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2018年6月18日 (月)

映画「終わった人」と骨太の方針の読み方と私の大きな夢(第913回)

映画「終わった人」と骨太の方針の読み方と私の大きな夢(第913回)2018・6・17

 舘ひろし主演でとても評判がいい。「定年って生前葬だな」とか「夢なし、趣味なし、仕事なし、そして我が家に居場所なし!!」という予告編に誘われてみたが、周囲は中高年のご夫婦連れでいっぱい。大いに笑える上出来なコメディで面白かった。

 

 東大法学部卒で大手銀行のエリートだった主人公壮介(舘ひろし)は、同期のライバルに負けて出世コースから外れ、子会社に出向させられてしまう。そのまま銀行に戻ることもなく、63歳の定年を迎えてしまった。退職して翌日から、時間を持て余してしまう。

 

 公園、図書館、スポーツジムなど、主人公は立ち寄って、そこが780代の老人ばかりでイヤ気がさしてしまう。グチをこぼしてしまい美容師として忙しく働く妻(黒木瞳)から次第に距離を置かれる。職探しを始めると超高学歴、高職歴が災いしてダメ。

 

 そこに新興IT企業から「顧問」になってほしいと誘われ、就任。順風満帆に見えたのだが思いもよらない災難が待っていた。

 

 この611日からの1週間は大変なイベントばかりだった。米FRB、欧ECB、日銀の三大中銀の金融政策、12日の米朝首脳会談、米中の貿易摩擦、その前にG7の激論とトランプ大統領の中途退席、さらにはアルゼンチンの通貨不安、国内ではこれらの巨大ニュースに紛れて注目されなかったが、政府は「骨太の方針」を発表している。

 

 一つ一つコメントする気はもともとない。米朝会談は「政治ショー」だったし、数少ない日本にとってのメリットは拉致問題と安倍さんの金正恩との会談がイケそうなこと、かな。

 

15日に発表された「骨太の方針」はもっと注目されていい、と私は思う。

特に①外国人労働者の積極導入と②財政の弾力化を取り上げてみよう。

 

昨年末の外国人労働者の数は1279000人、労働力人口の4%ぐらいだが、「年20万人から25万人」ふやし2025年には315万人、労働力人口の67%となる。

 それでも団塊の世代が続々70台に入るので年間40万人減少してゆく。20万やそこらじゃあ全体としての労働力は減少。これにAIの効果があるので、私のこの材料に対する直感は、いわゆる「口入れ屋」。人材の紹介会社はますますいい、ということだ。

 

もうひとつの「財政の弾力化」は2020年のプライマリーバランス黒字化目標を2025年に延ばした。同時に消費税を10%に引き上げることも骨太の方針に明記している。

 「消費税」は安倍さんにはイヤな思い出しかあるまい。平成26年の消費税8%への増税は駆け込み需要の反動減が27年度に3兆円。日本経済の停滞を招いた。

 

そこで昨年6月に首相が2度目の増税延期を決断する前、財務省は消費税2%分に当たる5兆円の景気刺激策が持ち込まれたが、それでも首相はOKしなかった。

 

私は2019年秋ごろには①米国景気の景気先行き不安②欧ECBの利上げ予想③中国のますますの景気減速、があるし、2020年にはオリンピック以後の景気に不安がある。10%への増税をやるべきでないと思う。それでも老齢化対策で増税が必要なら、利息ゼロの永久債を日銀と政府の協定を結んで発行、年間11兆円の利払い費の不要分を「財源」にしたらいい。こう考える。防衛費も増えるし、国土強靭化政策も、もつと具体化するべきだ。インフラ整備が中心。建設大手がいい。

 

 幸い、自民党総裁選が9月にある。細田派の96人24%、麻生派は60人15%、二階派44人11%。これに対し石破派20人5%、岸田派47人11%だから、無派閥73人18%が反旗を翻しても安倍さん三選は固い。

 

 石破さんも岸田さんも財政再建派だし、経済重視とはみられていない。だから外国人投資家は内閣支持率が下がると、日本株の比重を下げている。安倍さんの三選が確定的と見られれば、ヘッジファンドが買い始める。外人マネジャーに聞くと「年末までに日経平均24500円」というのが大勢だ。

 

 今回、私が特に大注目しているニュースと銘柄をご紹介する。ペプチドリーム(4587)だ。

 

なぜか。「特殊ペプチド医薬品」の原薬を製造販売する「ペプチスター」の本社工場の建設ガ始まった。この市場は同社によると「50兆円、そのうちの原薬市場の8割4兆円の売上高を目指す」としている。このぺプチスターはペプチドリームと塩野義、積水化学、産業革新機構、三菱商事などオールジャパン体制で10数社が出資し、計200億円の資金でスタートした。来年9月の稼働を予定している。

 

 特殊ペプチド医薬品は次世代医薬品として知られる。天然のアミノ酸に特殊なアミノ酸を人工的に組み込み、さらに環状構造を持たせた特殊環状ペプチドを多様に発生させることができる。これを大量生産する技術をペプチスターは成功し、特許を取得した。同社社長は「10年後、20年後にはこの国の基幹産業に位置づけられるようにしたい」と述べた。(サンケイビズ、614日)。

 

 私の寿命は10年持たないだろうが、この夢は素晴らしいと思う。もちろん海洋開発も私の希望だが、これも加えたい。超長期投資を前提に投資も。

 

 映画の主題歌は布袋寅泰氏の作詞、作曲で今井美樹が歌っている。「あなたはあなたのままでいい」。いい歌だ。ごく一部をー。

 「この先 残る日々は、満ちる夕日 砂時計のように愛をひと粒づつすくいながら 明日を待つの」。わたくしも明るい明日を待つことにしよう。



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2018年6月11日 (月)

映画「春の珍事」と米朝会談の行方とトランプ氏サミット中途退席のワケ (第912回)

映画「春の珍事」と米朝会談の行方とトランプ氏サミット中途退席のワケ

(第912回)2018・6・10

 巨人がダメなゲームばかりしているので、今シーズンはまことにつまらない。代わりに大谷を観ることにしているが、今度はケガ。投手でも打者でも成績を上げているんだからやはり楽しいから早く治ってほしい。DVDで私の好きな野球もの映画「春の珍事」を観た。1950年公開の古いものだが。

 レイ・ミランドは野球好きの大学の先生で専門は化学、実験中に校庭からボールが飛んできて化合させていた数多くの薬品がメチャメチャに。

 ところがその薬が染みたボールを何気なく転がしてみると、木を避けてゆく。試しに校庭で投げればボールは木のバットを避けるので、野球部の選手も打てない。

 

 そこで先生はこの薬をヘアトニックの瓶に詰めて大リーグに乗り込み、一躍有名投手になる。グローブに穴をあけて、薬を染ませて布を隠しボールに塗って投げるから、どんな強打者でも、バットに当たらないのである。

 

 次第に薬はなくなるが、偶然できた薬なので作れない。ついに薬は切れ、先生は打たれ始めて大ピンチ。しかし投手ライナーを右手で捕ってゲームセット。優勝。素手でキャッチしたので手を痛めるのだが、現実には薬がなくなった先生にとってはラッキーな結末になった。 恋人とも結ばれハッピーエンド。

 

 DVDで観ながら私は「この先生、イカサマ薬を使ってうまいことして、まるで金王朝のイカサマじゃないの」と思った。

 

 核開発、ミサイル開発を続けながら、時々「核放棄」の約束を行い、代償として経済援助を取り付けるが、現実には嘘っぱちで、時間稼ぎで上流階級は、いい思いをしながら、核開発を続ける。これを繰り返して金王朝は国民に惨めな生活を続けさせつづけた。

 

 中国が昨年の党大会まで、チャイナ・セブンの中の三人が石油閥、江沢民派、「北」シンパで原油などの供給があったことが、制裁の抜け穴になった。

 

 ところが習近平独裁時代で「北」派三人はクビ。昨年10月以降、まずジェット燃料、次いで原油も供給が絞られ、ついに平壌には木炭自動車まで、走り出した。外貨準備も2月には底をつくことが分かったので1月から平和攻勢に転じた。冬期五輪参加、南北首脳会談、そして米朝会談、2回の訪中といった具合だ。

 

 私がワシントンから聞いた話では、習近平は金正恩に巨額な借款を与える約束をした、とか。国連制裁があるので、中国共産党と朝鮮労働党との合意にしているらしい。

 また中朝両国間の物流も大幅に緩和されているが、これも民間主導という形でゴマカしているそうだ。

 

 これを見逃す米国じゃない。トランプ・ツイッターで「最近、中朝国境に『穴』が開いているそうだ。それは協定が結ばれた後の話だ」「金正恩は訪中してから大きく変わった」と牽制している。

 

 また5月19日の韓国文在寅大統領との電話会談で「板門店会談であなたが聞いた金正恩発言と最近の「北」の行動が違うのはなぜか」と聞いたそうだ。とっさに私は文在寅統領の「仲人口」だと思った。双方にうまいことを言って何とか縁談をまとめようとするウソだ。これかも知れない。ま、12日の結果待ち、ということか。

 

 ところで8,9日のG7サミットと「貿易戦争」について。マスコミが、どこも報じないが、そろそろ終戦、という情報があったのでご紹介しておこう。 これがあったので、トランプ大統領はサミットに最後までいないで中途退席になった。ご存知?

 

貿易戦争は、米通商拡大法232条が米国大統領権限で発動できることになっていることから始まっている。トランプ氏は中間選挙対策にと思って、例の鉄、アルミから始まって関税引き上げを発令し始めたのだが、これはとんでもない所からブレーキがかかった。

 

 米国で「コーク兄弟」といえば知らぬものはない超巨大富豪で、二人合わせて資産1200億ドル。兄弟別々にランクされるから一人での600億ドルは第8位だが、1位のアマゾンのオーナーのジェフ・ベゾス氏の1120億ドルを二人合わせると抜く。もちろんビル・ゲイツ氏の900億ドル、ウオーレン・バフェット氏の840億ドルを抜く。

 

 この二人は2016年の大統領選で共和党にに8億8900万ドル(1000億円)を選挙資金として投入した。

 

 そのコーク兄弟が今回の関税引き上げに猛反対で「民主党に資金を回す可能性」が報じられている。とりあえず数百万ドルを投じて、関税引き上げ反対キャンペーンを開始した(6月4日ワシントンポスト)」。

 

 中間選挙の予備選が始まっている現在、大手資金供給者が叛旗を翻したのだから、トランプ氏の腰が引けたのは当然。ツイッターで「米中両国は最終的には関税を賦課しないで終わる可能性」まで触れている。Gセブンで引っこめたいのだが、そうそう簡単に止めます、ともいえない。そこで中途退席と相成ったというわけ。おわかりか?

 

 東京株式市場にさっそく反応が出ている。半導体関連や電子部品製造機器メーカーは「貿易戦争関連」として3月に売られたが、現在は買い戻しで株価は急回復中。

 

円安、日本株買いで近いうちに節目の2万3000円を抜いて驀進する可能性が出て来た。

心配は米アップルとフェイスブック片や、台湾への部品発注減、片や情報漏れ、それにドイツ銀行だけ。日本株?大丈夫に決っているじゃあないですか。

 

映画のセリフから。右手を痛めて引退を余儀なくされて主人公にチームの仲間がなぐさめる。そこで「引退がいいことである事も世の中にあるんだよ」。大騒ぎになり、世界不況の引き金と騒いだ関税引き上げの問題は、かくて終わり。さてどう幕引きをするのやら。


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2018年6月 4日 (月)

映画「無防備都市」とG・ソロスが、送ってきたメールとイタレグジット(第911回)

映画「無防備都市」とG・ソロスが、送ってきたメールとイタレグジット(第911回)2018・6・3

 第二次大戦中の1944年に撮影が開始されたロベルト・ロッセリーニ監督の伝説的な名作。ロケ第一、素人俳優起用というネオリアリズモの原点でもある。

 失脚した独裁者ムッソリーニを傀儡政権として担いだナチス・ドイツ軍はイタリア全土を占領し、抵抗するレジスタンスを弾圧する。指導者の拷問による無残な死。ひそかに運動を支援していた神父の銃殺。そして婚約者が連行されるトラックを追いかけ、虫けらのように射殺される女性。

 

 観客を感動させたのは、死の瀬戸際でもなお人間の心を失うまいとする人々の姿とナチスへの怒りだ。

 

 5月29日欧州発世界株価暴落の売り材料は①ヘッジファンド大手のブリッジウオーターのトップのレイ・ダリオ氏の欧州株特にイタリア銀行株の大量売り②前日のジョージ・ソロス氏パリでの講演で「難民排除に傾く伊政権の失策がユーロ危機を再来させる」と警告、の二つとされている。

 

 ソロス氏から私に送られてきたメールをよく見ると、従前からの氏の主張の「何か次に予想外の圧力がかかった場合、EU分裂」といっていたのが「もはや過酷な現実だ(この表現を3回も使っている)」と。たしかに強い警告になっている。

 

 現在のイタリア政局は不安の塊だ。議会で多数派を占める「五つ星運動」と「同盟」は、反EUの流れ。だがマッタレラ大統領はIMF元財務局長を指名した。

 このため8月または9月に再選挙が実施され、反EUかEUとの協調か、イタリア国民は事実上の国民投票を迫られる。これを反映してイタリア国債のCDSスプレッドは一気に2011年の国債破綻危機時の水準に急騰。10年ものイタリア国債利回りは5月初めの18%が3%台半ばに上昇している。

 

 ヘッジファンドのある大手は、ブリッジウォーターのCEOが「国民投票の確度が高まっている」とのインサイド情報を得て、イタリアの銀行株の大量売りを始めた」と。この大手の動きに雷同した中小HFが、ついでに日本株迄先物を売り始めた。そこで29日と30日合わせて460円の日経平均大幅下げにつながった。

 

 では、この世界的な株安に永く続くのか。

材料となるのは「イタリアもEU離脱」が本当に起き、ユーロがメチャメチャに安くなり続くか、だ。

 昨年11月のEU「ユーロ統一通貨意識調査」を見るとイタリアのユーロ賛成派は59%で反対派の30%。

 

 同調査での「EU離脱」への楽観派(離脱しない)は50%で悲観が40%。

 ちなみに英国のEU離脱当時は楽観派43%より悲観派43%より悲観派の49%が上回っていた。

 

 日本の元財務相高官も「ECBの国債保有額のGDPEは日銀よりはるかに低い.買い余力があり、イタリア国債の買い入れに不安はない」。

 

 私は大ごとにならず、HFの”仕掛け“は一見成功したように見えるが、せいぜい23週間、と見る。下値は日本株の場合、もう届いていると考える。23000円につっかけるときのスピード調整に過ぎないだろう。いぜん私は強気だ。

 

 映画のセリフから。映画のラストでドン・ピエトロ神父は「立派に死ぬのはたやすいが、正しく生きるのが困難なのだ」と言い残して銃殺される。83歳になろうとしている私には死ぬのも大変なことは周囲の例を見るとわかるような気がする。立派にまた元気で仕事をし続けたい。

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