映画「ゴッドフアーザー」と最近の変化(第598回)
映画「ゴッドファーザー」と最近の変化
「ジョーズ」「タイタニック」と続いた誰でも知っている映画路線でこのコラムを書き始めたら、いろんな方からリクエストが来た。ヒッチコックの「めまい」、成瀬巳喜男の「浮雲」、木下恵介の「二十四の瞳」などなど。どうぞご要望があればお寄せください。出来るだけ書きますから。
今回の「ゴッドファーザー」は72年の第1作の大ヒットのあと、2年目に「PARTⅡ」が作られ、それから16年で「Ⅲ」。物語の時代も20世紀初頭から80年も続く。
第1作はアカデミー賞を3部門も獲得し、超大ヒット。マーロン・ブランドのしわがれ声とほほの含み綿は、今でも米国のパーティの素人芸で大ウケする。
物語はマフィアの抗争だが、ある家庭の歴史でもある。第一部ではドンが射たれて重傷を負い、三男マイケルのアル・パチーノが復讐に出かけて二人を射殺するシーン。ドンが死んだあとマイケルが代を継ぎ、ツブしに来た大物たちを一斉に暗殺して次のゴッドファーザーになる。ここいらの緊迫感はコッポラ監督のウデで、すごい迫力に出来上がっていた。
PARTⅡの方が私は好きだ。第1作で家族を守ろうとした組織の首領が、組織を守ろうとするために結局家族の幸せを奪ってしまう。裏切り者の次兄を殺した後の冷え冷えとした孤独感が幕切れだった。ギリシャ悲劇をおもわせた。
つまりギャング組織を維持拡大する努力と、家族を守ろうとする気持ちとは両立しない。そこらがPARTⅡの主題だった。
主要中央銀行6行の協調緊急ドル融資でNYダウは先週7・4%上昇。ショートカバーが大幅高の背景だった。
この反発は永続きしないだろう。リーマン・ショックの2008年10月14日にも主要国中央銀行のドル供給上限撤廃つまり流動性供給のニュースで反発した。しかし2009年3月まで結局株安は続いた。
今回も同じ。白川日銀総裁が言う通り「時間をかせぐ」効果にとどまり、恐らくどこかの金融機関の倒産と国有化まで株安は続くだろう。
ただ、前回と違うところはある。大ありだ。
リーマン・ショックの時に世界的な流動性不足で決済機能まで大混乱。今回はユーロ圏での危機にとどまり、米、EUの金融は超緩和だ。
ただし、ユーロ圏の信用不安をなくす決定的な打開策は、まだ見えていない。ドイツが嫌がっているユーロ共同債やECBによる保証でも決まればいいが、IMFやEFSF(欧州金融安定基金)による融資といっても、融資幅に限度があるからだ。
「ゴッドファーザー」では麻薬をあつかったらというギャングのソロッツォの申し入れをドンは断る。これでバルジーニという大物が介入してきて、後継者マイケルは苦しむことになる。
私はユーロの危機に前後して米国の財政赤字危機が発生し、8月の米国債格下げショックの2回目が起きると考えている。だから国際的複合危機が2012年前半に起こり、これで世界的株安、ドル安。
ただし、日銀がようやく大量な市場への資金供給を始めた。これが朗報だ。11月の季節調整済みマネタリーベースの増加率はプラス41・2%。日銀がドル買い介入した資金を市中に放出した成果だ。まだ1か月では何とも言えないがデフレ脱出のために不可欠の政策、うれしい限りだ。
PARTⅢのセリフから。マイケルが甥のヴィンセントに教訓を垂れる。「目を開け、口を開くな。」そうだ、そうだ。
もう一つ。「友情と金は水と油だ。」どうぞよーくお読みになって、私の真意をおくみとりください。
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