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2018年9月25日 (火)

「マイ・フェア・レディ」とトランプとキッシンジャーと米中戦争(第926回)2018・9・24

「マイ・フェア・レディ」とトランプとキッシンジャーと米中戦争(第926回)2018・9・24

いまシアター・オーブで上演されている「マイ・フェア・レディを観た。私は1963年の利チエミのイライザ、高島忠夫のヒギンズ教授。1981年NYブロードウエイのナンシー・リンガムと何とレックス・ハリスン。そして今回の神田沙也加、別所哲也で三回。今回のが一番素晴らしく、台本、演出、舞台装置そして群舞、皆よかった。凄いのはイライザのコックニー(ロンドンの方言)を江戸弁それも下町弁にしことだ。

 忘れるところだった。映画版(オードリー・ヘップバーンとレックス・ハリスン)は舞台より短縮版に短縮版になっているので、ストーリーの展開に難があった。今回は教授の心の中を第二幕で十分に歌い込んだので無理がない。

 

 今回ウィキペディアで調べたら「マイ・フェア・レディ」の意味が分かった。ロンドンの高級商業地メイフェアをロンドン下町訛りで発音するとこうなる。つまり昔は高級住宅地の上流階級のレディという題で「フェア」は公平との意ではなく、「うわべだけ」のという皮肉だそうだ。なるほど。

 

 少々余分なことを書きすぎたが、身分が厳しい英国で、花売り娘が自分の努力で道を切り開いてゆく。またマザコンの上流男が下層階級の娘に凌駕されてしまうテーマが女性ファンをしっかり掴んだのだろう。ちょうど馬鹿にされ続けてきたトランプ大統領が、どうもオバマ氏よりも、対中国で米国の国益を守るという点で、ずっと優秀らしい、という評価の変化に似ている。

 

最近になって一斉に中国の米国に対する知的財産権侵害を指弾する報告が方々から出ている。オバマ時代にも同じような侵害は行われていたはずだが、握りつぶされていたのだろう。

 

 私がアレレと思ったのは、当時93歳のヘンリー・キッシンジャー元国務長官のトランプ評だった。

 「とてつもない大統領の誕生である。彼の示してきたきわめて高い政治的資質、特定の団体に何のしがらみもないことなどは、傑出した大統領になる好機ととらえるべきだ。(読売新聞20161227日)」。

 

 大事なのは、対中政策のキッシンジャー氏の180度転換だろう。かつニクソン政権時代の1972年に中国を訪問。中国は「最大の老朋友」として大切にし、同氏も親中政策を推進してきた。

 

 しかし一つの中国から米国が得たものは多かったが、今は米国を脅かすほどに大きな存在となったので「包囲するべき時が来た」と判断したのだろう。

 

 トランプ大統領は昨年の122日台湾の蔡英文総統との電話会談の前にキッシンジャー氏に相談した。「一つの中国」の原則を守るべきかという質問に対し、答えは「米国の国益のためなら二つでなく三つの中国ならどうか」と答えたという。キッシンジャー氏の背後には、米国を真に支配しているあるグループがいるので、大統領当選直後から教えを仰いでいるのは当然だろう。ロシアのプーチン大統領に接近しているのもキッシンジャー戦略ではないか。

 

 95日のNYタイムスの名前のわからない高官の反トランプ告発、11日のボブ・ウッドワード記者の「FEAR」刊行、それにFBI副長官の憲法修正第2第25条第4項の大統領への合法的クーデター。ともかくアンチ・トランプ活動がすごい。

 

 しかし、しかしである。ラスムッセン調査では8月31日のトランプ支持率48%が9月21日には49%。支持は少々だが上がった。影響はなかった。一方

株価は新高値更新。1週間でダウはプラスプラス8・2%、S&P500プラス9・6%、ナスダックプラス15・7%。対中2000億ドル追加関税第3弾の最中の新高値だ。

 

 この材料にいわば身構えていたマーケットはリスクを落とすか、ショートしていたのがカバーに動いた。

 9月22日の日経夕刊に「米国株『陶酔相場の落とし穴』」というコラムがあった。私はこの見方は間違っていると考える。

 

 米個人投資協会のセンチメント調査では9月19日は「強気」が33%。過去5年間間平均は35%だからむしろ低い。年初は50%を超えていた。メリル・リンチ調査で現金保有比率はこの18か月で最高だ。少しも「陶酔」していない。個人も機関投資家も慎重姿勢だ。

 

 日本株も同じだ。慎重な見方を依然とっているストラテジストが結構多い。私の先生のサー・ジョン・テンプルトンの言う「不安のうちに上昇し」の段階なのだろう。私はそんな意見を見るたびにシメシメと思う。依然、強気の姿勢を変えない。

 

 イライザの父親のドウーリトルの歌う「運がよけりゃ」の歌をどうぞ。「ほんの少し 運が良けりゃ きっとほかの誰かがやってくれる」。曲り屋たちが天井に近くなって強気になったら、私は逃げ出すことにしよう。

2018年9月18日 (火)

野球もの映画と2万3000円の大台突破(第925回)2018・9・17

野球もの映画と23000円の大台突破(第925回)2018917

 久しく見ていない私の好きなジャンルは、潜水艦物と野球もの映画だ。最近の大谷の二刀流ですぐ思い出すのがベーブ・ルースで「ベーブ・ルース物語(1948)」や「夢を生きた男 ザ ベーブ(1992)」の2本。ルウ・ゲーリッグの伝記映画「打撃王(1942)」には自分の役で出演していた。入院中の少年にホームランを打つ約束して果たすなど、エピソードが多いスター・プレイヤーだったので内容は盛り沢山だったのを覚えている。

 

 このブログで書いたことがある「春の珍事」もこの野球ものだが、ミュージカルの「くたばれ!ヤンキース」はゲーテのファウストの翻案で、弱小球団ワシントン・セネタースの熱烈なファンの老人が悪魔に魂を売って若返り、中軸打者となって、チームは快進撃。

 

 ヒーローになった老人は家庭が恋しくなりもとに自分の家に下宿人として自分の老妻との付き合いを楽しむ。契約違反を怒った悪魔は仲間の美しい魔女にヒーローを誘惑させる。一方セネタースの連勝は続き、ついにヤンキースとの優勝決定戦に持ち込むが悪魔との契約は実はその前日に切れていた。さあ、どうする。

 

 私が巨人ファンなのはご存知と思うが、私が悪魔に魂を売って野球選手になるなら、7回以降をゼロに抑えるピッチャーになりたい。ヤクルト三連戦を観てたら三つとも勝ってる試合だったのが、全部リリーフがダメで試合を落とした。口惜しいなあ。

 

 今日914日はこれまでの口惜しさが晴れた日だ。ようやく日経平均23000円のカベが明確に破られた。SQの当日で弱気がけっこう多かったのだが、やっと、やっと、目標達成した。もちろん、これが目先の天井で来週から下落というガッカリシナリオもあり得る。

 

 しかし私は9月末の決算に向けてヘッジファンドなど外国人投資家は、もう先週までで85000億円も売ったので、売りつくしたと想定している。

 今回は違うと言い切れるのが発射台。これ迄2万1000円台からの反発だったが、こんかいは2万2000円台だ。

 ここから先の目標?123日の高値24129円まで売買量も少ないし、走り出したら早いだろう。好事魔多し、で三連休の間に何か相場をブッ壊す何かの悪材料が出なけりゃいいが。ないことを祈りたい。

 

 好材料と見られるのは円安ドル高だろう。いわゆる三角持ち合いを日足で上回り、チャーチストによると①1月均衡表の「雲」の上限を突破②遅行線が26日前の終値の上に位置している、など強材量がある。目先のドルの上値目標は719日の高値11317銭(大和証券石月幸雄氏)だそうだ。

 

 920日の自民党総裁選で安倍首相が三選されるであろうことも、外国人投資家には改めて長期政権を認識させる好材料だ。当選後には國土強靭化や天災復興のための巨大な予算を、予備費や補正を利用して発表する。また日米首脳会談で何かいい話というか、いやな問題が消える「予感」がする。予感ですがね。当たりそうですよ。

 

 私はこの何週間も、マザースや国土強靭化関連を取り上げで、買いをおすすめしてきた。特にマザースの時は、私の経験を信じてくださいとまで申し上げたが、今回も的中。私の勝ちだ。揺り戻しはあるだろうが、上昇基調に変わりあるまい。

 

 映画のセリフから。ベーブ・ルースが球界人に入ってから先輩選手との対話だ。「守備の甘い所へ打つのがコツ」だ。「だからオレは場外に打つのさ」。やはりルースはアメリカのヒーローなんだなあ。いや、相場の方が、真空地帯をホームランのボールのようにスッ飛んでゆく、と言いたかったんです。

2018年9月10日 (月)

映画「ジョーズ」と天災と国土強靭化関連銘柄(第924回)2018・9・9

映画「ジョーズ」と天災と国土強靭化関連銘柄(第924回)2018・9・9

 夏になるといつでも思い出すのがこの「ジョーズ」だ。175年の作品だが、いまでもBSで繰り返して上映されると、私はDVDは持っているのに必ず観る。

 ストーリーはご存知の通り。怪物サメと人間との死闘だが、スティーブン・スピルバーグ監督がわずか28歳でこんなすごい傑作を作ったことに、私は凡人の一人として、本当に啞然としてとしてしまう。

 

 米国の友人にこの映画の話をしたら「『もっと大きな船が必要だ』ってセリフを知っているかい」と聞かれた。

 「それはブロディ署長が、巨大なサメが水面上にガバっと現れた時に対面して、唖然として言うセリフでしょ?」「もう米国では慣用句で、想像しなかったような大事件に遭遇し時に言うんです」。なるほど。

 

 被害者や亡くなられた方々にはまことにお気の毒でならないが、今回の北海道の大地震や関西空港のタンカーの道路との衝突なんて、だれにも考えられなかった出来事だろう。大地震や豪雨、台風なんて日本では当たり前といった外人がいたが、私は憤然として、とんでもないと反撃した。本当はキチンと準備さえしておけば、被害はもっと少なくて済んだのに、と思ったが。

 

 ただ、情報と市場をつなげる仕事に60年をささげてきた私としては①インバウンドへの逆風②対策としての国土強靭化計画への脚光という明暗二相を考えてみた。

 

 幸い96日に2本のレポートが私に届けられた。第一はSMBC日興証券の「関西国際空港閉鎖の日本経済への影響(訪日消費を中心に)」。第二は三菱UFJモルガンスタンレー証券の「相次ぐ自然災害がインバウンドへの逆風に」だ。

 

 まず関空閉鎖のマイナスの影響である。輸出入については2018年上半期で見ると、関空利用のシェアは輸出が67%輸入が50%で決して決して小さくないが、ほかの空港の利用などカバーできる。

 一方、観光客は2017年の外国人入国者2743万人のうち、関空利用は716万人、261%で、成田の279%に次ぐ。GDPベースでは、2018年の実質成長率を0・05%押し下げる。軽度といえそうだ。

 第二のレポートでは、インバウンドへの打撃について、観光業については震災の復旧・復興が一巡した後もマイナスの影響が長引く可能性を指摘している。

 

 実例としたのは、20164月の熊本地震だ。九州地域の外国人入国者数は実質4割減少し、震災前の入国者数の増加ペースを取り戻すまで6か月を要した、として、「日本の景気全体の下振れリスクといえる」。とした。

 

 まあこうしたマイナスの面は残念ながら事実だろう。しかし実は96日に大型建設株中心にセメントなど、復興関連銘柄が日経平均の5日間の続落にもかかわらず、かなり上昇したことだ。

 

 銘柄は後述することにして、早速、政権内部からの情報を入手して見た。するとー。

 第一は安倍首相は災害直後にまず関空の復旧、次いで北海道に、予備費を56000億円投じて、業務再開を大至急行え、と命令したらしい。

 第二に明年の消費税増税を控え、最高三兆円規模の建設国債発行による国土強靭化計画の推進も同じく検討が始まった、と。

 しかし三兆でなく一兆数千億円にとどまるらしい。(財務省のかたくな姿勢のため)。またこのニュースも「いま発表すると石破封じの総裁選対策と曲解される」との官房長官の進言で恐らく再来週かその次あたりに延期された。

 

 それにしても過剰な期待は禁物だが、相次ぐ天災で、予算増大は確かと考える。

 具体的にはゼネコン大手四社、ショーボンド、鉄建建設、不動テトラ、前田建設などの中堅特殊技能建設、それに太平洋、住友大阪などセメント大手。あと外人労働者導入などで労働紹介業大手などが強靭化関連になる。どうぞご研究を。

 

 今回の映画のセリフから、は幕切れのブロディ署長のです。「オレは本当は海はキライなんだ」。私はマーケットや情報は大好きだがたまにはこういったセリフも言ってみたいなあ。

 

2018年9月 3日 (月)

映画「タリーと私の秘密の時間」と三選後の安倍さんの政策 (第923回)

映画「タリーと私の秘密の時間」と三選後の安倍さんの政策(第923回)2018・9・2

 私の好きな美人女優シャーリーズ・セロンの主演ものなので観たが、何と18キロも太ったアラフォーのバツイチで少々ガッカリ。役のため体重を増やしたとか。ま、仕方ないか。

 三人目の子供を産み、産後鬱になっていた主婦マーロが夜間専門の若いベビーシッターのタリーの奔放な行動から次第に活力を取り戻してゆく。監督兼製作のライトマンは「大人用メリー・ポピンズ」とこの作品のテーマを説明している。なるほど。キラキラしていた20代を忘れられない女性向けの映画なんだな。そういえば周囲はアラフォー以上の女性が圧倒的だった。

 

もう安倍首相の三選は決まりだろう。827日の読売新聞の世論調査では、安倍内閣支持率は50%と前月比5%も上昇した。不支持率は40%とこちらは前月比5%下降。

 支持の理由は「政策(特に外交)」「指導力」「政治理念」で、まあマトモだ。

 イマイチ盛り上がりに欠けるのは事実だが、これで20219月までの安定政権が決まり、23月ごろの低支持率の時逃げ出した外国人機関投資家が回帰するだろう。

 

 安倍さんのやることはヤマほどある。ちょうど主人公マーロのように。2019年だけで天皇陛下御退位、新天皇即位と改元、統一地方選、参院選、ラグビーワールドカップ。続いて消費税引き上げ、東京オリンピック、などなど。安倍さんは憲法改正をやりたいのだろうが、これだけスケジュールが詰まっていては、まあ出来ないかも。

 私は昔、自民党首脳が話してくれた言葉、「イマイさん、東京湾にミサイルが一発撃ち込まれてごらん。憲法改正なんて一晩で成立するよ」。が忘れられない。慌てることはない。

 

 安倍さんはいま日本が世界的に見て立ち遅れかけている40革命に、活を入れてゆく、と見ている。

 具体的には、人工知能、ロボット、IPS細胞、ビッグデータ、シェアリングそれにキャッシュレス社会である。これが成長分野であることはだれでもわかるがモリカケ問題もあり、法律整備、規制緩和がイマイチ。

 竹中平蔵さんに伺ったら「サンドボックスつまり砂場を作って自動運転などを自由にやらす。法律はようやく一件成立、あと、一つ必要」とか。また竹中さんは「日本の対世界立ち遅れは2011年には大震災があり、123年には民主党政権のせいで遅れた。2016年のビッグデータ基本法成立で40革命に追随しかけたところ」といっている。なるほど。

 

 もう一つある。長寿化への対策だ。香港に次ぐ第2位の長寿国家として、21世紀に生まれた子供の寿命が105歳になることを前提に、成人教育し、第二の人生のための資格を取らせなくてはならない。夜学になるだろうから、補助金が必要。財務省は反対したらしいが安倍さんが押し切ったとか。

 

 サイバーセキュリティの専門家は、いま20万人もの人材不足と聞くから、この能力なり資格の取得は、第一の人生のときの所得より増加すること必定だ。

 今週は「政策」だけ書いて、アレ?イマイ先生銘柄は?とお考えかも。そりゃあ個別の企業は多いからー。これは次の著作で。

 内閣官房参与で安倍さんのスピーチライターの谷口智彦さんは「安倍晋三の真実(悟空出版)」で、こう首相の方針を述べている。

 「2012年の12月、安倍総理は指示を一つ、明確に伝えました。普段の月に4回ある、週末の過ごし方についてです。

 1回は必ず東京大震災の被害地を訪れて復興の様子を見る(これはその後、ほぼ1年半、忠実に実施された)。

 さらに1回は、それ以外の日本の各地を訪問し地域経済の状況に接する。

 もう1回、平日にないなか会えない人たちに、会う機会にする。

 週末はあと1回、残るからそれを全部外遊に充てる、というものでした。」

 永々と引用したが、安倍さんはもちろん、菅官房長官は実はこれ以上の働きぶりで、共にほとんど滅私奉公の働きぶり。これで「官僚にバカにされる政治」が「官僚が畏怖する政治」に変わった、と谷口さんは述べている。凄いなあ。ちなみにこの本はおすすめです。

 

 映画のセリフから。マーロがタリーから「どうしても辞める」といわれて慌てる。

「これから私はどうするの?」「やるべきことをするのよ。くり返し、くり返して、ね」安倍さんも菅さんもこれ迄の6年とおなじに今後も滅私奉公するんだろうなあ。お体大切に。

 

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