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2018年10月29日 (月)

映画「日日是好日」と私の(例によって)早すぎるシナリオ (第931回)2018・10・28

映画「日日是好日」と私の(例によって)早すぎるシナリオ(第931回)2018・10・28

 故樹木希林さんの主演に近い助演映画。黒木華さんと多部未華子さんが大学2年生から二十数年、お茶を習うというまことにシンプルな設定。対立があるわけではないし波乱万丈の物語でもない。

若い女性二人が茶道の所作を先生に教えてもらう。これがすこぶる丁寧に逐一写されるのだから、眠くなるかと思ったら飛んでもない。私は目を皿の様にして見入ってしまった。

 

 四季の移り変わりや掛け軸、茶碗、茶花、和菓子、皆それぞれ意味があり、だからこその「日日是好日(にちにちこれこうにち)。映画では稽古場にかかっている額にある。

 

 パンフレットにあるそのココロは「それが嵐の日であろうと、何か大切なものを失った日であろうと、その一日をありのままに受け止め、ひたすら生きれば、どんな日も、かけがえのない絶好の一日」。なるほど。

 

 私は去る104日は時代が大きく変わった日として、後世に記録されると思う。

 

 米ペンス副大統領がハドソン研究所で行った演説で、米国が太平洋で支配的な力を維持することを誓い、中国が最大の挑戦者だと特定した。事実上の新冷戦の開戦宣言といっていい。

 

 またブルンバーグが同日、米アップル、アマゾンなどのハイテク企業に対する中国のハッキングを報じた(先々週929回)。

 

 この「新冷戦」という時代認識。つまり落としどころのない長期戦で、経済的、経済的な打撃はあっても、米国は覇権を中国にとられるよりはマシ。代償としてハイテクなど米国のグローバル巨大企業が打撃を受けても仕方ない、と米国を支配する層が決断したのだろう。

だからこそヘンリー・キッシンジャーが「反中」に百八十度転換したに違いない。

 

 でも、なぜペンスでトランプじゃないの?と考える私に26日、宮家邦彦さんのセミナーがヒントをくださったと思う。

 

 宮家さんは中間選挙後の12月ごろに特別検査官が公聴会を開き、トランプJrや娘ムコのクシュナー、トランプ陣営が根こそぎやられる可能性を指摘された。

 

 また私の質問に答え「トランプは相互依存の時代よりは、覇権争いの方が米国にとり大切。経済面では“合理的でない人”なので、リーマン球の経済的な騒ぎが発生することもあり得る」とも。

 

 私が大変に参考させていただいている金融データソリューションズの箱田啓一さんは「1121日に目先の底、次の1225日に二番底が入ってそこから上昇相場が始まる」と予想しておられる。この予想が材料面からみても、的中の公算大、と私は考える。

 

 恐らく私の「新冷戦」シナリオは(いつもそうだが)先見の、度が過ぎているのかもしれない。しかし、冷戦時代の世界は半分だった。今回は100%の市場が80%に減る。不況は当然だろう。

 

 ついでだからもうひとつ。先見の度が過ぎているシナリオも書いておこう。それは「日本が漁夫の利」を得るという予想だ。

 

 もっともこれは、IMFが716日に発表した資料に書かれているというと、多少は信頼していただけるかもしれない。

 

 720日から21日にアルゼンチンで開かれたG20財務省・中央銀行総裁会議で議論するための参考資料。「貿易戦争によるグローバルなインパクト」という題だ。

 

 資産の前途となる条件は次の四つだ。

 条件1.実行済みの関税(鉄鋼25%+アルミ10%)と対中追加関税5百億ドル(25%)それに中国からの報復関税(25%)のえいきょう。

 条件2.今後追加される関税(対地位輸入二千億ドル(10%)と中国による同規模の報復関税による影響。

 条件3.米国が全自動車輸入にかける関税(25%)と各国の報復措置による影響。

 条件4.信用危機。貿易戦争がグローバルなショックを与え、投資に対するリスクプレミアムを引き上げてしまうことによる影響(注、株価の大幅下落でしょう)。

 

 その結果。米国は条件一から四まですべてのケースで経済成長率の足を引っ張られてマイナス(最大マイナス0・8%)になり。中国も同じで最大1・6%にも達する。(すべて1年後)中国は6・5%マイナス1・6%だから4・9%になる計算だ。

 

 しかし、日本は条件三の自動車輸出すべてに米国が関税をかけた場合に006%ダウンするだけで、条件四の場合03%の影響を受ける。

 

 株価の暴落を含む信用危機は全くは否定できないが、条件三は日本は大丈夫。日本は米国に174万台輸出する一方で、377万台を米国国内で生産、百五十万人の雇用と、輸出総額757億ドルを生み出している。

 

 日本は、リーマン級の危機とひょっとすると日経平均約2万円割れが起きれば、安倍首相は消費税の一〇%への引き上げは、取りやめになるだろう。災いを転じて福という言葉でもいいし、ベートーヴェンの「第九」つまり苦悩を超えて歓喜へ、でもいい。このシナリオだと、やはりトランプからペンスへ、となるかも、一方米国の支配層が「戦いの最中にトップを変えるのは不利」と考えればトランプの首はつながる。

 

 そうならば、ハイテク企業の株、つまりナスダックや半導体はダメだが、ダウの方はメチャ安にならないかも、と私は考える。

 

 NY連銀はこのところ30兆円も金融を緩和し、長期金利は10年もの国債で3・2%台が3%すれすれに下落。限界的な金融緩和の信用乗数は米国の場合3・88倍で、日・欧の0・08と全く違う。NY連銀は特権を生かして、これ以上の信用危機を防ぐ対策を始めた、と見るべきだ。相当に先の見える方がいるんだろうなあ。

 

 映画のセリフから。お茶の先生が言う。「すぐわかることと、わからないことがあるのよ。」私の言うことはいつも早すぎる。シェールガスでも、ジム・オニールが指摘し、ジョージ・ソロスが円売り日本株買いを始めたアベノミクス買いも、そうだった。10月5日に冒頭に述べたニュースを聞いて、翌週早々に私の弱気を「今井澂の相場ウラ読み」というボイスメッセージで主張した。その後の展開はご存知の通り。樹木さんが亡くなる直前にこの作品の撮影を頑張ったように、私も頑張ります。どうぞ応援してください。

 

 

 

2018年10月22日 (月)

映画「億男」と当面の相場展開と狙い目銘柄(第930回)2018・10・21

 妻が主演の佐藤健が好きだというし、先日の綾瀬はるかの」「ギボムス」でパン屋の店主を観ていてなかなか良かったので、ロードショー初日に観た。若い人ばかり。人気あるんだなあ。

 

 主人公大倉一男(佐藤健)は図書館司書として務める傍ら、夜はパン工場で働く。失踪した兄の借金3000万円を返済するためだ。妻(黒木華)と娘は別居、離婚を迫られている。

 

 そこにひょんなことから宝くじで3億円に当選。これで借金を返し、妻子と同居できると喜ぶが、銀行からは脅かされ、パソコンで検索すると不幸になった当選者の話ばかり。不安になった主人公は大学時代の親友九十九(つくも、高橋一生)に相談、ベンチャー創業者としてビリオネアになっていた九十九は「見て触れて、それから使い道を考えたら」と勧め、次に「まず使ってみよう」。

 

 マンションで大パーティを開き乱痴気騒ぎ、酔いつぶれた一男は、翌朝目を覚ますと、誰もいず三億円を入れたバッグもなくなっていた。九十九に電話しても不通音の繰り返し。そこから主人公の九十九探しが始まる。

 

 三億はいったと喜んでいた主人公が、一晩でなくなってしまう、という体験。落語の「芝浜」がこの映画のネタもと、だ。

 

 最近の株価の方もこれに似ている。9月にやっと23000円のカベを抜いて、102日のザラ場高値24448円に達した途端、新冷戦開始。1015日の引け値22261円と9%下落した。1019日の22212円の寄りが底で22532円で引けた。ここで目先の底が入ったと私は観る。

 

 相当気が早いが、下げの元凶のNY株式市場が、どうもホワイトハウスの要請らしく、NY連銀が金融を緩め、長期金利の上昇にストップがかけられた。株価の方もナスダックは怪しいが、ダウとS&P500の方は下げ止まりの気配が見える。

 

 

 私の経験から予想すると、日米ともに二番底は来月の下旬だろうが、そこまでは好決算を背景にリバウンドで、鈍いだろうが上昇。幅の狭いレンジ相場に入ると考える。

 

 日本の方は、米国側からのドル安円高要請。NYの方は①新冷戦に伴うハッキング関連の下落②サウジの記者暗殺でのトランプ人気低下、などなど。何よりも米国市場の半導体指数がヘッド&ショルダーになっているし、新冷戦はそう簡単にカタがつかない。

 

 こういうベーシックに見通しが立てにくい時は、政策頼りだ。

 

 この秋の臨時国会で「デジタルファースト法案」が提出され、来年のG20首脳会議でも我が国のAI分野への取り組みを世界に発信する予定と聞く。

 

 また平成(なくなるが)31年度から3年間、国土強靭化(防災)計画も予算が増額になる。12兆円?ホントかなあ。

 

 両計画の関連はAIではプレインパッドだが、少々急ピッチで上がりすぎだし、「次」もまだ判然としない。

 

 防災の方はショーボンド、ライトエ、不動テトラ。みんな10月に入り下がっているので、ここいらは、ぜひご研究ください。

 

 映画のパンフレットから。「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ。」有名な「ライムライト」のチャップリンのセリフで、原作の第一章に書かれている。勇気と想像力、たしかにそうだなあ。

2018年10月15日 (月)

映画「ヴェノム」と世界的急落が予告する新冷戦不況(第929回) 2018・10・14

映画「ヴェノム」と世界的急落が予告する新冷戦不況(第929回)2018・10・14

 112日に上映開始になる超大作で、週刊文春がシネマ特別号を出し「完全保存版」と銘打ったくらい、前評判が高い。マーベルの「スパイダーマン」でのカタキ役・地球外生命体だが人気が高く。今回は主役級。

私は試写会で観て面白かった。主役のトム・ハーディは私のお好みだし。アクション・シーンも良かった。

 

ジャーナリストのエディは巨大財団のトップを取材中「人体実験をして死者を出している」とのうわさを質問。これが問題となり、エディはクビ。ところが財団に勤める女性科学者から「あなたの追及は事実、報道をしてほしい」と懇願される。研究所に忍び込んで財団が宇宙から持ち帰ったサンプルを調査しようとしてエディは、地球外生命体「ヴェノム」に寄生されてしまう。エディの体の中では、ヴェノムが増殖、ついに一体となってしまう。ダークヒーローの誕生だ。

 

101011の両日、NYダウは1400ドル近くの大幅急落、NASDAQも400ポイント下げた。世界の株式時価総額は36兆ドル消失している

 

私は108日の月曜日夜に私のボイスサービス「今井澂の相場ウラ読み」で、米ハイテク株中心の大幅下落が明日、と警告した。

 

通常は土曜10時のパソコンやスマホへの配信だが、週末に私の旧知のヘッジファンドの運用担当からの情報が入ったためだ。

 

その内容はすでにクオンツ運用ファンドが「米政府ハッキング操作関連銘柄」を売り始めた」というもの。アップル、アマゾンなどの銘柄リストも入手した。大幅安必至と見て火曜朝の配信を担当者に依頼した。つまり世界第2位の大国のダークヒーロー中国の登場こそ、世界暴落の真因。これは大変、と考え警告したわけだ。

 

別に私の成果を誇っているわけではない。中国によるハッキングで米国のハイテク銘柄が下落しているのは、その後も全く報道がわが国では行われないのが、不可解なためこのブログを書いている。(おそらくアップルがこの事件を否定しているため、マスコミが遠慮したのだろうが)。

 

米国の報道を改めて書く。ブルンバーグ・ビジネスウィークの104日付である。

「アップルとアマゾンが中国のスパイの標的となり、製造過程の両者のデータセンター機器に監視用マイクロチップが埋め込まれた。

「極小のチップでマザーボード上の基板に埋め込まれており、パスワードに関係なくコントロール権は奪われる。暗号キーも外部から参照できる。最大手マザーワードのメーカーのスーパーマイクロが製造。製造拠点は中国。

 

在ワシントンのわたくしの情報ソースは「この事件は2015年だったが、改めてこのハッキングが表面化したのは、理由がある。トランプ大統領だけでなく、上下院、共和党・民主党が一丸となって、中国による最先端技術の盗用に断固とした政策をとるための世論喚起」という。特に今年5月の南沙諸島での米海軍機密作戦が対中国へ情報がツツ抜けになっていたと判明したことが、“米国民皆のアタマにきた(pissed off]

 

 

共和、民主両党でほぼ同内容の法案による「ココム」(冷戦時代の由主義諸国による先端技術の移転禁止制度)の現代版が検討されている。(以前に書いたH・キッシンジャーの180度転換を想起してほしい。)

 

この法案が成立した場合、ハイテク企業の経営は大変な圧迫を被る。対中貿易はもちろん、第三国への輸出も阻害されるからだ。

GDPに対する依度度は次の通り。

オーストラリア33、台湾26、韓国25、日本18、マレーシア13、シンガポール13、フィリピン11、タイ11、各%。

 

我が国への影響が大きいが、米ハイテク企業の方も同じ。従って、1012日の反発で、何日かは戻るだろうが、上値は戻り売り。2番底を取りに行く公算大、と私は見る。弱気になったことをご注意ください。ここ2か月ぐらいだが。

 

試写会で配られたリーフレットの導入部をご紹介しよう。「スパイダーマン最大の宿敵、そしてマーベル史上、最も残虐な“悪”‘【ダークヒーロー】が誕生する」。また体内のヴェノムが宿主。エディに言う。「なあエディ、俺たちが一つになれば―。もうだれも止めることが出来ない。」中国がメンツを捨ててあやまればコトは終わるものだがなあ。

2018年10月 9日 (火)

映画「イコライザー2」とトランプと中間選挙(第928回)2018・10・8

映画「イコライザー2」とトランプと中間選挙(第928回)2018・10・8


 「イコライザー」とは「悪党の非道に苦しむ人々を救うため、人知れず制裁する正義の処刑人」だ。デンゼル・ワシントン主演ものは、ハズレがないので、ロードショ―初日に待ちかねて観た。はたせるかな満員。出来もよかった。


 今回の主役マッコールの表の職業はタクシー運転手だが、CIA時代の元上官で親友のスーザンが何者かに殺害されてしまう。独自に捜査を開始したマッコールは、スーザンが手掛けていた任務の真相に近づくが、同時に自分自身にも危険が迫ってくる。今回の敵はストリート・ギャングやロシアの悪党でなく、プロのCIAらしい。

 

 米国中間選挙があと数週間に迫った。新大統領が2年目に迎える中間選挙は鬼門で、与党は大体負ける。近年では勝ったケースは1998年と2002年だけ。そこで必ず「ねじれ」が発生。ホワイトハウスが上下両院を抑えたケースは、最近10年ではオバマ政権の最初の2年間と現在のトランプ政権だけ。

 

 そこで専門家、例えば笹川平和財団の渡部恒雄さんは「弾劾はあまり米国民に支持されていないから、やらないだろうが、民主党が過半をとって委員会の長をとり、そこで大統領を査問する可能性大」と指摘している。要するにトランプガしつこい質問にキレて何か失言をやらかし、そこで大騒ぎになる―という事態が、ねじれとともに発生するかも、と渡部さんは言う。

 

 それでも、ひょっとして依然、上下両院でトランプは勝つかも、と私は考える。

 

 トランプの「大金星」は今回のカバノー氏の最高裁判事選出で三つになった、と渡部さんは指摘する。第一が所得税、法人税の減税、第二は保守派最高裁判事ゴーカッチ氏とカバノー氏の二人決定で保守派が五人と過半、そして三番目が「北」との軍事緊張の緩和、以上だ。

 

 どうして最高裁の保守派多数化が「大金星」か。たとえば故マケイン氏が民主党と共に選挙資金の青天井にブレーキをかける法案を成立させたが、最高裁が反対して法案は無効になった実例を挙げた。保守派にとっては「トランプやるじゃないか」ということになる。なるほど。

 

 私は一般に使われているCNNやクック・ ポリティカル・レポートは見ない。保守派の(またトランプの)見ているラスムッセン調査を使う。この方がデータは多いし、連日発表されるから私には便利だ。

 

 最近では、9月5日のNYタイムスへの匿名の現職高官の告発文寄稿、11日には有名なボブ・ウッドワード氏の「Fear」が出版され、百数十万部が即売され、内容も紹介された。トランプ批判ムードは、マスコミ中心に高まった。

 

 にもかかわらず105日の支持率は8月末の48%から51%に上昇、とくに「強く支持」する比率は35%から38%になっている。追い詰められたはずのトランプは、おそらくこの数字を見て、ますます地方での遊説に注力することになる。

 

 トランプは、民主党が下院で30以上議席を増やし、僅差で多数を奪い議長ポストも同党に奪われるという「ブルー・ウエイブ」シナリオは、想定の範囲内なのだろう。上院は下院よりずっと重要だが、6年前に大勝した反動が出そう。改選35議席中26が民主党で、共和党が強い州でも勝ってしまったが、維持するのは大変と思われる。

 

 結論。吉崎達彦さんが最近の「溜池通信」でのべているように「最後は投票日直前の雰囲気で決まる」。

 

 絶好調な米国経済が支えになるだろうし、NYダウの新高値とキャピタル・ゲイン減税も「大金星」に違いない。「アメリカ・ファースト」政策は当分、継続。トランプ大統領の内向き視点も続く。安倍首相は日米同盟維持以外はないのだから、トランプ大統領が取り返しのつかない破壊を国際秩序にもたらさないようダメージコントロールを続けるしかない。いやはやご苦労様です。

 映画のセリフから。冒頭、ギャングのボスを列車でガードしている用心棒二人をマッコールは19秒でノシてからボスに言う。悪意から元妻の子を誘拐したことを反省させて、「痛めつけるには2つ、ある。身体の痛みと、自分のしたことを反省する痛み、だ。」トランプさんはそんな反省はしないんだろうなあ。

 

 

2018年10月 1日 (月)

映画「クワイエット・プレイス」と私のストラテジスト評価(第927回)2018・9・30

映画「クワイエット・プレイス」と私のストラテジスト評価(第927回)2018930


 すごいホラー映画を観た。題名の「静かな場所」は、人類の大半が死滅した近未来の世界。盲目で音に敏感に反応して生き物を襲う未知の宇宙からの怪物が、アッという間に文明社会を崩壊させた。遠くの音でも聞きつけ速くて抵抗不能。銃も使えず(撃鉄を起こす音で襲われる)ひたすら音を出さない工夫をしなければならない。

 

 主人公夫婦は聴覚障害の10代の長女、10歳の長男、5歳の次男の5人暮らしだが、音をたてたために次男が食い殺されてしまう。その前から歩く道には砂をまき、ハダシで、会話は手話を使う。出産間近でもあり、4人の緊迫感は高まり、観客の方もともに息を殺しているうちに一体感が盛り上がる。同じような発想の「ドント・ブリーズ」でも沈黙が生存の条件だったが、この作品の方がケタが一つ違う。映画館の中じゅうがポップコーンどころかコーラを飲むのも控えるくらいの緊張だ。

 

 この9月は私にとって映画の一家ほどではないが、緊張の1か月だった。この間に私は①8月のサマーラリー説は不発でこれは間違った②しかし9,10月の両月のうちに3回も抜けないではね返されてきた日経平均23000円のカベは抜け②為替も対ドル11319銭を抜いて円安に向かう、と予測した。

 

 また24000円台に乗せると、27000円ぐらい迄は真空地帯、とも述べた。914日に23000円を抜き、926日には引け値で明確に24000円に乗せ、それに先立って21日は対ドル132円台に。一つの間違い、二つ的中だ。今後の株価はまだわからないが、息をつめて待つことにしよう。

 

 

 さて、私の市場への見方を述べた。恐らく次の皆様の関心は「いつ、いくらで天井か?」「どうやって天井や底値を判断するのか?」だろう。

 ひとつ、私が永年使ってきたやり方をご紹介しよう。「当たり屋につけ、曲がり屋には向え」だ。向かう、という意味はその人が売れと言ったら買え、買えといったら売れ、ということだ。

 

 

 幸い、99日付の日経ヴェリタスが「2018年度末の日経平均株価の見通し」を8人のストラテジストの見解をまとめている。「当たり屋」らしく私には見えるのは、A証券のK氏の26000円~27000円、B投信のO氏の25000円、~2万6000円、それにC投信のK氏の25500円、D調査会社のH氏の25000円四人だろう。

 お気の毒だが「曲がり屋」はE証券のAさんの21000円~22000円だろう。何かがあって下落しても23000円が止まり場になるからだ。

 

 この99日付に先立って7月にも日経ヴェリタスは30人のアンケート回答を掲載している。この中の外れ屋はF投信のS氏で、安値は10月で19080円、高値は12月で2万3000円。もう一人の曲がり屋はG投信の0氏で安値は12月の2万円、高値は9月の2万3000円。残念ながら曲り屋の三人のうち二人は投信運用会社で、これじゃあ運用成績の方も少々心配になってしまう。

 

 意地が悪いって?私は「プラン・ドゥ・チェック」という経営上のルールから、マスコミの方々も投資家の方々も、発表された見解にチェックが必要でしょ?といっているだけです。逆に言うと、的中したストラテジストはもっと称賛されていい。私は市場見通しという仕事は、それくらい難しいものだと思うのです。

 

 

 映画のセリフから。父は長男を近くの瀧に連れてゆく。「もう手話はここではいらないよ。やつらは自然の大きな音には弱いからね。ここならオレたちは…声を出して会話できるさ。」大きな瀧の音に隠れた小さな声を聴くのがプロの仕事だと思う。マスコミは良く間違えるし、情報はヤマのようにあるから、選択は大変。しかし、それでも、やっぱりしなければならないお仕事です。

 

 ここまで書いてきて日経ヴェリタスの9月30日号が届いたのでさっそく読んでみたら、ストラテジスト14人の「日経平高値、安値、時期」が掲載されていた。9月9日号8人とは違うメンバーだ。

 

 ここでは「年末から年初に26000円が4人いる。H投信のI氏、I生保研究所のI氏、J証券のA氏、K投信のS氏。25500円も4人。L証券のK氏、M投信のT氏、N投信のK氏、O投信のH氏。

 

 25000円も4人。P投信のI氏、Q金融機関のY氏、R投資顧問のM氏、S投信のT氏。

 弱気で曲り屋候補は二人。T外資系のO氏、U金融系のO氏は二人とも10,11月に高値はせいぜい2万4500円。この目標ではすぐに行っちゃうんじゃないかなあ。

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