今井澂プロフィール

講演・出演など

お問合せ

週刊ボイスメッセージサービス『今井澂の相場ウラ読み』

広告


時事総合研究所委託編集 コメントライナー

« 2019年1月 | トップページ | 2019年3月 »

2019年2月25日 (月)

映画「サムライマラソン」と最長景気記録更新と今・来週の市場の 激動(第952回)2019・2・25

映画「サムライマラソン」と最長景気記録更新と今・来週の市場の激動(第952回)2019・2・25

 主演の佐藤健が妻のお気に入りで、私としては珍しく試写会で見たのに2回目を。時代劇なのに英国人の監督、しかも注意してみたら黒澤明監督作品のオマージュが沢山ちりばめられていて、面白かった、エンターテイメントとしてまずまずじゃないかな。

 

 安政2年(1855年)安中藩の藩主・板倉勝明は心身鍛錬の目的で、50歳以下の藩士96名を安中城門から碓氷峠の熊野神社まで29キロ強を徒歩競争させた。「安政遠足(とうあし)」と呼ばれ日本のマラソン発祥とされている。原作は土橋章宏氏の連作短編で、有名な「超高速参勤交代」のように、従来の時代ものとはひと味違った楽しさがある。

 

 お話は入り組んでいるので簡単に。藩主命令として藩士たちは恩賞目当てで張り切るが、代々幕府による隠密として派遣されていた主人公の密報で、幕府への謀反の準備として刺客を送り込む。藩士はこれに気付き、そこでポスターにもある通り「行きはマラソン、帰れば戦(いくさ)」となる。

 

 私はご存知の通り方々で講演して歩くが、ここ12年、人手不足の話はよく聞くが「お陰様で景気がいい」、という言葉は聞いたことがない。

 

 にもかかわらず、「景気回復期間が戦後最長になった可能性がある」と茂木経済担当相が1月の月例経済報告の場で述べた。

 

たしかに本年1月で201212月からの景気拡張期は74か月、これまでの記録の73か月を上回った。ただし、その後の2月の月例報告では14の景気判断の項目のうち「生産」「企業収益」が下方修正。1月の「輸出」も加えて3項目になった。

 

 しかも、その後戦後最長の景気が転換点を迎えていることを示す経済指標が続出している。

 1月の工作機関受注額は14か月連続減少し、前年同期比188%減。

 1月の全国百貨店の訪日客向け免税店売上高は前年同月77%減で26か月ぶりに減少。好調だったインバウンド消費にかげりが見え始めた。

 20193か月期の企業収益は日経予想で金融を除く全産業ベースで17%減益。3年ぶりだ。

まだある。中国の景気急減速は方々で取り上げられているから省略するが、肝心の米国景気が2月のフィラデルフィア連銀製造景況指数はマイナス4・1%で先行き指標は悪化に転じている。また201913月期のS&P500種の純利益もマイナス3・0%と22年半ぶりの減益を予想されている。

 

 もともと前記したように消費者や中小企業や地方では、景気がいいという実感に乏しい。日経の217日調査では78%が「実感していない」と答え「実感している」は16%に過ぎない。

 

 わたくしはこの状況で、10月の消費税を10%にするのは自殺行為に近いと思う。しかし、2月に公表された昨年1012月の成長率が実質14%のプラスになってしまった。本来なら昨年79月期のマイナス26%に続いて速報値がマイナスだったら、2期連続マイナスで増税延期または廃止の大義名分が立ったのだろうか。確報値待ちの形だ。

 

 最悪の形は増税を決めてしまった後に、世界景気の減速化、ひょっとすると何らかの大事件があったらー、だろう。たとえば、の話。米朝会談で南北の合邦に至る金委員長や文大統領が目指す。核を持った朝鮮半島が実現しそうになったら、どうしますか?

 

その場合は私が近著でご紹介した「永久国債」しかテはあるまい。おすすめ

は、元衆議院で東京大学大学院教授の客員教授をしている松田学さんの著書「サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う」か「今知っておきたい「やさしいおかね」の話」(近刊)がいい。私の本では159ページから、56ページほど立ち読みしてください。

 

 ところで相場の話をしたい。現在21500円直前まで戻したが、この水準にはコールオプションの建玉がヤマのようにあり、なかなか上へ行くのは大変ではないか。うまく抜いたらもちろん上昇のスピ-ドは早まるだろうが、景気の先行と企業収益の先行き見通し難で、その確率は低いと思う。

 

 加えて、パイオニアの上場廃止による日経225種の新規採用銘柄が村田製作なのか、オムロンか、ルネサスエレクトニクス(大和総研予想)で市場への影響は大いに異なる。

 

 17000円の村田だとパイオニアの売却代金では全く足りない。2650万株の買い需要が殺到し、2万円に上昇と仮想すると225連動ファンドは5300億円の売却資金が必要だ。オムロンでも1400億円、ルネサスはほとんど買い需要は発生しない。これが31日の引け後の発表で翌日から数日間はこれに振り回されること必至だ。

 これに米朝、米中の首脳会談などの外交交渉が入る。38日のSQ前には相当相場は荒れるとみておくべきだ。私は大きな押し目を期待(?)しているのだが。

 

 映画のセリフから。藩主に幕府の隠密がピストルを出してすごむ。藩主は茶をゆっくり入れながら言う。そちたちの国ではそんなものが必要だろうが、日本では不要じゃ。安定した国だからな」。現代はそうはいかないんですよ。

 

2019年2月18日 (月)

映画「メリー・ポピンズ・リターンズ」とジョージ・ソロスが 私によこしたメール(第951回)2019・2・17

映画「メリー・ポピンズ・リターンズ」とジョージ・ソロスが私によこしたメール(第951回)2019・2・17

 私は本作を観る前に1964年の「メリー・ポピンズ」を見直したが、今回の「リターンズ」は旧作をほぼなぞったストーリーの組み立てだ。当たり前か。メリー・ポピンズがバンクス家にやってきて子供たちと楽しく歌って踊って、空に帰ってゆく。

 

 大きな違いは、やはり「時代」だろう。前作は1911年、今回は1935年のロンドン。前回は大好況、今回は大不況。この間に第一次世界大戦があり、世の中は暗い。

メリー・ポピンズはこの暗い時間を楽しくさせ、希望を持たせるーという映画になっていた。

 

 バンクス家の子供二人は大人になり、成人した弟の子供は三人、妻は亡くなっている。自立した姉と5人暮らし。バンクス家の家屋が差し押さえになる危機と意外な財産の発見でのハッピーエンド。

 

 画面は美しいし音楽も上々。エンドロールの音楽では前作からの懐かしい曲が出て来て私は嬉しかった。特に競馬場での呪文の歌!「スーパーカリフラジスティックエクスピアドーシャス」!嬉しかったなあ。

 

 今回もっと嬉しかったのは前作で大道芸人の役を演じたデイック=ヴァン・ダイクが銀行の元頭取役としてサプライズ登場。なんと93歳(!)なのにテーブルの上でタップダンスを踊って見せた。どうしても次は平原綾香が歌う吹き替え版を観たいな。

 

 さて、相場の方は一部のヘッジファンドがオプションの売り玉買戻しで、私の計画していたバレンタイン・ショックを利用して日経ブルを買うという作戦はしばし延期。今回は久しぶりに私にメールしてきたジョージ・ソロス氏の「ヨーロッパよ、お願いだから、目を覚ましてくれ」というレターをご紹介しよう。

 

 1991年のソ連解体に似たEUの空中分解が迫っている。「欧州国民は早く目を覚まして現実を見なさい」という警告文だ。

 

内容は次の通り。

第一に5月に迫ったEU議会選挙である。「不運にも(とソロス氏は言う)、アンチEUの議員が大量に当選、EU内部での国ごとの差別を問題にすると思うが、EUの法体系からが難しい。EUスタート時の公平・平等の精神は今はないに等しい。

 

次はEUの中心であるドイツ。与党のキリスト教民主同盟(CDU)と、バヴァリア州をベースにしたCSUの連合は、持続不可能だ。すでに昨年9月の地方選挙で、ここ数十年間にない大惨敗を喫した。これにみどりの党の台頭があり、政治的な動搖は目をおおうばかりだ。

 

英国もブレグシットに絡んでのメイ首相とコービン党首との対立があり、しかも両党の内部も分裂している。イタリアには2017年のダブリン協定を押し付けるという致命的な失敗を冒し、EUとの関係はこれ以上とないほど悪化している。

 

このほかソロス氏は「そんな異常事態にもかかわらず、EUの投票者たちはほとんど無関心で、EUを維持しようとする設立当初の意欲が見られない」として「第2のソ連解体」を警告している。

 

私は、ユーロというと思い出がある。

 

 私は先日亡くなった堺屋太一さんが経済企画庁長官で、いまは日銀の審議委員をしておられる原田泰さんが外国調査課長の時、当時近く発足するとして関心の深かった「ユーロ」についての調査会に参加を依頼された。

 

欧州経済の専門家の大先生ばかりで少々たじろいだが、「実務家として、理想論に茶々を入れたら」と言われてお引き受けした。欧州通貨統合研究会という名だった。確かに陽のあたる場所に出たという気負いからの、あまり現実に足の着いた議論は少なく、私はいつも水をかける側だったと記憶する。

 

この体験から、母校慶應義塾大学に講師として招かれ、私は3年「EU経済論」を講義させていただいた。故堺屋氏、お元気な原田氏、それに故人となられた慶應義塾の白石孝先生には恩義がある。亡くなられたお二人に、改めてご冥福を祈ります。

 

 話がズレました。ドイツ銀行のデリバテイブ」の損失はいまや「7000兆円か7900兆円」とされており、メルケル首相はこの後始末のために留任している、とのウワサが絶えない。

 

ドイツ銀行の株価もひところ35ユーロだったのが七分の一の破産相場で、デットジュビリーつまり債務帳消し、昔流にいうと「徳政令」でもやらないと処理できないとうわさされている。リーマンの比ではない騒ぎが発生するかも。そう、米中だけじゃないんです、世の中は。

 

映画のセリフから。メリー・ポピンズが母を亡くした子供たちに言う。「消えてなくなるものなんて一つもないのよ。目の前からは消えるだけ」。メルケル首相はデリバティブの損が毎日消えてくれたらなあと思っているだろうが、現実は厳しいのです。

2019年2月12日 (火)

映画「マスカレード・ホテル」とジワジワ迫る今年の買い場 (第950回)19・2・11

映画「マスカレード・ホテル」とジワジワ迫る今年の買い場

(第950回)19・2・11

 

 東野圭吾作品の映画化は多いが、私は「ガリレオ」シリーズの福山雅治、「新参者」シリーズの阿部寛が適役だったので、この「マスカレード」シリーズがだれを主役にするのか関心があった。ところがパンフレットを見たら、東野氏は主役の新田警部補に木村拓哉を想定していた。なるほど、私は長沢まさみも適役と思う。

 

 「マスカレード」とは仮面舞踏会の意味だが、ホテルに来る人は本当の自分の顔の上に面をかぶっているという意味もあろう。映画は主役の2人のほかに山ほど腕っこきが出ているので、演技合戦も楽しい。とくに笹野高史、松たか子がうまかった。

 

 都内で起きた三件の殺人事件。すべての現場に残された数字の羅列から、警察は予告殺人を防止するため、想定される犯行現場である高級ホテルのコルテシアに警官を配備することにした。あとは全く手掛かりのない犯人を待つしかない。そこで主人公の新田警部補(木村拓哉)はホテルマンに化け、経験はさほどないがフロントとして優秀な山岸(長沢まさみ)が、教育指導にあたる。

 

 いつかは必ず発生するが、目先は根拠の乏しい状況―それが現在世界が落ち込みかけている「新冷戦不況」だろう。1月の「アップル・ショック」とか日本電産永守会長の「尋常ならざる、私の46年の経験からみても初めて」という販売の落ち込みなど「証拠」は出ているが、一部のエコノミストにはまだ「中国のせいではない」というあきれた楽観論もある。

 

飛んでもない、と私は考える。

 

 2019年は米中覇権争いの第2年だ。

 

抗争が激化することは、まあ間違いない。一時的には休戦状態がおきることはああっても、グローバルなプラットフォーマー企業(アップルはその代表)は新冷戦により、ピーク時の利益の数分の一、あるいは赤字になるくらいまで業績悪化が起きるだろう。「アップル・ショック」は今後何回も発生するに違いない。

 

 アップルは双日総研の吉崎達彦さんによると「米国で設計し、中国で製造して、全世界で販売する“いいとこ取り”のグローバリズムの申し子」だ。GAFAと呼ばれるほかのハイテクも同じ。要するにITバブル崩壊の再来、とわたくしは考えている。あの時も人気銘柄は惨憺たる減益が続いた。

 

  再びアップルの部品供給会社を上位200社の配置で見る。①台湾45②日本43③米国42④中国36.中国の部品供給は斬られるから、中期ではゼロになるだろう。逆に日本には配分が増える可能性もあるが、目先の12年は対アップルのサプライヤーは注文激減に苦しむに違いない。

 

 当然、企業業績は悪化する。20181012月期の最終利益は金融を除く全業種で23・8%減、うち製造業は32・7%もの減益となっている。20203月期の上半期の企業収益の折り込みにかかる春先の株価は、今、来週に下落。今年の安値を付けると予測している。昨年1225日の19155円近くと予想している。ダブル底で形がよい。

 

 早ければ6月、遅ければ9月から今度はこの213月期の企業収益を織り込みに入るが、ここで消費税引き上げがあれば、前記した底値を割り込んで、世の中の大騒ぎで「百年に一度」という見出しが出るに違いない。

 

そこで私が以前から予想している永久債が具体化への第一歩を踏み出し、日経平均3万円への道が開かれる―というのが私のシナリオだ。

 

 では、何を底値で狙ったらいいのか。私ならETFの日経ブルを狙うが。内需中心の優良銘柄でもいいだろう。

 

 映画のセリフから。新田がバスローブを理由にホテルから金をおどしとろうとした男を見抜いていう。「人を疑うのがオレたちの仕事です。ダテに目付きが悪いわけじゃない」。プロはダテにプロじゃないんです。

2019年2月 4日 (月)

トランプ支持基盤が下落 「何か」が起きる2月(第949回) 2019・2・3

トランプ支持基盤が下落 「何か」が起きる2月(第949回) 2019・2・3


 女優グレン・クローズが本年度のゴールデン・グローブ主演女優賞を獲得した話題作が公開され、さっそく観た。「天才作家の妻―40年目の真実」だ。

 

 作家宅にノーベル文学賞受賞の吉報が届く、作家夫妻は息子とともに式典に参加する。そこに作家の経歴や能力に疑問を持つ記者が夫婦の秘密を執拗に探り始め、長年ひた隠しにしてきた事実が明らかになってゆく。妻が夫のゴーストライターとして支えてきたことだ。

 

 晴れがましい場に引っ張り出されて、いろんな秘密がばれる、という話はよく聞く。

 

 120日に治世3年目を迎えたトランプ大統領。すでに再選に向かってエンジンを全開しているが、ご存知の通り逆風が続出している。株価下落、ロシアゲート、公職選挙法とトランプビジネス、女性関係、民主党多数の下院を率いるペロシ議長との対立激化、最長記録を更新した部分的閉鎖とトランプにとっては屈辱的な再開などなど。

 

これに2月下旬と取りざたされているムラ―特別検察官の報告書が発表される。最近の世論調査では中道からやや左とみられているクイニビアック大学、ABCとワシントンポストでは「支持」が38%で「不支持」は57%から58%。

 

 では、なぜか。

「政府閉鎖が起こった元凶はトランプ」という認識が一般化したところに、トランプは「政府職員はどうせヒラリーに入れた連中さ」という暴言が人気下落に拍車をかけた。

 

 首席補佐官のケリー氏が去り、ヒックス広報部長もいなくなったので、トランプ大統領の岩盤とされてきた支持基盤が低下を始めている。

 

 トランプ公認とされるラスムッセン調査では最近119日の数字は1か月前に比べて激減。「支持する」は7%減の43%、「支持しない」は9%増の57%である。

 

広く知られている「リアル・クリア・ポリティックス」の一流調査の平均値では41・8%。トランプお好みのFOXニュースでは「支持」43%に対し「不支持」が実に54%。前記した高官がいなくなってから、トランプ・ツィッターが一段と、稚拙でグレードの低いものに変わった。ツィッタ―を武器に使えなくなっている。

 

 この有利な状況を見て民主党の有力政治家が続々と2020年の大統領選挙へ出馬を決めつつある。

 

 東北部リベラルの旗手エリザベス・ウオーレン、カリフォルニアの人気司法長官カマラ・ハリス、ニューアーク市長から転じたコリー・ブッカー。(敬称略)

 これらの政治家は共通点がある、いわゆる「ホワイト」ではないことだ。ウォーレンは祖先にアメリカ原住民がいたし、ハリスはインドとジャマイカ系。ブッカーはアフリカ系の黒人、明白にトランプ地盤と違う層の出身者だ。

 

 株安と乱高下で米国経済の先行きに不安が出、しかも世論の多くが政府閉鎖の責任はトランプ、とされている。司法省、国防総省は、責任者が決まっていない。民主党の政治家たちがチャンス到来、と意気込むのは当然すぎるくらいだ。

 

 注目される米国投票者の変化が、1月15日にまとまった主要四世論調査で読み取れる。「BASE」と呼ばれるトランプ支持層に、始めて「トランプ離れ」の兆しが出たことだ。

 

 2016年のトランプ支持層は「低学歴の白人層」だが、支持率は1年前の54%が50%に、不支持率は37%から実に11%アップの48%に上昇している。(ピュー・リサーチセンター)。

 

 トランプ当選の決め手だった「都市郊外有権者」でも支持率は昨年12月の51%が42%に、また不支持は39%から48%に急増している(マリスト調査)。

 問題は今や42%を占め、最大の有権者層である無党派層に、反トランプ機運がみられることだ。たとえばー。

 

 クインビック調査「不支持」58%で7%増

 マリスト調査「不支持」57%で8%増

 

 両調査とも「支持」は、37、38各%で、トランプ就任以来初めて40%を割り込んだ。

 

「BASE」と呼ばれるトランプ大統領の基盤も昨年12月に36%から1月19日には31%に減少。あと20%は無党派層から票を集めなければならない。

 

 「一時的な現象」と共和党全国委員会は公表している。根拠は経済の好調さだが、19日発表のミシガン大学の消費者信頼感指数は9007年と昨年12月の98・03から大幅に低下し、2016年10月以来の低水準。株価もリバウンドしているが、上昇基調を取り戻した、とは言えない。大統領選挙戦は「経済次第」というのが1910年代以来の鉄則であるが、逆風が吹き始めている。

 

 この情勢を観て「リムジン・リベラル」と呼ばれる白人男性金持ち実業家がトランプ再選阻止に立ち上がった。

 

 前スターバックス会長のハワード・シュルツ、元NY市長のマイケル・ブルームバーグ両氏はほぼ確実で、うわさされている候補者はウオルト・ディズニーCEOのロバート・アイガー、JPモルガンチェースCEOのジェレミー・ダイモンなどなど。

 

 これらの候補が民主党からでなく、無所属での出馬となれば、トランプ大統領にとって大吉報となろう。民主党票を割ることはトランプ再選の大戦略だからだ。1992年のクリントン=ブッシュ(父)=ペローの三つ巴戦の再来である。

 

 その中で2月5日に「年頭一般教書演説」が行われる。劣勢を挽回できるか、どうか。ムラー特別検察官の報告がどの程度切り込めるのか。ワシントンから当分、目が離せない。

 

 映画では終盤、激しい口論になって心臓が悪かった夫の病態が悪化、そのまま息を引き取ってしまう。娘夫婦にすべてを話す、と約束した妻には、画面の観客の方をじっと見つめます。もちろん無言。早くも実名でこの騒ぎを小説に書こう、と決意した表情です。自立を決意した女性の目、です。

 

 発言権が弱かった米国の無党派層が今後どう動くのか、生半可の映画よりもずっと面白いことは確実です。問題は米国の景気と株価が被害を受けそうなことですが―。

« 2019年1月 | トップページ | 2019年3月 »