映画「DESTINY鎌倉ものがたり」とサウジの株売り(第889回)
映画「DESTINY鎌倉ものがたり」とサウジの株売り(第889回)2017・12・18
「三丁目の夕日」の西岸良平のベストセラー漫画の映画化。山岸貴監督の何とも不思議な映画で、鎌倉という土地に何千年も昔から妖気が止まりに留まっていて、怪奇現象が続々と起こる。だから人間と幽霊、妖怪、死神、貧乏神、が仲良く暮らしている。
その鎌倉に住むミステリー作家の一色正和(堺雅人)に19も違う若い妻の亜希子が嫁いでくる。高畑充希がかわいらしくて適役だ。この妻が思わざる事故で亡くなってしまう。妻の魂を取り戻すために、一色は黄泉の国へ向かう。
まあギリシャ神話のオルフェウスとエウリディーチェのパクリだ。危機に陥るが、一色家にとりついていた貧乏神を手厚くもてなしてやった亜希子への贈り物の古茶碗が意外な切り札。夫婦は現世に立ち戻る―。
いまの世界経済はゴルディロック、つまりまことに適温で気持ちいい状況で、世界の株式は一斉に高い。
11月末日までの今年のトータルリターンを見ると①新興国株式27・3②先進国株式17・2③米国リート9・0④世界ハイイールド再建7・4、各%。マイナスはコモディティの1・7%のみだ。今年がいい年だったことがわかる。ちなみに日経平均は18%。
2018年はどんな年になるだろうか。現状維持とみるのが一番やさしいが、映画で鎌倉市民の平和な生活と妖怪が同居しているように、2018年は文字ヤマのようリスク要因がある。
第一はサウジに絡んだ原油価格の急騰。バレル70ドルとなれば、日本への打撃は特に大きい。
第二はワシントンとNY。減税法案でひところのトランプ政権の早期退陣説はやや下火だが、まだ危ない要因は多い。NY株が割高と見えるのも心配。イールドカーブの動きも。
第三は言うまでもなくお隣の物騒な国。どう決着がつくにしても2018年には変化が起きそう。
第四は欧州。BRXITの立ち往生、ECBの金融政策、ドイツやイタリアの政治、数えだすときりがない。
きりがないと言えば、中国のクレジット・クランチ不安、人民元急落リスク、富士山の大噴火、南海トラフ、首都圏直下型地震、テロまで入れたら数限りない。
予算のいることばかりだ。教育、難民、防衛、国土強靭化、防災対策、みんな兆円単位のカネの要る事業に違いない。これに介護などの老齢化予算を加えたら、そして、財務省に任せたら、消費税は20%じゃきかない。
これは以前から私のいっている永久国債によるしかない。
今週の「エコノミスト」誌には「出口の迷路 金融政策を問う」として、東京大大学院客員教授の松田学さんが「に日銀保有国債の一部を永久化せよ」言う論文を発表している。
劇薬として批判が多い永久国債だが、一定の歯止めをもとに部分的に実験する。1年度10兆円を上限とし、総額の100兆円。この歯止めでやれハイパーインフレだのモラルハザードだのはなくなる。
詳しくは12月26日号「エコノミスト」をご覧ください。(76~77ページ)
さて、本日のテーマはやはりサウジの「今、そこにある危機」つまり保有していた日本株の売りが出ています、という指摘。どこの誰も言わないけども。
元第四皇子アルフリードが買い増していたNY株式市場では、ヒルトンホテルス、アコール、エアバスなど、資産没収が発表され12月6日から30&%下落。
日本では島津製作所、ファナック、ナブテスコ、ヤクルト本社スタートトゥデーが10%近辺の下げ。これはサウジ王室ファンド(SAJAP)の最大保有銘柄で11月末以来の下落だ。
サウジのSWF(ソブリンウエルスファンド)に2014年には最高7380億ドルに直していたが、最新の6月末までは4890億ドルに減少。その後も売却が進んでいること確実。
それでもNYも東京も株式市場は高いからこのサウジ売りは大きな悪材料になっていないのだが、それでも売り対象銘柄の株主には打撃に違いない。
映画のセリフから。もう亡くなっている主人公の父が言う。「「ここ黄泉は次に生まれ変わる前の腰掛けなんだ」。なるほど。このロジックなら。ゴルディロック状態は、長続きしない。
イマイ先生。強気はどこへ行ったの?いや、日本については、強気です。
ついでに、もう新年の講演会が決まり初めまして。
1月12日(金)10時 時事通信社の紹介で神奈川農協中央会主催、会場、平塚プレジール。「2018年日本と世界の政治、経済」
1月19日(金)15時 主催CWM総研、会場大宮ソニックシティ
1月20日(土)13時 主催第一商品(株)会場同社新宿支店
1月25日(木)15時10分 主催TACT高井法博法律事務所、会場岐阜グランドホテル
« 映画「泥棒役者」とHFの売りと中国・サウジ・北のミサイル(第888回) | トップページ | 映画「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」とサウジ異変と原油高(第890回) »