映画「おくりびと」と2012年の10サプライズ(第603回)
映画「おくりびと」と2012年のサプライズ(第603回)
あの黒沢明監督でも獲得できなかったアカデミー賞外国語映画賞、その前にモントリオール映画祭グランプリを。2008年瀧田洋二郎監督、つい先日も]TV放送されたので、ご覧になった方も多かろう。日本映画を代表する傑作だ。
原作青木新門「納棺夫日記」。本木雅弘が映画化の許可を取り、企画が始まったというが、まさに慧眼だった。物語は念願のチェロ奏者になった途端オーケストラが解散、巨額の借金を抱えて失業した男大悟の職探しから始まる。求人広告を見て、旅行代理店と思い面接に行くと、「旅」は実はあの世への旅。遺体を清め最後の別れを演出する納棺師の仕事だった。
映画で私は初めて古式納棺の儀を見たが、きりっとした本木雅弘の演技で見せ場になっている。動きにムダがなくまことに美しい。
1年が終わり、新しい1年が始まった。人間の一生に必ず終わりがあるように、この年もまた次の年に受け継がれる。年初の予想は年末には当たり、はずれが明らかになるが、また新年には次の予想が始まる。
毎年、市場では予想されていないが自分は50%以上の可能あり、というサプライズを10発表しているバイロン・ウィーン氏の2012年版が発表された。
2011年は「当たり」が三つ、「外れ」が二つ、あと五つはまあ半分的中。ここ10年ぐらいの平均的中率は70%と高かったがー。
① シェール・オイルとガスの採掘で原油安。バーレル85ドル。米国の中東依存度減少。
② 米国株。企業収益上昇でS&P500は1400ポイントを超える。11%の上昇を見込む。
③ 米国経済の成長率は3%を超え、原油安や設備投資増で消費も上昇。失業率8%以下。
④ 大統領選はオバマ対ロムニー。民主党は下院で勝利するが上院では敗北。
⑤ 欧州は銀行のメルトダウンは回避するが、ソブリン危機の解決に広範な計画を作成。ギリシャとイタリアが債務再編。欧州経済全体は縮小。
⑥ 東欧やアジアのハッカーが主要金融機関を攻撃し、G20で対策協議。
⑦ スカンジナビア、豪州、シンガポール、韓国など「自国経済を賢明に管理している国」の通貨は、買い。
⑧ 米議会が今後10年間で1兆2000億ドルの財政赤字削減を決め、国防費やメディケアのコスト削減。またブッシュ減税の税控除はカット。
⑨ アラブの春は続き、シリアのアサド大統領は失脚。
⑩ 中国、インド、ブラジルの株価は15~20%上昇。
このほか、ウィーン氏はオマケとして①金価格は年平均でオンス1800ドルへ②米国の過剰な住宅在庫は解消③米国国債金利は4%などなど。まあ全体として現在主流の破滅シナリオはとらず、急回復を見込んでいる。
この人はブラックストーン・グループの副会長。昨年の予想で強気に見すぎたのが外れたので、今年の楽観的予想が当たるか、どうか。
映画のセリフから。大悟が見たチラシは「年齢問わず。高給保証!実質労働時間わずか。旅のお手伝い。NKエージェント!!」。
そこで面接。「どんな仕事をすればー」。「納棺」「のーかん?」「ああこの広告、誤植だな。“旅のお手伝い”じゃなく、安らかな“旅立ちのお手伝い”で、NKは納棺のNK」。まあこのあたりで観客は笑う。ユーモアはこの映画の特色だ。
見込みと違っても割り切って新しい人生に挑戦し生きがいをつかんだ大悟。何かのヒントになりはしないか。
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