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2019年4月 8日 (月)

映画「ローマの休日」とブレグジット・ショック 2019・4・7(第957回)

映画「ローマの休日」とブレグジット・ショック 2019・4・7(第957回)

 あまりにも著名なロマンチックな映画。オードリー・ヘップバーンがこれ1本で大スターになり、アカデミー主演女優賞を獲得。世界中に髪型が流行し、日本では「ヘップ・サンダル」という言葉も。オードリーは監督のウィリアム・ワイラーが撮影審査で発見し、プロデューサーたちの希望していたエリザベス・ティラーを拒否。やはりワィラーは大監督で、オードリーの抜擢が、この映画を永遠に残る名作にした。

 

 一方のジョーの役のグレゴリー・ペックも、もともとケイリー・グラントを念頭に置いて書かれていたのが、ケイリーが断ったため転がり込んできた。また脚本を書いたダルトン・トランボが赤狩りのおかげで映画には名前は表記されず、映画の発表から50年後のDVD発売時のようやく表記された。

 

 主演の二人、脚本、それぞれ事情があったが、ワイラー監督の強い意志で見事なチームになり、あの名作が生まれた。

 

 ところが残念なことに、私たちがデモクラシーの元祖と考えていた英国が、EUからあの離脱合意案を3回否決。「決められない政治」に世界中がはっきり言ってあきれている。チームどころか、国家の体をなしていない、と言ったら言い過ぎだろうか。

 

 英国議会は、離脱賛成派、離脱反対派、ソフトランディング派が乱立し、大混乱。ただひとつ、「無秩序な離脱」に反対、という1点では一致している。この回避姿勢が好感され、たびたびのNY株高にもつながった。

 

しかし、依然として英国議会の方向はまとまっていない。北アイルランドとの国境問題は簡単にはカタが付かない。迷走はまだ続いて、意図しないままに「無秩序なEU離脱」が発生してしまう可能性は、誰も否定できないだろう。

 

 私の旧知の友人、大西良雄さんが最近のブログで「ブレグジット・ショック」の影響が巨大なことを書いている。

 

 元東洋経済の幹部の大西良雄さんは、昨年11月の英イングランド銀行の「無秩序なEU離脱が発生した場合の影響がリーマン・ショック時より大きい」と予想している、とした。

 

 イングランド銀行は20193月に「無秩序な離脱」をした場合、2019年のGDPを最大8%押し下げる(リーマン・ショック時の2008年は625%)。

 

 また失業率は4・1%(2018年)から、75%に上昇、対ドルポンドレートは25%下落、住宅価格は30%、商業用不動産は48%の大幅下落を予想した。

 

 これほどひどい打撃を受ける理由は、英国とEUの間の貿易に、WTOの税率が適用され、国境での通関手続きや各種の検査が必要になることだ。輸出入は無税から、より重いWTO関税率がかかり、輸送効率は低下。英国を含むサプライチェーンは再編成せざるを得ない。

 

 金融機関にも混乱が発生する。シティに欧州本部を置く金融機関はEUでの営業ができなくなり、フランクフルトなどに移転するか、EU委員会に営業認可を申請したくてはならない。NYに次ぐ世界第二の国際金融セクターであるロンドン・シティの衰退は、ポンドの下落はもちろん、国際的投資資金の流れを大きく変動させる危険性がある。

 

 当然「秩序なき離脱」にはブレーキがかかる。4月3日に英議会はこうした離脱を阻止する法案を可決した。

 

 一方、EU側のスタンスは求まっていない。43日にユンケル欧州委員会委員長は「英議会が412日までに離脱合意案を承認しなければ、離脱期日の短期延長は認められない」と述べた。また「英国が合意のないままEUを離脱する公算は、現在極めて大きくなっている」とした。今後の見通しとしては「離脱なき離脱」か「長期離脱延期」か、ということになった。ところがEU大統領の方は最大一年の延期案を加盟国に打診している。反対が多いようだが。

 

 私としては、ブレグジットのリスクが意外にも発生する可能性があることを注意しようと思って拙文を書いた。

 

ただし、先週書いたように私は日本株強気の見方は変えない。というのも機関投資家の銘柄入れ替えにもかかわらず、週間300円高したこと。また41日から10年物国債金利が連日マイナス幅を少なくしていることに注目している。すなわち、41日マイナス0080、2日同0,070、3日同0.0504日同0・040、5日同0・0035、各%と5日で0045%上昇。債券の比重を下げて売却している機関投資家がいることを示す。その分は株に回るでしょう。だから、私は、強気です。

 

 映画のセリフから。ラストの王女アンと記者団の記者会見でのジョーとのやり取り。「私は国家間の友好を信じています。人と人の関係を信じているのと同じように」。ジョー「私の通信社を代表いたしまして、王女殿下の信頼が裏切られることは決してしない、と申し上げます。」現実にはなかなかこういうふうに、いかないんだなあ。 

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