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2019年1月28日 (月)

映画「グリーンブック」と激化する米中覇権争いと近づくNY暴落(第943回)2019・1・27

 「グリーンブック」とは、」米国で人種差別が激しかった時代に、南部で黒人が利用できるホテル、バー、レストランのリスト。1936年から1966年まで毎年出版されていたガイドブックの名だ。

 

 時代は1062年のNY。高級ナイトクラブの用心棒をつとめるトニー(ヴィゴ・モーテンセン)は改装のため閉店となった2か月間、ある黒人ピアニストのコンサートツアーの運転手として雇われる。

 

 黒人ピアニストの名はドクター・シャーリー。ケネディ大統領のためホワイトハウスで2回も演奏会を開くほどの大物。なぜか黒人差別が強く危険な南部にグリーンブックスを頼りに二人がツアーに出発する。はじめは衝突を繰り返していた二人が信頼しあうのが画かれる。

 

 試写会で私は観たが確かに面白い。二人のおじさんの物語だが、トロント映画祭で観客賞を獲得。76回ゴールデングローブ賞5部門にノミネートされ、オスカー候補、とか。

 

 白人のバーに入っただけで袋叩きになりかけたドクターを助けたトニー。このシーンを観て、米中の最近の争いに似ているなと感じた。ドクターはいつもカティサークを1本持参してホテルの自室で飲んでいたがたまたま手元になく、白人専用のバーに入ったのがトラブルだった。

 

 中国が、米国の虎の尾を踏んでしまったことが、コトの発端だ。201810月に発覚したアップルとアマゾンのプラットフォームに中国工作員によって仕込まれた泥棒チップ事件。

 また決定的になったのが、昨年5月の中国による軍事ドローン119機による空母へのカミカゼ攻撃実験の成功だ。

 

 すでに米軍は100機で1月に同じ実験に成功していたが、中国軍が泥棒チップを利用して盗んだのに激怒。これで全米軍と、共和・民主両党が一挙団結した。当然、USTR代表ライトハイザー氏の対中強硬路線に支持が集まる。

 

 どうもトランプ大統領と、ウォール街出身のムニューシン財務長官、ウイルバー・ロス商務長官あたりは、米国経済への「返り血」を恐れているらしい。

 ところがバカなことにダボス会議で王岐山中国副主席が、報道によると猛烈に米国の「身勝手な政策」を攻撃した。

 

 これでロス商務長官ロス氏の「中国との合意などMles、MilesAwayと嘆息したのも当然だろう。3031の両日の劉鶴副首相との交渉もどうなることやら。

 

 王岐山副主席は本心では大変なことになった、と思っているに違いない。何しろ中国経済はガタガタ。中国人民元大学の向松作教授は「2018年のGDP成長率は公表されている6・4%でなく、なんと1・67%。大至急の経済対策が必要」と警告している。

 

 

 そこでリーマン当時の4兆元の対策費には及ばないものの、ほぼ3兆元という大型景気対策を打ってみせた。しかし効果がでるには時間がかるし、輸出企業労働者と建設労働者、それに地域のミスマッチもあろう。

 

 ライトハウザー氏の方は、パルナソス・インベスナント・リサーチの宮島忠直さんの取材によると「千歳一隅の機会としてプレッシャーを与え続けるべき」「株式市場に、また米国企業に打撃があったとしても、より大きな国家的損害を防ぐために、今は中国にプレッシャーを与えるべき」という現状認識だ。

 

 これじゃ、NY株がいわば人質になっているわけで、有力企業の業績の悪化でも発表されたら(恐らくアップルあたり)やはり大幅下落だろう。上海株の方がもっと下がるだろうが。

 

 金融データソリューションズの箱田啓一さんは、私は最近お付き合いし始めたばかりだが、下げ相場の底や、上げの潮目を非常に正確に予測をするお方だ。ごく最近では昨年1225日の急落の日の底値を予想し、的中させた。

 

 その箱田さんは214日の大底(ということはその前から下げているということだが)を予想。3月14日にダメ押しがあった後、5月の連休後もずっとたかい、と予想しておられる。ご参考までに。わたくしは信用します。

 映画のセリフから。ドクターが言う。「勇気が人の心を変えるのさ。」

 

 最後に。2月10日の講演会はおかげ様で着々と参加いただける方々が増えています。131日で割引期間も完了してしまうので、どうぞお急ぎください。

 

 先週私は岐阜で講演会を開きましたが、終了後の賀詞交歓会で女性の方が、「東京での講演会に、行けないのでDVDを買います」と言ってくださいました。嬉しかったなあ。頑張るぞ!

 

2019年1月21日 (月)

映画「ビリーブ」と日本電産ショックがなかったわけ(第942回) 2019・1・19

 85歳の今なお現役の最高裁判事であるルース・ギンズワークさんが、一挙に有名になった裁判を取り上げた映画だが。副題の「未来への大逆転」が示すように男女の差別の公平化が決まった裁判で、主人公のルースの5分以上の熱弁をふるった場面がヤマ場になっている。

 

 時代は1956年。主人公は名門ハーバード大法科大学院に入学する。当時500人の生徒のうち女性は9人で、女性トイレさえなかった。1970年代に入っても、女性は仕事を選ぶことができず、自分の名前でクレジットカードも作れなかった。主人公はここで、100%負けるとされていた男女平等のための裁判を始める。勇気をもって挑戦する。

 

 わたくしがかねてからこのブログで主張している通り、株式市況は「意外高」を続けている。弱気が充満していた中で、上昇を予想したのは勇気が必要だったが。 

 

 本来から暴落が起こっても不思議がなかった日本電産の永守社長の業績予想の下方修正と、中国経済について「こんなに悪化するとは」という発言にしても、市場は下げるどころか上昇した。なぜ?とおもう方もおられるだろう。

 

 もともと昨年12月25日のセリング・クライマックスでほぼ売り玉は売りつくし、裁定買い残が5000億円まで下がったので、上げしかない状況にあった。

 

 次は17日のウォール・ストリート・ジャーナルの「ムニューシン財務長官がトランプ大統領に対し対中制裁関税の撤廃を提案した」という報道だ。もともとムニューシンは対中融和派だから、私は別におどろかなかった。しかしこのブログでもご紹介したパルナソス・インベストメントメント・ストラテジーの宮島忠直氏の情報を読んで、なるほど、と感服した。

 

 ワシントンの有名財団の幹部から直接取材して「記事はムニューシンとランチを共にしたWSJの記者が確認もせずに書いたもので、トランプもライトハイザーもまったく預かり知らぬ内容だ」と。そうだろうなあ。

 

 大事なのは次のスクープだ。

  「今日(12月17日)中国側から3月の全人代の緊急法案として新会社法の成立を行うべく最善の努力を続けている、と劉鶴副首相からムニューシン財務長官に伝えられた。

 

その会社法の内容は①非関税障壁の撤廃②テクノロジー強制移転の禁止③合弁会社における共有技術の中国内での転用禁止など、だ。」

 

 ただ、有力財団の幹部は[ファーウェィそのほかの中国側のスパイ活動は、中国は認めていないし、全人代前の緊急会合の議題にもされていないので、全面解決という楽観シナリオを画くのは時期尚早」とも述べたようだ。しかし、全体としては、米国側の勝利だろう。

 

 これだけの好材料ならNY株価上昇と、つれて日経平均も反発するのは当然だろう。わたくしの結論は一言。「意外高」は続く。

 

 もうひとつ。ソフトバンク株が1月末にかけてこの反発を助けると私が考えていることも申し上げておこう。

 

 ソフトバンク株は東証一部に12月19日に1500円で公開されその後1100円台まで下って1400円台の上の方まで戻した。

 

 東証一部への直接上場した銘柄は翌月末にはTOPIXへ組み入れられる。インデックス投信は必ず購入しなければならず、恐らく1億株ぐらいの買いが入る。もちろん1500円が目先の天井で、戻り売りはヤマのようにあるからすぐ突破はできないだろうが。

 

 わたくしはオーナーが大株主の会社の株は、公開後コスト割れの場合は、何か株主にいいことをしてくれる、と期待している、私はソフトバンクへ投資をしていないが、私なら配当取りだけで、十分利回りに乗るのですぐは売らない。ま、余分なアドバイスだが。

 

 主題歌「変化が来る」の歌詞だ。「闇の中で光であるのは、とても嬉しいけど、絶対に大丈夫、その時は来るのだから」。お分かりですか。

 

 ついでに。2月10日の私の講演会の募集は先週書きましたが、どうぞおいでください。詳細、お申込みはこちら。

http://frstp.jp/imk20190210

2019年1月15日 (火)

第6625号【臨時増刊】 2019年1月15日(火) 「アップル・ショック」はまだまだ続く

6596号 2018年11月28日(水)

◎「アップル・ショック」はまだまだ続く

 国際エコノミスト 今井 澂

 

◆ 「ダウ2万ドル割れも予想」を

 「株価を大変気にする大統領だが、お気の毒だね。ダウ平均2万ドル割れも我々は予想してる」と、あるヘッジファンド運用担当者。アップル、アマゾン、マイクロソフトをはじめとするIT・ハイテク企業をカラ売り対象として、昨年10月以来の下げ相場で大当たりした。

 売った理由は?と聞くと、業績の急低下が2019年から2020年にかけて続くから、という。昨年104日のペンス副大統領の演説によって開戦宣言された「新冷戦」下で、中国市場の急激な悪化が必至と予想。その後グローバルなハイテク企業の売り銘柄が情報サービス会社から提供され、すべて20%以上も下落した、とご満悦だった。

 たしかに米中貿易戦争が激化し、グローバルなハイテクビジネスの売上高の伸び率は昨年、年率30%から10%へと急落した。理由の一つに中国人民解放軍工作員によるハッキングのため製品に埋め込まれた「泥棒チップ」がある。アップルとアマゾンのプラットフォームの中国下請け工場で仕込まれたらしい。当然、グローバルな生産ネットワークは再編成を余儀なくされている。

 

◆ アップルの赤字転落説も

 生産面での阻害要因だけではない。急成長してきたハイテク製品のスマホにも、需要面でブレーキがかかりつつある。関連企業の経営者に聞くと「世界のスマホ市場は15億台の年間販売で頭打ちとなり、機能も成熟化、買い替えサイクルが長期化している」。

 とくに昨年秋に発表されたアップルの新機種スマホは、その前年発表の新機種に比べ、1カ月後の販売水準が30%下回った。なかでも中国市場では、飲食店などがファーウェイ(華為技術)利用に料金を割り引くという反米ムードもあり、下落率は大きいといわれる。

 前述のファンドマネジャーは、最悪のケースだがと断って、アップルは2019年に赤字決算もありうる、とした。現に世界最大手のクオンツ運用ファンドも昨秋以来、一斉に売りを開始したとか。この運用担当者は、現在のアップル大株主の大手投信も持ち株を減少させる筈、と予言する。つまりヘッジファンドの一部は「アップル・ショック」は今後とも続く、と見ているわけだ。

 

◆ 日本の関連企業にも影響大

 問題は米中のハイテク覇権争いが今後何年も続くことだ。現在ワシントンでささやかれている噂は「米国の誇る空母11隻が中国のドローンのカミカゼ攻撃によって無力化される」危険性だ。ドローン攻撃は昨年初頭に米海軍が100機で成功させた。その技術を前記の泥棒チップによるハッキングで中国が盗み、6月ごろ119機を使って実験。人工衛星情報でこれを知った米軍部は激怒した。これが昨年10月のペンス演説の背景にあったという。

 アップル減産の影響は大きい。部品供給と組み立て受託生産企業群によるネットワークを広く構築しているからだ。米企業はもちろん、心臓部のMPUは台湾のTSMC、有機EL・液晶パネルは韓国サムスン電子。日本でも村田製作所、TDK、アルプス電気、日東電工など。日米とも最近の株価は急落後リバウンドしているが、今後の動向はとても楽観できるものではない。

監修:内外情勢調査会   委託編集:時事総合研究所

映画「蜘蛛の巣を払う女」と2019年の好悪材料(第941回) 2019・1・14

映画「蜘蛛の巣を払う女」と2019年の好悪材料(第941回)2019・1・14


 スエーデンで2005年に出版され、世界で9900万部を売った超ベストセラーの映画化だ。本国では2009年に三部作として映画化され、2年後ハリウッドで「ドラゴン・タトゥーの女」としてデビッド・フィンチャー監督で第一部を映画化した。今回は第四部の映画化で、「ドント・ブリーズ」の監督が起用された。

 

 何と言ってもこの原作の魅力は女主人公のリスベットだろう。スエ―デン版ではノオミ・ラパス、ハリウッド版ではルーニー・マーラ、そして今回はクレア・フォイと、あまり有名でない新人女優に近い人を起用している。

 

 さもありなん、と私は思う。びしっと決まった短髪、いくつものピアス、全身に刻まれたタトゥー、黒が基調のワイルドなファッション。天才ハッカーなのに戦闘意欲な十分、両性セックスOK。なんて強烈なキャラクターはスター女優なら出演をためらうはずだ。今回はスタンガンから、一回り大きなスタンロッドで大男をのばしてしまうシーンが圧倒的に多い。

 

 ストーリーは入り組んでいるのでさわりだけ。リスベットはAIの世界的権威のバルデル教授から、図らずも開発してしまった核攻撃プログラムを米国安全保障局(NAS)から取り戻してほしい、と依頼される。しかしそこには入念に仕組まれたワナが待っていた。

 

 今回はリスベットの双子の妹が悪役になっている。善も悪も、もとは同じ、という意味だろう。

 

 現在NYの株価に大きい影響を与えているのはFRBパウエル議長の発言だ。年明けに利上げを一時停止する可能性に言及し、強気筋は活気づいた。

 

 ドットチャートでは2019年利上げ予想は3回だが先物市場ではゼロ。パウエル発言がリップサービスなら話は別だが、何せ大統領がクビにするぞ、と脅かしたのに答えた形だ、ともかく、年央ぐらいまで、市場の一部が期待(?)する暴落は避けられ、意外高ではないか。

 

 一方、悪役の中国の方はどうだろうか。

 最近中国を訪問したあるエコノミストは「輸出企業の工場を見学したが、フル稼働なら数百人働く生産ラインに20人程度で米国の報復関税で輸出が激減した」と。そこで「民間業者は国有企業に身売りしようと懸命だ」とも。

 

また別のアナリストは「政府統計では目立った値下がりはないが、空き家が5000万戸と大手大学の教授が発表した。年間1000万戸の5年分、全戸数の22%。ほとんどすべてはマイホームでなく投資目的で購入し、住宅ローンを払っている。年収の15倍から20倍もの重い負担で、不動産価格の高騰を待っている。

 

 不動産バブルが崩壊すれば、個人投資家は破産し、その分の銀行融資は不良債権になる。

 

 その前に農村からの出稼ぎ労働者のリストラが大問題になろう。約2億人の出稼ぎの2割の首が斬られれば4000万人。社会不安が生まれること必至だ。

 

「第一、 昨年の公表のDP成長率65%だって、現地の金融担当者に聞いたら、2%以下じゃないか。」といわれた」。と結論付けた。

たしかに、ごく最近の上海株式市場は反発しているが、2018年は3500から2500近くまで30%の下落、それもほぼ一本調子の下げだった。

 

 ただ、この手の中国滅亡論は長い間言われ続けてきたが、なかなか本当にならない。今回の貿易戦争が、こんな短期間で完了するわけがないと私は考える.

 

 映画のセリフから。「過去はブラックホールに似ている。関心を持って近づけば近づくほど、吸い込まれる。」私の考えは、おわかりでしょう。

 

 さて、講演会のお知らせです。

 210日(日)13時から1740

 ガーデンシテイ プレミアム神保町

 私のほか、三菱UFJモルガンスタンレー証券チーフテクニカルアナリスト宮田直彦さん それに不動産市況アナリスト幸田昌則さんのお二人に強力な助っ人としてお話いただきます。131日(木)23:59までに申し込まれると割引ですし、先着150名です。「蜘蛛の巣」は払って御覧に入れるつもりです。

▼講演会の詳細・お申込みはこちらから
http://frstp.jp/imk20190210


2019年1月 7日 (月)

映画「アリー/スター誕生」と2019年の日米株式市場の動向 (第940回)2019・1・6

映画「アリー/スター誕生」と2019年の日米株式市場の動向(第940回)2019・1・6

 アカデミー賞候補とうわさされる映画を最近続けて2本、観た。一つは「グリーン・ブック」そして今回の「アリースター誕生」だ。前者は 前者は3月公開なので少し先に書くことにして、ブラッドリー・クーパーの製作、監督、助演、レディ・ガガの主演の傑作を取り上げた。

 

 「スター誕生」といえば1937年の初制作以来、2回リメークされている。とくに1954年のジュディ・ガーランドとジェームス・メイスンの方は今でもBSで放送されているし、名作と定評がある。普通は「昔の方がよかった」となるのだが、今回は違う。今回の方が、確かにいい。

 

 どこが違うのかって?ガーランド版は3時間を超える大作で余分なシーンで退屈な思いをしたが、今回は違う。クリント・イーストウッドが最初に頼まれたのをブラッドリー・クーパーに譲つたそうだが、製作スタッフに優秀なメンバーをそろえたのだろう。新監督作品としては珍しく無駄なシーンがないし、私は最初から最後まで画面から目が離せなかった。ストーリーはわかっていたのに。

 

 お話はご存じだろう。才能ある若い新進俳優がピークを過ぎた大スターに見いだされて恋に落ち、成功への道を歩む。逆に大スターの方はどんどん落ち目に。主役二人の演技と歌が、そのまま見せ場になるという設定だ。

 

 いま展開している日米の株式市場の現状は、この二人に似ている。日経平均の方は、昨年12月25日の19155円でセリング・クライマックスを迎え、今後少なくとも数か月は上昇の方向にある。

 

 目先の底値がついた、と私が考える理由は、当日の新安値銘柄や値下がり銘柄の数、PERやPBRと株価水準、裁定残、売買株数などからだ。また市場関係者に弱気が充満していたことも。理由の一つである。

 

 勿論、12月23日号に引用させていただいた金融データソリューションズの箱田さんのクリスマス転機の見方も参考にさせていただいた。決め手はPBR1・0倍の日経平均1万9390円という、いわば常識だった。大体ここらで止まることが多い。

 

 

 秋口には下げがあり、恐らくこの水準を一時的に下回るかもしれないが、それでも長期では上昇過程にあり、2020年あたりにも戻り高値更新と予想している。

 

 

 一方のNY株式の方は、ここ数年間の上げの中心がハイテクのグローバル企業が、米中の対立で対象営業地域が減少するのだから、一部とはいえPER120倍なんてメチャメチャな成長力評価は、夢また夢。

 

 またグローバルな製品製造のネットワークから中国を除外して再編成するのは大変なコストアップを伴う。収益力が大幅低下、売上高の成長ペースも急低落するに決まっている。

 

 となると、FAANGなどのITハイテク銘柄の評価が何年もの間下落し続けるというシナリオが妥当だろう。やはり2018年10月3日のNYダウ2万6951ドルが歴史的高値と、見る。となると、2008年1月23日の6994ドルの安値から、10年9か月。129か月間の上昇期間の三分の一は、ふつう下げて調整するから、2022年ごろまで、まあダメ、と見た方が、いい。

 

 レディ・ガガの方は、日経平均で、ブラッドリー・クーパーの方はNYのダウやNASDAQに例えるべきと考える。2019年はゆっくりとした弱持ち合い相場ではないか。

 

 私がそう考えるもう一つの背景は、トランプ大統領の地位の不安定性だ。ことし1月3日に開始される民主党主導の第116回期で、様々な疑惑に絡んで大統領側近が召喚されたたり、いろいろある。

 

 例えば①トランプ側近や不動産仲間にマネロン関与の疑いが持たれている某欧銀大手とトランプ・オーガナイゼーション(TO)の取引記録②TOが、トランプ大統領当選以来、外国政府から受け取った資金額、③FBI本部建て替えの決定にトランプ大統領が関与し、利益相反を起こした疑い、など10点以上の疑惑である。

 

 一方特別検査官の報告も2月に出るとうわさされている。こちらの方も大騒ぎになること必至だ。

 

この問題が私にはシンフォニーで、チェロやコントラバスで弾く重低音の様に思われる。メロディはヴァイオリンで弾くので目立つのだが、また、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が、2020年大統領選の立候補の準備委員会を設立した。この人は進歩派として著名なリーダーだ。これもトランプには不利。

 

 映画で二人が歌う愛の歌「シャロウ」から。「いま、私は落ちてゆく。幸せな時には、望んでしまう。変わることを。私はいま、深い水へと飛び込んでゆくが、決して水底に着かない。」

 

 新年はNYが急伸するのは短期で、中長期では、まあ下降相場という形になろう。ヘッジファンドは円高仕掛けをやっているが、ごく短期で終了だろう。

 

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