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2017年10月23日 (月)

「危険な関係」と安倍おろしクーデターの敗北(第882回)

「危険な関係」と安倍おろしクーデターの敗北(第882回)2017・10・22

 玉木宏と鈴木京香の主演で渋谷のシアターコクーンで上演中。ド・ラクロの小説を私は映画でしか知らなかったのだが、劇も面白い。外国人の演出なので一寸ズレているところもあったが。

 ウィキペディアで調べたら映画だけで8本もあった。一番憶えているのが88年のジョン・マルコビッチ、グレン・クローズそれにみずみずしかったユマ・サーマンのハリウッドもの。それにペ・ヨンジュンの韓国もの。主演男優が美男じゃなくちゃならないので59年仏版のジェラール・フィリップが一番適役のはずだが、これは観ていない。残念。

 ストーリーは有名だから簡単に。社交界の花形メルトイユ侯爵夫人は自分を裏切った愛人が清純な少女セシルと婚約したと聞いて、以前から関係のあるヴァルモン子爵にセシルを誘惑し堕落させるよう頼む。プレイボーイのヴァルモンは貞節の評判高いツールヴェル法院長夫人と両面作戦に興味を示す。こうして退廃に満ちた恋愛ゲームが始まる。陰謀は成功するか。

 いま思い出しても朝日、毎日、TBSなどのモリカケ問題の攻撃はすごかった。国会での前知事の証言は全く記事にしないか、番組で放送しなかった。内閣支持率は29%まで下がり、稲田防衛相は辞任。永田町の噂では安倍さんは「オレは来年の自民党総裁選に出ない」といったとか。そこまで安倍さんは追い込まれた。陰謀は成功したかに見えた。

 この悪環境を安倍首相はある人の忠告を入れて、思い直して8月4日に内閣改造、そして9月18日には解散の意志発表。これも安倍おろし派マスコミは、やれ大義がないとか、モリカケ問題のごまかしだとか批判し、希望の党を大いに持ち上げて最初は凄かった。

ところが小池さんが議員に出馬せず、民進の議員を「排除」するとか、いろいろあって、結局野党側は分裂選挙になり、与党は有利。ひところ下野まで言われた安倍首相は長期政権と、求心力をさらに高めること確実になっている。自民公明合わせると全体の議席数が10減少するにもかかわらず、過半確保。維新や未公認も入れると憲法改正論者は議席の三分の二以上が固い。大型台風も安倍さんに味方した。

 いわゆる護憲派やかくれ中国派、アンチ安倍―どんな名前を付けてもいいが、安倍おろしメンバーは「時にあらずと声も立てず」だろう。クーデターの陰謀は今や完敗に見える。

 残る未練がらみの報道は「安倍反対」の方が「支持するより多い」こと。悪あがきというほかない。

 私は昔、防衛庁長官の経験者が言った「イマイさんね。東京湾に北朝鮮のミサイルが一発落ちたら、憲法改正なんて一晩でできちゃうんだよ」という言葉を忘れない。

 もっとも、今この原稿を書いているのは日曜の夕方なので、開票後に予想外れでアレレという可能性もゼロではない。しかし株式市場は安倍さんの勝利を読んで、10月20日で14日連騰。外国人機関投資家が買っている。

 安倍政権発足直後の2013年1月の金融専門家会合の再現が、2018年1月にある―。こんな観測が、ソロス氏あたりに流れたのではないか。2013年の会合では黒田日銀総裁の登場と、異次元金融緩和。今回は私が前から期待している無期限無利子の永久国債発行という、大転換を読んでいたとしか思えない。

 中原伸之・元日銀審議委員はこう言っている。

 「まず物価目標2%を維持しながら名目経済成長率を3%目標にする。そのために治山治水のためのインフラ投資を10年間年間10兆円規模で行う。

 財源は満期60年の建設国債で賄うか、日銀の保有する日本国債のうち50兆円を無期限無利子の永久国債に替えてもいい(週刊現代)」。

 

 私が強気なのは、これが総選挙後に現実の問題になるとみるからだ。

 ある講演会で私がこう言ったら「イマイ先生、それじゃ国の借金が一人当たり800万円もあるのに、全く減らさないでいい、ということですか?」と聞かれた。

 「そうじゃありません。国の借金と一緒に国の資産も考えなくてはならないのです。日銀も加えた連結バランスシートで見ると借金は1000兆円ですが、資産も1000兆円。だから問題はありません。」

 「でも、マスコミはそんなことを報道しませんね。」

 「財務省のお抱えエコノミストが悲観的なことばかり、エラそうな顔をして論文を書いたりTVで主張したりするからですよ。くわしくは私の著書をご覧ください」。

 で、今回の結論は?

 私は日経平均の1000円の大台ごとに株式売買代金を合計すると、2万1000円のカベが大きかったことがわかるところが2万2000円から上は「真空地帯」に入る。次は2万8000円。売買金額累積の数字で示すと2万1000円台はざっと200兆円、これが20兆に減る。

 

 日経平均の一株当たり利益は、1600円が2,3年のうちには相当高い確率で到達する。PER15倍なら2万4000円、16倍なら2万5600円だ。すぐ、とは言いませんが、このあたりまでなら、まあ、楽でしょう。

 選挙直後に一休みするだろうが、私の「とりあえず」目標2万3000円は変えません。

 「危険な関係」の小説が書かれたのは1782年。フランス革命の直前、またC・ハンプトンが劇化しロンドンで大ヒットしたのは、1985年で、サッチャリズムの格差拡大社会だった。と演出R・ドワイマンはパンフレットで書いている。そして2017年は「日本も世界も何もかも危ない。危うい一線をいつ超えてもおかしくない」。そして幕切れ。メルトイユ侯爵夫人は目隠しされ、何回も身体を回されて最後に正面を向き、不安そうな顔をして幕は降りる。異次元金融緩和も永久債も不安材料と取る向きもあろうが、そんなことはない。私は楽観的だ。

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