5月の4・5%。661%で16%上昇。

 

注目したいのは「わからない・言えない」が25・7%から30・8%へ51%上昇。つまり自民党のダウン分の四分の三は公明党と「わからない」が取ったことになる。

 

 実は私がひそかに注目しているのは水面下で交渉している拉致問題の進展だ。先週、官邸から密使が派遣された形跡があるし、冒頭の米朝首脳会談でのトランプ大統領の援護射撃も期待できる。721日の投票予定日までに何らかの報道があれば「わからない・言えない」組が一挙に動く可能性があるだろう。案外、議席数は落ちないのではないか。

 

 もう一つ。日銀がもう世界情勢や円高ドル安の展開で、これまでのステルス・テーパリングから金融緩和の再開を余儀なくされるであろうことだ。

 

 JPモルガンによると世界31の中央銀行のうち19が今後1年間のうちに利下げをすると予想している。

 

 重要なのは欧州のECBに続いて米FRB、英イングランド銀行、豪州中銀などが入っていること。このままでは円高で悲鳴が起きることは、必至の情勢である。

 

 マイナス金利の深堀りは、銀行特に地銀の息の根を止めかねない。どうしても国債購入のペースを現在の年30兆円ペースから一昨年のように80兆円。またETFの700億円以上の購入も6月は3回だけだったが、ピッチを上昇させる必要もある。

 

 さらに日銀が政府と政策協定を結んで、建設国債の大幅発行を消費増税の近辺に発表するのが上策だろう。明年度の予算編成に間に合うためだ。

 

 私の相場観は変わらない。マイナス、あるいは不安材料はあるものの、スケールの大きい過剰流動性相場が、世界的にスタートしたと考える。ここ2週間で流れがすっかり変わってしまったのだ。だから株価も債券利回りもいい水準だし、原油も金もビットコインもみんな高い。まだ気が付いている人が少ないだけだ。弱気は禁物。取り合えずの日経平均の目標は2万3500円から2万4000円。 

 

また以前から私が指摘してきた「米中新冷戦で日本株は漁夫の利を得る」というストーリーに合致した銘柄が生まれているのも強気の理由だ。現時点では5G基地局関連のNEC(6701),アイ・ピー・エス(マザーズ4390)がこの「漁夫の利」銘柄に当たる。今後どんどん増えるだろう。

 

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