映画「デビルズ・ノット」と解散・再増税延期と円・株(第749回
映画「デビルズ・ノット」と解散・再増税延期と円安株高(749回)
悪魔の結び目という意味の原題は「人為的には解きがたい事件の核心」の意。20年前アーカンソー州で起きた8歳の男の子三人の惨殺事件で、無実の十代の三人の若者が犯人に仕立てられてゆく。警察に弱みを握られ意向通りの証言をさせられる母子。不可解な証拠の紛失など。
主人公ロン(コリン・ファース)は私立探偵で死刑反対論者。弁護団に無償協力を申し出て問題点を洗い出してゆく。
「解きがたい事件の真相」という言葉で、今回の解散と消費増税延期のことを想い出した。
今週水曜日、政治に詳しいエコノミスト達との意見交換の機会があった。自民党の幹部ですら「びっくりしている」のだから、この真相について話題はふっとうした。
① 7日の読売新聞の一面に「解散、再増税延期」が出たのが初めて。へえ、そうなの。実はその前の晩、ナベツネ―安倍会談があった。なるほど。
② 17日に発表される7~9月期GDP速報。一般に2%台と言われているが、ある伝説的なエコノミストの推計ではたった0・8%。すぐ野党からアベノミクスの失敗を言われるのはイヤだから。ふーん。そうかも、ね。
③ しかし私は口に出して言われなかったが、財務官僚への安倍首相の反撃だろうと思っている。
5→8%の消費増税が決定されるまで。地方の選挙事務所の政治資金取扱いのスキャンダルは一件も表面化しなかった。これが先般の内閣改造以降急に小渕前大臣はじめトラブル続出。
このナゾは、2通りの解釈ができる。
第一は再増税に腰が引けた安倍内閣への財務官僚のおどし。第一次のとき安倍内閣の有力閣僚は農相が3階も更迭されるなど仕事にならなかった。
このおどし(ブラフ)に対し、「国民の支持」という大義名分を得るための解散、総選挙という解釈。
また第二の解散は、「再増税がすんでしまったら、チューインガムの噛みカスになってしまう、安倍政権が長期政権化するためには増税時期の先延ばしが有利」という計算。まあどっちでもいい。
多少は議席は減っても、今の野党とくに民主党が急増するとは思えない。過半数であることが変わらなければ、いい。
幸い、黒田バズーカ2と補正予算のおかげでG20でも、景気に対して努力してます、と胸を張って言えるし。
市場では相変わらずヘッジファンドの円売り日本株買いが止まらない。もちろん黒田バズーカ2とGPPIFである。
10月31日以前のバズーカ2以前のIMMの円売りはネットで6万7000枚。これが最新の11月11日には8万2500枚。
注目すべきは円買いが2万3000枚から4万7000枚に増加。売りが9万1000枚から12万9800枚に増え、売り買いともに増えていること。G20で円安へのけん制発言が出なければ、この円買い玉は減り円売り玉は増加。それはドル高容認と見られるから。あと二日。動静に注目したい。
円安は需給からも。外国証券をGPIFの運用体制見直しは三共済」(地方公務員、国家公務員、私学職員)合わせると21兆円。国内の機関投資家は生保中心か10兆円、ことに日本の貿易収支赤字は10兆円。これにミセス・ワタナベが加わる。
円安だけでなく、株高も。GPIFと三共済で11兆円の日本株買い。それに日銀はETFの従来の購入1兆円を3兆円に、REITを3000億円から9000億円にした。これなら株式市場の需給関係は、変わる。これにプラスして米国の対日投資ファンド「ウイズダムツリー」への巨大な資金流入がある。総選挙の結果を見て買いに入るだろう。
GPIFが買うであろう「JPX400」は相変わらずおすすめだ。
ウォールストリート・ジャーナル11月付けは「日本株に賭けるのが当然なのはなぜか」という記事で「恐らく2020年の東京オリンピックまで日本株は上昇を続ける」と予想した。「この予想がその通りの展開が、もし、ならなければ、それはこの予想は早すぎただけ、ということだ」とさえ述べている。いま1万2000円台のJPX400が、来年中に2万円になる、という予想は、手固過ぎるかもしれない。
映画のセリフから。ロンが言う。「三人の男の子が殺され、いま三人の容疑者に死刑が言い渡されようとしている。また三つの家族が息子を失うことになる」。QEⅢで米国の流動性は失われつつあるが、代わりに日銀の巨大は資金が市場に供給されようとしている。失うのでなく、市場への活力の賦与だ、時代は今や変わろうとしている。そこらを見間違わないようにしたい。
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