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2018年12月 3日 (月)

映画「恐怖の報酬(オリジナル完全版)と米中首脳会談後の市場 (第936回)2018・12・2

映画「恐怖の報酬(オリジナル完全版)と米中首脳会談後の市場(第936回)2018・12・2

 1953年のアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の傑作のリメイク。1977年にウィリアム・フリードキン監督が作ったが、興行的に失敗、日本では30分かっとして上映された。今回フリードキンが複雑な権利問題を片付け、2013年に4Kデジタルでリマスター化、連年各国の映画祭でプレミア上映されて評価は急上昇した。実は待望の上映、である。

 フランス版ではイヴ・モンタンの主演。リメイクは、はじめスティーヴ・マックィーンだったが、ロイ・シャイダー(あのジョーズの署長です)に決まったという。これにリー・ヴァンチュラとマルチェロ・マストロヤングが、はじめの配役だとか。凄い配役だ。惜しかったな。

 ストーリーは南米の油井での爆発火災を沈下するために食い詰め男4人がトラック2台でニトログリセリンを320キロ離れた油井まで輸送する話。一寸ゆすぶられるだけで大爆発する危険物を、ジャングルの中を、巨額の報酬を目当てにひたすら走る。倒れた巨木、倒れかけた橋、どうやって超えるか、最後は4人が一人になってしまうのだがー。

 このフリードキンのリメイク映画のいいところは、4人の出身や中南米の貧村に逃げて来たかをちゃんと説明してあること。「七人の侍」と似ている。

 「七人」が農民の勝利だったように米中の「開戦」は米国の勝利に決まっている。今回の「恐怖の報酬」も勝利者は石油会社。

 

 この原稿を書いているのは121日の米中首脳会談結果を報じている2日のBCCを見ながら。一言でいえば、一時停戦、だろう。

 

 協議の内容は次の通り。

 まず米国は中国への追加関税を90日間延期するが、この間に合意できなければ、米国は2000億ドルの関税を10%から25%に引き上げる。なーんだ、執行猶予じゃないか。

 そしてハイテク分野の政策見直しは「協議の対象とするのを見送った。「中国製造2025」を米国側は強く批判していたが、産業補助金の見直しは、中国側の反発があってなのだろう。宣言には入っていない。しかし米中協議も5分野で開始し、知財保護、技術移転の強要など5分野で90日間に結論を出すとか。そんな短い間に結論を?無理と決まってるでショ。

 

 月曜のNY株式市場がどう評価するか。

 

すぐ答えが出てしまう予想はするもんじゃないし、交渉の場での雰囲気とかウラ話は入っていない。しかし私は、月曜がかりにNYダウが上昇しても、NYダウは102日の26773ドルで天井をつけたとみている。

 

 第一に半導体指数が三尊型天井で、多少の戻りがあっても、今後トレンドとして安くなること。

 第二は米中覇権戦争でFAANGは中国の二次三次下請けを再編成しなければならないこと。

第三は米国企業の収益は好調だが、減税効果が大きく、税引き前利益で見ると、減益。貿易戦争の結果、企業のコストは想定されている以上に上昇する。コストアップ分を価格に転嫁できる企業に限られている。

 第四は、NY市場全体に歴史的割高性が見られること。シラーPERは30倍台、バフェット指数は140%台。チャートをご覧いただければすぐわかる。米国の長期上場相場は終わったのではないか。

 

 もっとも、NYダウと日経平均の連動性が高いので、日本も下がる―という悲観説を言う向きもあるだろうから、ひとこと言っておく。

 

 日本の方が相場は若いし、米国対比ではPERも割安。企業収益も原油安で見通しは悪くない。中国関連は悪いかもしれないが。

 

 米国の政治がおそらく2019年にはひと揺れしそうだが、日本はダブル選挙で安定。日本の景気は20245年まで長期上昇だが、米国の方は2019年後半には減税効果のイキが切れる。日経平均のNYダウ離れが起きるのは時間の問題だ。

 

 随分あらっぽく書いてしまったが、詳しくは1213日に刊行される新著「米中の新冷戦時代 漁夫の利を得る日本株」をご覧いただければ嬉しく存じます。

フォレスト出版主催の講演会も20192月に開催予定。っここでもお話するつもりです。

 

 ところで今回は「映画のセリフから」はないの?ないんです。フリードキン監督はデビッド・リーン監督(「アラビアのロレンス」「戦場にかける橋」)を聞いて「セリフはできるだけ少なく」と助言され、セリフは極力少なくしました。その分迫力のある画面の連続になり、目の離せない展開に。面白いですよ。

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