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2018年3月12日 (月)

映画「シェイプ・オブ・ウォーター」と安倍首相の内憂外患と株・円レート(第900回)

映画「シェイプ・オブ・ウォーター」と安倍首相の内憂外患と株・円レート(第900回)2018・3・11


今年度アカデミー賞の最優秀作品賞、監督賞などを獲得した秀作。ギレルモ・デル・トロ監督の作品でも一番いい。

 

 1962年の米国ボルチモア。冷戦時代の秘密研究所で働く、口の利けないまあ不美人の掃除婦イライザが主人公。ひそかに運び込まれた半魚人の姿を見て心を奪われる。孤独な主人公はアマゾンで神のように崇められていた“彼”に密かに会いにゆき、手話や音楽、ダンスなどで心を通い合う。しかし研究所の軍人ストリックランドは、半魚人を虐待し、実験で殺そうとする。これを知ったイライザは、同僚の黒人掃除婦と隣人の同性愛者の画家と協力して救出しようとする。三人の社会からはみ出したアウトサイダーが、緻密で大胆な作戦を実行するが、ここは見せ場だ。

 

 今や世界中からツマはじきされている「北」の独裁者金正恩が、米国大統領と史上初めて会談しようとしている。

 

これが緻密な「北」の作戦であることは、見え見えだと思う。米国側のタフ・ネゴシネーターだったジョセフ・ユン北朝鮮担当者特別代表が辞任した直後に、北の行動が開始された。

 

ホワイトハウス内の混乱、スタンドプレーで人気をとることしか考えない文韓国大統領を見事に乗せて、見事に米朝会談にこぎつけた。

 

「非核化の意志」だって?とんでもない!

 

米ジョンズ・ホプキンス大学の北朝鮮監視サイト「38ノース」は3月5日、北朝鮮の寧辺にある黒鉛炉から蒸気が立ち上がっているのを衛星写真で確認している。

 また「朝鮮半島の非核化」であることは、報道側も、もっと注意してほしい。韓国に米軍の核兵器の排除を含んでいる。まあ核武装は北朝鮮の憲法に明記されているし、国民を犠牲にして膨大な資金をつぎ込んで開発した核の放棄は、どう考えてもあり得ないと思う。

 

「北」は韓国には決して核攻撃しないと再三表明している。また米国にも、届くミサイルがないんだから残るのは日本だけ。この最悪のケースが「日本だけが北の核の脅威に6月以降もさらされる」(米有力シンクタンク)ことになる。

 

 また、韓国の情報・安全保障高官が金正恩と会談して以降の1週間に、米国の一流シンクタンクにはホワイトハウスから「トランプ大統領が金正恩と直接会談する場合のメリットとリスクの分析をしてほしい」との依頼が相次いでいたと聞いている。もちろん回答は懐疑的だったが、米国が日本を放置して「北」のワナにはまる不安は強い。私が「国難」と懸念する理由だ。

 

 こうした「外患」に加えて「内憂」がある。森友問題で佐川国税庁長官の辞任ではどうも済みそうにない。近畿財務局の課長補佐の自殺も、またトカゲのシッポ切りか、ではおわるかどうか。麻生太郎副総理への追及もありうる。

 あるベテランジャーナリストは結局、漁夫の利を得るのは岸田さんかなあ」と安倍辞任までほのめかした。朝日新聞のしつこさを考えるとこの方も「国難」に違いない。

 

 さて、株式市場と円レートに、この内憂外患はどう影響するか。やはり「北」のプラン通りに行かないケースも想定しなくてはなるまい。金正恩は首脳会談の事前の準備交渉を避けており、一方、制裁で北朝鮮が国としてニッチもサッチもいかなくなっている。米国側はそこが付け目なことは熟知している。モメること必至だ。うまく行かれたら「国難」だから、私は、私はダメな方を希望するが。では戦争?これまた困る。こちらも「国難」だ。

 

もともと準備交渉開始時期はパラリンピック終了後だったらしい。それが5月にズレ込んだのは、この間に核兵器小型化を完了してしまうリスクが高まると、外国機関投資家は懸念している。

 

このところ、円の先物取引で円買いが増加し、株式市場でも外国人の売りが多い。もう少し情報が入ってくるまで、対日投資作戦は円買い株売りとみられる。ただ私は3月ぐらいでこの作戦は失敗すると考えている。株価は2万1000円近辺で2回も底を入れてまあ岩盤だし、円レートの方もよほどの事件がなければ105円で止まりそう。要するに幅が少なすぎてもうからないから、ヘッジファンドの多数派はやらない。いや、やれないだろう。結論。安倍首相が地位を保てれば私の日本株強気は変わらない。

 

映画のセリフから。物語の初めのナレーションでいう。「言葉を持たないプリンセスの物語をどう伝えるべきか!」「そしてすべてを壊そうとしたモンスターについて」。誰が「モンスター」なのか。ご想像に任せる。デル・トロ監督はこの映画の構想を「つらい時代のためのおとぎ話」とした。

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