映画「ミッドナイト・イン・パリ」と株価見通しパートⅡ(第626回)
映画「ミッドナイト・イン・パリ」と株価の見通しパートⅡ(第626回)
巨匠ウッディ・アレン監督の最新作で、先日のアカデミー賞で最優秀脚本賞を獲得した秀作。
映画脚本家で処女小説の執筆に悪戦苦闘中のギルは、婚約者イネスとその裕福な両親とともにパリを訪問中。イネスの友人とバッタリ会うが肌が合わないで一人でパリ市中をうろつく。 夜の12時にアンティークカーが前に止まり、誘われるままに乗るとパーティ。何とそこは1920年代でコール・ポーター、スコット・フィッツジェラルド、ヘミングウエイなどと会う―。ロマンチックなファンタジー映画だ。
自分の小説の原稿を批評してもらいたいギルは、ヘミングウエイに頼むが、代わりにガートルード・スタインを紹介してもらう。そこには何とパブロ・ピカソがいて、愛人のアドリアナに一目ぼれ。ジルは婚約者とアドリアナの間でまた悩む。
先週私は6月4日の週に株価の底が入ると予想した。また4(月)発売の東洋経済「オール投資」最新号に掲載された私の株価測でも、世界の株式市場の同時底入れ、反転を主張した。このブログを執筆している6月8日夜、まだ市場ではおっかなびっくりの向きが多いが、飛んでもない。ここは絶対に強気だ。円高もこれから円安(ドル高)に。
これまでギリシャ危機を理由に、ユーロ離脱ハルマゲドンで売りに売りまくっていたヘッジファンドがもう弱気から180度転換する時期が来た。
ユーロの対ドル、先物売りが、5月29日現在で20万枚を超え、記録更新。そこに、予想していた通り「ドイツの転換」が見えてきた。
6月7日付ブルームバーグ「メルケル首相率いる与党CDUの経済審議会ラウク会長は『欧州の債務を救うための債務共有の案に同意しなくてはならないだろう』と述べ、政府内で支持が増えている」とした.ギリシャの選挙前という時期までピタリだ。
昨年メルケル首相が否定した案だが、ドイツの野党は賛成している。有名な5賢人委員会が作ったもの。ユーロ圏諸国の金準備を裏付けとして2兆3000億ユーロ(229兆円)の基金を設立する。各国のGDP60%を超過した債務をこの基金で「共同して連帯責任を負う。
この安が成立するのなら「リスク・オフ」シナリオはとりあえずガラガラと崩壊するのが、当然だ。
「リスク・オン」になれば、ニューヨーク株価が先導して東京株式市場も上げ相場に転換する。
6月4日の米国の5月雇用統計が悪かったのが底値の背景だが、失業保険の給付が5月12日に一部カットされたり、給付期間が短縮されたのが背景。これは大統領選挙を控えたオバマ政権が、6月以降の雇用改善を狙ってあえて行ったもの。7月早々の6月統計は自動車業界の積極的な雇用計画があり、かなり改善。株高材料になるのは目に見えている。
結論。9週間続いた株安もこれから反転、3月まで8週間続いた株高の再現になるだろう。
映画のセリフから。1920年代の良き古き時代にタイムスリップしたジルはゴーギャンやロートレックが1890年代のベルエポックを懐かしんで「昔は良かったが、現在はつらい」というのを聞いて驚く。結局、現代を生きなくてはならないことを悟る。「21世紀に生きてるんだね。」ヘッジファンドの作戦をよく読んで行動しなくては。
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