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2013年2月25日 (月)

映画「王になった男」とTPPと円安株高(第664回)

映画「王になった男」とTPP円安・株高(第664回)

 韓国で800万人を動員した歴史フィクション。秀吉の侵攻が終わった後の時代に実在した光海君が主人公で、暗殺の危機にさらされていた王は道化師を影武者とする。イ・ビョンホンが二役を演じたが、暴君の本者と心優しい偽物を演じ分けて、面白い作品になった。一見お勧めする。

 当時の官廷は西人派という政治閥が支配し、本物は有毒な食品で15日間身動きが取れない重態に。そこで忠臣が影武者起用する。

 当時重税と残虐な刑罰で人民は苦しんでいたが、廷臣たちは勢力争いと贈収賄で全くその苦しみは考えない。影武者ははじめおびえていたが、そのうち権力の凄さに着目して王命で善政を始める。

 たとえば「大同法」という税法。一律に現物納付だったのを米に換算。また土地面積に応じて税額を算定する。地主階級の負担は増え、庶民は減税になる。また当時の中国は明王朝だが朝鮮半島近くは後金が支配しており、この双方に中立政策を歴史上初めて採用する。これは史実。

 重臣側はそこで毒殺とクーデターを計画、さあ、どうするか。

 不人気だった前大統領への批判ともとれる「人民のための政治」をテーマにした映画で、韓国国民はさぞ溜飲を下げたことだろう。大ヒットした背景だ。

 さて、安倍首相がオバマ大統領との会談を終えて帰国した。TPPへの参加が決まり、アベノミクスへの支持を改めて取り付けた。晩餐会が開かれなかったことを問題視する向きもあるが、トップ間の信頼感の形成に成功することの方が重要だ。訪米は成果があった。トップの政治の役割は大切だ。

 TPP参加が、恐らくシェールガスの対日輸出解禁との引き換えだった―と私は想像する。それでも自民党内の抵抗派を押し切って交渉できるメリットは大きい。

 たまたま円安が95円のフシ目直前で一休みしている。95円がつくと効力を発揮するオプションがかなり分厚いのだろう。95円がTPPという好材料で抜ければ、相当な株高につながる。今週の動きは十分に期待できる。主力は自動車株。これは不変だ。先週、0・4%と足踏みしたが、押し目買いに徹したい。

 円の対ドルレートの目標値を、ヘッジファンドが100円においていることはこのブログで何回もご紹介した。恐らく次のフシは97,8円だろう。そのあたりの日経平均は1万2000円を超えているものと想定している。

 日銀総裁人事も報道されている黒田東彦氏ならアベノミクス推進派で好感されるだろう。「通貨マフィア」で国際的にも名が売れているし。

 あまりにもわかりやすい上昇材料ばかりなの逆に気になる。

 ああそれなのに、である日本の銀行、信託銀行、損保皆売り越しが続き、信用取引と外国人の買いでの上昇が続いている。何というヘタな相場担当だろう!しかし信用買いは回転しているし外国人も千週連続買い超し14週。まだ上値を追う形だ。

 私は、曲り屋の「日本の機関投資家が買いに転じるまで、この上げは止まらないと考えている。で云っているのではない。経験から申し上げている。

映画のセリフから。偽物はいう。「国民のほうが、お前たち大臣のいう格式や前例より、ずっと、何倍も大切なのだぞ。わからないのか。」いい言葉じゃあないか。

 

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