映画「藁の楯わらのたて」とこの上げ相場の本質(第674回)
映画「藁の楯」とこの上げ相場の本質(第674回)
「藁の楯わらのたて」はただ今ヒット中の三池崇史監督最新作。カンヌ映画祭コンペ部門の公式選出作品だ。大沢たかお、松嶋菜々子主演。犯人役に藤原竜也。
財界の大物の孫娘が変質者に惨殺された。犯人は8年前にも少女への暴行殺人で逮捕され出所したばかり。行方が分からない。
財界の大物はひそかに手をまわして、大手全国紙に全面広告が出る。「この男を殺してくれた人に10億円支払います」。人間のクズを殺せば10億円ーと日本中が殺気立つ。未遂者でも破格の厚遇。それならば。
福岡で自首した犯人を、48時間以内に東京の警視庁に移送しなければならない。SPによAる特別チームが編成され護送が始まるが、次から次へと賞金欲しさにあらゆる人が襲いかかってくる。そのサスペンスがこの映画のキモだ。
正直言って前半は快調なテンポで、先の読めないスリル満点だったが、後半ダレてしまった。松嶋がどう見ても日頃鍛錬しているSPらしくない。あまりお勧めしない。
常識では考えられない大手全国紙に全面広告のように、私の永い株式市場とのお付き合いでも、久しく見なかった強い相場だ。
日本個人投資家協会の木村喜由さんの4月30日付のレターをご紹介する。
木村さんはTOPIXをギャンアングルというテクニックで分析。このギャン理論というのは占星術と黄金分割など「一日均衡表の米国版」。若林栄四氏のペンタゴンチャートと近縁の関係。
日経225でなくTOPIXな×は連続性と、時価総額でバランスしている長所を認めたため。
木村さんは「1000ポイントは重要なフシ目だった」と。
その通りで、2009年以来何回も挑戦しては、跳ね返されたポイントで、3月10日近辺を木村さんは注目していた。ちなみに、TOPIXの1000ポイントは日経平均1万2000円にあたる。
現実には3月6日に1000ポイントをつけ、4月2日に一時的にこの水準を切ったが、おおむね続伸、1176まで上伸した。
「これで9年サイクルまで長期上昇トレンドに転換したことは確実」。つまり新値更新必至と木村さんは言う。
チャートからは93年6月以来「古今東西、これほど巨大な拡大パターンは見たことがない」と木村さん。
「いつかはわからないが、上昇パターンの起点1650。(日経平均なら1万9800円)へむかう。いずれは2007年の1823(日経平均2万1800円)を更新する」。
何とも物凄い強気である。
ただし、目先は目標達成感があるし、米国株が7月は要注意。素直に下がったら、押し目買い。
私は米国FRBと日銀が揃ってモーレツな金融緩和をしているのだから、1989年ほどゆかなくても2007年7月の1万8261円はあるのかな、と思い始めた。
FRBがQEⅢをいつやめるか、だが、バーナンキ議長、イエレン副議長は「労働市場の見通し改善」を資産購入縮小の条件にしている。
もちろん失業率とか新規失業保険申請件数、民間の非農業部門雇用者数などよく言われる統計もある。
しかしバーナンキ議長が最も頻繁に引用するのが失業期間、つまり失業者が新たな職を見つけるまでの平均週数である。これは永い間20週がピークだったのか2011年12月に40週。最近好転しているがいぜん35週。
このほか「u―6」失業率も改善しているがいぜん高水準。これはフルタイムで働く意欲はあってもパートで働かざるを得ない人、職探しを断念した人を含めたもの。2012年の17%より改善しているが、14%で過去の10%未満の水準に比べて高い。
少なくともこれらの数字が3か月つづけて改善しなければ「早ければ6月のFOMCで」という声もあるが、私は難しいと考えている。
ヘッジファンドの解約の期限が5月15日、5月19日には米連邦政府の債務上限が来る。悪い数字が出てショック安がなければいいが。
映画のセリフから。護送され裁判にかかったワルは本当に人間のクズで、死刑判決の後裁判長に聞かれる。「反省し後悔してます。こんな判決ならもっとワルいことをしとけばよかった、と」もっと株を買っておけばよかった、と何年か後に後悔しなければいいのだが。
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