映画「華麗なるギャツビー」とFRBの出口戦略(だい680回)
映画「華麗なるギャッツビー」とFRBの出口戦略(第680回)
村上春樹訳で知られるフィッツジェラルドの名作の5回目の映画化。私はロバート・レッドフォード主演のを見たが、共演のミア・ファローがミスキャストで印象が薄い。今回はレオナルド・ディカプリオとキャリー・マリガン、それに語り手がとビー・マグアィアという適役。3Dで見たが、バズ・ラーマン監督の腕がいいので、今回が決定版になりそうだ。
時代は1922年。NYの近くのお屋敷町で超豪華なパーティを連夜開くナゾの男がギャッツビー。お隣に住む作家志望の男ニックはなぜか気に入られる。
パーティには、ギャッツビーがかつての恋人で今は人妻のディジーに、再会したいためだった。
ナゾの男ギャッツビーも、証券マンのニックも当時の大投資熱に乗っている。ギャッツビーは密造酒に絡んで儲けている。
入り組んだ長いお話しだが、主演ディカプリオの「華」で、みせる。
都会暮らしの退廃的な表面と、生まれ育った田舎町の道徳的価値観のギャップで、ギャッツビーは結局ディジーを失う。私は現在の世界中を揺るがしている米国金融緩和の「出口論」で、このギャップを感じた。
今週、6月18,19日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、バーナンキ議長がどんな話をするかに世界中が、カタズをのんでいる。
ある調査会社のレポートでは、全米のエコノミストの35%が、来る9月から「出口戦略」開始と見ているとか。早すぎるのでは。
QEⅢ縮小説の火元となったバーナンキ議長の5月の発言は、市場が勝手に過剰反応しただけ。FRBが目標としている失業率6・5%にはまだまだ。米国景気は消費堅調だが生産活動は鈍く、インフレの兆候も全くない。ちょっと考えれば、出口戦略はあり得ない。
また現在月間850億ドルの国債や住宅ローン債券の買い入れ規模が縮小されても、金融緩和はまだ続く。またゼロ金利解除は、ぐんと先だろう。
先日若林栄四氏のセミナーに出たら面白いことを言っておられた。
「要するに出口戦略は、これまで誰もやったことがない。一昔前は、コンピュータの2000年問題というのが騒がれ、やれ飛行機が墜落するゾとかミサイルが誤発射されるとか、ハルマゲドン説がまかり通った。だから現実に出口戦略が完了して、やはり何もなかったとわかるまで、市場は過剰に反応する」うーん、うまい例を引かれたと思う。
私はもうひとつ。QEⅠからⅢまでの責任者のバーナンキ議長が来年1月で恐らく退任。その後のイエレン副議長がうまくやるかどうかに不安感のもとがあると考えている。この女性は大変な秀才らしいし、学者だが実務経験に乏しい。バーナンキ議長よりも慎重派らしいのが救いだが。
結論。FOMCの直後の記者会見で、再び5月下旬のような市場へのショックは99%、ない。株式市場は好感するだろう。
ただし、円レートはひところヘッジファンドが持っていた「円安・日本株買い」の巻き戻しがまだ行われている。株よりも為替の方が動きが遅い。1ドル93円とか91円とかがチャート上は見える。
しかし中長期では再び1ドル100円以上、恐らく110円の円安ドル高になり、株価もひところのスピード違反の修正がすみ、もう値幅は十分であとは日柄だけ。巻き戻しの後どこかで再び「円安・日本株買い」のシナリオが復活するだろう。
映画のセリフから。ギャッツビーは言う。「過去はやはりやり直せるんだ」。ジム・オニールのシナリオは、5月23日で終わってしまったわけではない。
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