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2018年7月 2日 (月)

TVドラマ「モンテ・クリスト伯」とサマーラリーとその後の不安(第915回)

TVドラマ「モンテ・クリスト伯」とサマーラリーとその後の不安(第915回)2018・7・1


 ディーン・フジオカ主演の「モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―」が終わった。データニュース社「テレビウオッチャー」発表の“満足度”によると回を追って上昇、視聴率は二けたにはならなかったが、私には楽しめた。

 

 ひと様は私が観ていると話すと、皆が怪訝そうな顔をする。「でも『ブラックペアン』だって『MISSデビル人事の悪魔・椿真子』だって。それに綾瀬はるかの主演ものはみんな見てますよ」「録画して、ね」。とお答えしている。

 

 岩波文庫で7冊のあの大作。私は「巌窟王」でまず簡略版を読み、高校時代に全部読んだ。その時のゾクゾクするような読書の楽しみは忘れられない、3013年のNHKが「100分de名著」を放映した時もまた読んだ。

 

 アレクサンドル・デュマのこの長編は新聞への連載で、休載の日は各地で大騒動の発生するほどだったとか。

 

 ストーリーが何しろ抜群に面白い。主人公の幸福の絶頂からの転落、囚われの身からの脱出、無一文から超超大富豪、そして自分を陥れた三人への復讐―。同時並行で違う場面が画かれ、最終的にはすべてが一つに収れんさせてクライマックスに導く。映画的な手法が使われドラマを盛り上げてゆく。

 

6月最終週は22300円近辺の小幅陰線で終えた。530日に付けた21931円を切るとダブルトップの形になって、一段安の可能性が示唆されるところだったが、連日の日銀のETF買いもあり支え切った。テクニカルには長、短の移動平均が下支えしている。

これを不安な先行きのしるし、と見る向きが多いから、売買量が少ないのだろう。

 

 だが、と私は考える。7月下旬から第一・四半期(四~六月)の三か月決算が続々発表される。日経平均225種の予想一株当たり予想利益前期比5%減益だが、会社側の予想は1ドル105円、だから上方修正になってくるだろう。外国人投資家の先物売りの買い戻しもまだ6兆円も残っている。サマーラリーは相当高い確率で、あると思う。

 

 しかしいまやインネン場となった23000円を抜くに時間がかかっているのは、何といっても貿易戦争、それに中国の人民元と上海株式市場の下落だろう。

 

 ただ、私のワシントンの情報源からは、共和党の最大のスポンサーのコーク兄弟が関税引き上げに反対で、中間選挙に何と民主党に献金する、と言い出した。前回の大統領選挙に1000億円も献金したコーク兄弟の動向だから共和党の上下院や知事の候補者たちが一斉にホワイトハウスに圧力をかけるのは当然。

 

 そこで日本,EUなどからの対米報復制裁発動前にトランプ大統領が「軟化する」。

 

こっちの方はまず大丈夫と思うが、中国の方は習近平国家主席の作戦が失敗に終わるのが目に見えているので心配だ。

 

習近平国家主席のどこがダメなのか。6月に4日北京で開かれた欧米多国籍企業20社首脳との会合で「『欧米では左のほほを殴られたら右のほほを差し出す』と聞いているが、『殴りかえすのが我々の文化』と述べた。(626日WSJ紙)。

 

 要するに一歩も引かないゾとすごんだわけだが、このケンカは中国に分が悪い。まず現在の状況を見ると―。

トランプ米政権は、76日、知的財産侵害に対する制裁として、中国からの輸入品340億ドルに25%の関税をかける。米国側はこのあとさらに160億ドル分を追加制裁し、中国側も同じ日に同額分の報復関税で対抗する、といった具合だ。

 

さきに「分が悪い」と述べたが、米国と中国の貿易を見ると、圧倒的に中国の米国に対する輸出の方が多い。つまり2回目の報復関税で、中国側は手持ちのカードを使い切ってしまうことになる。

 

トランプ大統領はこの状況は百も承知で、中国で報復したら制裁対象額をさらに2000億ドル追加すると示唆している。ケンカの結末は目に見えている。

 

パンチに耐える体力も乏しい。BIS統計によれば中国企業の借入金は昨年末で20兆ドル,GDPの1,6倍。しかも最近企業と金融機関の外国からの借り入れは急増している。

 

これじゃあエドモン・ダンテスがモンテ・クリスト伯に「変身」したあと、三人の悪人を次々復讐し破滅に追い込んだのに似ている。上海株式会社が連日安値を続けているのも当然だろう。もうぶっ壊れている。

 

それでも日本株の方は大丈夫、トレンドとしての上昇基調が明確に見える。

 

そういえば、この大長編の結びの言葉がある。「待て。そして希望を持て」。私もそうしよう。  

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