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2018年3月19日 (月)

映画「北の桜守」と米関税引き上げと米朝首脳会談と日本(第901回)

映画「北の桜守」と米関税引き上げと米朝首脳会談と日本(第901回)2018・3・18

 吉永小百合120本目の作品でしかも「北の三部作の最後」というので注目されているが、私の妻が見たいというので観た。サユリストに申し訳ないが、30台を演じるのはやっぱりムリ。映画そのものの出来がイマイチ。「おくりびと」の滝田洋二郎監督らしくないなあ。

 

北海道を舞台に戦中と戦後を生き抜いた母子の物語で、戦争の暴力を表すのに劇中劇という形をとった。夫はソ連につかまり長男は乗った船が撃沈された折に死亡、次男と主人公は網走で貧しく苦しい生活を必死に暮らす。次男は1971年アメリカで成功し、ホットドッグ店の社長として帰国、母が認知症にかかっていることを知る。二人で北海道各地を巡り、共に過ごした記憶をたどってゆく。

 

 私もこの8月で83になるので、記憶力はとても気になる。幸い細かい数字まで明確に覚えているので、まだ大丈夫だが、ある人からこれは二者択一で、記憶が万全でなければ「ボケるが勝ち」とやらで、コーコツ化した方がご本人は幸せ、と聞いた。まあ勝ち組と負け組、と言ってもいいのかも。

 

 今回のトランプ大統領の鉄鋼、アルミ輸入関税引き上げと対北朝鮮トップ会談という、共に攻撃的な政策は、日本にとり以外に有利な結果をもたらす可能性に私は注目している。

 

 第一に関税。米国の鉄鋼業界は200年比で生産設備は55%減少し雇用も55%ダウン。稼働率が低下し、2009年以降損失が続いている。

 アルミも輸入品シェアは90%を超え、稼働率は43%、雇用も58%減少。ともに需要は増えているにもかかわらず、「負け組」になっている。

 

 稼働率を鉄・アルミとも80%にするため、商務省ではシンクタンクに依頼、その結果25%と10%という案が採択された。これ以上両産業を苦境に追い込めない、という決断だ。これは商務省がトランプ政権発足直後からほかの保護主義案件とともに調査が始められ、1年かかって具体案が出た、ということらしい。

 

 リチャード・クーさんは①関税引き上げの米国経済への影響は小さい②トランプによってようやく負け組の声が政策に反映される③現政権の前でも輸入関税引き上げや数量規制は何度も導入されてきた④貿易戦争につながるリスクはあるが、一方、自由貿易体制が公正であるかといえばそうではない、として⑤対米貿易相手国は数量調整か価格調整の二者択一を迫られる、と結論付けている。(「マンデー・ミーティング・メモ」2018・3・12)

 

 私は新日鐵住金がシームレス・パイプの価格を10%引き上げたことに注目している。シェールガスの掘削には日本製でなければ、と私は米国の採掘現場で聞いた。どうしてもかなわないそうだ。同社が特殊鋼のメーカーを買収して、今後の情勢変化にそなえ始めたのを心強く思う。

 

 一方、米朝首脳会談だ。「これまでの米国政権が二十数年間全く成果が上がらなかったのかから別の方法を推進するのは当然」とこれまた外交でもトランプ色。関税でゲイリー・コーンNEC委員長、「北」ではティラーソン国務長官を斬って、自分の政策を推進しようとしている。

 

 米国と「北」の接近と関税で一番警戒しているのは中国だ。これまでは「北」を抑え込む唯一の存在として、米日に自分の地位を売り込んでいた。日本が尖閣、米国は台湾で中国に対し強く出られなかった。ところが米朝が接近すると、日本も米国も南シナ海で強硬姿勢をとれる。現に台湾渡航を自由化した。

 

 国としては、依然として大陸間ミサイルの開発停止だけで日本が置き去りにされるリスクは残るが、うまくいった場合は、つまり核廃棄になれば平和がある。私はもちろん警戒姿勢をとるべき、と考えているがー。

 

 何しろ年初から現物、先物で8兆円も外国人投資家は日本株を売り越した。日本への「北」の不安と安定政権が揺らぐ懸念がダブルとなっているが、ともに解決と考えられる状況が来れば、買いに転じる。

 

 私は森友の方はいずれおさまるとみているが、米朝会談の方は皆目、見当もつかない。安倍政権安定とみれば先物の6兆円は必ず買い戻す。4,5月に意外高、とみる理由だ。

 

 映画の中で歌われる「花、たけなわの時」という小椋佳さんの作詞、作曲の歌の2番。「あらがえぬ運命を受けて、桜の花びらは 風に乗り 色あせぬままに飛ぶ」。いい曲で劇中の舞台で歌われる。このエンディングは良かった。今回の私はこの歌の通りの心境だ。

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