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2017年12月 4日 (月)

映画「泥棒役者」とHFの売りと中国・サウジ・北のミサイル(第888回)

映画「泥棒役者」とHFの売りと中国・サウジ・北のミサイル(第888回) 2017・12・3


 世評が高いので見たら、儲けものの一作。安田征史という監督は知らなかったが、自身の舞台を映画化しただけに、よく練れたセリフのやり取りだ。主演の丸山龍平は関ジャニ∞のスターだそうだ。周囲は若い女性ばかり。82歳のジイさんなんて私だけ。でも私は大笑いを何べんもした。まわりからはクスクス笑いが続いた。コメディ好きの方はどうぞ。

 

 

 主人公はじめは金庫破りの名人だった過去がある溶接工で、いまは足を洗って優しい恋人と幸せな日々。そこへ昔の泥棒仲間が現れ、恋人に過去をバラすぞ、と脅されて、いやいやながら豪邸に忍び込む。絵本作家前園俊太郎の屋敷だ。

 主人の前園からは編集者に間違えられ、女性編集者やセールスマンには主人に間違えられてしまう。その都度ウソをついて各人物らしく振舞ってごまかすのだが、次第次第にウソがウソを呼んでゆく。いつバレるかのスリルと主人公の成長物語でもあり、ここいらが楽しめる。

 

 いまの世界はアチコチで恐ろしい話ばかり。第一はつい先日の中国の上海株式と債券市場の大幅安、これで中国で取り付け騒ぎ発生まで一部で懸念された。中国崩壊論、だ。

 第二はサウジでの内紛。王族を高級ホテルに監禁して資産を国庫に納入させるという荒ワザを進行させている。

 第三は北朝鮮。ミサイル発射でTVでは「北」専門家が、これで日本も米国も核攻撃されうるとしたり顔で警告している。誰だって不安になるというものだ。

 それに加えて、やれ西暦7のつく年はブラックマンデーを含め暴落があるものだ、とか、西洋占星術で年末は危ない、とか。海外投資家が11月中旬に買い越しから売り越しに転じたことまで不安材料になる。

 

 たしかに中国は、どんどん膨れ上がる公的・民間債務が将来、バーストするリスクを持つ。上海株の下落はそのリスクを改めて感じさせた。

 しかし、なんといってもあの体制だからなあ。ごまかし続ける可能性はゼロじゃない。

 私は、老齢化が進むあの国は、年金は都市部しかないし、町医者はいない。一人っ子は将来数人のお年寄りを支えなくてはならない。その対策がないことこそ大問題、と考える。

 

 サウジの件は、分かりません、と申し上げるしかない。ごく目先は財政赤字が没収資金で埋まったので、米国債券の売りが出なくなったし、日本株に多少出ていた売りも止まったと思う。

 

 「北」の件は、今のあの国の技術では核攻撃はできない。核弾頭を発射しても大気圏に再突入するときに高熱で溶けて消滅してしまい地上に落下するときに金属の塊になってしまう。

 従って「北」がICBMが成立しても通常のミサイル攻撃を米国本土に直接できる、ということだけ。TVで「北」専門家が言っているのは、ヒトさまを怖がらせるため、としか思えない。

 

 12月末日決算のヘッジファンドは「45日ルール」で11月中旬までに顧客は解約を申し出なくてはならない。この売りで短期的な調整が起こる。映画で、いくつもの誤解が重なったのが解けていったように、株式市場の上下は結局、需給関係が決め手になる。

 

 それよりも何よりも、永久国債を主張している中原伸之さんの意見を11月26日に日経がまた取り上げ、朝日新聞は28日に掲載した。はっきりと、次の大材料が見えて来つつある。

 

 2万3000円を付けた後の目先の調整は終わり、あとはこのコラムで強調してきた真空地帯を駆け上がるだけ。クリスマスセールに伴うNY株高と一緒に東京株式市場も上昇するだろう。NYの上昇スピード違反は確かなので、一服する日はあるだろうが。

 

 唯一の懸念はやはり金正恩だ。経済制裁が効いていることは確かだが、決して苦しいからお願いしますという姿勢はとらない。だから今回のミサイル発射による威嚇になった。万一、交渉への拒絶姿勢が示されるとしたら、平昌五輪へのボイコット又は平昌パラリンピック(参加を表明している)への出場キャンセルではっきりする。

 五輪は2月9日から25日、パラリンピックは3月9日から18日。これを過ぎたら、事態は緊迫化する可能性はある。

 

 映画の中で大ベストセラーだった絵本の「タマとミキ」のネコの決めセリフ「まだ終わっていないニャー」。作家が死んだ妻の気持ちがわからなかったが、主人公がこの題を逆に読んだらと提案。ナゾはとける。この上げ相場はそう簡単に終わりになりません。断言します。

 

 なお、このブログの次回は一回だけお休みさせて頂きます。スミマセン。


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