映画「アメリカン・スナイパー」とピケティと格差問題(第764回)
映画「アメリカン・スナイパー」とピケティと格差問題(第764回)
クリント・イーストウッド監督の最新作でアカデミー賞6部門にノミネートされ、興行収入記録樹立など話題にこと欠かない。私より5歳も上でなお現役を続けるこの人は、理想に思える。この映画でも主人公クリス・カイルをスーパーヒーローのように描きつつ、実際はその逆だ、と主張。反戦映画を作った。大変な傑作と思うが、作品賞はとれなかった。
テキサス生まれの主人公は海兵隊で伝説と言われるスナイパー(狙撃手)として160人の敵を射殺する。しかしイラクに4回も出撃したクリスは心を次第に蝕まれてゆく。PTSDに同じく冒された元海兵隊員に殺されてしまう。
講演会の後の質疑応答の時間に格差問題とかピケティ理論をどう思いますか、と聞かれることが多くなった。私は日本くらい先進国の中で社会主義が徹底している国はない。格差なんて言っているだけで、現実にはヨソの国にくらべると大したことはありませんよ、と返事している。
なぜ?初任給とその会社の社長のサラリーとの格差が、欧米とケタ違いに少ないでしょう?質問者は中小企業の経営者が多いので、これでナットクする。これに相続税や所得税の海外に比べての高率も付け加えれば十分すぎる位だ。みんなこれでナットクする。
ピケティも超凄い金額の収入を取っているのはアングロサクソン系で日本などは統計を見ても大したことはない。映画の主人公クリス・カイルが「伝説」とまで称えられたが、現実には機械音に過敏になったように、民主党が格差問題でオニの首を取ったようにピケティを振りかざすのはどうかと思う。
格差を示す指数にジニ係数がある。低ければ低いほど格差は少ない。 OECD調べで31・4%。米国の35・7%、英国32・6%に比して低い。ただドイツ27・8、フランス27・3、スエーデン24・3に比較すれば高いが、お隣の中国は61%と推定されているのですゾ。また英エコノミスト2月14日号によるとクレディスイスが46カ国を調べたら最も裕福な10%の日本人が全体の富に占める比率はベルギーに次いで低かった。平等主義のノルウエー、スエーデンよりも低かった。
ついでに。西川、下村さらにーと大臣の政治資金問が出てきた。官僚が情報源。ついでに安倍さんやり過ぎ、との声も。私は反対の声が高まれば高まるほど安倍さんのやっていることは正しいと思っているから、そんな世論調査にはのるな、と言いたい。何てったって選挙で勝ってるんだから。
少々本題に入るのが遅くなったが、私の予想通り株価は日米ともに新値更新。原油安はまだまだ続くし、シェール革命もそう簡単にくたばるとは思えない。
日本はとくに日銀とGPIFの株価下支え要因が、外国人とくにH・Fマネジャーたちに強く意識されている。イエレンFRB議長の証言で今後少なくとも数カ月は利上げはない。ギリシャの金融支援延長も4か月の猶予期間を得た。欧州株は金融相場が続いているがそろそろ一巡の気配。やはり上っ放れた日本株を狙いたい、という声がNYから聞こえてきた。
木曜の200円高で相場の流れは明確化。しかし日銀のETF買いはこの2週間入っていない。信託銀行を通じた年金買いと外国人が主力。ただし個人投資家はまだ大して動いていない。
鉱工業生産指数も金曜発表の数字は前月比4%増といい数字だったし、円もジリ安。となると自動車がいい。私はトヨタを買いそこなったと口惜しがっているある社長に富士重工がまだ割安、と申し上げたが。自己責任で。
映画のセリフから。クリスは父から「世の中は悪いオオカミと弱いヒツジ、それを守ってやる番犬と三つある。オマエは番犬になれ。」と教育される。ここで必要なのは注意深い用心よりも目標に向かって走り、かみつく猛犬の勇気だろう。グッド・ラック!
トリビアをひとつ。クリスの葬式のシーンでラッパ手の吹くメロディはエンニオ・モリコーネ!そうクリントの出世作のマカロニ・ウエスタン映画の名曲だ。なつかしかったア。
さて、2015年4月の講演会の開催が決まりました。
私は4月中旬にアメリカに行って、現地のファンドマネージャーやアナリストから直接情報を聞いてきますので、その情報を帰国後すぐにお伝えできる機会がこの講演会です。
日時:2015年4月25日(土)
会場:ガーデンシティ御茶ノ水
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