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2019年3月11日 (月)

映画「運び屋」とテクノ冷戦と次の「アップル・ショック」 2019・3・10 (第954回)

映画「運び屋」とテクノ冷戦と次の「アップル・ショック」2019・3・10 (第954回)

 

 クリント・イーストウッドの10年ぶりの主演・監督の最新作。8月に84になる私としては89歳のクリントの活躍は本当に心強い。オレも頑張らなくっちゃ。

 

 原題は「THE MULE」動物のラバつまり雄ロバと雌馬の雑種のこと。「麻薬を密輸するために外国から雇われる素人旅行者」の意味らしい。

 

 ストーリーは方々で紹介されているが、実話をベースにしており、90歳の退役軍人で達人園芸家が、ビジネスに失敗し差し押さえられ家族からは総スカン。そこにメキシコの犯罪組織からアメリカ大陸を縦断する麻薬の運び屋の仕事を世話される。高額の報酬を方々に寄付し、財産を取り戻して、主人公は放置していた妻や娘に償いをする。

 

 一方、ある麻薬取締官が大物の運び屋の存在をかぎつけて、捜査を開始。主人公の方は犯罪組織の内部抗争に巻き込まれてしまう。そこに妻がガンで死の床についてしまい、納期までに麻薬を運べなくなり、破局に至る。

 

 昨年10月4日のペンス米府大統領の対中「新冷戦」宣言以来、NYダウは18%下落し、1月、2月、3月と戻って下げ幅の94%回復。しかし、FAANG

はまだ高値比で戻りが鈍い。

 

ペンス演説でグーグルが名指しで警告されたのと関係があるだろう。同社は中国でインターネット検索サービスを提供を行い一時撤退していたが再び進出しかけていた。

 

 日本なら新聞で叩かれそうだが、そうではない。実は同社の従業員が1400人連名でNYタイムスに公開質問状を掲載している。その後グーグル経営陣は同計画の中止を声明した、とか。対中国への米国全体の猛烈な警戒感だろう。

 

 ハイテク銘柄は中国に生産ネットワークをかなり依存している。アップルの場合、上位200社のうち36が中国企業、ここは間違いなく今後生産体制の変更を余儀なくされるだろう。つい先日「アップル・ショック」があったのは記憶に新しいが、第2のショックはそう遠くあるまい。四半期ベースの決算で、近い内と思うが赤字になれば大株主の機関投資家、特に年金が持ち株を減らす内部規定がある。戻りは売られるケースが出てくだろう。

 

 要するにユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏のいう「テクノ冷戦」は、、グローバルなビジネスモデルの企業、とくにハイテク企業に大打撃を与える。これが株安につながるのは、ハイテク7社がS&Pの5年間の上昇の37%を占めていることから、お分かりいただけよう。

 

 米国側の対中要求というか、先端技術をめぐる争いは①ハッキングによる知的財産権の窃盗②政府や企業へのサイバー攻撃③中国への外国進出企業への知的財産移転強制などのなどなど。327日と予定されていた米中首脳会談が延期されたのもうなづける。習近平氏にとってメンツもあるし、そう簡単にOKを出せる問題でない。

 

問題は、サイバー攻撃や電磁波攻撃が安全保障につながることだ。

 

 先日小野寺五典前防衛相と吉田正紀前海将のお話を伺うチャンスがあった。

 

 

 不勉強だった私は大変ショックを受けた。20142月、ロシアがクリミア半島を奪った手法に見られるように、最近の戦闘は全く変わっている。ロシアは電磁波による攻撃でウクライナ軍の通信を遮断、GPSを狂わせ、砲弾の電子信管を誤作動させて無力化し、軍隊が出動させる前に勝負がついていた、と。ハイブリッド戦争といわれる。これに気付いたマクマスター中将は全軍のバックを得て、トランプ大統領に2017年に「国家安全保障戦略」の策定を決めさせた。電磁波対策とともに「宇宙軍」設立も決めた。

 

 これを受けて日本も従来10年に一度改訂していた防衛計画大綱を2018年に決定、当時の小野寺防衛相は最新技術を学ぶべくラトピアのigaNATO

のサイバーセンターに先週防衛担当官を派遣した、とも。新しい大綱が前記した内容になったのも当然だろう。「テクノ冷戦」が今後とも激化、長期化するのは時代の流れというものだろう。つれて第二の「アップル・ショック」が起きるのも。

 

 私はいま、強力な電磁波を送れる機器のメーカーがどこか一生懸命調べているのだが、まだ分からない。分かれば長期投資先としてこんないい銘柄はあるまい。NYダウの方は、いま三尊型の天井形成にかかっているので、とても強気になれない。ただしトランプ・ツイッターで言うように、米中関税戦争が終われば急上昇するだろうが。

 

 映画のセリフから。私が思わずウルウルした夫と妻のやり取り。妻は、死の床にあり、1か月も持たないといわれている。「昨日(過去}の私より、今日(現在)の私の方を愛してる?)「さあ、明日(未来)ほどじゃないなあ」。

 

 ところで、嬉しい話を。日系ヴェリタス最新号のアナリスト・ランキングで、昨年ランクダウンして義憤に駆られて私が怒ったパルナス・インベストメントのストラテジスト宮島忠直さんが再びベストスリー入りしたこと。やはり世の中、正しい評価をしてくれるもんですね。この人は、情報の「運び屋」としてトップクラスの方です。

  

再来週の324日のこのブログはお休みさせていただきます。

 

 

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