映画「ゼロ・ダーク・サーティ」と新春で私が考えたこと(第658回)
映画「ゼロ・ダーク・サーティ」と新春で私が考えたこと(658回)
アカデミー賞を「アバター」と争って作品賞を獲得した「ハート・ロッカー」監督キャサリン・ビグローの最新作。2月公開予定だが試写会で観た。ゴールデングローブ賞主要4部門でノミネートされ、アカデミー賞候補。
題は軍の専門用語で「午前0時30分」を意味。特殊部隊ネイビーシールズが、オサマ・ビン・ラディンを襲撃した時刻を意味する。2011年5月1日のあの事件はオバマ再選につながる米国の勝利だったが、映画はビン・ラディン追跡の主役が、まだ20代のCIA分析官マヤだった意外な事実を中心に展開する。
マヤは「連絡員」を特定し、そこから隠れ家を突き止めてゆくが、アルカイダの方も簡単に尻尾を掴ませない。同僚は自爆テロで殺され、巨額の予算は成果が擧らない。しかし、マヤの執念で連絡員の使用車を特定してゆく。
あの911から11年もかかったビン・ラディン殺害までのCIAを中心とした米国政府は、失敗の連続。日本のデフレと円高の悪循環の歴史に、期間もよく似ている。
しかし、どんな闇夜も永遠に続くものではない。朝は必ず来る。
本屋を見ると「世界の終わり」的な刺激的な題をつけたものがズラリ。TVでもやれハイパーインフレだの預金封鎖だの、資産の海外逃避だのとオドカシが多い。バカな奴らだ。ここいらの心配があり得ないことは、若林栄四さんが新著「不連続の日本経済」に詳しく書き込んである。ご一読をお勧めする。要するにこれからの日本経済が、急激に低迷から繁栄の局面に展開してゆくことが大切である。
日経主催の新春景気討論会に出た。まだ出席者全員がシェールガス革命で米国も日本も大転換期に入りかけている認識に乏しい。為替も上限95円で85~90円が主流。株価も1万2000円。
私は為替市場での最大の勢力は今や2兆ドルを超えたヘッジファンドで、それを作戦面で支配しているのがジム・オニール氏と考えている。いうまでもなくBRICSの投資概念の創始者でまた定着させた人。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長だ。
この人が日本の総選挙最中の11月20日に「WE WANT ABE!」というレポートを発表。「3年以内に1ドル100円」と目標を述べて「円売り、日本株買い」を投資戦略として推奨した。
その後安倍政権が誕生!その直後の12月26日に「2年以内に100~120円」と修正した。この修正は重要と思う。
年末からの上昇相場に出遅れた向きも、今年と来年、円レートが100~120円なら輸出株は買いだ。
私はトヨタとホンダ、それにキャノンがこの相場の軸と考える。逆に手放すべきは海運、石油・石炭などデフレと円高期にトクした業種。証券業はその逆で、リフレと円安でトクをするので買い。
日経平均は下落する業種があるのでそんなには上がらない。しかし輸出株に投資した人には1万8000円ぐらいの上昇幅を実感するだろう。
ついでに機械株の「穴」を。ある著名アナリストに聞いたが、シェールガス革命関連を聞いたが①巴工業②帝国電機③新東工業。また「革命」以外ではホシザキ電気の冷凍冷蔵ショーケースの伸びに注目していた。私も大昔に機械業界を担当していたので、これから研究してみたい。少々早すぎるかもしれないが。
映画のセリフから。攻撃し最終決定する会議が開かれ、ビン・ラディンが目標の邸宅にいる確率を言う。60%二人、80%二人。マヤだけが「100%です!」と。成功は未来を確信することだ。
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