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2019年3月18日 (月)

映画「天国でまた会おう」と日銀追加金融緩和とヘッジファンド(第955回)2019・3・17

映画「天国でまた会おう」と日銀追加金融緩和とヘッジファンド(第955回)2019・3・17

 

 「その女アレックス」の面白さは読んだ人にしかわかるまい。二転、三転、私はびっくりさせられた。その作者ピエール・ルメートルがミステリでない分野で、しかもフランス最高の文学賞のゴンクール賞を獲得した小説が映画化されて200万人が見た大ヒット。映画の出来もよく、セザール賞で13部門でノミネートされ5部門を受賞した。

 

 時代は第一次大戦終戦間際、好戦的な中尉プラデルの悪事に気が付いた二人の運命が交差する。アルペールは生き埋めになりかけ、それを救おうとして顔に重傷を負った若い兵士エドゥアールに「父にこの顔を見せたくない」と訴えるために、アルベールは戦死を偽装してやる。

 

 戦後パリに戻った二人の復員兵には世間は冷たい。負け犬人生を取り戻すために、エドゥアールの画才をいかして一儲けする、大胆な詐欺をくわだてる。その裏には秘められた本当の目的があった。

 

 顔の半分を失ったエドゥアールはモルヒネを定期的に欲しがる。アルベールは他の負傷復員兵に与えられるモルヒネを奪ってエドゥアールに与えてやる。ちょうど超超低金利やマイナス金利で、預金者が本来なら得るべき利息がタダみたいになってしまった。私に言わせれば一種の強奪に似ている。

 

 ご存知の通り、昨年1225日の底値の18948円から34日の2822円まで戻した。円レートも14日の10752銭から34日の112円近辺まで4円の円安。

 

 

 この間、外人機関投資家のうちヘッジファンドは「円売り、株価指数先物買い」を続けて、3月第1週時点で年初来累積2兆円に達した。

 

 「一方、大手投信や年金などの現物買いはほとんど入っていない。それどころか、現物は1月第5週から売り越している。

 パルナソス・インベストメントのストラテジストの宮島忠直さんの315日付レポートがこの理由をはっきりとわからせてくれた。以下は引用。

 

 黒田日銀総裁が最近、安倍総理から「世界景気が悪化された際の追加金融緩和策」をたづねられ、次の4点を具体的手段として掲げた。

 現在マイナス01%近辺の短期政策金利のさらなる引き下げ

 長期金利のゼロ%近傍に維持している目標のマイナス水準への引き下げ

 減少傾向を維持する予定の国債や「その他資産」(筆者がカッコづけ)の買い入れ限度の拡大

 マネタリーベース増加率の加速

 

同レポートは日銀の年間資産購入額が、201617年の80兆円から最近20兆円台まで減らしたのだから若干資産購入ワクを再度拡大することは危険ではない」という財務省幹部の声を紹介している。

 

 ヘッジファンドのマネジャーに聞くと「4月からのこの金融政策で、円売り株価指数買いを維持、拡大する」と。まあポジション・トークで例によって10連休を利用して何か仕掛けるのだろうが、これで4月いっぱいは高そうだ。

 

 円レートの方は、テクニカル・アナリストとして極めて少数派になった“強気”の三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ・テクニカルアナリストの宮田直彦さんが「円安が加速化する」という予想を立てている。

 

 早速聞いてみたら「シカゴ為替市場で注目されている非商業部門とされている投機玉の先行指数として“非報告部門”が円売りに転じている」と。小口の投資は非報告になるとのこと。たしかにこの指標は、主力部隊の動向に先行している。(グラフが出せないのは残念だが)

 

 宮田さんは「昨年12月の底から、日経平均とTOPIXは、エリオット波動ではサード・オブ・サードというダイナミックな強気相場に入った可能性が高い」としている。「不景気の株高」という位置づけだ。

 

 映画では、復員兵エドウァールの姉が悪役ブラデルの妻になっている。妻は夫の悪事に気付いて、何とか妻の父の大物に自分のスキャンダルのモミ消しを頼む夫に言う。「私は父に頼みたくない。あなた自身に興味がなくなったの。」

 

 個人投資家はみな弱気になり、市場に興味を失ったように見える。しかし宮田さんは1月大発会の19000円が底値で12月に25500円を目指す、と。円レートは115120円。

 

 私は冒頭に引用した宮島レポートの日銀の追加金融緩和が始まれば、世界の不況やテールリスクもごく一時の下落にとどまるだろうと希望する。年末になれば、勝負が決まる。

 

 私の先生のサー・ジョン・テンプルトンの言う。「悲観の中で上昇相場は生まれ、懐疑のうちに育つ」になればいいのだが。

ところで、来週のこのブログはお休みです。あしからず。

 

2019年3月11日 (月)

映画「運び屋」とテクノ冷戦と次の「アップル・ショック」 2019・3・10 (第954回)

映画「運び屋」とテクノ冷戦と次の「アップル・ショック」2019・3・10 (第954回)

 

 クリント・イーストウッドの10年ぶりの主演・監督の最新作。8月に84になる私としては89歳のクリントの活躍は本当に心強い。オレも頑張らなくっちゃ。

 

 原題は「THE MULE」動物のラバつまり雄ロバと雌馬の雑種のこと。「麻薬を密輸するために外国から雇われる素人旅行者」の意味らしい。

 

 ストーリーは方々で紹介されているが、実話をベースにしており、90歳の退役軍人で達人園芸家が、ビジネスに失敗し差し押さえられ家族からは総スカン。そこにメキシコの犯罪組織からアメリカ大陸を縦断する麻薬の運び屋の仕事を世話される。高額の報酬を方々に寄付し、財産を取り戻して、主人公は放置していた妻や娘に償いをする。

 

 一方、ある麻薬取締官が大物の運び屋の存在をかぎつけて、捜査を開始。主人公の方は犯罪組織の内部抗争に巻き込まれてしまう。そこに妻がガンで死の床についてしまい、納期までに麻薬を運べなくなり、破局に至る。

 

 昨年10月4日のペンス米府大統領の対中「新冷戦」宣言以来、NYダウは18%下落し、1月、2月、3月と戻って下げ幅の94%回復。しかし、FAANG

はまだ高値比で戻りが鈍い。

 

ペンス演説でグーグルが名指しで警告されたのと関係があるだろう。同社は中国でインターネット検索サービスを提供を行い一時撤退していたが再び進出しかけていた。

 

 日本なら新聞で叩かれそうだが、そうではない。実は同社の従業員が1400人連名でNYタイムスに公開質問状を掲載している。その後グーグル経営陣は同計画の中止を声明した、とか。対中国への米国全体の猛烈な警戒感だろう。

 

 ハイテク銘柄は中国に生産ネットワークをかなり依存している。アップルの場合、上位200社のうち36が中国企業、ここは間違いなく今後生産体制の変更を余儀なくされるだろう。つい先日「アップル・ショック」があったのは記憶に新しいが、第2のショックはそう遠くあるまい。四半期ベースの決算で、近い内と思うが赤字になれば大株主の機関投資家、特に年金が持ち株を減らす内部規定がある。戻りは売られるケースが出てくだろう。

 

 要するにユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏のいう「テクノ冷戦」は、、グローバルなビジネスモデルの企業、とくにハイテク企業に大打撃を与える。これが株安につながるのは、ハイテク7社がS&Pの5年間の上昇の37%を占めていることから、お分かりいただけよう。

 

 米国側の対中要求というか、先端技術をめぐる争いは①ハッキングによる知的財産権の窃盗②政府や企業へのサイバー攻撃③中国への外国進出企業への知的財産移転強制などのなどなど。327日と予定されていた米中首脳会談が延期されたのもうなづける。習近平氏にとってメンツもあるし、そう簡単にOKを出せる問題でない。

 

問題は、サイバー攻撃や電磁波攻撃が安全保障につながることだ。

 

 先日小野寺五典前防衛相と吉田正紀前海将のお話を伺うチャンスがあった。

 

 

 不勉強だった私は大変ショックを受けた。20142月、ロシアがクリミア半島を奪った手法に見られるように、最近の戦闘は全く変わっている。ロシアは電磁波による攻撃でウクライナ軍の通信を遮断、GPSを狂わせ、砲弾の電子信管を誤作動させて無力化し、軍隊が出動させる前に勝負がついていた、と。ハイブリッド戦争といわれる。これに気付いたマクマスター中将は全軍のバックを得て、トランプ大統領に2017年に「国家安全保障戦略」の策定を決めさせた。電磁波対策とともに「宇宙軍」設立も決めた。

 

 これを受けて日本も従来10年に一度改訂していた防衛計画大綱を2018年に決定、当時の小野寺防衛相は最新技術を学ぶべくラトピアのigaNATO

のサイバーセンターに先週防衛担当官を派遣した、とも。新しい大綱が前記した内容になったのも当然だろう。「テクノ冷戦」が今後とも激化、長期化するのは時代の流れというものだろう。つれて第二の「アップル・ショック」が起きるのも。

 

 私はいま、強力な電磁波を送れる機器のメーカーがどこか一生懸命調べているのだが、まだ分からない。分かれば長期投資先としてこんないい銘柄はあるまい。NYダウの方は、いま三尊型の天井形成にかかっているので、とても強気になれない。ただしトランプ・ツイッターで言うように、米中関税戦争が終われば急上昇するだろうが。

 

 映画のセリフから。私が思わずウルウルした夫と妻のやり取り。妻は、死の床にあり、1か月も持たないといわれている。「昨日(過去}の私より、今日(現在)の私の方を愛してる?)「さあ、明日(未来)ほどじゃないなあ」。

 

 ところで、嬉しい話を。日系ヴェリタス最新号のアナリスト・ランキングで、昨年ランクダウンして義憤に駆られて私が怒ったパルナス・インベストメントのストラテジスト宮島忠直さんが再びベストスリー入りしたこと。やはり世の中、正しい評価をしてくれるもんですね。この人は、情報の「運び屋」としてトップクラスの方です。

  

再来週の324日のこのブログはお休みさせていただきます。

 

 

2019年3月 4日 (月)

映画「翔んで埼玉」と日韓関係と3月買い場(第953回) 2019・3・3

映画「翔んで埼玉」と日韓関係と3月買い場(第953回)2019・3・3

 私の生まれは江東区深川清澄町だが、小、中、高と埼玉県浦和市、現在のさいたま市浦和区で育ったいわば準埼玉県民だ。昭和20310日の東京大空襲で深川の家は焼け出され、祖父の隠居所だった浦和にコロがり込んだ。

 

 本当は埼玉を、からかいまくる映画だから、パンフレットにも「埼玉の皆様、映画化してゴメンなさい」。とある。でも映画館は満員だし、皆ゲラゲラ笑っているそうだ、と聞いてさっそく観たが、びっくりした。本当だったのだ。

 

 原作は未完の劇画。それを「テルマエ・ロマエ」の竹内英樹が監督、主演は私のお好みの二階堂ふみ。まあ楽しめるから気楽にご覧ください。私が笑ったところは最後に書きますから。

 

 最近面白かったやことは、今回のトランプ=金会談の物別れについての報道と現実の格差だ。ワシントンでは共和、民主両党とも「北に譲歩しなかった大統領」として評判が良かった反面、NYタイムス、ワシントンポスト、WSJなど「失敗」「成果なし」などの冷たい見出しを揚げたことだ。

 

 私は思い出す。かつてレーガン=ゴルバチョフの会談が8610月にレイキャビクで、開かれたが、米ソ和解をいったん破談にし、反対派を説得して回ったあと89年のマルタ会談で話をまとめた。

 

ケンカ別れでない限り、米朝問題は本年2月では問題解決には早すぎる。大統領選は来年11月だし。

 

 今回の物別れが、計画的な破局だったと考えられるのは、二日目の閣僚参加会議にこれまで米朝関係を好転させようとしていたビーガン特別代表は後ろに座り、ポンぺオ国務長官とボルトン安保担当補佐官がトランプ大統領の両脇に座った。おそらくボルトンに厳しい条件を言わせたのではないか。

 

 どちらにしても、今回の会談決裂でトクをしたのは日本、安倍首相に違いない。

 

 破談にならなければ、金主導の下で文大統領が推進していた「北」が核保有したまま南北連邦のシナリオが進行してしまっただろう。逆に懸命に対「北」の制裁緩和をオイシイ話をしながら推進してきた韓国文大統領は、トランプ大統領に「オマエの言ってきた話と違うじゃないか」と言われそうだ。ともかく文韓国大統領は米国には「金氏が完全廃案の意志あり」と、また「北」には「制裁緩和が近い」という八方美人外交をしてきたのだから。

 

 日本?米国が下手に融和姿勢に傾いて、北の非核化、拉致問題なども前進がないまま制裁緩和なんかやられたら、たまったもんじゃない。その意味では、ソンをしなかった。

 

 まあ今回は、これでひとまず胸をなでおろしたが、例のいわゆる徴用工問題、それに先立つ慰安婦問題、レーダー照射、韓国国会議長の天皇陛下への暴言など。早く核つきで南北合邦して、日本から金を巻き上げようという政権が、韓国を握っているんだから、ひどいことばかり。

 

 レーダー問題は民主党が政権を握っていた悪夢の3年間に何回かあったらしいが、当時は一言も抗議しなかった、とか。日本の方にも一端の責任はあるかも。

 

そうそう。今回「翔んで埼玉」を観ていて感じたのは、埼玉県民に対するいわれなき差別と日韓と似ているな、ということを。

 

 いま南と北の北朝鮮人が日本に対して持っている対日劣等感と、逆に古代の文明伝達者として持つ優越感、つまりアンビリバレントな感情があるのではないか。

 

 私は日債銀にスカウトされたとき、頭取から世界中の支店を回ってください、と言われて最後にソウルに行った。駐在事務所があり、その所長はDという旧大名の子孫だったが、山一時代から知っている韓国人が「日債銀には絶対、商談なんか持ってかないよ」と耳打ちしてくれた。「何故?」「だって豊臣秀吉の家来だから」。驚き呆れた私にその韓国人は「私の知人に住居を秀吉の家来に焼かれた、と言っているよ。」呆れた!

 

 今回は相場の見通しとちょっと違う内容なので、がっかりされましたか?実は、」再来週あたりの押し目を狙うつもりです。ところで、少々、セリフから―。

 

 「つい10年ほど前はランプと囲炉裏で生活したほど。やっと電気が通じて、テレビは庄屋様の家に集まって見物―。

 「県知事閣下はいまだに県民から年貢を取り立てています。

 「埼玉は東京に行くのに通行手形が必要です。なかなか手に入らないので運よく花の都東京に行かないで一生終わる人も多い」

 

 最後に「埼玉県のうた」から抜粋を。

 「どんなに歩いても海がない。経済企画庁の調べでは住みにくい県第1位は埼玉、しかも6年連続」

 「最多の自慢は快晴日数日本一、せっかく晴れてもお出かけスポットがない」

 これ以上書くと「埼玉の女性は日本一の貧乳」(某タレント)とか「ダサイ(別の有名タレント))とか、ひどいことになるので、今回はこれで終わり!

 

 

 

 

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