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2019年1月15日 (火)

第6625号【臨時増刊】 2019年1月15日(火) 「アップル・ショック」はまだまだ続く

6596号 2018年11月28日(水)

◎「アップル・ショック」はまだまだ続く

 国際エコノミスト 今井 澂

 

◆ 「ダウ2万ドル割れも予想」を

 「株価を大変気にする大統領だが、お気の毒だね。ダウ平均2万ドル割れも我々は予想してる」と、あるヘッジファンド運用担当者。アップル、アマゾン、マイクロソフトをはじめとするIT・ハイテク企業をカラ売り対象として、昨年10月以来の下げ相場で大当たりした。

 売った理由は?と聞くと、業績の急低下が2019年から2020年にかけて続くから、という。昨年104日のペンス副大統領の演説によって開戦宣言された「新冷戦」下で、中国市場の急激な悪化が必至と予想。その後グローバルなハイテク企業の売り銘柄が情報サービス会社から提供され、すべて20%以上も下落した、とご満悦だった。

 たしかに米中貿易戦争が激化し、グローバルなハイテクビジネスの売上高の伸び率は昨年、年率30%から10%へと急落した。理由の一つに中国人民解放軍工作員によるハッキングのため製品に埋め込まれた「泥棒チップ」がある。アップルとアマゾンのプラットフォームの中国下請け工場で仕込まれたらしい。当然、グローバルな生産ネットワークは再編成を余儀なくされている。

 

◆ アップルの赤字転落説も

 生産面での阻害要因だけではない。急成長してきたハイテク製品のスマホにも、需要面でブレーキがかかりつつある。関連企業の経営者に聞くと「世界のスマホ市場は15億台の年間販売で頭打ちとなり、機能も成熟化、買い替えサイクルが長期化している」。

 とくに昨年秋に発表されたアップルの新機種スマホは、その前年発表の新機種に比べ、1カ月後の販売水準が30%下回った。なかでも中国市場では、飲食店などがファーウェイ(華為技術)利用に料金を割り引くという反米ムードもあり、下落率は大きいといわれる。

 前述のファンドマネジャーは、最悪のケースだがと断って、アップルは2019年に赤字決算もありうる、とした。現に世界最大手のクオンツ運用ファンドも昨秋以来、一斉に売りを開始したとか。この運用担当者は、現在のアップル大株主の大手投信も持ち株を減少させる筈、と予言する。つまりヘッジファンドの一部は「アップル・ショック」は今後とも続く、と見ているわけだ。

 

◆ 日本の関連企業にも影響大

 問題は米中のハイテク覇権争いが今後何年も続くことだ。現在ワシントンでささやかれている噂は「米国の誇る空母11隻が中国のドローンのカミカゼ攻撃によって無力化される」危険性だ。ドローン攻撃は昨年初頭に米海軍が100機で成功させた。その技術を前記の泥棒チップによるハッキングで中国が盗み、6月ごろ119機を使って実験。人工衛星情報でこれを知った米軍部は激怒した。これが昨年10月のペンス演説の背景にあったという。

 アップル減産の影響は大きい。部品供給と組み立て受託生産企業群によるネットワークを広く構築しているからだ。米企業はもちろん、心臓部のMPUは台湾のTSMC、有機EL・液晶パネルは韓国サムスン電子。日本でも村田製作所、TDK、アルプス電気、日東電工など。日米とも最近の株価は急落後リバウンドしているが、今後の動向はとても楽観できるものではない。

監修:内外情勢調査会   委託編集:時事総合研究所

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