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2018年4月 9日 (月)

映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」とトランプと安倍首相(第904回)

映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」とトランプと安倍首相(第904回)2018・4・8


 先日のアカデミー賞で日本人辻一弘さんの特殊メーク賞獲得が話題になり、主役のゲイリー・オールドマンが主演男優賞。この演技だけで一見の価値がある。面白いし、おすすめできる。

 

 1940年5月9日、チャーチルが首相になってからの4週間、脆弱な政権で前首相と外相がヒトラーとの和平を主張、二人が辞任すると内閣総辞職の危機があり得る状況だった。また国王ジョージ六世とも(当初は)仲が悪い。

 一方、フランスは陥落直前、連合軍はダンケルクに追い詰められ、英国はこの映画の原題のとうり「ザ・ダーケスト・アワー(最悪の時)」にあった。

 

 チャーチルはまずダンケルクの30万人の英国兵を民間の船を徴用する「ダイナモ作戦」を発案、救出に成功する。一方、チャーチルは地下鉄に乗ってロンドン市民に話しかけ「絶対に降伏しない」という民意を聞く。その後、まず閣議で、次は議会で演説。「和平交渉は行われない、徹底抗戦する。これが民意だし首相としての義務である」、と。議員は一斉に起立して同意を示すハンカチを掲げてみせる。

 

 ヒトラーは英国に和平交渉を持ち掛けるのに、弟分のイタリアのムッソリーニ首相を仲介役に使った。外交手段にはいろんな策略がある。

 

 トランプ大統領は、1989年、当時のブッシュ()政権に対ソ軍縮交渉の代表に任命するよう執拗にロビー活動を行っていた。現実には外交官が起用されたのだが、ある会合でトランプは自分がどうするつもりだったかを話した。

 

 「まずゴルバチョフやソ連代表団に丁重に接し、できるだけソ連側の意向に沿って気持ちよくさせて交渉にのぞむ。そして交渉の冒頭に面と向かって「fuck you!」と恫喝し直ちに退席する」。

 

 この外交官は「トランプ氏は混乱や騒動が大好きだ。脅したり尊大な口を利いて相手のバランスを崩し、交渉の前途に不安をもたらす。

 

 これが「hit and deal」というトランプ流交渉術だ。

 

 いま米中貿易戦争と騒がれている関税引き上げ、知的所有権の対中攻撃は、この「ヒット・アンド・ディール」の一環、と考えたらいい。恐らく「北」は金正恩委員長との会談でも同じ、と考えたのだろう。金委員長は中国に駆け込み、IOCのバッハ会長にまでゴマをすった。会談冒頭の「hit」を防ぐつもりだろう。

 

 なんとも安倍首相は強運だ。

 

 キッカケは3月26,7日の中朝首脳会談である。これで国内の空気がガラリと変わった。

 

 その前は、森友文書の問題で一部のマスコミの安倍おろしの声が高く、どこで聞いても首相退陣で問題は時期だけだった。自民党首脳の中でも(一部だが)そういう声もあった。

 

 ところが、中朝電撃対談で「ここはやはり安倍さんの外交力」という見方が台頭した。

 

 共同通信の4月1日発表の緊急電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は42・4%で、3月17日、8日の前回調査から3・7%上昇した。

 

田原総一朗さんも「下手をすると30%を切るのでは」と書いていた。またヘッジファンドの日本株売り円買い作戦も、マスコミや証券会社のストラテジスト情報で「日本の安倍政権の交代近し」と見て開始されていた。12週間、外国人投資家は日本株売り越し、額にして8兆円にのぼっている。うち6兆円は先物売りだ。

 

 まだ1社だけの世論調査では、マユツバもの、とみているファンドマネジャーもいる。しかし今週末から来週にかけての世論調査が「上昇」なら、泣く泣く買い戻し、になるだろう。

 

 連日カラ売り比率が45%という経験的にはメチャ高い売りも同じで、買い戻しに決まっている。

 

 私の強気は変わらない。あと何週間で私の勝ち、は目に見えている。Vサイン、だ。

 

 映画では、チャーチルが手の甲を相手に向けてVサインを出したら、新人の秘書が「首相、そのやり方だと“クソくらえ!”という意味なんですよ」と忠告。以降、手のひらを相手に見せる形のVサインに変わる。

 

 チャーチルの名言は多いが、この映画では「勇敢に戦って敗れた国はまた起き上がれる。しかし逃げ出した国に未来はない」。これがチェンバレン前首相の和平交渉主義の抑え込みに対する切り札になる。私はこの言葉に共感する。勇気ある言葉だ。

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